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みんな元気 Everybody’s Fine (2009)

1990年に公開されたイタリア映画「みんな元気」のリメイク。
4人の子供達を訪ねる妻に先立たれた男性の旅を描く、主演ロバート・デ・ニーロドリュー・バリモアケイト・ベッキンセイルサム・ロックウェル他共演、監督、脚本カーク・ジョーンズによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:カーク・ジョーンズ

製作
ジャンニ・ヌナリ

テッド・フィールド
ヴィットリオ・チェッキ・ゴーリ
グリニス・マーレイ
製作総指揮
クレイグ・J・フローレス
マイク・ウェバー
ジョー・ローゼンバーグ
カラム・グリーン
マイアー・テパー
脚本:カーク・ジョーンズ

撮影:ヘンリー・ブラハム
編集:アンドリュー・モンドシェイン

音楽:ダリオ・マリアネッリ

出演
フランク・グード:ロバート・デ・ニーロ

ロージー・グード:ドリュー・バリモア
エイミー・グード:ケイト・ベッキンセイル
ロバート・グード:サム・ロックウェル
デヴィッド・グード:オースティン・リシ
ジェフ:ダミアン・ヤング

ジャック:ルシアン・メイゼル
トム:ジェームズ・フレイン
ジリー:キャサリン・メーニッヒ
コリーン:メリッサ・レオ

アメリカ 映画
配給 ミラマックス

2009年製作 99分
公開
北米:2009年12月4日
日本:未公開
製作費 $21,000,000
北米興行収入 $9,208,880
世界 $16,443,610


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク州、エルマイラ
8か月前に妻に先立たれ一人暮らしをするフランク・グード(ロバート・デ・ニーロ)は、毎年訪ねて来る子供達を迎えるための準備を始める。

食材を揃えバーベキュー・セットなども購入したフランクは、指揮者である息子ロバート(サム・ロックウェル)から帰れないという連絡を受ける。

留守電をチェックしてみると、次女でダンサーのロージー(ドリュー・バリモア)と広告業界で働く長女エイミー(ケイト・ベッキンセイル)も戻れないというメッセージが入っていた。

エイミーは、芸術家である次男のデヴィッド(オースティン・リシ)も帰れないと言っていたと付け加える。

結局、子供達は一人も帰らないことになりフランクは心沈む。
...全てを見る(結末あり)

自分から子供達を訪ねる決心をしたフランクだったが、長年、電線のポリ塩化ビニール・コーティングの仕事をしていたため肺線維症と診断されていたため、医師からは旅は無理だと言われ静養が必要だと言われる。

