童話”シンデレラ”を基に新解釈で描く、監督、脚本アンディ・テナント、主演ドリュー・バリモア、アンジェリカ・ヒューストン、ダグレイ・スコット、ジャンヌ・モロー他共演のロマンチック・コネディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンディ・テナント
製作
ミレーユ・ソリア
トレイシー・トレンチ
原作:シャルル・ペロー”シンデレラ”
脚本
スザンナ・グラント
アンディ・テナント
リック・パークス
撮影:アンドリュー・ダン
編集:ロジャー・ボンデリ
音楽:ジョージ・フェントン
出演
ダニエル・ド・バルバラック:ドリュー・バリモア
ロドミラ・ド・ゲント:アンジェリカ・ヒューストン
ヘンリー王子:ダグレイ・スコット
マリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス:ジャンヌ・モロー
レオナルド・ダ・ヴィンチ:パトリック・ゴッドフリー
マルガリート・ド・ゲント:ミーガン・ドッズ
ジャクリーヌ・ド・ゲント:メラニー・リンスキー
フランソワ1世:ティモシー・ウェスト
マリー王妃:ジュディ・パーフィット
モーリス:ウォルター・スパロー
グスタフ:リー・イングルビー
ピエール・ル・ピュー:リチャード・オブライエン
オーギュスト・ド・バルバラック:ジェローン・クラッベ
王の下臣:トビー・ジョーンズ
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1998年製作 121分
公開
北米:1998年7月29日
日本:1999年4月24日
製作費 $26,000,000
北米興行収入 $65,703,410
世界 $98,005,670
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
19世紀。
マリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス(ジャンヌ・モロー)はグリム兄弟を呼び寄せ、”シャルル・ペロー”などが書いた童話”シンデレラ”について話す。
”ダニエル・ド・バルバラック”の、ガラスの靴を見せたマリー・テレーズは、実際あったと言ってその物語を語り始める。
”昔々、ある所に女の子が優しい父親と暮らしていた”
__________
16世紀、フランス。
ダニエルは、父オーギュスト(ジェローン・クラッベ)と結婚するロドミラ・ド・ゲント男爵夫人(アンジェリカ・ヒューストン)と娘達を歓迎する。
翌日、再び旅立つオーギュストだったが、発作を起こして落馬し、ダニエルに愛を告げながら息を引き取る。 数年後。 ある日ダニエルは、父親の馬を盗もうとした男を懲らしめようとする。 しかしダニエルは、その青年が王宮から逃げ出してきたヘンリー王子(ダグレイ・スコット)だと知り平伏す。 ヘンリーは、謝罪するダニエルに口止め料を払い、馬に乗り走り去る。 その後ヘンリーは、森の中でジプシーに襲われ絵を盗まれたという老人(パトリック・ゴッドフリー)から、それを取り戻してほしいと頼まれる。 国王の兵士に追いつかれるのを覚悟で、それを取り戻したヘンリーは、絵が”モナ・リザ”で老人がレオナルド・ダ・ヴィンチだと知り驚いてしまう。 ヘンリーは、進歩的な考えのダ・ヴィンチに、頑固な父王フランソワ1世(ティモシー・ウェスト)の考えを改めさせてもらおうとして、力を借りようとする。 馬を返しに行ったヘンリーは、娘マルガリートと王子との結婚を画策するロドミラやジャクリーヌに会い、スペイン王女との政略結婚について愚痴をこぼす。 納税を怠り売られた召使モーリス(ウォルター・スパロー)を救い出すため、淑女に扮したダニエルは、彼を王宮近くで見つける。 ダニエルはモーリスを救おうとして、”トマス・モア”の”ユートピア”を引用して人間の自由を主張するの。 それを拒まれたダニエルだったが、そこに現れたヘンリーの口添えで、モーリスは釈放される。 ヘンリーは、見覚えのあるダニエルを貴族と思い込み、彼女に惹かれて声をかけ、名前を聞き出そうとする。 ダニエルは、思わず母親の名前”ニコール・ド・ランクレ伯爵夫人”を名乗ってしまう。 ヘンリーが、母マリー王妃(ジュディ・パーフィット)に気を取られている隙に、ダニエルはその場から立ち去る。 ダニエルは、屋敷にモーリスを連れて戻り、召使い達と喜び合う。 国王に呼ばれたヘンリーは、顔も知らない相手との結婚は、王位継承権を捨ててでも拒むと言って席を外す。 ダニエルは、王子と口をきいたことを知ったロドミラに責められる。 ”ニコール・ド・ランクレ伯爵夫人”を知っているかを母に尋ねていたヘンリーは、5日以内に相手を決めて、舞踏会の日の真夜中にそれを発表することで妥協すると国王に言われる。 