学校教育も受けていない19歳のクリストファー・パオリーニをベストセラー作家にした”ドラゴンライダー”シリーズ第1作の映画化。 暴君に抵抗する希望の星であるドラゴンライダーと勇気ある者達の戦いを描く、主演エドワード・スペリーアス、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコヴィッチ、シエンナ・ギロリー、ロバート・カーライル、レイチェル・ワイズ、ジャイモン・フンスー他共演、監督シュテフェン・ファンマイヤーによるファンタジー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:シュテフェン・ファンマイヤー
製作
ジョン・デイヴィス
ウィック・ゴッドフレイ
原作:クリストファー・パオリーニ
脚本:ピーター・バックマン
撮影:ヒュー・ジョンソン
編集:ロジャー・バートン
音楽:パトリック・ドイル
出演
エドワード・スペリーアス:エラゴン
ジェレミー・アイアンズ:ブロム
ジョン・マルコヴィッチ:ガルバトリックス
シエンナ・ギロリー:アーリア
ロバート・カーライル:ダーザ
レイチェル・ワイズ:サフィラ(声)
ジャイモン・フンスー:アジハド
ギャレット・ヘドランド:マータグ
アラン・アームストロング:ギャロウ
クリス・イーガン:ローラン
スティーヴ・スピアーズ:スローン
ジョス・ストーン:アンジェラ
キャロライン・チケジー:ナスアダ
アメリカ/イギリス/ハンガリー/オーストラリア 映画
配給 20世紀FOX
2006年製作 104分
公開
北米:2006年12月13日
日本:2006年12月16日
製作費 $100,000,000
北米興行収入 $75,030,160
世界 $249,420,850
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
帝国アラゲイジアを支配する暴君ガルバトリックス(ジョン・マルコヴィッチ)は、ある”石”を、エルフの国エレズメーラの王女アーリア(シエンナ・ギロリー)に盗まれる。
ガルバトリックスは、魔術を使うダーザ(ロバート・カーライル)を差し向ける。
ある朝、農村で伯父ギャロウ(アラン・アームストロング)に育てられた平凡な少年エラゴン(エドワード・スペリーアス)は狩りに出る。
アーリアはダーザに襲われ、石のパワーでそれを消し去るものの痛めつけられる。
スパインの森の中で鹿を射るつもりだったエラゴンは、その場で青く光る石を見つける。 アーリアは、石が誰かの手に渡ったことを感じながら意識を失う。 村に戻ったエラゴンは、獲物を仕留められなかったため肉屋に向かい、主人のスローン(スティーヴ・スピアーズ)に石を見せて、肉と交換しようとする。 顔色が変わったスローンは、石は王の物であり、村に災いをもたらすと言って森に戻すよう指示する。 家に戻ったエラゴンは石を納屋に隠した後、従兄のローラン(クリス・イーガン)と農作業をする。 ローランは、この場に居ても王の兵にとられるだけだと言って、村を出ることをエラゴンに伝える。 ギャロウは、ローランと同じく自分の道を決めるようにとエラゴンに助言する。 エラゴンはこの村が好きだと答えて家を出た母親を想い、自分のためにとった行動だろうとギャロウに言われる。 ローランは、父ギャロウとエラゴンに見送られて旅立つ。 その夜、卵だった石から小さな生き物が孵ったためエラゴンは驚く。 その時、村の語部ブロム(ジェレミー・アイアンズ)、ガルバトリックス、捕えられていたアーリアは何かを感じる。 アーリアは、現れたダーザに”あれ”が孵ったため手遅れだと伝える。 ダーザは、ドラゴンがある農村の子供の元で孵ったことをガルバトリックスに伝える。 ガルバトリックスは、その子供がヴァーデンに向かうことを阻止するようダーザに命ずる。 ダーザは、魔物ラーザックに”ドラゴンライダー”を殺すよう指示する。 ブロムは村の男達を前に、ドラゴンとドラゴンライダーの時代に世の中が栄えていたことを話す。 ドラゴンライダーの一人だったガルバトリックスが権力を求め、他のライダーを殺したのだった。 その場にいたエラゴンは、ドラゴンライダーの時代が再び訪れ、王は報いを受けると語るブロムの話に聞き入る。 生き物がドラゴンであることを確信したエラゴンは、それが飛び立ち、巨大な姿に成長して戻ったために驚く。 心で会話ができたエラゴンは、ドラゴンがサフィラ(声:レイチェル・ワイズ)という名であることと自分がライダーであることを知らされる。 ブロムの元に向かい、ドラゴンの話の続きを聞こうとしたエラゴンだったがそれを拒まれる。 