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アイズ・ワイド・シャット Eyes Wide Shut (1999)

1926年に発表された、アルトゥール・シュニッツラの小説”夢小説”を基に製作された作品。
倦怠期を迎えつつある夫婦の関係を官能的に描く、製作、監督、脚本を手がけたスタンリー・キューブリックの遺作。
主演トム・クルーズニコール・キッドマンシドニー・ポラック他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

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スタッフ キャスト ■
監督:スタンリー・キューブリック

製作総指揮:ヤン・ハーラン
製作:スタンリー・キューブリック
原作:アルトゥール・シュニッツラ夢小説
脚本
スタンリー・キューブリック
フレデリック・ラファエル
撮影:ラリー・スミス
編集:ナイジェル・ゴルト
音楽:ジョスリン・プーク

出演
トム・クルーズ:ウィリアム”ビル”ハーフォード
ニコール・キッドマン:アリス・ハーフォード
シドニー・ポラック:ヴィクター・ジーグラー
マリー・リチャードソン:マリオン・ネイサンソン
トッド・フィールド:ニック・ナイチンゲール
ヴィネッサ・ショウ:ドミノ
フェイ・マスターソン:サリー
アラン・カミング:ホテルのフロント係
レイド・セルベッジア:ミリチ
リーリー・ソビエスキー:ミリチの娘
スカイ・ドュ・モント:ザヴォスト

イギリス/アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1999年製作 159分
公開
イギリス:1999年9月15日
北米:1999年7月16日
日本:1999年7月31日
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $55,637,680
世界 $162,091,208


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
開業医ビル・ハーフォード(トム・クルーズ)とアリス(ニコール・キッドマン)夫妻は、友人ヴィクター・ジーグラー(シドニー・ポラック)の自宅で開かれるクリスマス・パーティーに招かれる。

知り合いのいないビルとアリスは、ゴージャスなパーティーを楽しむことが出来ずにいた。

ビルは、ピアノを弾く同級生ニック・ナイチンゲール(トッド・フィールド)を見つけ、再会を約束して別れる。

別行動を取った二人は、酔いの回ったアリスがハンガリー人の紳士ザヴォスト(スカイ・ドュ・モント)に口説かれる間、ビルは女性二人に誘惑される。

ジーグラーに呼ばれたビルは、彼の相手をして、ドラッグの過剰摂取で意識を失った、全裸の女性を介抱して感謝される。
...全てを見る(結末あり)

そして、何事もなかったかのように帰宅した2人は愛し合う。

翌日、マリファナを吸いながら、パーティーでのお互いの相手について話していた2人は口論になる。

ビルの言った、女は男と違い本質的には浮気を考えないという言葉に対しアリスは、夫や娘を捨ててまでも、行きずりの男性に、身も心も捧げたかったことがあることを告白する。

ショックを受けたビルは、そこに、患者のネイサンソンが亡くなった知らせが入り、アリスの言葉を気にしながら、彼の自宅に向かう。

ネイサンソンの自宅に着いたビルは、娘のリオン(マリー・リチャードソン)を慰め、結婚すると言う彼女を祝福する。

マリオンは突然、取り乱し、ビルにキスをして愛を告白するものの、婚約者が現れたため彼は帰宅する。

途中、再びアリスが浮気をしている妄想にかられるビルは、通りで娼婦のドミノ(ヴィネッサ・ショウ)に声をかけられる。

ドミノの部屋で交渉を済まし、愛し合おうとしたその時、ビルの携帯電話にアリスから連絡が入る。

何とかやり過ごしたビルは、金は要らないと言うドミノに約束の150ドルを渡してアパートを出る。

通りのカフェで、パーティーで会ったニックの演奏写真を見つけたビルは店に入り、気がついたニックと語り合う。

次の仕事場に向かおうとするニックに、ビルはついて行こうとする。

そこの店に入るには衣装が必要だと聞いたビルは、患者の貸衣装店に向かう。

しかし、その店は経営者がミリチ(レイド・セルベッジア)という人物に代わっていたため、ビルは特別料金を払い店に入れてもらう。

店の中では、ミリチの娘(リーリー・ソビエスキー)が、日本人2人といかがわしい行為をしていた。

衣装を借りたビルは、目的地の屋敷に向かい、ニックの演奏するオルガンに合わせ進行する、裸の女性と司祭の儀式を見つめる。

やがて、女性は来客の中から男を選び、各部屋に消えて行き、ビルもエスコートされるが、途中で女性に帰るように忠告される。

そこは仮装乱交パーティー会場だったのだが、ビルは司祭に呼ばれ、パスワードを求められるが答えられず、仮面を取り全裸になることを強要される。

しかし、先程の裸の女性がビルの身代わりになると言い出し、ビルは解放される。

早朝、帰宅したビルは、アリスが、複数の男と愛し合ったという悪夢にうなされたことを知らされる。

その後、ニックのホテルに向かったビルは、フロント係(アラン・カミング)から、ニックが怪しい男達と現れ、さらに顔にあざをつくり、車で連れて行かれたたということを聞く。

