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しあわせの帰る場所 Fireflies in the Garden (2008)

母の死をきっかけに父との確執について向き合う作家と家族の再生を描く、主演ライアン・レイノルズウィレム・デフォーエミリー・ワトソンキャリー=アン・モスジュリア・ロバーツヨアン・グリフィズ他共演、監督、脚本デニス・リーによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:デニス・リー

製作
マルコ・ウェバー
ヴァネッサ・コイフマン
シュキー・チュウ
製作総指揮
ジェリー・ハウスファター
ミルトン・リュウ
脚本:デニス・リー
撮影:ダニエル・モダー
編集
デデ・アレン
ロバート・ブレイキー
音楽:ハビエル・ナバレテ

出演
マイケル・テイラー:ライアン・レイノルズ
チャールズ・テイラー:ウィレム・デフォー
ジェーン・ローレンス:エミリー・ワトソン
ケリー・ハンソン:キャリー=アン・モス
リサ・テイラー:ジュリア・ロバーツ
ジェーン・ローレンス(少年期):ヘイデン・パネッティーア
アディソン・ウェスリー:ヨアン・グリフィズ
ライン・テイラー:シャノン・ルシオ
マイケル・テイラー(少女期):ケイデン・ボイド
ジミー・ローレンス:ジョージ・ニューバーン
クリストファー・ローレンス:チェイス・エリソン
レスリー・ローレンス:ブルックリン・プルー

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2008年製作 98分
公開
北米:2011年10月14日
日本:未公開
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $70,600
世界 $3,393,160


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
カリフォルニア州、ラークシュプール
英文学の教授であるチャールズ・テイラー(ウィレム・デフォー)は、妻のリサ(ジュリア・ロバーツ)と息子のマイケル(ケイデン・ボイド)と共に、義妹を迎えに行くために雨の中、車で空港に向かう。

マイケルに厳しいチャールズは、車の中で延々と小言を言って、不満そうな息子を降ろして、歩いて家に帰らせようとする。

意見するリサと言い争いになったチャールズは、マイケルが降りたために車を出す。

チャールズとの生活に限界を感じたマイケルは、叫び声をあげて走って家に帰る。
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作家として成功したマイケル(ライアン・レイノルズ)は、母リサの大学の卒業式のために帰郷しようとするが、未だに父チャールズとの溝は埋められなかった。
...全てを見る(結末あり)

空港に迎えに来た大学生の妹ライン(シャノン・ルシオ)との再会を喜ぶマイケルは、アルコール依存症の妻ケリーと別れたことは知らせずに、ニューヨークの家に来たいと言うラインに歓迎すると伝える。

リサの妹ジェーン・ローレンス(エミリー・ワトソン)は、迎えに来るチャールズとリサを待っていた。

庭で野球をしていたジェーンの息子クリストファー(チェイス・エリソン)は、妹のレスリー(ブルックリン・プルー)が打った球が道路に出たために飛び出す。

それを避けようとしたチャールズは、電柱に衝突してしまう。

ジェーンから事故の知らせがあったラインは、現場に急行する。

ドレスがシワになるためにシートベルトをしていなかった母リサの死を知ったラインは、取り乱して泣き崩れ、ジェーンが彼女を落ち着かせる。

その様子を車の中から見ていたマイケルは、救急車に運ばれるチャールズを確認する。
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鍵を持っていなかったために家に入れなかったマイケルは、外で震えながら待っていた。

そこにジェーン(ヘイデン・パネッティーア)を連れたチャールズとリサが戻り、マイケルは、凍えていた自分を心配する母から、ジェーンがひと夏、家で過ごすことを知らされる。

父チャールズのことが嫌いだと言うマイケルに、愛されていると伝えたリサは、ストレスがたまっていたのだろうと話し、本も完成したので今後は大丈夫だと伝える。

食事になり、チャールズを嫌うジェーンは、この家のルールに従うようにと言われる。

そのルールのリストをマイケルに作らせたチャールズは、それをジェーンに渡すよう指示する。

チャールズに呼び止められたマイケルは、字が上手だと褒められる。

それをジェーンに渡したマイケルは、彼女が下着姿だったために動揺する。
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治療を受けて入院したチャールズは、事故のことで自分を責める。