国王の下臣(トビー・ジョーンズ)は、仮装舞踏会が王宮で開かれ、その前に王子が花嫁を決めることをロドミラに知らせ、彼女はその後も情報を得ようとする。 ロドミラは、ダニエルの花嫁衣装をマルガリートに着せようとするが、ダニエルを舞踏会に連れて行く気はなかった。 ジャクリーヌは、家族に届いた招待状だと言って、全員が行くべきだと主張する。 そこにダニエルが現れ、花嫁衣装を手にしていたロドミラは、思わず彼女も連れて行くと言ってしまう。 母と姉の態度に嫌気が差したジャクリーヌは、その場を去る。 ダ・ヴィンチと川で愛について語り合っていたヘンリーは、偶然にもダニエルに出くわす。 会話が弾む二人だったが、そこにジャクリーヌが現れたため、ダニエルは姿を消す。 ヘンリーが、ある伯爵夫人に夢中だという噂が広まり、マルガリートは、彼の気を引くことを考える。 同じ頃ダニエルは、商人ピエール・ル・ピュー(リチャード・オブライエン)に言い寄られ結婚を迫られていた。 ダニエルは市場で召使たちと野菜を売って板のだが、そこにロドミラやマルガリートと共にヘンリーが現れる。 慌てたダニエルはその場を去り、ヘンリーに身分がバレることはなかった。 ヘンリーは、その後も伯爵夫人を捜し、ダニエルの親友で画家志望のグスタフ(リー・イングルビー)が、出くわした王子に、彼女がロドミラの親戚だと言ってしまう。 ダニエルは先回りして屋敷に戻り、着替えをしてヘンリーを迎え、彼に図書館に誘われる。 ロドミラは、王妃のブレスレットを下臣から渡され、それを拾ったように見せかけて、マルガリートを王妃に近づける。 それに成功したマルガリートは、ロドミラと共に王宮に招待される。 馬車の車輪が壊れ、ダニエルとヘンリーは森の中を歩いて帰ろうとするが、道に迷いジプシーに襲われる。 二人はジプシーに立ち向かい、そのリーダーに、自分の所持品を持ち帰る許可を得たダニエルは、ヘンリーを担いで歩き始める。 それを見たリーダーはダニエルが気に入り、彼女に馬を与え、アジトで二人を歓迎する。 ヘンリーは、奔放であり自分の考えを持つダニエルに好意を寄せ、惹かれ合った二人はキスをする。 屋敷まで送られたダニエルは、再びヘンリーとキスして、翌日も”アンボワーズの廃墟”に誘われる。 宮廷に戻ったヘンリーは、国王と王妃の元に向かい、大学と図書館を建てて国民に解放することと、舞踏会にジプシーを呼ぶことを伝える。 朝寝坊をしたダニエルは、ロドミラらの朝食を作ることを拒否する。 その態度に憤慨したロドミラは、ダニエルの花嫁衣裳をマルガリートに着せようとする。 舞踏会にも連れて行かないと言われたダニエルは、王妃になろうとするロドミラらの馬鹿げた計画を非難し、亡くなった母を侮辱したマルガリートを殴ってしまう。 追われたマルガリートは、ダニエルが父からもらった”ユートピア”を燃やすか、母親の靴を渡すかを迫る。 ダニエルは仕方なく指示に従うが、マルガリートは本を暖炉に投げ入れてしまう。 鞭打たれたダニエルは、母ロドミラの彼女への仕打ちに心痛めるジャクリーヌに介抱される。 王妃に招待されたロドミラとマルガリートは、ダニエルが噂の”伯爵夫人”だと気づく。 廃墟でヘンリーと会ったダニエルは、全てを打ち明けようとするが、それができなかった。 真相を追求されて、隠した衣装と靴のことを追求されたダニエルは、屋敷の物を隠し、それを召使のせいにするロドミラを罵る。 ロドミラはダニエルを地下室に監禁し、金目の物を売って舞踏会に向かおうとする。 ヘンリーは、ダニエルが婚約していたことを、ロドミラから知らされたと王妃に言われる。 ダニエルが、廃墟でそれを伝えたかったのだと気付いたヘンリーは、自分の責任を感じる。 モーリスはダニエルを助けるために、ダ・ヴィンチに協力を求めるよう、グスタフを宮廷に向かわせる。 舞踏会は始り、下臣に扮したグスタフはダ・ヴィンチに助けを求める。 ダ・ヴィンチは、屋敷に向かってダニエルを解放し、戸惑う彼女に、ヘンリーには真実を伝えれればいいと助言して舞踏会に向かう準備をさせる。 ダニエルは、母親のドレスを着て靴を履き、馬車に乗って王宮に向かう。 そして、ヘンリーの婚約発表の時となるが、彼は、そこに現れたダニエルに気づく。 ヘンリーはダニエルの元に駆け寄り、婚約をしていないことを確認して、彼女を国王と王妃の元に連れて行く。 ロドミラがそれを邪魔をし、ダニエルが屋敷で働く召使いだと国王に伝える。 国王は驚き、ヘンリーは、再び騙されたと言ってダニエルの説明も聞かずに彼女を退ける。 ショックを受けたダニエルはその場を離れ、転んでしまった彼女は、片方の靴を残して走り去る。 それを拾ったダ・ヴィンチは、ダニエルの気持ちを理解しようとしないヘンリーに失望して、靴をその場に置き立ち去る。 