2002年に発表された、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説”The Double”を基に製作された作品。 鑑賞した映画に自分とそっくりな俳優を見つけた大学教授が体験する悪夢と混乱を描く、監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ、主演ジェイク・ギレンホール、メラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニ他共演の心理スリラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
製作
ニブ・フィッチマン
M・A・ファウラ
製作総指揮
フランソワ・イベルネル
キャメロン・マクラッケン
マーク・スローン
ヴィクター・ロウイ
原作:ジョゼ・サラマーゴ”The Double”
脚本:ハビエル・グヨン
撮影:ニコラ・ボルデュク
編集:マシュー・ハンナム
音楽
ダニー・ベンジー
ソーンダー・ジュリアーンズ
出演
アダム・ベル/アンソニー・クレア:ジェイク・ギレンホール
メアリー:メラニー・ロラン
ヘレン・クレア:サラ・ガドン
キャロライン:イザベラ・ロッセリーニ
カール:ジョシュア・ピース
管理人:ティム・ポスト
警備員:ケダー・ブラウン
ビデオ・ショップの店員:ダリル・ディン
秘密クラブの女性:ミシャ・ハイステッド
秘密クラブの女性:メーガン・メイン
秘密クラブの女性:アレクシス・ウイガ
カナダ/スペイン 映画
配給
Entertainment One Films
Alfa Pictures
A24
2013年製作 90分
公開
カナダ:2014年3月14日
スペイン:2014年3月28日
北米:2014年3月14日
日本:2014年7月18日
北米興行収入 $1,008,730
世界 $3,396,730
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
トロント。
大学の歴史学の教授アダム・ベル(ジェイク・ギレンホール)は、恋人はいるものの、平凡で変化のない孤独な日々を送っていた。
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ある男(ジェイク・ギレンホール)は、地下のクラブに向かい、手にした鍵で入り口のドアを開けて中に入り、エロティック・ショーを見る。
裸体の女性は、テーブルに乗せられたタランチュラをハイヒールで潰そうとする。
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その週の講義を終えたアダムはアパートに戻り、夜になり現れた恋人のメアリー(メラニー・ロラン)と食事をする。
その後、二人は愛し合い、メアリーは帰る。 同じことを繰り返しているだけの日々を送るアダムは、ある日、同僚のカール(ジョシュア・ピース)から映画に興味はあるかと訊かれる。 出かけないし映画も観ないと答えたアダムは、”道は開かれる”というタイトルのカナダ映画がいい作品だと言われる。 帰りにビデオ・ショップに寄ったアダムはアパートに戻り、メアリーには学生の採点を済ませると伝え、その後、借りてきた”道は開かれる”を観る。 観終わったアダムは、ベッドで寝ていたメアリーに強引に迫ったため、彼女は気分を害して帰ってしまう。 その後、映画の夢を見たアダムは目覚め、気になったために作品をチェックすると、その中でボーイ役の俳優(ジェイク・ギレンホール)が自分にそっくりであることに気づく。 翌日、作品の出演者を調べたアダムは、その俳優が、端役の”ダニエル・センクレア”だということを確認する。 ビデオ・ショップに向かったアダムは、ダニエルの他の出演作を借りてチェックし、どう見ても自分と同一人物にしか思えないために悩み始める。 ダニエルの所属事務所の場所を調べて、サングラスをかけてその場に向かったアダムは、警備員(ケダー・ブラウン)から声をかけられる。 疑われることもなかったアダムは、ダニエル宛の郵便物を受け取って車に戻る。 それを開けたアダムは、中に入っていた”親展”の封筒を確認する。 ダニエルの本名は”アンソニー・クレア”であり住所を知ったアダムは、彼のアパートとその部屋を隣の建物の屋上の駐車場で確認して、電話番号を調べる。 アンソニーに電話をしたアダムは、それに出た妻と思われる女性に本人だと思われる。 うまく説明できないまま、イタズラ電話だと思われたアダムは混乱してしまう。 アパートに戻り、再びアンソニーに電話をしたアダムは、それに出た本人から警察に通報すると言われて切られてしまう。 もう一度、電話をしたアダムは、映画を見たことを話し、自分と瓜二つであることをアンソニーに伝える。 アダムから、大学の歴史の教授であり会いたいと言われるものの、二度と電話をするなと警告したアンソニーは、心配する妻のヘレン(サラ・ガドン)に、ストーカーかもしれない相手がア自分に会いたがっていると伝える。 電話の相手が浮気した女の夫だと疑うヘレンだったが、アンソニーはそれを否定する。 その夜、アンソニーは、大学の歴史の教授だと言っていたアダムのことを調べる。 夜中に目覚めたヘレンは、アンソニーが調べたアダムについてのメモなどを確認する。 翌日、電話をかけてきたアンソニーから会ってみたいと言われたアダムは、日曜日に会う約束をする。 大学のキャンパスに向かったヘレンは、アンソニーからの電話を受けて安堵してベンチに座っていたアダムを見て驚く。 