考えを変えないフランクは、4人には知らせずそれぞれに手紙を用意して、まずニューヨークで暮らすデヴィッドを訪ねるために電車に乗り旅立つ。

列車内でフランクは相席の乗客に話しかけ、自分が電線のポリ塩化ビニール・コーティングの仕事をしていたことと、子供の写真を見せて4人のために必死に働いてきたと語る。

ニューヨーク
デヴィッドのアパートに着いたフランクは、彼が留守だったために入り口で待つことにする。

娼婦に話しかけられて誘われたフランクはそれを断る。

デヴィッドが帰らないためにその場を離れたフランクは、画廊に飾ってある彼の絵を見て子供時代を思い出す。

その後、ダイナーなどで夜を過ごしたフランクは、再びデヴィッドのアパートに向い、居住者に中に入れてもらう。

デヴィッドの部屋のドアを叩き呼びかけるものの留守だったため、フランクは手紙の封筒に一言添えて立ち去る。

フランクはバスで旅を続け、エイミーの家に向かう。

その頃エイミーとロージーは、フランクが電話に出ないために心配し、デヴィッドがメキシコで逮捕されたらしいことを話す。

シカゴ郊外。
豪邸に着いたフランクは孫ノジャック(ルシアン・メイゼル)に迎えられ、裏庭のプールサイドにいたエイミーを驚かす。

フランクの健康を心配したエイミーは、父がデヴィッドを訪ねてからこの場に来たことを知る。

ジャックとゴルフを楽しんだフランクは、帰宅したエイミーの夫ジェフ(ダミアン・ヤング)が買ってきた中華料理で食卓を囲む。

ジャックが明らかに父ジェフを嫌う態度を見て一家の様子がおかしいことに気づいたフランクは、エイミーに今後の予定を聞かれる。

2日ほどこの場で過ごすと答えたフランクだったが、エイミーは都合が悪いことを伝える。

ジャックと過ごすと言うフランクだったが、エイミーがそれも拒み適当に予定を作っていることに気づく。

突然、来たことで仕方ないと伝えたフランクは、エイミーに気を遣い話を理解した様に見せる。

ロバートに連絡してみると言うエイミーだったが、驚かせる気のフランクはそれを断り、絶対に知らせないようにと言って約束させる。

エイミーはデンバーのロバートに電話をして、麻薬絡みで逮捕されたデヴィッドの件でメキシコに向かうことを伝える。

デヴィッドのことで父に嘘をつけないと言うロバートは、コンサートでヨーロッパにでも行くことにしてロージーの元に向かわせるようエイミーに指示される。

翌朝、記念撮影をしたフランクはエイミーに送ってもらい、今後は良くないことでも連絡するように伝える。

昨夜の食事の際のことをフランクに尋ねられたエイミーは、父と子の単なる喧嘩だと答える。

エイミーの会社に寄ったフランクは、エイミーのCM広告の仕事で意見を求められ、楽しい時間を過ごして駅に向かう。

コーヒーを飲んでいた二人は、エイミーの同僚でクリエイティブ・ディレクターのトム(ジェームズ・フレイン)が現れたため同席することになる。

列車の時間になり、エイミーに手紙を渡したフランクは幸せかを尋ね、それを確認して彼女と別れる。

エイミーはメキシコに向い、デヴィッドには会えず進展がないことをロージーに伝える。

デンバー
コンサートホールに向かったフランクは、リハーサル中のロバートが打楽器を担当していたため不思議に思う。

客席のフランクに気づき歩み寄ったロバートは、指揮していないことは後で話すと言ってオーケストラに戻る。

リハーサル後にロバートは、指揮者だとは一度も言っていないと話し、自分は一応、音楽家であり打楽器奏者が合っているとフランクに伝える。

才能があり将来を期待されたロバートが、太鼓を叩くだけだということが受け入れられないフランクだった。

それで満足していると言うロバートは、納得いかない様子のフランクに、父親のために音楽を続けていただけかもしれないと語る。

数日一緒に過ごしたいと言うフランクだったが、今夜ヨーロッパに旅立つため準備もあり、ロバートは付き合えないことを伝える。

話題を変えたフランクは、、デヴィッドが今もニューヨークの同じ住所にいるのかを尋ね、住所と電話番号の確認をロバートに頼む。

その後、禁煙をするしないで二人の会話はすれ違うが、お互い謝罪する。

ロバートに恋人の話などをしたフランクは幸せかを尋ね、それを確認して別れを告げる。

ドラムの上にはロバートへの手紙が置かれていた。

ロージーに電話をしたロバートは、バスのチケットを買いラスベガスに向かおうとうするフランクの様子を伝える。

ロバートは、今日も明日も暇だったので父と過ごしたかったが、何を話していいか分からないと付け加える。

旅だったフランクはニューヨークに電話をするが、デヴィッドと連絡がとれない。
(デヴィッドの部屋は人が住んでいる気配がない。)