肉屋のスローンはラーザックに痛めつけられ、エラゴンが石を持っていたことを話してしまう。 その様子を目撃したエラゴンは、伯父ギャロウの危険を察して家に向かうが、サフィラがそれを制止する。 それを振り切って家に向かったエラゴンは、ギャロウが殺されていたためショックを受ける。 自分が戻っていれば危険を知らせることができたと言って、エラゴンはサフィラを責める。 その場に戻れば殺されていたと伝えるサフィラだったが、エラゴンに消え失せろとまで言われ、仕方なく飛び立つ。 失意のエラゴンの前に現れたブロムは、家に火を放ちギャロウを火葬する。 エラゴンを連れ出したブロムは、命を狙われていることを伝え、二人は馬で走り続ける。 森で馬を降りたブロムは、ドラゴンが命を救ったと言って、ダーザやラーザックがかなう相手でないことをエラゴンに伝える。 ブロムは、ビオア山脈の要塞に陣を構える、王に反乱を仕掛けたヴァーデンの希望の星であるエラゴンに、心の声でドラゴンを呼ぶよう指示する。 エラゴンはそれに従い、現れたサフィラに謝罪する。 ブロムをサフィラに紹介したエラゴンは、自分がドラゴンライダーであり、王とダーザに立ち向かう選ばれし者であることを知らされる。 サフィラはドラゴンライダーのために孵り、ドラゴンを倒そうとする王はエラゴンの命を奪う必要があった。 ライダーが死ねばドラゴンも死ぬのだった。 その頃ダーザは、ラーザックがエラゴンを捕えられなかったため、獰猛な種族アーガルに彼を仕留めるよう命ずる。 ブロムは、アーガルとラーザックの動きを上空からサフィラに監視させるようエラゴンに指示する。 先を急いだブロムはアーガルがいることを確認し、エラゴンは戦いに勝つ自信があることをブロムに伝える。 エラゴンの腕を試したブロムは、ローランとの遊びでしか戦ったことのない彼の未熟さを指摘する。 旅を続けた二人は馬を降り、エラゴンは、水辺の村落で占い師のアンジェラ(ジョス・ストーン)から、ある少女に夢の中で出会うと言われる。 アーガルに襲われたエラゴンは、相手を倒した直後に気を失ってしまい、少女(アーリア)の夢を見る。 目覚めたエラゴンは、自分が魔力を身につけていることをブロムから知らされる。 強く結ばれているサフィラの魔力が乗り移ったということだった。 エラゴンは、最後の手段である魔力の使い方をブロムから教わる。 サフィラの背に乗ったエラゴンは、飛び方を体で覚える。 エラゴンは、馬を走らせるブロムにラーザックが襲い掛かろうとしていることに気づく。 その場に向かったサフィラは森の中に落下してしまい、エラゴンは魔力で、ブロムは剣でラーザックを倒す。 サフィラの手当てをするブロムは、エラゴンが無茶をし過ぎることを注意する。 エラゴンは、ブロムの自分と同じ掌の傷に気づき、彼もその昔ドラゴンライダーだったことと、彼のドラゴンが死んだということを知る。 ドラゴンが他のライダーに殺されたことを伝えたブロムは、それに使われたドラゴン・キラーと言われる剣”ザーロック”を見せる。 ブロムを守ろうとしたドラゴンは、ガルバトリックスに加担したライダー、モーザンの手で殺されたのだった。 ブロムはモーザンを追い詰めて殺し、村に身を隠したことをエラゴンに話す。 自分と共に終わったドラゴンライダーの時代が、エラゴンのお蔭で甦ったとブロムは語る。 ダーザは、エラゴンを倒せずに戻ったアーガルのリーダーを殺し、アーリアに魔法をかける。 エラゴンの夢に現れたアーリアは、ダーザの指示で彼を誘き寄せる。 目覚めたエラゴンはアーリアを救うために、目的地とは逆方向のキリエドに向かうと言い出し、ブロムとサフィラの忠告も聞かずに飛び立つ。 キリエドの城内に侵入したエラゴンはアーリアを見つけるものの、逃げるよう言われる。 そこにダーザが現れ、エラゴンは立ち向かおうとする。 ダーザは槍を放つが、現れたブロムがそれを受けてエラゴンを救う。 エラゴンは反撃し、ダーザが姿を消した隙に、ブロムとアーリアを連れてその場から逃れようとする。 そこにサフィラが現れ、謎の剣士マータグ(ギャレット・ヘドランド)がエラゴンらを援護する。 エラゴンら3人は、サフィラに乗りその場から逃れる。 瀕死のブロムは、エラゴンに剣を渡しヴァーデンに向かうよう指示する。 魔力で傷を治そうとするエラゴンに、未熟故に多くを学ぶよう伝えたブロムは、誇り高い死を選び、サフィラの背中に乗って飛び立つ。 エラゴンとアーリアは息を引き取ったブロムを埋葬し、サフィラと共に祈りを捧げる。 その後、ダーザが魔力による毒でアーリアを苦しめる。 アーリアは、もがき苦しみながらもヴァーデンの場所をエラゴンに教えようとする。 サフィラは、尾行していたマータグを捕えて連れて来る。 