貸衣装店に立ち寄ったビルは衣装を返すが、昨晩、娘といかがわしい行為をしていた日本人が現れ、主人ミリチは、何食わぬ顔で客を見送り、ビルにも誘いをかける。

再びアリスの浮気の妄想が頭に浮かぶビルは、仕事を切り上げ、昨夜の仮装パーティー会場の屋敷に向かう。

入り口の門にいたビルに、現れた執事が、”これ以上詮索するな、君のためだ”と書かれ警告文を無言で渡す。

帰宅したビルは、アリスにオフィスに戻ることを告げながら、彼女の悪夢の話を思い出す。

ビルはオフィスで、マリオンに電話をかけるものの、婚約者が出たために電話を切り、プレゼントを持ってドミノのアパートに向かう。

ドミノは留守で、同居人サリー(フェイ・マスターソン)に迎えられたビルは、もう帰らないかもしれないドミノが、HIV陽性と診断されたことを彼女から知らされる。

街に出たビルは、何者かにつけられていることに気づき、カフェに入りその場をしのごうとする。

そこでビルは、ミスコンの女王がホテルで麻薬を過剰摂取し、病院に運ばれたという記事を目にする。

それが、ジーグラーの相手をしていた女性だと直感したビルは、病院に急行するが、彼女は既に死亡していた。

そしてビルは、彼女が仮装パーティーで自分を助けた女性であったとことを確信する。

ジーグラーから電話を受けたビルは、彼の屋敷に向かい、仮装パーティーにいたことや、助けた女性が娼婦で、全てヤラセだったことを知る。

さらに、ビルのためではあるが尾行させたことや、ニックを痛めつけたのもジーグラーだったこと、パーティー会場にいた人々は名だたる大物で、その場で会ったことの口封じに脅したということも知らされる。

パーティー会場で起きたことが全て狂言と言うなら、なぜ女性は死ななければならなかったのか、ジーグラーに問い詰めるビルに、麻薬中毒の女性の死は、時間の問題だったと彼は反論する。

疲れ果てて帰宅したビルは、ベッドで眠るアリスの傍らに仮装パーティー会場に置き忘れた、仮面があるのを見つけて驚いてしまう。

ビルはその場で泣き崩れ、アリスに全てを話し、娘が楽しみにしているクリスマスの買い物に家族で出かける。

買い物客で賑わうデパートで、ビルは今後どうしたらいいかをアリスに尋ねる。

アリスは、危険な冒険を切り抜けたことに感謝するべきだとビルに語りかけ、お互いの愛を確かめ合う。

そしてアリスは、大事なことを直ぐしなければならないことをビルに伝える。

”それは何だい?”と聞くビルに、アリスは答える。

”ファック”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
開業医のビル・ハーフォードとアリス夫妻は、友人のジーグラーのクリスマス・パーティーに招かれ、別行動を取った二人は、それぞれ出会った相手に誘惑される。
翌日、パーティーでの、お互いの相手について話していた2人は口論になり、アリスは、過去に身も心も捧げたかった、行きずりの男性がいたことを告白する。
ショックを受けたビルだったが、患者の死の知らせを受けて外出し、その帰りに彼は、アリスが浮気をしている妄想にかられる。
街の娼婦のアパートに向かい、アリスの電話で思い止まったビルは、パーティーで会った学友のピアニスト、ニックと出くわす。
次の仕事場に向かうニックに、同行しようとしたビルは、彼に誘われ、仮装乱交パーティーの会場に案内されるのだが・・・。
__________

スタンリー・キューブリックは、作品公開の4ヶ月前に他界し、実生活でも夫婦である、トム・クルーズニコール・キッドマンの共演ということで、大いに話題となった作品。

キューブリックが映画化権を手に入れてから、公開されるまでに30年弱の歳月を費やした作品でもある。
撮影だけでも1年以上かかり、主演の二人はロンドンに長期滞在して、それにより夫婦間の意見が分かれ、離婚のきっかけになったとも言われている。

舞台は、クリスマス直前のニューヨークとなっているが、ほんの一部のシーンを除き、殆どのロケはロンドンで行われた。

完璧主義のキューブリックらしく、ニコール・キッドマンを含め、登場する女優が全てスーパーモデルのような役者を揃え、ゴージャスで洗練されたムードが漂うところなど、いかにも彼らしい演出だ。

実際には、大スターである主演二人をコントロールできずに、キューブリック自身は、死の直前”駄作”だと語ったとの報道もある。

興行的には、北米でやや低迷するものの、ヨーロッパ他各国では好成績をあげ、全世界で約1億6200万ドルのヒットとなった。

妻の浮気の幻想に悩む、主人公の複雑な心境を、ジョスリン・プークの単調なピアノ演奏で表現する音楽も印象に残る。

主演の二人及びシドニー・ポラックの熱演よりも、やはりキューブリックの独特の世界観を堪能できる見応えある作品で、160分弱の長編もそれほど気にならない。

主人公を密かに愛する患者の娘マリー・リチャードソン、ピアノの演奏家で、主人公の学友トッド・フィールド、娼婦役のヴィネッサ・ショウフェイ・マスターソン、ホテルのフロント係アラン・カミング、衣装店主人役のレイド・セルベッジア、その娘リーリー・ソビエスキーなどが共演している。


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