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エグゼクティブ・デシジョン Executive Decision (1996)

対テロ特殊部隊に加わったアメリカ陸軍情報部顧顧問とテロリストの戦いを描く、監督、編集スチュアート・ベアード、主演カート・ラッセルスティーヴン・セガールハリー・ベリージョン・レグイザモオリヴァー・プラット他共演のサスペンス・アクション大作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:スチュアート・ベアード

製作
ジョエル・シルバー

ジム・トーマス
脚本
ジム・トーマス

ジョン・C・トーマス
撮影:アレックス・トムソン
編集
スチュアート・ベアード

フランク・J・ユリオステ
音楽:ジェリー・ゴールドスミス

出演
デイヴィッド・グラント博士:カート・ラッセル

オースティン・トラヴィス中佐:スティーヴン・セガール
ジーン:ハリー・ベリー
ラット大尉:ジョン・レグイザモ
デニス・ケーヒル:オリヴァー・プラット
ナジ・ハッサン:デヴィッド・スーシェ
”キャピー”マセニー軍曹:ジョー・モートン
マヴロス上院議員:J・T・ウォルシュ
エル・サイード・ヤファ:アンドレアス・カツーラス
アリソン:メアリー・エレン・トレイナー
ジョージ・エドワーズ航空保安官:リチャード・リール
ナンシー:マーラ・メイプルズ
チャールズ・ホワイト国防長官:レン・キャリオー
ルーイ軍曹:B・D・ウォン
ベイカー軍曹:ウィップ・ヒューブリー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1996年製作 133分
公開
北米:1996年3月15日
日本:1996年10月26日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $68,750,000
世界 $121,969,220


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1995年5月17日、イタリアトリエステ郊外。
アメリカ陸軍のオースティン・トラヴィス中佐(スティーヴン・セガール)は、特殊部隊を率い、チェチェン・マフィアのアジトを襲撃するが、神経ガスDZ-5の回収に失敗してしまう。

3ヵ月後、メリーランド州。
アメリカ陸軍情報部顧問デイヴィッド・グラント博士(カート・ラッセル)は、世界で最も恐れられているテロリストのエル・サイード・ヤファ(アンドレアス・カツーラス)が拉致されたという報告を受ける。

マヴロス上院議員(J・T・ウォルシュ)を乗せた、アテネ発のワシントンD.C.ダレス国際空港行きのオーシャニック航空の旅客機747-200が飛び立とうとしていた頃、ロンドンのレストランで自爆テロが起きる。

そして、その旅客機は、武装したテロリストのナジ・ハッサン(デヴィッド・スーシェ)らにハイジャックされてしまう。

客室乗務員ジーン(ハリー・ベリー)は、乗客名簿にジョージ・エドワーズ航空保安官(リチャード・リール)の名前があることに気づき、ハッサンの目を盗みそれを隠す。
...全てを見る(結末あり)

ペンタゴン、軍事指令本部。
事件の報告を受けた会議では、ヤファの釈放を要求するハッサンらを、着陸後にトラヴィスの部隊が奇襲する作戦が検討される。

その場のグラントは、国内を危険にさらしかねない状況での、旅客機着陸に反対する。

グラントは、ヤファの拉致が、組織の内紛によるハッサンの画策で、機内に神経ガスが運びこまれ、彼がそれを使用する可能性を指摘する。

国防長官チャールズ・ホワイト(レン・キャリオー)は、機体を着陸させるか、406名の乗客と共に撃墜するかを協議し、ハッサンの狙いを確かめる方法を探る。

軍事研究員のデニス・ケーヒル(オリヴァー・プラット)に、ステルス攻撃機リモーラ”(F-177)についての意見を求めるよう、トラヴィスは国防長官に提案する。

リモーラが民間機とドッキングできる可能性を確認した国防長官は、トラヴィスの指揮する部隊と彼が指名したグラントに作戦遂行の準備をさせる。

そして、ラット大尉(ジョン・レグイザモ)、”キャピー”マセニー軍曹(ジョー・モートン)、ルーイ軍曹(B・D・ウォン)、ベイカー軍曹(ウィップ・ヒューブリー)ら部下らと合流したトラヴィスは、グラントやケーヒルを伴いリモーラで飛び立つ。