マイケルのことを気にするチャールズは、身の回りのことを済ませていると言われる。

病室の外にいたマイケルは、自分が育った場所であり、今はジェーンの家族が住む家に向かい、彼女の夫のジミー(ジョージ・ニューバーン)に歓迎される。

そこにあった自分が送った小説の原稿に気づいたマイケルは、ジミーからこれから読むと言われる。

クリストファーの部屋に向かったマイケルは、屋根の上で悲しんでいるクリストファーと話し、自分が問題児だったと母から聞いていると言われる。

悪いことは母のジェーンから全て教わったと言われたクリストファーは、マイケルから特別な釣りの仕方を教えると言われ、彼と出かける。

二人は川に向かい、チーズを使って魚を誘き寄せる。

家に戻ったジェーンは、母を亡くしたラインを慰める。

暫くするとレスリーが現れてクリストファーと喧嘩を始めたため、マイケルがそれを制止する。

クリストファーとレスリーがいないことに気づいたジェーンは、ジミーから、チーズと虫取り網を持ってマイケルと出かけたと言われる。

戻ってきたマイケルを責めるジェーンは、連れて行ったことを非難しているのではなく、子供達に嘘をつかせたことが悪いと伝える。

その件を謝罪したマイケルは、かつて親友だったジェーンと抱き合う。

その後、教会に向かったマイケルは、母の死を悲しみ涙する。

翌日、リサの葬儀が行われ、車に残ったままのクリストファーは自分を責める。

会食の席で、自分の著書を批評した大学教授のアディソン・ウェスリー(ヨアン・グリフィズ)から声をかけられたマイケルは、彼がチャールズの同僚でり、リサが最も優秀な学生だったと知らされる。

そこに妻のケリー・ハンソン(キャリー=アン・モス)が現れ、それに気づいたマイケルは屋根に向か、現れた彼女と話す。

指輪をしていたマイケルは、面倒だったのではめていたと伝え、禁酒して2か月半だと話すケリーに嫌味を言ってしまう。

来るべきではなかったと言うケリーだったが、マイケルとその場で愛し合う。

チャールズは葬儀に参列してくれた人々に挨拶し、ジェーンやラインは、マイケルが二階でケリーと愛し合っていることに気づく。

その夜の食事の席で、葬儀の前日に釣りに行き、当日は身なりも整えないマイケルを不謹慎だと言って批判したチャールズは、何も反省しない彼に憤慨する。

葬儀の日くらいいい加減にしてほしいとジェーンから言われて落ち着いたチャールズは、ラインとリサの遺品の整理をしてほしいとマイケルに伝える。

遺品は慈善団体に寄付すると言われたマイケルは、それを承知する。

出張のついでにジミーに送ってもらうチャールズは、食事で怖がらせたことをレスリーに謝罪してジェーンに感謝し、その場にあったマイケルの原稿を持ち帰る。

ケリーに連絡してくれたことをジェーンに感謝したマイケルは、彼女は幸せにしてくれる相手だと言われる。

クリストファーのことを気にするマイケルは、一睡もせずに抜け殻のようだとジェーンから知らされる。

原稿を読んだかと言われたジェーンは、あれを読めばラインアや子供達、そしてジミーも全てを知ってしまうことになるとマイケルに伝える。

それが何か分からないマイケルは、呼びに来た子供達と共に外のホタルを見に行く。
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自作の”庭のホタル”という詩を同僚達の前でマイケルに朗読させたチャールズは、それが”ロバート・フロスト”の詩を引用しただけであったために驚く。

マイケルをガレージに連れて行ったチャールズは激怒し、自作でない詩を朗読した理由を訊き、罰を与える。

両手にペンキの缶を持たされたマイケルは、手を平行にした状態を維持するようにとチャールズに言われて耐える。

それに気づいたリサはガレージに向かい、チャールズがマイケルを許した後で、息子を慰める。

部屋に閉じこもるマイケルに食事を運んだリサは、生まれてくる弟のことを心配してくれる彼にお腹に触らせる。

妹かもしれないと言われたリサは、男の子の気がすると伝えて、二人で名前を考える。

”マックス”にしたいと言うリサに、生理用品みたいだと伝えたマイケルは、”ライン”がいいと伝えて気に入られる。

現れたジェーンから、チャールズに何をされたのかを訊かれたマイケルは、彼女を迷惑に思う。

食事を一口食べたら戻ると言われたマイケルはできないと答え、腕が動かないとジェーンに伝える。

マイケルに食事を食べさせてあげたジェーンは、彼を釣りに誘う。
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警察の事情聴取を受けたチャールズは、リサの卒業式に向かおうとしていた際、クリストファーに気づいてハンドルを切り、電柱に激突したことを警官に話し、シートベルトをさせなかった自分のせいだと伝える。