ヴァーデンに案内するというマータグは、一族を王に殺されたため、ライダーの噂を聞いて追ってきたということだった。 一応マータグを信用したエラゴンは、アーリアをサフィラに任せてヴァーデンに向かう。 ガルバトリックスは、目的を達することができないダーザの無能さを批判し、軍を率いてエラゴンらを追い皆殺しにするよう命ずる。 ヴァーデンで捕えられたエラゴンとマータグは、指揮官アジハド(ジャイモン・フンスー)の元に連れて行かれる。 ライダーがエラゴンであることを確認したアジハドは、ドラゴンを呼ぶよう指示する。 サフィラは現れ、アジハドは毒で苦しむアーリアの治療をさせる。 アーガルの襲撃を知ったアジハドは、共に戦うというエラゴンを頼もしく思うが、マータグが裏切り者モーザンの息子であることに気づく。 マータグはそれを認めるが、父親を憎んでいたことをエラゴンに伝える。 アジハドはマータグを拘束し、王の軍が現れると言って警戒する。 エラゴンは、アジハドの娘ナスアダ(キャロライン・チケジー)から、アーリアの解毒に成功したことを知らされる。 戦いの準備を始めたエラゴンは、回復したアーリアに励まされる。 帝国軍を迎え撃つエラゴンは、サフィラと一体となり戦いを挑む。 アーリアやアジハド、拘束を逃れたマータグも勇敢に戦うが、想像を絶する敵の大軍が押し寄せる。 エラゴンはダーザと対決し、サフィラが傷つけられる。 サフィラの力は弱まるが、エラゴンは単独でダーザを倒す。 エラゴンを救ったサフィラは地面に落下し、致命的な傷を負い瀕死の状態となる。 魔力を使いサフィラを救おうとするエラゴンだったが、 体力を消耗して力尽きる。 ヴァーデン軍は勝利し、マータグに見守られながら目覚めたエラゴンは、サフィラが助かったことを知る。 サフィラはエラゴンに感謝し、ブロムが誇りに思っているだろうと伝える。 故郷に向かうアーリアの一向に、サフィラに乗り追いついたエラゴンは、彼女からヴァーデンの伝説になったと言われる。 再会の可能性を伝えたアーリアは、サフィラの背に乗り飛び立つ、新たなる英雄エラゴンに未来を宅す。 ガルバトリックスは、平凡な少年に敗れたことで怒りを爆発させ、剣を抜きカーテンを引き裂く。 現れた黒いドラゴンは炎を吹く。
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*(簡略ストー リー)
農村で伯父に育てられた少年エラゴンは、森の中で青く光る石を見つけるが、それは、エルフの王女アーリアが盗み出したものだった。
その石はドラゴンの卵で、やがて、ドラゴンのサフィラが孵る。
エラゴンは、村の語部ブロムから、ドラゴンとドラゴンライダーが、その昔、この国の平和を守っていたことを知らされる。
一方、帝国アラゲイジアを支配する暴君ガルバトリックスは、ドラゴンの誕生を阻止するために、魔術を使うダーザ差し向けてエラゴンを殺そうとする。
エラゴンはブロムとサフィラと共に旅立ち、ドラゴンライダーの心得を教えられ、自分が選ばれし者だと言うことを知らせるのだが・・・。
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製作費1億ドルをかけた大作として話題を呼ぶものの、評論家、観客の評価良くなかった。
しかし、北米興行収入は約7500ドル、全世界では約2億5000万ドルの大ヒットとなった。
どこかで見たような、また聞いたようなありがちなストーリーではあるが、世界の人々がこのようなファンタジーを、どれだけ愛しているかが実感できる結果だ。
主演のエドワード・スペリーアスは、それほど魅力があるとは言えないキャラクターだが、脇を固める演技派のジェレミー・アイアンズの重厚な演技は作品に重みを加える。
ジョン・マルコヴィッチの出演もファンには嬉しいところで、それほど出番は多くないが、単独で登場すると恐ろしい妖術師ロバート・カーライルが圧倒される、暴君役のジョン・マルコヴィッチとの力関係がはっきりしているところなどが面白い。
そのロバート・カーライルの怪演は見ものだ。
期待のジャイモン・フンスーは、クライマックスで反乱軍の指揮官を演じ存在感を発揮している。
勇ましい王女のシエンナ・ギロリーは、若い頃のエヴァ・ガードナーとケイト・ブランシェットを思わせる顔立ちと妖艶な雰囲気を漂わせながら熱演している。
ドラゴン、サフィラの声でレイチェル・ワイズ、謎の剣士ギャレット・ヘドランド、主人公の叔父アラン・アームストロング、その息子クリス・イーガン、村の肉屋スティーヴ・スピアーズ、占い師ジョス・ストーン、反乱軍指揮官の娘キャロライン・チケジーなどが共演している。