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FEAR X フィアー・エックス Fear X (2003)

妻を殺した犯人を追う警備員の執念と絶望の日々を描く、監督、脚本ニコラス・ウィンディング・レフン、主演ジョン・タートゥーロデボラ・カーラ・アンガージェームズ・レマースティーヴン・マッキンタイア他共演の心理スリラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
製作:ヘンリク・ダンストループ
脚本
ニコラス・ウィンディング・レフン
ヒューバート・セルビーJr.
撮影:ラリー・スミス
編集:アンネ・オーステルード
音楽
ブライアン・イーノ
ディーン・ランドン
J・ピーター・シュウォーム

出演
ハリー・ケイン:ジョン・タートゥーロ
ケイト:デボラ・カーラ・アンガー
フィル:スティーヴン・マッキンタイア
ローレンス捜査官:ウィリアム・アレン・ヤング
エド:ユージーン・M・デイヴィス
警官:マーク・ホフトン
クレア・ケイン:ジャクリーン・ラメル
ピーター・ノースロップ:ジェームズ・レマー
売春婦:アマンダ・オームス

デンマーク/カナダ/イギリス/ブラジル 映画
配給 ライオンズゲート
2003年製作 91分
公開
北米:2005年1月28日
日本:2015年1月27日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ウィスコンシン州。
ショッピングモールの警備員であるハリー・ケイン(ジョン・タートゥーロ)は、その場で起きた事件に巻き込まれて妻クレア(ジャクリーン・ラメル)が死亡したため、失意の日々を送っていた。

ハリーは、クレアが向かいの家に向かう幻覚を見る。

常にモール内の様子を監視するハリーは、違法と知りながら、同僚のフィル(スティーヴン・マッキンタイア)から監視カメラの映像テープを借りて、自宅でそれをチェックして不審者を探すのが日課となっていた。

リストアップした人物の写真と情報を常に携帯し、職場で見回りを続けるハリーは、辛いことも乗り越えられると上司から励まされる。
...全てを見る(結末あり)

毎晩、テレビの前でビデオをチェックするハリーは、クレアから妊娠したことを知らせれ、共に喜んだ時のことなどを思い出す。

そんなハリーは、警察から情報があるという連絡を受けてホテルに向かう。

ローレンス捜査官(ウィリアム・アレン・ヤング)と話をしたハリーは、夫婦で政治活動などをしていたことがあるかを訊かれ、それを否定する。

ドラッグの経験も否定したハリーは、ローレンスから、単なる質問だと言われる。

クレアの出身地がサンフランシスコであることを知ったローレンスは、この町に来た理由は静かな暮らしをしたかったためだと言われ、ハリーに彼女との出会いを尋ねる。

7年前に知り合ったと話すハリーは、クレアがその前に事件を起こした可能性があるかを訊かれ、分からないと答える。

ある男のぼやけた写真を見せられたハリーは、知らない人物だと言って、クレアが知っていたかどうかは分からないとローレンスに伝える。

その男が犯人だと言われたハリーは、クレアと彼が関係している可能性をローレンスから指摘される。

ハリーは、妊娠を祝った旅行先で、クレアが犯人に会ったかもしれないとも言われる。

その後、フィルを訪ねたハリーは警官に呼ばれて犯人の写真を見せられたことを話し、その男がクレアと知り合いかもしれないと伝える。

フィルからビデオを渡されたハリーは、発砲の瞬間が映っていると言われる。

帰宅したハリーは、クレアが射殺される映像を繰り返し見てチェックする。

翌日、不動産業者に電話をしたハリーは、向かいの家に引っ越しを考えていると伝える。

借主がいると言われたハリーは、数年先まで団体契約が結ばれていることを知る。

向かいの家に向かったハリーは、誰もいないことを確認して侵入する。

内部を調べたハリーは、写真のネガを見つける。

明かりが点いたために不思議に思ったハリーは、タイマーがセットしてあることに気づく。

ネガを現像して写真をチェックしたハリーは、身元不明の男やモンタナ州の”ハイウェイ200”という看板、”スティーヴ&ニッキー”というレストランで写る女性と少年を確認して、その場に電話をする。

