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イグジステンズ eXistenZ (1999)

最新ヴァーチャル・リアリティ・ゲームに関連する陰謀に巻き込まれる者達を描く、製作、監督、脚本デヴィッド・クローネンバーグ、主演ジェニファー・ジェイソン・リージュード・ロウイアン・ホルムサラ・ポーリーウィレム・デフォー他共演のSFホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・クローネンバーグ

製作
デヴィッド・クローネンバーグ

ロバート・ラントス
アンドラス・ハモリ
脚本:デヴィッド・クローネンバーグ

撮影:ピーター・サシツキー
編集:ロナルド・サンダース
音楽:ハワード・ショア

出演
アレグラ・ゲラー:ジェニファー・ジェイソン・リー

テッド・パイクル:ジュード・ロウ
キリ・ヴィヌカー:イアン・ホルム
イェフゲニー・ノリッシュ:ドン・マッケラー
ヒューゴ・カーロー:カラム・キース・レニー
メルル:サラ・ポーリー
ガス:ウィレム・デフォー
ノエル・ディクター:クリス・レムシュ
ウィトルド・レヴィ:クリストファー・エクルストン
ダーシー・ネイダー:ロバート・A・シルヴァーマン
中国人ウエイター:オスカー・スー

イギリス/カナダ 映画
配給
ミラマックス(北米)
Momentum Pictures(イギリス)
1999年製作 97分
公開
イギリス:1999年4月30日
北米:1999年4月23日
日本:2000年4月29日
製作費 $CAD 31,000,000
北米興行収入 $2,856,710


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
近未来。
”アンテナ・リサーチ”社の最新ヴァーチャル・リアリティ・ゲーム”イグジステンズ”のテストについて説明するウィトルド・レヴィ(クリストファー・エクルストン)は、特別ゲストとして、天才ゲーム・デザイナーのアレグラ・ゲラー(ジェニファー・ジェイソン・リー)を紹介する。

会場に詰めかけた人々は、カリスマ的存在のアレグラのスピーチに聞き入る。

そして、”イグジステンズ”を体験できる12人が選ばれることになる。

社員のテッド・パイクル(ジュード・ロウ)は、遅れて来た参加者のノエル・ディクター(クリス・レムシュ)の所持品などをチェックする。

脊髄にバイオポートという穴を開けてケーブルを繫ぎ、ゲームをダウンロードすることを伝えたアレグラは、参加者に心の準備をさせる。
...全てを見る(結末あり)