そして、747に接近しドッキングさせたケーヒルは、気流が乱れる中、機体のハッチを開けて機内に侵入する。

隊員達が後に続くものの、機体が大きく揺れたためにい、キャピーが負傷し意識を失ってしまう。

それをグラントが助けるが、接続状態が限界に達した747のハッチを閉めたため、トラヴィスは空中に放り出されてしまい、リモーラは墜落する。

コックピットの警報が点灯したため、副操縦士は配電室を調べに行きグラントらに気づく。

ハッサンもその場を見回すが異常は確認できず、基盤のショートということで納得する。

背骨を損傷した、キャピーの頭部を固定したラットらだったが、通信機がないことが分かり、ケーヒルは機体が撃墜される可能性をグラントらに伝える。

焦ったケーヒルは、ハッサンと交渉しようとするが、グラントはそれを制止し、早期警戒機E-2・ホークアイなどで監視するペンタゴンが、自分達の動きを見ていると言って説得する。

ラットらは、手元にある装備品を確認し、探査装置でハッサンと神経ガスの爆破装置を探し、その情報がグラントに集められる。

ラットに調理室に呼ばれたグラントは、そこから客室の天井に入り、探査装置で機内の様子を調べるがハッサンの姿はなかった。

しかし、エレベーターでジーンに気づいたグラントは、彼女と話している男がハッサンだと気づく。

その時、ハッサンの手帳を拾っていたジーンは、それに挟まっていたワシントンD.C.の地図を見つける。

同じ頃、マヴロス上院議員は、この機会を利用して自分がヒーローになるため、大統領との交渉役を買って出る。

その後、ルーイが神経ガスと爆破装置を発見し、その量が数千万人の殺傷能力があることに気づく。

ロンドンで拘束中のヤファは、ハッサンを説得する努力をすることを公使に伝え釈放される。

爆弾の専門家キャピーは、起爆装置の内部を見せられ、それを解除すれば爆破は免れることを確認する。

技術者であるケーヒルが、キャピーの指示で起爆装置を解除することになる。

その間、ラットらは機内を掌握するための攻撃に備える準備を始める。

そして、ケーヒルは起爆装置を解除し、ラットらは攻撃を開始しようとするが、テロリストが装置のテストをしたために攻撃を中止し、キャピーは気絶してしまう。

解放されたヤファは、プライベート・ジェットの機内からハッサンに自分達の要求が通ったことを伝える。

しかし、ハッサンはそれを無視し、計画通りに爆破を実行するため電話を切ってしまう。

国防長官F-14の出撃命令を出し、大統領の最終判断(エグゼクティブ・デシジョン)を仰ぐ。

機内では、ハッサンと目的は達したという部下との間で意見の対立が起きる。

ハッサンは部下を射殺し、それを知ったグラントは爆破が部下らには秘密で、乗客の中に起爆装置をテストした者がいることに気づく。

グラントはケーヒルと起爆装置を動作不能にしようとするが、意識を取り戻したキャピーが間違いを指摘する。

客室の各所にビデオカメラを設置したラットは、グラントを呼び寄せ、彼はジーンと連絡を取る。

ジーンはグラントから指示を受け、ハッサンに怪しまれながらも、客席にいるはずの起爆装置を操作する者を捜そうとする。

その後、ジーンは客席を見回りながら、保安官エドワーズに、軍人が機内にいることを伝える。

そして、小型端末のような物を持っていた乗客を見つけたジーンは、その座席番号をグラントらに知らせる。

F-14は、747に接近してランデブーを始め、針路変更の指示を出す。

無線に割り込んだハッサンはそれを拒み、交渉役に呼んだマヴロス上院議員を射殺する。

国防長官F-14に攻撃命令を出すが、交信を聞いていたグラントが配電盤を操作し、機体のテールライトでモールス信号を送るようベイカー軍曹に指示する。

その内容で、特殊部隊が機内にいることを知った国防長官は、747ダレス国際空港に向かわせる。

信号が通じたことを知ったグラントは、爆破係を直ちに殺そうとするラットを説得し、ケーヒルらが起爆装置を解除するのを待つ。