そこに、マイケルとケリー、そしてラインが現れ、チャールズは昼寝をすると言って二階に向かう。

リサの遺品を整理し始めたラインは、父が散財しないように母が現金を隠していたとマイケルとケリーに伝え、それを探そうとする。

クローゼットを調べたマイケルは、毎月の高額の電話料金の請求書や法律事務所からリサ宛の親展の封筒などを見つける。

目覚めたチャールズは、リサは何でもとっておいたとマイケルに伝える。

ジェーンから聞いたと言って新作のことを尋ねたチャールズは、いつもと違う感じであることを確認し、内容を訊かれたマイケルは、読んでみてほしいと伝える。

自分達の関係について、昔からこうだったのか尋ねたマイケルは、チャールズから、覚えていないと言われる。

その後、電話の請求書をチェックし母が度々かけていた番号に電話をしたマイケルは、相手が分かり驚き憤慨する。

大学のキャンパスに向かったマイケルは、アディソンを誘ってダイナーに向かい、母とどこで会っていたかを尋ねる。

モーテルだと言われたマイケルは、アディソンが母を愛していたことを確認する。

何年付き合っていたかを訊かれたアディソンは3年間だと答え、一番、印象深いのはリサの目だと伝える。

持参した封筒の中身を見せたマイケルは、母が卒業後に離婚するつもりだったことをアディソンに知らせる。

謝罪されたマイケルは、その必要はないと言って、母を幸せにしてくれたとアディソンに伝えて感謝する。

その後も落ち込んでいるクリストファーにカウンセリングを受けさせようとしたジェーンとジミーだったが、クリストファーはそれを拒未家を飛び出してしまう。
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当初はギクシャクしていた関係のジェーンを、マイケルは次第に受け入れて、二人は親交を深めるようになる。

そんなある日、チャールズの浮気が発覚し、彼を責めるリサはマイケルとジェーンを連れて出て行こうとする。

それを阻止しようとしたチャールズは、バットを握ったマイケルから殺すと言われる。

バットを振り落としたチャールズにマイケルは襲い掛かり、リサに制止される。

大嫌いだと言って父を罵るマイケルは、死ねばいいと叫びながら走り去る。
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走っているクリストファーを見かけたマイケルは、車を降りて彼を追い、小麦畑で捕まえる。

マイケルは、リサを殺してしまったことで自分を責めるクリストファーに、君のせいじゃないと言い聞かせる。

歩いて帰るとマイケルに伝えたクリストファーは、念のためだと言われて渡された携帯電話を投げ捨ててしまう。

4時間経ってもクリストファーが戻らないために、皆と共に捜しに行くことにしたジェーンは、息子を小麦畑に置き去りにしたマイケルを非難する。
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家に戻ったマイケルと話をしたチャールズは、我が家はこれから大きく変わると伝える。

自分が変わると言うチャールズは、それを信じてくれたマイケルに、努力すると伝える。

おやすみと言ってくれたチャールズが去った後、マイケルもパパお休みと呟く。
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留守番をしていたマイケルはレスリーと話し、腕時計の数字が並ぶ時間にリサを想い出して”愛している”と言ってあげれば、いつまでも覚えていられると伝える。