アレグラはダウンロードを始めるが、隠し持っていた銃を手にしたノエルが、彼女とレヴィを銃撃する。

ノエルは射殺され、内部に敵がいると指摘するレヴィは、誰も信用するなと言って、アレグラを連れて逃げるようパイクルに指示する。

現場に落ちていたノエルの銃を手にして、パイクルは無事だったアレグラを連れてその場から車で退避する。

かかってきた携帯電話に出ようとしたパイクルは、それをアレグラに奪われて捨てられてしまう。

パイクルは連絡がとれなくなると言って憤慨するが、敵に居場所が知られるとアレグラは指摘する。

自分の警備役ではないのかを、銃を所持していないパイクルに問うアレグラだったが、宣伝部の見習いだと彼から言われる。

人の命にかかわるトラブルに巻き込まれたパイクルは動揺し、何とかすると言うアレグラは、車を止めさせて傷の手当てをしようとする。

パイクルに肩の銃弾を摘出させたアレグラは、それが人間の歯であることを知らされる。

ノエルの銃を調べた二人は、骨と歯の弾丸を使用していたため、金属探知機が検知しなかったことに気づく。

二人はモーテルで休息し、パイクルにバイオポートがないことを知ったアレグラは、ゲームをするために体に穴を開けることを彼が恐れていることを知る。

ゲームが汚染されていないか調べるためにはプレイするしかないと言うアレグラは、納得したパイクルと共にバイオポートをつけられるガソリンスタンドに向かう。

闇でそれを行うガス(ウィレム・デフォー)に頼んだアレグラは、有名なゲーム・デザイナーの自分に気づいた彼から、人生を変えてくれたと言われて感謝される。

バイオポートをつけたのが二人しかいないと言うガスを信じられないパイクルは怖気づくが、カゴの中の世界から抜け出すようアレグラから言われ、油圧銃で処置される。

傷みに耐えるパイクルは、足が動かないために動揺するが、一時的な麻痺だとガスに言われる。

早速、バイオポートにケーブルを繫がれたパイクルだったが、ポッドが壊れたためアレグラは苛立つ。

パイクルが怯えたため過電流が流れてポッドが壊れたと言うアレグラは、ゲームのオリジナル・バージョンが入っていたので取り替えることはできないと伝える。

落胆するアレグラに、パイクルは自分のせいではないと伝え、それを行ったと言うガスが二人に銃を向ける。

アレグラが死ぬと金になると言うガスは、500万ドルが受け取れるという噂が街中に広がっていることを伝える。

更にガスは、アレグラの新作を壊せばボーナスも出ると言って、彼女を銃撃しようとする。

しかし、パイクルが油圧銃でガスを射殺する。

パイクルは、突然変異の二頭の両生類に気づき、空気が汚染されているとアレグラに言われる。

二人はその場を離れ、アレグラはポッドを治すことを考える。

山中のスキー小屋に着いた二人は、アレグラの友人キリ・ヴィヌカー(イアン・ホルム)に迎えられる。

アレグラが命を狙われたことを知っていたヴィヌカーは、二度も殺されそうになったという彼女を守ろうとする。

誰にも連絡しないでほしいと言うアレグラは、アンテナ社自体が信用できないと伝え、ヴィヌカーにポッドの修理を頼む。

アシスタントのランドリーと共にポッドを調べたヴィヌカーは、それが、両生類の卵を遺伝子操作で孵化させたものだとパイクルに伝える。

電池がないことなど構造が理解できないパイクルに、動力源は自分自身だとアレグラは説明する。

ポッドの修理はほぼ終わり、ヴィヌカーはパイクルの不良バイオポートを治すことになる。

その後、パイクルのバイオポートを調べたアレグラは、ポッドとケーブルで繫ぐ。

アレグラと共にゲームの世界に入ったパイクルは、その感覚に驚き、ビデオ・ゲーム・ショップのオーナー、ダーシー・ネイダー(ロバート・A・シルヴァーマン)に出会う。

風変わりなネイダーにマイクロ・ポッドを渡された二人は、それを試そうとする。

小さなポッドは、パイクルのバイオポートから体内に入ってしまう。

焦るパイクルだったが、アレグラは、単なるゲームだと言って彼を落ち着かせる。

二人は、ゲーム・キャラクターとして互いを求め合う。

ゲーム・ポッド工場にいることに気づいたパイクルは、イェフゲニー・ノリッシュ(ドン・マッケラー)に声をかけられ、その場がマスの養殖場だと知る。

林の中の中華料理店でランチにするようノリッシュに言われたパイクルは、アレグラを見つけてその場に向かう。

スペシャル・メニューを中国人ウエイター(オスカー・スー)に注文したパイクルは、現実から離れて行くことを恐れゲームを中断したいことをアレグラに伝える。

いい兆候だと言うアレグラだったが、パイクルは”ポーズ/一時停止”と叫び現実に戻る。

その場が現実ではないように思えるパイクルは、アレグラに誘われてゲームに戻る。

スペシャル・メニューが出来上がるが、料理された突然変異の両生類を見たパイクルは食欲がなくなる。

素晴らしい味だとウエイターに言われたアレグラは下げなくてもいいと伝え、気が進まないパイクルだったが、勝手に手が動き食べ始めてしまう。

食べたものの骨を組み合わせたパイクルは、それがアレグラを撃った銃と同じだと気づく。

自分の入れ歯を弾丸としてセットしたパイクルは、銃をアレグラに向かる。

人を撃ちたい衝動にかられたパイクルは、ウエイターを殺すと言いだす。

アレグラがウエイターを呼び、撃つ気がなくなったと言いながらも、パイクは彼を銃撃する。

弾丸の歯はウエイターの頬に当たり、彼は肉切り包丁で襲いかかろうとするが、パイクルは彼を射殺する。

問題ないと客に伝えたパイクルは、アレグラと共に厨房に向い、その場にいたノリッシュからテストは合格だと言われる。

ウエイターが裏切り者だと知らされたパイクルとアレグラは、ノリッシュと共に養殖池に向い、料理店ではその場のものを料理していたと言われる。

それが武器の部品にもなると知らされた二人は、この場を破壊しようとしているライバル社”システマティックス”に潜入するようノリッシュに指示される。

ゲーム・ショップに戻ったアレグラとパイクルは、対応したヒューゴ・カーロー(カラム・キース・レニー)から、ネイダーの死体を見せられる。

