芸能の道を目指す様々な境遇の若者達の苦難や恋愛そして成長を描く、監督アラン・パーカー、出演アイリーン・キャラ、リー・カレーリ、ジーン・アンソニー・レイ他共演のドキュメンタリー・ミュージカル・タッチの青春ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アラン・パーカー
製作:アラン・マーシャル
脚本:クリストファー・ゴア
撮影:マイケル・セレシン
編集:ジェリー・ハンブリング
音楽:マイケル・ゴア
出演
コーコ・ヘルナンデス:アイリーン・キャラ
ブルーノ・マルテッリ:リー・カレーリ
リロイ・ジョンソン:ジーン・アンソニー・レイ
ドリス・フィンセカー:モーリン・ティーフィ
ラウル・ガルシア/ラルフ・ガーシー:バリー・ミラー
リーサ・モンロー:ローラ・ディーン
モンゴメリー・マクニール:ポール・マクレーン
ヒラリー・ヴァン・ドーレン:アントニア・フランチェスキ
アンジェロ・マルテッリ:エディー・バース
シャーウッド:アン・メアラ
グラント:デビー・アレン
アメリカ 映画
配給 MGM
1980年製作 134分
公開
北米:1980年5月16日
日本:1980年12月6日
北米興行収入 $21,202,830
■ アカデミー賞 ■
第53回アカデミー賞
・受賞
作曲・歌曲賞”Fame”
・ノミネート
脚本・編集・歌曲”Out Here on My Own”・録音賞
”オーディション”
ニューヨークの芸能学校で、入学のためのオーディションが行われる。
演劇、ダンス、音楽の各カリキュラムに応募する若者達、ガールフレンドと連れ立った少年リロイ・ジョンソン(ジーン・アンソニー・レイ)、母親に付き添われて来た少女ドリス・フィンセカー(モーリン・ティーフィ)、ハーモニカで音楽クラスを受けようとしてダンスに回され、更に演劇クラスに向かわされるラルフ・ガーシー(バリー・ミラー)、シンセサイザーを、音楽クラスに持ち込んでしまったブルーノ・マルテッリ(リー・カレーリ)、歌唱力抜群のコーコ・ヘルナンデス(アイリーン・キャラ)などだった。
”第1学年”
モンゴメリー・マクニール(ポール・マクレーン)や、リーサ・モンロー(ローラ・ディーン)らを加えて新学期が始まり、教師シャーウッド(アン・メアラ)の厳しい言葉が、教室に響き渡る。 若さと学習意欲旺盛な学生達は、休憩時間や食事の際も踊り歌う時間を過ごす。 そんな熱気に内気なドリスは圧倒されるが、名女優の息子で、物静かなモンゴメリーと親しくなる。 コーコは、学内でバンドを作ろうとしてブルーノを誘うが、彼は一人で曲作りをするのを好み、それを断る。 ブルーノは、両親から異常な期待をかけられていて、それがプレッシャーとなっていた。 読み書きが苦手なリロイは反抗的な態度になり、授業や教師シャーウッドに馴染むことが出来ず、構内で暴れてしまう。 一方、男子学生との交流などを深めたドリスは、次第に学生生活に馴染み快活になっていく。 ”第2学年” コーコはリロイに好意を持っていたのだが、彼は、新入生のヒラリー・ヴァン・ドーレン(アントニア・フランチェスキ)に惹かれてしまう。 そんな時、モンゴメリーと常に行動を共にしていたドリスは、彼がゲイだということを知る。 ある日、ブルーノの作曲した曲を父アンジェロ(エディー・バース)が街頭で流し、コーコの歌声で学生達は踊り熱狂する。 授業に真面目に取り組まないリーサは、ダンスのクラスを辞めさせられてしまい、自殺を考えるが、演劇に移ることで気を取り戻す。 ”第3学年” やがて、ドリスはラルフと、リロイはヒラリーと恋仲になる。 そんな時、プエルト・リコ人のラルフの、5歳の妹が薬中の男に乱暴されてしまう。 自分の不幸な身の上を泣きながら話すラルフを、ドリスは優しく抱きしめる。 