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僕の大事なコレクション Everything Is Illuminated (2005)

2002年に発表された、ジョナサン・サフラン・フォア(本作に出演)の小説”Everything Is Illuminated”の映画化。
祖父の恩人と思われる女性を捜すためにウクライナに向かったアメリカ人青年の現地のガイドと共に体験する奇妙な旅を描く、監督リーヴ・シュレイバー、主演イライジャ・ウッドユージン・ハッツラリッサ・ローレット他共演のヒューマン・コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト ■
監督:リーヴ・シュレイバー

製作
マーク・タートルトーブ

ピーター・サラフ
原作:ジョナサン・サフラン・フォアEverything Is Illuminated
脚本:リーヴ・シュレイバー

撮影:マシュー・リバティーク
編集
アンドリュー・マーカス

クレイグ・マッケイ
音楽:ポール・カンテロン

出演
ジョナサン・サフラン・フォア:イライジャ・ウッド

アレクサンドル”アレックス”ペルチョフ:ユージン・ハッツ
祖父アレックス:ボリス・レスキン
リスタ:ラリッサ・ローレット

リーフ・ブロウアー:ジョナサン・サフラン・フォア

アメリカ 映画
配給 ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ

2005年製作 105分
公開
北米:2005年9月16日
日本:2006年4月29日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $1,705,600
世界 $3,600,460


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

●第1章 手強い捜査の開始への序章

ユダヤ系アメリカ人のジョナサン・サフラン・フォア(イライジャ・ウッド)は、祖母から死に際に一枚の写真を渡される。

それは、他界した祖父サフランの若き日の写真であり、”アウグスチーネとトラキムブロドにて・1940年”とメモ書きが裏にあり、祖父の傍らに女性が写っていた。

ジョナサンは、自分が集めているコレクションの中にあった、祖父が死んだ時に保管したペンダントを、その写真の女性が付けているのに気づく。

●第2章 手強い捜査の開始

ジョナサンは、それを探るために、ウクライナオデッサに旅立つ。

地元の能天気な青年アレックス・ペルチョフ(ユージン・ハッツ)と観光業を始めた祖父アレックス(ボリス・レスキン)を雇ったジョナサンは、盲目だと偽る祖父の盲導犬サミー・デイビスJr.Jr.も連れて目的地のトラキムブロドに向かう。
...全てを見る(結末あり)

アレックス達に変人扱いされながら、コレクターだというジョナサンは、夕食のジャガイモまでコレクションしてしまい、なぜかアレックス達と打ち解けることができる。

ジョナサンは、祖母を渡米させてくれた、アウグスチーネを捜すのが目的だとアレックスに伝える。

偏屈な祖父だったが、不思議とジョナサンを気に入り、彼のためにアウグスチーネを捜し出す決心をする。

●第3章 とても手強い捜索

トラキムブロドの場所を知らないアレックスと祖父は、苦労しながら目的地を捜すのだが、道に迷ってしまう。

途中、祖父アレックスは、第二次大戦時のトーチカや武器の残骸を見つけ、ユダヤ人が受けた迫害の悲劇を思い起こし、その場に呆然とに立ち尽くす。

3人は野宿をすることになるが、アレックスは、祖父の様子がおかしいことが気になり、悩んでいることをジョナサンに伝える。

ジョナサンは、例の写真には、何か隠されている秘密があるのではないかと思い始める。

●第4章 光への序章

アレックスは、祖父が戦前この地にいたことを察して、ひまわり畑の中の一軒家を見つけ、そこを訪ねる。

そして、その家にいた老婆リスタ(ラリッサ・ローレット)は、ジョナサンの写真を見て彼らを待っていたことを伝え、そこがトラキムブロドの近くであることが分かる。

●第5章 

ジョナサンは、自分を遥かに上回る、家の中のコレクションに驚き、リスタは写真を見て、彼が祖父そっくりであることに気づき目を潤ませる。

リスタはアウグスチーネの姉で、彼女のコレクションから写真を取り出し、ジョナサンの祖父サフランとの思い出話を聞かせる。

アレックスの祖父は、リスタと話をするために2人きりになり、その後、4人でトラキムブロドに向かうことになる。

リスタは車を怖がり、車に乗った3人を歩いて案内する。

トラキムブロドに着いた3人は、そこで、ナチス・ドイツの迫害を受けたユダヤ人1000名以上が殺されたことを、リスタから聞かされる。

その中には、サフランの子を身ごもったアウグスチーネも含まれていたのだ。

アレックスの祖父は、虐殺から奇跡的に命拾いした生き残りだった。

ジョナサンの祖父サフランは、アウグスチーネと子供を残し、一足先にアメリカに渡ったのだった。

リスタは、ジョナサンにアウグスチーネのコレクションを渡し、彼女の隠した指輪が、ジョナサンらを導いたことを伝える。

アレックスの祖父は、いつになく優しく満足気な表情で孫を見つめ、そして途中の宿で自ら命を絶つ。

オデッサに着いたジョナサンは、アレックスに祖父の形見のペンダントを渡して別れを告げる。

アレックスはこの旅で、”全ては過去の光で照らされている”ということと、過去は常に我々と共にあることを学ぶ。

そしてアレックスは、それを綴った原稿”全ては照らされている”をジョナサンに送る。

帰国したジョナサンは、祖父サフランの墓にトラキムブロドの川岸から持ってきた土を撒く。

そして、アレックスは、祖父をトラキムブロドに埋葬する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ユダヤ系アメリカ人青年ジョナサン・サフラン・フォアは、祖母から死に際に、一枚の写真を渡される。
その写真と”アウグスチーネとトラキムブロドにて・1940年”というメモ書きを頼りにして、ジョナサンは、ウクライナ出身の祖父を救ってくれたらしい女性を捜し求め、オデッサに旅立つ。
現地に着いたジョナサンは、地元でガイドのアレックスとその祖父を雇う。
能天気な青年アレックスと盲目だと偽る祖父、そしてその盲導犬サミー・デイビスJr.Jr.も連れて、ジョナサンら3人は、奇妙な旅を始めるのだが・・・。
__________

人気俳優リーヴ・シュレイバーの、脚本を兼ねた監督デビュー作で、ナチスユダヤ人迫害を根底に置いた重苦しいテーマでありながら、地元の文化や風土に馴染めない、アメリカ人らしくない堅物青年と、ウクライナ人の老人と孫のガイドとの”珍道中”も実に愉快に描かれている。

終盤は、主人公の祖父とガイドの祖父に意外な関わりがあることが明らかになる(孫達は知らない)、人間ドラマとしても楽しめる。

また、あまり馴染みのないウクライナロケの美しさ、特にひまわり畑の中に建つ一軒家のシーンは、ファンタジー作品を見ているようだ。

主演のイライジャ・ウッドは、無表情で全く面白味のない青年を好演し、祖父とそれに関わる人々の、悲しい過去が明らかになると同時に心が癒され、祖父の墓前で笑み見せて締めくくる姿も爽やかだ。

アメリカ人を手玉に取る、ガイドのユージン・ハッツと祖父のボリス・レスキンの怪演は見もので、序盤はやたらに荒っぽい人物として描かれているが、クライマックスでは、2人共に別人のような、柔らかい表情になるのが印象的だ。

捜し求めた女性の姉ラリッサ・ローレット、原作者ジョナサン・サフラン・フォアも特別出演している。


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