ウエイターを殺した理由をヒューゴから聞かれたパイクルは、彼が連絡係だったことを知らされ、その際に使った銃を見せられる。

ノリッシュが”システマティックス”のスパイだと言うヒューゴは、自分がネイダーを監視するために送り込まれたと二人に知らせる。

”システマティックス”の二重スパイであるノリッシュは、リアリストの壊滅が目的で、自分達に仲間であるウエイターを殺させたとパイクルは言われる。

ヒューゴは、次はノリッシュ が死ぬ番だと伝える。

工場に戻ったアレグラとパイクルは、醜いポッドを見つける。

それを繫げたアレグラは異変を感じ、パイクルはケーブルを切る。

アレグラが失血死しそうになり、パイクルは止血できず、その場に現れたノリッシュがポッドに火を放つ。

ポッドは死の胞子をまき散らし、工場内のポッドが全滅しそうになる。

アレグラはノリッシュの背中にナイフを突き刺し、その場は出火して、彼女とパイクルは現実に戻る。

自分のポッドが感染してしまったことに気づいたアレグラは、ゲームが消滅したことを嘆く。

パイクルは、ゲームの世界が現実になることが信じられず、アレグラは、ポッドを治そうとして胞子を殺す薬を注射する。

パイクルのバイオポートの異常を知ったアレグラは、ヴィヌカーが感染したポートをつけて、ポッドを殺そうとしたことに気づく。

現実で感染してしまったことを知り取り乱すパイクルは、ポートを殺胞子プラグで塞がれる。

その場が攻撃を受け、現れたヒューゴがアレグラとパイクルを連れ出そうとする。

ゲームの中のヒューゴが現実に現れたためにパイクルは驚き、ポッドを銃撃されたアレグラは絶叫する。

パイクルから、まだゲームの中だと言われたアレグラは、彼とヒューゴと共にその場から離れる。

現実主義の勝利だと言うヒューゴは、”イグジステンズ”の死にアレグラとパイクルが貢献したと伝える。

アレグラが自分達の敵だと言うヒューゴは、正体はバレていると彼女に伝えて銃を向ける。

しかし、現れたヴィヌカーがヒューゴを射殺し、ポッドは殺したものの、修理の際に神経は摘出したのでゲームは生きていることをアレグラに伝える。

ヴィヌカーはアレグラを”システマティックス”に誘い、”アンテナ”の幹部達もくることを伝える。

アレグラはヒューゴの銃でヴィヌカーを射殺し、彼がゲームの中の単なるキャラクターだとパイクルに話す。

現実であったならこれは殺人だと言われたアレグラは、パイクルが敵だと知らされる。

それに気づいていたと言うアレグラは、パイクルのバイオポートを塞いだプラグを爆破する。

そしてアレグラは、自分が勝ったのかを確認する。

現実に戻ったアレグラとパイクらゲームの参加者は、各キャラクターを演じた各人の話を聞く。

”ビルグリマージ”のノリッシュのアシスタント、メルル(サラ・ポーリー)は、最新ゲーム”トランスセンデンズ”が近日発売すると参加者に伝える。

ゲーム・デザイナー役のアレグラはノリッシュに感謝し、恋人パイクルと共に、”ビルグリマージ”がデザイナーとして採用すると言われる。

参加者は、天才デザイナーのノリッシュを称える。

ゲームをしていて不安を感じたと言うノリッシュは、それ自体を敵視するテーマを含んでいたことをメルルに伝える。

参加者の中にゲームを憎む者がいたと思うのかを尋ねたメルルは、自分ではないと言うノリッシュから、次回は人選に注意が必要だと指摘される。

帰ろうとしたパイクルは、ノリッシュに個人的な質問をする。

最高のゲーム・アーティストだとパイクルはノリッシュに伝え、人類に害を与えた罰を受けるべきだともノリッシュはアレグラに言われる。

戸惑うノリッシュとメルルを、パイクルとアレグラは射殺する。

アレグラは、驚く参加者達に向けて”イェフゲニー・ノリッシュに死を!”と、パイクルは”ビルグリマージに死を!”、”トランスセンデンズに死を!”と叫ぶ。

中国人ウエイターのキャラクターだった青年に銃を向けたパイクルとアレグラは、”これもゲームなのか?”と聞かれる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
近未来。
”アンテナ・リサーチ”社の最新ヴァーチャル・リアリティ・ゲーム”イグジステンズ”のテストが行われる会場で、カリスマ・ゲーム・デザイナーのアレグラ・ゲラーが銃撃される。
宣伝部の見習いだったパイクルは、無事だったアレグラを連れてその場から退避する。
ゲームが汚染されていないかを調べるためには、プレイするしかないことをパイクルはアレグラから知らされる。
ポッドと脊髄を繫ぐバイオポートがないパイクルは、その処置を闇で行うガスの元に向かいバイオポートをつけられてポッドに繫がれ、アレグラと共にゲームの世界を体験するのだが・・・。
__________

製作、監督、脚本を担当するデヴィッド・クローネンバーグ自身の作品「ヴィデオドローム」(1983)に似たテーマを、ヴァーチャル・リアリティ・ゲームの世界に置き換えて描いた作品。

観客に刺激を与えるグロテスクな映像などを多用したボディ・ホラーとして、デヴィッド・クローネンバーグの独得の世界観が堪能できる作品でもある。

ヴァーチャル・ゲームの世界を心理学的な見地から描く複雑に入り組んだ物語ではあるが、驚きとも言えるクライマックスから結末に向けた展開などを含め、全体的な構成もまとまりがあり非常に分かり易い。

カリスマ・ゲーム・デザイナーとして登場し、実は現実主義者としての役目を果たすジェニファー・ジェイソン・リー、ゲームに翻弄される青年から、主人公の恋人として行動を共にするジュード・ロウ、ゲームの参加者だったイアン・ホルム、その開発者ドン・マッケラー、そのアシスタントのサラ・ポーリー、参加者カラム・キース・レニーウィレム・デフォークリス・レムシュクリストファー・エクルストンロバート・A・シルヴァーマン、オスカー・スーなどが共演している。


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