時計が1時間遅れていたためにバスに乗り遅れたフランクは、トラック・ドライバーのコリーン(メリッサ・レオ)に乗せてもらい次の駅に向かう。

亡くなった妻がよく連絡を取り合っていた子供達に会う旅をしていることを語ったフランクは、1年前に酒で夫を亡くしたというコリーンの話を聞く。

傷つきたくなくて逃げてばかりいるアメリカ人が抱える問題をコリーンは指摘し、フランクもそれに同意する。

コリーンに感謝して車を降りたフランクは、駅のホームにいた青年に金を恵んでやる。

礼も言わないことで意見するフランクは、青年に金を奪われそうになり揉み合い薬のケースを落してしまう。

青年はそれを踏み潰して逃げ去り、フランクは飲めそうな錠剤を拾う。

自宅に電話をしたフランクは、留守電のメッセージの妻の声を聞く。

列車に乗ったフランクは薬を飲み、4人の中で一番心配だったデヴィッドのことを考えながら眠る。

翌朝、フランクがバスで着かなかったことをロバートに伝えたロージーは心配する。

薬の件で医師に電話をしたフランクは、処方箋を書いて受付に置いておくと言われるが、禁じられた旅のことを知らせる訳にはいかずに戸惑う。

ロージーに電話をしたフランクは、自分が訪ねることをロバートから聞いていたことを知る。

駅でロージーに迎えられたフランクは、リムジンで彼女の高級アパートに向かう。

部屋に案内されたフランクは、訪ねて来たロージーの友人リジー(キャサリン・メーニッヒ)を紹介される。

ロージーはジリーの子供を預かることになっってしまい、フランクとは食事に出かけられなくなる。

更に、リジーが夫をロサンゼルスに迎えに行くことになってしまい、子供を朝まで預かることになる。

粉々になった残りの薬を飲んだフランクは、ロージーが手が離せなかったため、かかってきた電話のメッセージを聴いてしまう。

部屋は恋人らしき男性のもので、できるだけ早く返してほしいという内容だった。

翌日、飛行機で帰ることを伝えたフランクは、ロージーと共に食事をする。

母のことやフランクが子供に求め過ぎた話などをしたロージーは、父がデヴィッドに会いに行ったことを知る。

自分の夢も持たず、ただ良い父親になることだけを心掛けていたことをフランクは語る。

翌日、空港でロージーに手紙を渡したフランクは搭乗口に向かう。

エイミーと連絡を取ったロージーはフランクのことを伝え、デヴィッドが麻薬を買って逮捕され、それを飲み込み病院に運ばれたことを知る。

病院のデヴィッドに会うことができないエイミーは、ロバートにこの件を知らせてほしいとロージーに伝える。

その後、フランクは機内で発作を起こしてしまう。
__________

意識の中で幼かった頃の子供達を集めたフランクは、自分に嘘をついていることを問い質す。

エイミーは、他の女性と暮らすため3か月前にジェフが家を出たことと、新しい恋人のトムは父に会わせるために駅に呼んでいたと話す。

ヨーロッパ行きは嘘で、あの夜一緒に過ごせたはずだとロバートを問い詰めるフランクは、自分には話せないことがたくさんあると言われる。

リジーの子供が自分の子であることをフランクに問われたロージーはそれを認め、ロバートには同性愛者でもあると言われる。

どこで会えるかという問いに対し、まともに答えず笑っているデヴィッドを叱るフランクは戸惑い、母親のように何も問題ないようにしていればいいとロバートに言われてしまう。

雨に降られた子供達は、うんざりだと言ってテーブルを離れてしまい、フランクは、母親を愛しているなら何も問題ないと言ってあげてほしいとロージーに言われる。
__________

病院に運ばれたフランクは意識が戻り、付き添っていたエイミーが駆けつけていたロバートとロージーを呼ぶ。

ようやく家族が集まったことを喜ぶフランクは、デヴィッドがいない理由と心臓発作だったのかを尋ねる。

ロバートとロージーがいると言うエイミーは、心臓発作の疑いで運ばれて検査を受けた結果、症状は軽いがその通りだったことを伝える。

ようやく真実を話してくれたと言うフランクは、問題を抱え隠し事をしている子供達が心配であることを伝える。

フランクは正直に全てを話すよう伝え、デヴィッドがトラブルを起こしたのかを尋ねる。

仕方なく話すことにしたエイミーは、デヴィッドが亡くなったことを伝える。

問題ばかり起こしていたデヴィッドはアパートを引き払い、旅に出てメキシコに向い死んだと知らされたフランクは、それを信じることができない。

その件を確かめるためにメキシコに向かう予定だったので、一緒に過ごせなかったことをエイミーはフランクに伝える。

死因が麻薬の過剰摂取だと聞いたフランクは、動揺して涙する。

その夜、眠っていたフランクは、現れた少年時代のデヴィッドが、芸術家でなく塗装業者になることを考えていると知り、何をしても誇りに思うと言って今までのことを謝罪する。