グラントはジーンに連絡して、テロリストに扮し銃を持ち客室に向かい、爆破係と思われる男に襲いかかろうとする。

しかし、それが人違いだと分かったグラントは、機内にいた手配中のテロリストを見つける。

ラットらも突入して銃撃戦が始まり、エドワーズ保安官は銃弾を受け、グラントの抵抗もむなしく起爆装置は作動してしまう。

その瞬間にケーヒルが爆破を阻止するが、テロリストの銃弾で機体に穴が開き、数人が空中に放り出されてしまう。

機内はパニックになり、機体は大きく傾き降下していくが、パイロットが何とか持ちこたえる。

銃弾を受けながらも、ラットを銃撃したハッサンは、爆破が不可能になったことで、コックピットに銃弾を乱射しパイロットを殺す。

息のあったラットがハッサンを射殺し、コックピットの惨状を見て、飛行免許を取ろうとしていたグラントは操縦を試みる。

グラントは空港には近づくものの交信が不能となり、ジーンの協力を得ながら着陸を試みるが失敗してしまう。

しかし、グラントは自分の飛行訓練地フレデリック飛行場を見つけてそこを目指し、小型機をなぎ倒して滑走路をオーバーしながらも着陸に成功する。

その後グラントは、爆破を阻止したケーヒルに感謝し、ラットやキャピーの無事を確認する。

そして、グラントはジーンに声をかけられ、彼女と共に迎えに来たFBIペンタゴンに向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
テロリストの大物が拉致されて、その同胞が、ワシントンD.C.行きの旅客機をハイジャックし釈放を要求する。
アメリカ陸軍情報部顧問デイヴィッド・グラント博士は、特殊部隊が回収に失敗した神経ガスを、テロリスト達が機内に持ち込んだ可能性を国防長官に指摘する。
それが爆破されれば、多大なる被害が及ぶことを恐れた国防長官は、旅客機を着陸させるか撃墜するかの選択を迫られる。
神経ガスの回収に失敗したトラヴィス中佐は、特殊部隊を率いステルス攻撃機リモーラ”で旅客機にドッキングして機内に侵入する作戦を提案する。
そしてトラヴィスは、技術者の軍事研究員であるケーヒル、そしてアドバイザーとしてグラントを同行させ、計画を実行に移すのだが・・・。
__________

民間人に近い主人公の軍事顧問、頼みの特殊部隊は作戦決行間後もなく指揮官を失い、負傷者を抱え装備も不足する。
その中で、ヒーローが孤軍奮闘する戦いを描くストーリーではなく、登場人物各人の活躍により事件を解決する終盤までの展開は見応え十分。

北米興行収入は7000万ドル弱に終わったが、全世界では1億2000万ドルを超す、まずまずのヒットとなった。

人気スターのカート・ラッセルと肉体派で人気急上昇中のスティーヴン・セガールの共演ということで、大いに話題になった作品。

スーパー・ヒーローという雰囲気でもないカート・ラッセルだが、クライマックスでは主役らしく大活躍を見せ、一方、得意のアクションも全く見せないまま、ドラマ途中で命を落とすスティーヴン・セガールの役柄はファンを失望させることになり、ラジー賞にもノミネートされてしまった。

セガールらしく登場するにも拘らず、突然画面から消えてしまうのは疑問で、そのせいか同年の「グリマーマン」(1996)以降、メジャー作品から遠ざかってしまっているのは残念でならない。

中盤以降の活躍が際立つ、客室乗務員ハリー・ベリー、特殊部隊員の大尉ジョン・レグイザモ、軍事研究員のエンジニアであり、くわえていたストローで、爆破を何とか阻止するオリヴァー・プラット、テロリストのリーダーを演ずるデヴィッド・スーシェ、特殊部隊員のジョー・モートンB・Dウォンウィップ・ヒューブリー上院議員役J・T・ウォルシュ国防長官レン・キャリオー、拉致される大物テロリスト役のアンドレアス・カツーラス、航空保安官役のリチャード・リール、客室乗務員メアリー・エレン・トレイナーマーラ・メイプルズ(ドナルド・トランプの妻/当時)等が共演している。


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