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エバン・オールマイティ Evan Almighty (2007)

2003年公開の「ブルース・オールマイティ」の主役ジム・キャリーが演じた”ブルース・ノーラン”のライバルとして登場した”エバン・バクスター”を主人公にした続編。
製作、監督トム・シャドヤック、主演スティーヴ・カレルモーガン・フリーマンローレン・グレアムジョン・グッドマン他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

スティーヴ・カレル / Steve Carell / Pinterest
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman 作品一覧
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman / Pinterest
トム・ハンクス / Tom Hanks 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:トム・シャドヤック

製作総指揮
イロナ・ハーツバーグ

デイヴ・フィリップス
マット・ルーバー
ゲーリー・ゴーツマン
トム・ハンクス
製作
トム・シャドヤック

ゲイリー・バーバー
ロジャー・バーンバウム
ニール・H・モリッツ
マイケル・ボスティック
原作
アレック・ソコロウ

ジョエル・コーエン
原案
スティーヴ・コーレン

マーク・オキーフ
脚本:スティーヴ・オーデカーク
撮影:イアン・ベイカー
編集:スコット・ヒル
音楽:ジョン・デブニー

出演
エバン・バクスター:スティーヴ・カレル

神:モーガン・フリーマン
ジョーン・バクスター:ローレン・グレアム
ディラン・バクスター:ジョニー・シモンズ
ジョーダン・バクスター:グラハム・フィリップス
ライアン・バクスター:ジミー・ベネット
チャック・ロング議員:ジョン・グッドマン
リタ・ダニエルス:ワンダ・サイクス
マーティ:ジョン・マイケル・ヒギンズ
バロウズ議員:ハーヴ・プレスネル
ユージーン:ジョナ・ヒル
イブ・アダムス:モリー・シャノン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2007年製作 95分
公開
北米:2007年6月22日
日本:未公開
製作費 $175,000,000
北米興行収入 $100,289,700
世界 $173,418,780


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニュースキャスターのエバン・バクスター(スティーヴ・カレル)は、”世界を変える”という公約を掲げ、見事に下院議員に当選する。

キャスターを辞めたエバンは、妻ジョーン(ローレン・グレアム)や子供達ディラン(ジョニー・シモンズ)、ジョーダン(グラハム・フィリップス)、ライアン(ジミー・ベネット)と共に、ヴァージニア北部の郊外に移り住むことになる。

新車や新居も手に入れ、権力を手に入れたエバンは責任を感じ、”世界を変える”という自分の公約を果たせるよう、神の力を借りようとする。

翌朝、目覚ましの時刻が違い、誤配の荷物が届いたのを気にしながら、エバンは議員としての初仕事に向かう。

秘書リタ・ダニエルス(ワンダ・サイクス)に挨拶されたエバンは、主席補佐官のマーティ(ジョン・マイケル・ヒギンズ)やユージーン(ジョナ・ヒル)と顔を合わせる。

エバンは、早速、チャック・ロング議員(ジョン・グッドマン)の法案共同提案者となり、仕事を家に持ち帰る。
...全てを見る(結末あり)