リサは写真を撮られるのが嫌いだったと言うマイケルは、だから映像は何も残っていないとレスリーに話す。

それを陰で聞いていたチャールズは、松葉づえを使っていたため、レスリーに上に階についてきて欲しいと頼む。

自分が行くと言うマイケルに、下でクリストファーを待つようにとチャールズは指示する。

タバコを吸うために外に出たマイケルは、クリストファーの居場所に気づく。

ケリーと共にクリストファーを捜すものの、息子を見つけられないジェーンの心配は募る。

マイケルからの電話を受けたジェーンは、クリストファーを見つけたと言われて現場に向かう。

レスリーを屋根裏部屋に連れて行ったチャールズは、あるバッグの中身を見せる。

ケリーから妊娠したことを知らされたジェーンは喜び、マイケルには知らせていないと言われる。

クリストファーとリサの墓にいたマイケルは、ジェーンらを到着を待つ。

墓地に着いたジェーンとジミーは、無事だったクリストファーを抱きしめる。

戻った家族に、昔、撮ったフィルムを見せたチャールズは、マイケルの誕生日の幸せそうな自分達を見る、皆の微笑む姿に満足する。

その夜、クリストファーは熟睡することができる。

マイケルは、法律事務所の書類や小説の原稿を暖炉で燃やす。

翌日、ジェーンは、ケリーを気遣い荷物を積み込むマイケルの様子で、彼が妊娠を知ったことに気づく。

手が荒れることを嫌っていたリサの話をジェーンとしたことを覚えていたマイケルは、彼女に食器洗い用の手袋をプレゼントする。

マイケルに促されたケリーは、妊娠していることを皆に発表する。

祖父になる感想をマイケルから訊かれたチャールズは、リサがいれば彼女を幸せにできたと話す。

マイケルから、母は幸せだったと言われたチャールズは、新作が出版されたら送って欲しいと伝える。

あの原稿は出版しないと言われたチャールズは、今度はいつ来るのかマイケルに尋ねる。

直ぐに来ると伝えたマイケルは、チャールズと握手して皆に別れを告げる。

ラインの運転で空港に向かうマイケルとケリーは、生まれてくる子供の名前の話になる。

男の子なら”マックス”にすると言うマイケルはケリーから理由を訊かれ、母が喜ぶと思うと答える。

ケリーは”マックス”が気に入る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
カリフォルニア州、ラークシュプール
成功している作家のマイケル・テイラーは、母リサの大学の卒業式のために帰郷する。
大学教授の父チャールズに厳しく育てられたマイケルは、父を嫌い、その溝は埋まらないままだった。
卒業式に向かうチャールズは、リサの妹ジェーンの息子クリストファーが道路に飛び出したために、それを避けようとして電柱に激突してしまう。
同乗していたリサは死亡し、空港に迎えに来た妹のラインと共にその知らせを受けたマイケルは事故現場に向かい、母の死と父が無事だったことを知る。
悲しみの中で葬儀は行われ、別れた妻ケリーとラインと共に、リサの遺品の整理をチャールズから頼まれたマイケルは、母のある秘密を知ってしまう・・・。
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幼い頃に受けた父親からに仕打ち、それにより埋められなかった溝、母の死をきっかけにそれに向かい合う青年と、家族の再生までを描くドラマ。

自立を考えていた母親が、予期せぬ死ではあるものの、その死により、父親と息子の確執の解消の手助けをして、天国から家族を見守っているような雰囲気で展開する物語。

厳格とは言え、ほとんど虐待に思える父親の息子に対する行為や、死後に明らかになった母親の秘密が”浮気”だったという内容など、押しつけがましい脚本が個人的にやや違和感を感じる。

主人公と従姉の関係に深い何かがあったように思わせているところや、その従姉の生い立ちなどがはっきりと描かれていないのも、いいキャラクターだったために微妙に消化不良的に思える。

実力派スター豪華共演のキャスティング、その確かな演技、家族の再生に向けて盛り上がる終盤などが見どころの作品ではあるが、拡大公開もされずに商業的には成功しなかった。

本作の撮影は2007年だったために、主演のライアン・レイノルズはまだブレイクする前の時期ではあるが、父との確執、そしてその関係に向き合おうとする青年を好演している。

主人公に厳しく接する大学教授である父親ウィレム・デフォー、主人公の理解者でもある従姉を印象深く演ずるエミリー・ワトソン、その少女期ヘイデン・パネッティーア、主人公と復縁することになる妻キャリー=アン・モス、主人公を優しく見守る母親ジュリア・ロバーツ、彼女と関係を持っていた大学教授のヨアン・グリフィズ、主人公の妹シャノン・ルシオ、主人公の少年期ケイデン・ボイド、ジェーン(エミリー・ワトソン)の夫ジョージ・ニューバーン、その息子チェイス・エリソン、その妹ブルックリン・プルーなどが共演している。


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