退院して家に戻ったフランクは、郵送されてきたデヴィッドの遺品を確認し、その中には自分が置いてきた手紙もあった。

妻の墓参りをしたフランクは、もう一度子育てをするなら、多くを望まず彼らが幸せであればそれでいいと語る。

子供達のことを含め大切な話をしてくれていたにも拘らず、耳を貸さなかったことを後悔するフランクだったが、ロバート、エイミー、ロージーが休暇で戻って来るという報告をする。

デヴィッドはおまえとクリスマスを過ごすだろうとフランクは付け加える。

ニューヨークの画廊でデヴィッドの絵を買おうとしたフランクだったが、既に絵は売れていた。

フランクが父親だと気づいた画廊の女性は、父のお蔭で芸術家になれたとデヴィッドが言っていたことを伝える。

商業的ではないため倉庫に眠っていたデヴィッドの絵を見せられたフランクは、彼が自分が作っていた電線(コーティング)を描いていたことを知る。

クリスマスが近づき、子供達を迎える準備をしたフランクは買い物を済ませる。

予定通り子供達は集まり、皆で家の飾りつけなどをしたフランクは七面鳥の調理を担当する。

エイミーは息子ジャック、ロージーは恋人ジリーと子供を連れて来ていた。

食事を囲んだテーブルに着いたフランクは、それぞれが自分なりに生きている子供達を誇りに思う。

フランクは心の中で、妻が最も喜ぶ言葉を伝える。

”みんな元気だよ”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
8か月前に妻に先立たれ一人暮らしをするフランク・グードは、集まるはずだった4人の子供達か帰れなくなったために心沈む。
持病を抱えながら、子供達には秘密にして訪ねる旅に出ることを決心したフランクは、芸術家である次男デヴィッドが暮らすニューヨークに向かう。
デヴィッドには会えずシカゴの広告業界で成功している長女エイミーの家を訪ねたフランクは、家族の不和に気づきながら、翌日、指揮者の長男ロバートに会うためデンバーに向かう。
才能ある指揮者だと思っていたロバートが、打楽器奏者で夢もないことを知ったフランクは、やや失望しながらラスベガスのダンサーである次女ロージーの元に向かう。
ロージーも問題を抱えていることを知ったフランクは、自分と話し合おうとしない子供達を気にする。
4人は、麻薬絡みでメキシコで逮捕されたデヴィッドの件を、父フランクの健康を気遣い知らせることができず、自分達の問題も話せないのだった・・・。
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人々の思いを繫ぐ電話線、そのコーティング材を作る仕事を続け、必死に子供達を育て才能を生かすことに人生をかけた男性が、コミュニケーション不足を痛感し一気に家族の絆が弱まっていく姿は痛々しいほどだ。

一見、誰もが羨む一家、そんな家族が抱える様々な問題はアメリカ社会の縮図とも言える様子で描かれ、その問題を一つずつ克服していこうとする逞しさも窺えるラストは爽やかに締めくくられる。

ハリウッドを代表する実力派であるロバート・デ・ニーロの深い演技に加え、若手から中堅として活躍する人気スターの共演も注目の作品。

主題歌”(アイ・ウォント・トゥ)カム・ホーム”はポール・マッカートニーが担当している。

ダンサーで未婚の母、同性愛者でもある次女ドリュー・バリモア、広告業界で成功しているものの夫と別居している長女ケイト・ベッキンセイル、指揮者でないことで父を失望させる長男サム・ロックウェル、芸術家でありながら麻薬絡みのトラブルを起こす次男オースティン・リシ、長女の夫ダミアン・ヤング、息子ルシアン・メイゼル、恋人ジェームズ・フレイン、次女の恋人キャサリン・メーニッヒ、トラック・ドライバーのメリッサ・レオなどが共演している。


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