隣のベンチに座り、アダムから話しかけられたヘレンは動揺し、妊娠何か月目かと訊かれる。 6か月と答えたヘレンは、清々しい表情のアダムから、講義に行くと言われる。 アンソニーに電話をしたヘレンは、何も話せずに切ってしまう。 アパートに戻ったヘレンは、自分の様子がおかしいことを気にするアンソニーに、大学に行き電話の相手に会い、声も顔も全く同じだったことを話し混乱する。 日曜日。 兄弟なのかもしれないと言われたアダムはそれを否定し、アンソニーは、脇腹に傷を見せる。 同じ傷があるアダムは動揺して、事務所で渡された封筒を置いてその場を去る。 アパートに戻ったアンソニーは、アダムがもう電話をしてこないことをヘレンに伝える。 その後、アダムの恋人メアリーの存在を知ったアンソニーは、バスに乗った彼女を尾行し、愛し合うことなどを考えてしまう。 メアリーの職場まで向かったアンソニーは、気づかれないまま彼女を監視する。 母キャロライン(イザベラ・ロッセリーニ)に会ったアダムは、瓜二つなどありえないと断言する彼女から助言を拒まれ、二度とこの話は聞きたくないと言われる。 キャロラインは、教養も地位もある人間が、三流役者とそっくりなどという話はしないでとアダムに伝える。 突然アパートに現れたアンソニーに驚いたアダムは、自分を探したことと電話した理由、そしてヘレンと寝たかを訊かれる。 答えようとしないアダムに、ヘレンを巻き込んだと言い寄るアンソニーは、恋人にも償わせると伝えて、車と服を貸すよう要求する。 そうすれば姿を消すと言うアンソニーは、アダムの服を着て指輪を外し、その場を去る。 アンソニーは、メアリーに連絡をして彼女を誘う。 同じ頃、アンソニーのアパートに向かったアダムは、管理人(ティム・ポスト)から声をかけられ、鍵を忘れたことを伝える。 管理人からドアを開けると言いわれて部屋に向かうアダムは、先日の夜は楽しめたかと訊かれる。 また楽しみたいと言う管理人は、鍵を替えて新しいものを配ったらしいが、自分には届かないとアダムに伝える。 話が理解できないアダムは、管理人からまた行きたいかと訊かれ、何とかしてみると答える。 ドアを開けてもらい部屋に入ったアダムは、誰もいないことを確認して、アンソニーの服を着る。 暫くするとヘレンが戻り、母親の家に行ったか訊かれたアダムは、やめたと答えて、自然に振る舞おうとする。 ベッドに誘われたアダムは服を脱ぎ、ヘレンに触れられ、今日の大学はどうだったかと訊かれる。 動揺するアダムは、ヘレンから何でもないと言われる。 アンソニーと愛し合うメアリーは、彼の指輪の跡に気づき、アダムではないと言って取り乱す。 ベッドから出たアダムは動揺し、心配するヘレンに眠れないと伝える。 今夜はいてほしいとヘレンから言われたアダムは、彼女と愛し合う。 アパートを出たメアリーを車で送るアンソニーは、降りたいと言う彼女と口論になり、ハンドルを誤り事故を起こす。 翌朝、アンソニーのジャケットを着たアダムは、内ポケットの封筒に気づき、中に入っていた鍵を確認する。 シャワーから出たヘレンに今夜は出かけることを伝えたアダムは、返事のない彼女の元に向かう。 アダムは、寝室の壁の巨大なタランチュラに気づく。
...全てを見る(結末あり)
約束の場所であるホテルの部屋に向かったアダムは、現れたアンソニーと対面する。
*(簡略ストー リー)
トロント。
大学の歴史学の教授アダム・ベルは、恋人メアリーはいるものの、平凡で変化のない孤独な日々を送っていた。
そんなアダムは、同僚からある映画を紹介され、それをビデオ・ショップで借りて鑑賞する。
その中で、ボーイ役の俳優が自分にそっくりであることに気づき驚いたアダムは、彼のことを調べる。
身長や目の色なども自分と同じ”ダニエル・センクレア”という俳優の事務所を訪ねようとしたアダムは、自分をダニエルだと思う警備員から郵便物を渡される。
その中に入っていた封筒を確認し、俳優の本名が”アンソニー・クレア”だと知ったアダムは、彼のアパートを調べて電話をする。
アダムを不審に思うアンソニーだったが対面することになり、服装以外は体の傷跡まで同じであることを知り戸惑う二人だったが・・・。
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ノーベル文学賞受賞者であるポルトガル人作家ジョゼ・サラマーゴの小説”The Double”の映画化である。
常に孤独感や不安を抱える主人公の、自己の存在やアイデンティティが脅かされる出来事に直面して混乱する姿を描く心理スリラー。
どこにでもいる平凡な人物の混乱が引き起こす体験を非現実的映像も挿入して描写する、ドゥニ・ヴィルヌーヴの独特な世界観などが見どころの作品。
ドゥニ・ヴィルヌーヴとジェイク・ギレンホールは、同年の作品で撮影は本作の後に行われた「プリズナーズ」(2013)でも組んでいる。
主人公ら以外の社会の状況が極力映し出されないものの、世の中の動きは描写されつつ、孤立する世界の中でもがき苦しむ姿が切実に描かれている。
孤独感の中で苦悩する大学教授と同一人物のように思える俳優を演ずるジェイク・ギレンホール、主人公の恋人メラニー・ロラン、妊娠中の俳優の妻サラ・ガドン、主人公にある映画を薦める同僚のジョシュア・ピース、秘密のクラブのことを知る俳優のアパートの管理人ティム・ポスト、俳優の事務所があるビルの警備員ケダー・ブラウン、ビデオ・ショップの店員ダリル・ディン、秘密クラブの女性ミシャ・ハイステッド、メーガン・メイン、アレクシス・ウイガなどが共演している。