レストランの住所と最寄りの町がモリストンだと知ったハリーは驚き、その場に行くことをフィルに伝える。

モリストンにはクレアと行ったことがあるため、ハリーはその場に犯人がいると考える。

警察に連絡することをフィルから勧められたハリーは、自分で見つけることはできると言って、クレアを殺した理由を知りたいだけだと伝える。

会えば殺したくなるとフィルから言われたハリーは、殺さないと答える。

モリストン。
ホテルに着いたハリーは、クレアとの思い出の部屋である305号室に宿泊する。

翌日、レストラン”スティーヴ&ニッキー”に向かったハリーは、ウエイトレスに写真を見せるものの、働き始めたばかりなので分からないと言われる。

写真を見たその場にいた警官(マーク・ホフトン)から、女性と会いたい理由を訊かれたハリーは、友人だと答える。

法に反することではないかと言われたハリーは、それを否定する。

それならば伝言を預かると伝えた警官は、その必要はないと言うハリーの滞在先などを訊く。

協力すると言う警官は、席を立ってその場を去る。

その連絡を受けた警官のピーター・ノースロップ(ジェームズ・レマー)は、妻のケイト(デボラ・カーラ・アンガー)をハリーが捜していることを知る。

そこにケイトが現れたため、ピーターは、子守に任せてあるという息子クインのことを心配する。

ケイトは、長年の勤務と功績により賞を受けるピーターの表彰式を見守る。

式は終わり、クインが心配なピーターは、ディナーの予約をしてあると言うケイトに、明日にすると伝える。

帰宅したピーターは、電話や訪問者がなかったかを子守に確認し、ハリーの宿泊先のホテルに電話をする。

エレベーターから降りた場所がどこなのか不明な夢を見たハリーは目覚め、電話を受けるものの無言だった。

警察署に電話をしたピーターは、ハリーのことを調べさせる。

クインに食事をさせていたケイトは、妹からの電話を受ける。

ハリー・ケインという男が自分を捜しているという電話があったことをピーターに伝えたケイトは、知り合いか訊かれたため、それを否定する。

自分も知らないと伝えたピーターは、ハリーの妻との関係を訊かれ、ケイトから、出張以来様子がおかしいと言われる。

誓って何もないと伝えたピーターは、愛していることをケイトに伝える。

真実を知りたいとケイトから言われたピーターは、電話を受けて署に向かうことを彼女に伝え、クインを妹に預けようとする。

家にいては危険だと察したケイトは、ピーターが何かをしたと考えるが、仕事に関することは話せないと言われる。

ハリーを知っていると言うピーターは、ある事件の関係者だと伝え、なぜケイトを捜しているのかは分からないと話す。

危険が迫ることを知ったケイトは、自分とクインは必ず守るとピーターから言われる。

現れた女性(アマンダ・オームス)から電話を貸してほしいと言われたハリーは、彼女が売春婦だと気づく。

ハリーが求めていないと知った女性は、その場を去る。

署長の元に向かったピーターは、ハリーがケイトを捜していると言って、彼が何かを知っていればこの場に来るはずだと伝える。

自分が殺した女性がクレア・ケインだと話すピーターは、現場にいたために彼女が巻き添えになったことを悔やむが、自分を責めるなと言われる。

社会悪である汚職警官を一人この世から消すために、仕方ない犠牲者だと署長から言われたピーターは、ハリーに仲間がいるか調べるよう指示される。

ラウンジにいたハリーは、ピーターからの電話を受け、捜している女性の友人で仲介を頼まれたと言われる。

503号室で待っていると言われたハリーは、その部屋に向かいピーターに迎えられる。

写真を見せてほしいと伝えたピーターは、それがケイトとクインであることを確認する。

女性は自宅で待っているというピーターは、ハリーから、捜している人物と知り合いだと思う彼女と話したいと言われる。

その人物は誰かと訊かれたハリーは、妻が殺された理由を知る者だと答える。

仲間のことを訊かれ、いないと答えたハリーは、妻が殺された理由を知りたいだけだと伝える。

ハリーが相手を殺す気がないことを知ったピーターは、既に抜け殻同然だと言う彼に、女性に会わせることを伝えて部屋を出る。

エレベーターに乗ろうとしたハリーは、妻と面識があるかをピーターに尋ね、ないと言われる。

動揺するピーターが犯人だと気づいたハリーは、彼に妻を殺した理由を尋ねるものの、銃撃されてしまう。

ピーターは謝罪し、エレベーターに乗ったハリーは、出血を確認する。

病院で目覚めたハリーは、その場にいた警官(ユージーン・M・デイヴィス)から、犯人を追った理由を訊かれ、妻を殺されたと答える。

復讐ではないと言うハリーは、相手の男の名前は知らないと伝える。

同僚(レストランにいた警官)から事情を聞いた警官は、ホテルを調べたが犯罪の形跡はなかったとハリーに伝え、過去には戻れないので受け入れるべきだと、同情しながら話す。

ハリーは、その場で涙するしかなかった。

回復したハリーは、車まで警官に送ってもらい、調べていた人物の写真を捨ててウィスコンシンに向かう。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ウィスコンシン州。
ショッピングモールの警備員であるハリー・ケインは、その場の事件に巻き込まれて妻クレアを殺害され、失意の日々を送っていた。
違法と知りながら、監視カメラの映像ビデオを同僚のフィルから借りたハリーは、自宅でそれをチェックし、不審者をピックアップしていた。
そんなハリーは、クレアが向かいの家に向かう幻覚を見て、その場に侵入してあるネガを見つける。
それを現像したハリーは、写真の細部まで調べ、それが、かつてクレアと旅行に行ったモンタナの町で撮影されたことを知り、写っている女性を確認する。
クレアを殺した犯人を知る手掛かりを求めて女性に会うため、ハリーはモンタナに向かうのだが・・・。
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期待の新鋭であるデンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンの初期作品で、彼にとっては初の英語による作品でもある。

2003年に”サンダンス映画祭”でプレミア上映され、高い評価を得て、2005年に北米公開された。
日本では2015年に公開された。

妻を殺された警備員の執念の犯人捜しには復讐心は見られず、殺されなければならなかった理由だけを知りたい彼の思いが淡々と描かれている。

絶望の果ての妻への想いが幻覚として現れ、それにヒントを得た主人公が、犯人の元に導かれていく姿を幻想的なシーンと共に描く、撮影当時まだ30代前半のニコラス・ウィンディング・レフンの感性が光る脚本と演出手腕が見どころの作品。

主演のジョン・タートゥーロは、妻を失い絶望の日々を送る平凡な警備員を深く演じている。

主人公が捜す女性ではあるが、結局は二人が対面することはないデボラ・カーラ・アンガー、その夫である警官で、汚職警官摘発の任務遂行中に、誤って主人公の妻(ジャクリーン・ラメル)を射殺してしまうジェームズ・レマー、主人公に監視ビデオを渡す同僚のスティーヴン・マッキンタイア、事件を捜査する捜査官のウィリアム・アレン・ヤング、警官のユージーン・M・デイヴィスとマーク・ホフトン、売春婦のアマンダ・オームスなどが共演している。


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