子供達とハイキングに行く約束をしていたエバンだったが、それをキャンセルしてしまったため、妻や子供達の信頼を失ってしまう。

翌朝、再び66時14分に鳴った目覚ましに起こされたエバンは、またもや荷物の材木が届いたことに憤慨し、やがて時計の数字が”創世記”を意味していることに気づく。

聖書を取り出したエバンは、”ゴフェルの木で箱舟を造れ”という言葉を見つける。

その後、エバンの前に神(モーガン・フリーマン)だという男が現れ、”創世記”第6章14節に従い、届けた道具などで箱舟を造れと言い残し姿を消す。

オフィスに向かう途中で、人々が全て神に見えたエバンは、何ごとにも”614”という数字が絡んでくるのを気にする。

そして、参加した委員会にも神が現れ、エバンは気を失ってしまう。

ロングに介抱されたエバンは、医師に扮した神に再び箱舟を造るよう言われる。

帰宅したエバンは、箱舟について調べ上げ、気分を新たに翌日に備える。

翌朝、自分の周りに動物が集まるのに気づいたエバンは、現れた神からその動物達を乗せる箱舟を造るよう言われ、ついにそれを決心する。

そして翌日、突然ヒゲの生えてしまったエバンは、自分が周辺8区画も購入したことを不動産業者から知らされる。

妻ジョーンは、土地を買ってボートを造ると言い出すエバンの言動に呆れてしまう。

エバンはジョーンを説得し、悪戦苦闘しながらも子供達の協力を得て箱舟を造り始める。

ヒゲや髪の毛が伸び放題のまま、オフィスに向かったエバンは、スタッフとロング議員の驚きを尻目に、帰宅後、原始的な方法で箱舟造りを続ける。

神から道具(クレーン)を受け取ったエバンは、作業効率を高め、巨大な箱舟を建造していく。

そしてエバンは、9月22日の昼間に大洪水が起きるという神の予言を聞く。

神から授けられた、”ノア”の衣服まで身にまとったエバンを見て、妻のジェーンは嘆いてしまう。

委員会に出席したエバンは、衣服をスーツで隠していたが、ロング議員に紹介された時には姿は戻ってしまい、動物が委員会に大挙進入し大騒動になる。

エバンは、ロング議員に強制退去させられそうになるが、その場で、9月22日の大洪水の予言を、神から聞いたと話し始めてしまう。

委員会から摘み出されたエバンは、ジェーンと子供達にも見限られ、”変人”扱いされ独りで箱舟を造り続ける。

家を出たジェーンは、あるレストランのウエイター(神)から、エバンを理解する時期だということと、家族の絆などを悟らされる。

家に戻ったジェーンらは、白髪になってしまったエバンに驚くものの、家族に、起きていることに立ち向かうことを伝える。

そして、建造中の箱舟周辺に、大量の動物達が集まってくる。

エバンは、家族や動物達の協力を得て箱舟の完成を急ぎ、マスコミや人々は注目し、エバンに声援を送り始める。

そんな時、マーティやリタらエバンのスタッフが、法案を利用し私腹を肥やすロングの企みを暴く。

マーティらはそれをエバンに知らせ、議会に戻って法案を廃案にするよう説得する。

しかし、巨大な箱舟が完成したことを知らされたエバンは、動物達を箱舟に招き入れる。

そこに、ロング議員が現れ法案への協力をエバンに求めるが、彼は聞く耳を持たず議員を追い返す。

裁判所命令で、箱舟が撤去されることになり、エバンはジョーンの説得で船を下りようとするが、その時、天気が急変する。

やがて雨が降り出し、エバンの予告は当たったかのように見えるが、雨はたちまち止んでしまう。

しかし、ロングが手抜き工事で造ったダムが、崩壊することに気づいたエバンは、付近の人々を箱舟に乗せようとする。

その時、ダムが決壊し大洪水が迫り、人々は箱舟に押し入ってくる。

洪水と共に流された箱舟は、ワシントンD.C.に入り向きを変え議事堂に向かう。

議事堂の前で停止した箱舟から降りたエバンは、ロングの法案採決を延期に追い込み、議会はエバンの議員復帰を承認する。

以前の生活に戻ったエバンは、家族と共にハイキングに出かける。

エバンは、木陰にたたずむ神を見つけ歩み寄り、世界を変える方法”Act of Random Kindness(ARK/箱舟)”(周囲に親切にする行為)を神に伝える。

神は、それが”ARK/箱舟”だということをエバンに知らせ、ダンスを踊りながら消え去って行く。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
”世界を変える”という公約を掲げ、ニュースキャスターから転身し、下院議員に当選したエバン・バクスターは、新居に移り、公約を守れるよう神の力を借りるために祈りを捧げる。
翌日、異変を感じたエバンは、それを気にしながら議員職をこなしていくが、神だという男が現れ”ゴフェルの木で箱舟を造れ”というお告げを受ける。
半信半疑のエバンだったが、神の要望に押し切られて、子供達と巨大な箱舟建造を始める。
しかし、それが、周囲からは奇異な目で見られてしまう。
やがて、容姿も”ノア”そのものに成ってきたエバンは、委員会で、大洪水が起きることを予告してしまう。
委員会や家族にまで見捨てられたエバンは、それでも箱舟の建造を続ける。
神に悟らされた妻や子供達も戻り、エバンはついに箱舟を完成させるのだが・・・。
__________

前作の製作費の2倍以上(1億7500万ドル)をかけた、とてつもない大作で、アメリカ国内では非常に人気の高いスティーヴ・カレルの主演作ではあるが、大ヒット作「ブルース・オールマイティ」(2003)の続編でジム・キャリーの出演もないため期待のほどが心配された作品。

結局は、その製作費を回収できない結果に終わってしまったものの、北米で約1億ドル、全世界では約1億7300万ドルを超す興行収入を上げた。
ブルース・オールマイティ」(約4億8000万ドル/世界)

巨大な箱舟や動物達をCG化したスケールの大きさは、巨費を投じただけのことはある。
クライマックスの箱舟が流されていくシーンの、スペクタクル映画さながらの大迫力映像は見ものだ。

監督トム・シャドヤック以下、多くのスタッフが前作から受け継ぎ、大袈裟なストーリーだが、ハート・ウォーミングなファミリー映画としても楽しめる作品で、前作を観ていなくても全く問題のない内容に仕上がっている。

人の良い中年として好感度もある、愛すべきキャラクターのスティーヴ・カレルは、ジム・キャリーのような派手な演技をしなくても実に可笑しい、雰囲気のあるいい役者だ。

脇役に徹するものの、”神”として存在感は抜群で、ユーモアのセンスも冴えるモーガン・フリーマン、結局は悪徳政治家の化けの皮が剥がれるジョン・グッドマン、主人公の妻役ローレン・グレアム、息子達ジョニー・シモンズグラハム・フィリップスジミー・ベネット、主人公のスタッフ、ワンダ・サイクスジョン・マイケル・ヒギンズジョナ・ヒルなどが共演している。

また、名バイプレイヤーとして多くの作品に出演した、議員役のハーヴ・プレスネルは本作が遺作となった。


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