屋敷の物をル・ピューに売っていたロドミラは、それを買い戻し、その交換条件としてダニエルが彼に売り飛ばされる。 スペイン王女との結婚の日を迎えたヘンリーは、それを取りやめてダニエルの元に向かい、彼女がル・ピューに売られたことを知る。 虐げられた日々を送っていたダニエルは、ル・ピューを脅してその場を逃れ、現れたヘンリーに謝罪される。 ダニエルはヘンリーを許し、なくした靴を見せられて、これが履ける者こそ花嫁だと言われる。 ヘンリーは、一人の男としたダニエルの前に跪き、彼女に靴を履かせる。 そして、二人は愛を確かめ抱き合う。 ロドミラ、マルガリート、ジャクリーヌは国王に呼び出され、彼女らは喜び勇み宮廷に向かう。 しかしロドミラは、王妃に嘘をついたことを国王に追求される。 ロドミラはそれを求め、マルガリートと共に罪のなすり合いを始める。 男爵夫人の称号を剥奪されたロドミラは、マルガリートと共に新大陸へと流刑に処されることになる。 しかし、現れたダニエルが、義母ロドミラを擁護して、ヘンリーは、マルガリートに妻だと言って彼女を紹介する。 ダニエルは、この場が別れる場所だとロドミラに伝えて、今までの自分と同じ待遇を、彼女に与えるよう王妃に要望する。 ロドミラとマルガリートは、洗濯婦として働くことになる。 その後、ダ・ヴィンチは、結婚のプレゼントだと言ってダニエルに肖像画を贈り、彼女はヘンリーと幸せな生活を送れることを確信する。 マリー・テレーズは、曽々祖母ダニエルの肖像画が、フランス革命の時まで大学の壁に飾られ、王子とのロマンスは、おとぎ話に変わったことをグリム兄弟に伝える。 シンデレラと王子様は、その後もずっと幸せに暮らし、二人は本当に生きていたことも付け加える。
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オーギュストの財産と屋敷を我が物にして、ロドミラは、娘マルガリート(ミーガン・ドッズ)とジャクリーヌ(メラニー・リンスキー)と共に、ダニエルを召使いにしてこき使っていた。
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*(簡略ストー リー)
16世紀、フランス。
父を亡くしたダニエル・ド・バルバラックは、義母ロドミラやその娘マルガリートとジャクリーヌに、召使いとして使われていた。
ある日、ヘンリー王子と出くわしたダニエルは、彼に無礼な態度をしてしまうが許される。
その後、売られた召使いモーリスを助けに行ったダニエルは、そこでもヘンリーに口添えされる。
ヘンリーはダニエルに惹かれて、会ったことを思い出せないまま、彼女が伯爵夫人だと知る。
一方、ヘンリーが、スペイン王女との政略結婚に不満であるため、ロドミラは、娘マルガリートを何んとか王妃にしようと画策する。
譲歩した国王フランソワ1世は、5日以内に結婚相手を見つけ、舞踏会の場で婚約を発表するようヘンリーに命ずる。
ヘンリーはダニエルに会い、その魅力の虜になるが、召使いの身分を隠す彼女は、王子を騙していることで心痛める。
そして、二人の関係を知ったロドミラは、その中を裂こうと企む・・・。
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ラブ・ロマンスのスタンダードを、現代的な感覚で描く、新鮮な発想が話題になった作品。
子役からキャリアを重ねたドリュー・バリモアが、いよいよ本格的な活躍をし始めた頃の作品で、彼女の人気を高めた作品でもある。
しかし、新解釈ということなのだが、男の目から見て、どうも主人公のロマンスはピンとこない。
コメディ部分とロマンスの、展開のバランスが悪く、今一ドラマチックでもない。
”ディズニー”に任せなければいけない物語でもないだろうが、期待のアンディ・テナントの演出も平凡だ。
キュートな魅力のドリュー・バリモアは主人公を熱演し、喜怒哀楽、実に表情豊かな溌剌とした演技を見せる。
主人公をいじめ抜く、義母・悪女を雰囲気たっぷりに演ずるアンジェリカ・ヒューストン、良いか悪いかは女性の目にお任せ・・ヘンリー王子ダグレイ・スコット、冒頭に登場する大ベテラン、マリー・テレーズ・シャルロット・ド・フランス役のジャンヌ・モロー、物語の中で、恋のキューピットとして大きな役割を担うレオナルド・ダ・ヴィンチのパトリック・ゴッドフリー、主人公の義姉、意地の悪いミーガン・ドッズと、好意的に接するメラニー・リンスキー、国王フランソワ1世のティモシー・ウェスト、王妃のジュディ・パーフィット、召使いウォルター・スパロー、主人公の親友で画家志望の青年リー・イングルビー、商人役のリチャード・オブライエン、主人公の父親ジェローン・クラッベ、そして、王の下臣でトビー・ジョーンズなどが共演している。