そしてドリスは、自立心が益々高まり、名前まで変えると母に言い出す。 ”第4学年” やがてラルフは、ナイトクラブの芸人として人気者となり、ヒラリーは妊娠してしまい、サンフランシスコのバレエ団から声がかかっていたため、将来を考えて中絶する。 そして、コーコは街で、スクリーン・テストを受けないかとスカウトされるが、彼女は撮影現場で衣服を脱がされ、辱めを受けてしまう。 リロイは、振り付師から誘われていたために落第する訳にはいかず、シャーウッドを尋ねるが口論になってしまう。 しかし、シャーウッドが、夫の重病で気落ちしているのを知ったリロイは、彼女を優しく慰める。 ナイトクラブに入りびたりのラルフを、ドリスは才能が無駄になると忠告して、その場を立ち去ってしまう。 その後、ステージに上がったラルフのジョークは全く受けず、モンゴメリーは、”努力して一流になれ”と親友として助言し、ラルフは自我を取り戻す。 そして、卒業の日を迎えた学生達は、各自パフォーマンスを披露し、新たな試練へと巣立っていく。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
芸能学校で入学オーディションが行われる。
演劇、ダンス、音楽の各カリキュラムに応募する若者達は、母に付き添われながら現れた内気な少女ドリス、ガールフレンドと連れ立って現われた少年リロイ、音楽を希望するもダンスに回され、結局は演劇クラスに入るラルフ、音楽クラスにシンセサイザーを持ち込んでしまったブルーノ、そして歌唱力抜群の美声の持ち主コーコらだった。
厳しいオーディションに合格した者達は、様々な体験をしながら成長していく・・・。
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映画の好評により、一部のキャストも出演して1983年からTVシリーズ化された。
幅広い分野で話題作を世に送り出すことになる、当時30代半ばのアラン・パーカーが、エネルギッシュな若者達の心を代弁したとも言える作品。
2年前の、社会派問題作「ミッドナイト・エクスプレス」(1978)とはまた違った角度から、時代の息吹を感じさせる、また、それを生々しく描いた異色作。
厳しい授業やレッスンに耐え抜いた若者達のサクセスドラマではなく、現実の世界や悲しみを乗り越えた者のワンステップを描いたことで、逆に、世の中に出て行く彼らが、夢や希望に近づける予感を感じさせてくれる。
一方、アメリカのエンターテインメントの世界の厳しさが見事に描かれ、ほんの一握りのサクセス・ストーリーに向けチャレンジする、”プロ”の逞しさが恐ろしいほどリアルに描かれている。
第53回アカデミー賞では、作曲、歌曲賞(Fame)を受賞し、脚本、編集、録音、歌曲賞(Out Here on My Own)にノミネートされた。
「フラッシュダンス」(1983)でも”…ホワット・ア・フィーリング”で大ヒットを飛ばすが、報酬の件でレコード会社を訴えたため、その後、
アメリカ音楽界から追放状態となってしまったアイリーン・キャラの、華奢ながら声量のある歌声は圧巻だ。
マイペースで作曲を続けるリー・カレーリ、人種の壁に劣等感を持つジーン・アンソニー・レイ、気弱な少女から、快活な女性に変わるモーリン・ティーフィ、不幸な身の上ながら逞しく生きるバリー・ミラー、才能を否定されてもくじけないローラ・ディーン、ゲイでもある冷静で思慮深い名女優の息子ポール・マクレーン、バレエの優等生アントニア・フランチェスキ、ブルーノ(L・カレーリ)の父親エディー・バース、英語教師で、ジェリー・スティラーの妻でベン・スティラーの母でもあるアン・メアラ、そして、オーディションの審査員役でデビー・アレンがカメオ出演している。