GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)統治下の日本で昭和天皇の戦争責任の調査を命ぜられた最高司令官ダグラス・マッカーサーの部下であるボナー・フェラーズ准将の苦悩を描く、主演マシュー・フォックス、トミー・リー・ジョーンズ、初音映莉子、西田敏行他共演、監督ピーター・ウェーバーによるドラマ。 |
・ドラマ
・トミー・リー・ジョーンズ / Tommy Lee Jones / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・ウェーバー
製作
奈良橋陽子
ギャリー・フォスター
野村祐人
ラス・クラスノフ
芥川保志
原案:芥川保志
原作:岡本嗣郎”His Majesty’s Salvation”
脚本
ベラ・ブラシ
デヴィッド・クラス
撮影:スチュアート・ドライバーグ
編集:クリス・プラマー
音楽:アレックス・ヘッフェス
出演
ボナー・フェラーズ准将:マシュー・フォックス
ダグラス・マッカーサー元帥:トミー・リー・ジョーンズ
島田あや:初音映莉子
鹿島:西田敏行
高橋:羽田昌義
昭和天皇:片岡孝太郎
リクター少将:コリン・モイ
木戸幸一:伊武雅刀
関屋貞三郎:夏八木勲
近衛文麿:中村雅俊
東条英機:火野正平
鹿島夫人:桃井かおり
アメリカ/日本 映画
配給
ロードサイド・アトラクションズ
ライオンズゲート(北米)
2012年製作 105分
公開
北米:2013年3月8日
日本:2013年7月27日
北米興行収入 $3,345,320
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1945年8月30日。
第二次世界大戦が終結直後、ダグラス・マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)は、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)を占領国日本に設置するため現地に向かう。
マッカーサーの専用機に同乗するアメリカ陸軍のボナー・フェラーズ准将(マシュー・フォックス)は司令官に呼ばれる。
日本到着を前にマッカーサーは、天皇を神と考える国民性などを部下フェラーズらに調査させようとする。
厚木飛行場に降り立ったマッカーサーは、GHQが設置される東京に向かう。
早速、統治を始めたマッカーサーは、A級戦犯の逮捕をフェラーズに命じ、彼は直ちに行動を開始する。
フェラーズは、補佐となる日本人の高橋(羽田昌義)に、ある日本人女性を捜すよう指示する。 名誉の自決を阻止して全員を逮捕しようとしたフェラーズだったが、前首相の東条英機(火野正平)は胸を撃って自殺を図る。 東条は一命を取り留め、それを報告したフェラーズは、天皇の処刑に意味はなく、あくまで日本の再建が自分の役目であることをマッカーサーから伝えられる。 マッカーサーは、日本の混乱を避けるために、天皇に対する処遇について10日間でその答えを出すようフェラーズに命ずる。 崩壊寸前の日本は、天皇に対する占領軍の出方を窺っていることを、5年前にこの地にいたフェラーズは十分承知していた。 危険を承知で街に出たフェラーズは、ある小料理屋に立ち寄り、アメリカ留学中だった島田あや(初音映莉子)と出会った13年前のことを思い出す。 数日後フェラーズは、あやの住んでいた建物が、爆撃を受けて全壊していたことを高橋から知らされる。 フェラーズは、あやが地方で教員をしていたはずだと言って、引き続き彼女の消息を高橋に調べさせる。 その後フェラーズは、天皇に関する調査を開始して、側近の30人余りを絞り込む。 全員の尋問は不可能と判断したフェラーズは、拘置所の東条を訪ねる。 フェラーズは、東条の指示で近衛文麿(中村雅俊)に会うことになり、彼が開戦直前に首相を辞任した理由を知ろうとする。 近衛は、戦争を回避できたにも拘らず、それに関心を示さない軍部に天皇が巻き込まれたとフェラーズに説明する。 天皇に戦争責任はあると結論は出せない近衛だったが、それにより数百万の命が奪われた事実などをフェラーズは語る。 近衛は、確かに日本が奪ったものはあるが、ヨーロッパやアメリカのアジア諸国の支配から、我々がそれを解放したという見解をフェラーズに示す。 他国と日本の行いの違いや、裁く権利があるのかを近衛はフェラーズに問う。 日本が熱病のようなものに侵されていたと付け加えた近衛は、天皇の側近木戸幸一(伊武雅刀)に会うことをフェラーズに勧める。 料亭で木戸に会うことになったフェラーズは、彼を待つ間、突然、帰国してしまったあやのことを思い出す。 結局、逮捕を恐れる木戸は姿を現さず、フェラーズは司令部に戻り、改めて天皇制や、何事も白黒をつけない日本の国民性を考える。 1940年。 フェラーズは、上官のリクター少将(コリン・モイ)から、大統領を狙うマッカーサーに利用されていると忠告される。 高橋の調べで、あやが静岡で爆撃の被害を受けたと知ったフェラーズは、車で現地に向かう。 1940年。 静岡に着いたフェラーズは、爆撃現場を見て絶望的になる。 1940年。 アメリカ人の心を理解しつつ、天皇に従う覚悟がある日本人(兵)が、戦争をすれば必ず勝つとフェラーズは鹿島に言われる。 その後フェラーズは、宮内次官、関屋貞三郎(夏八木勲)に面会する許可をマッカーサー得て皇居に向かう。 武器を部下に渡して単独で皇居内に向かったフェラーズは、関屋から、天皇が開戦命令を下したのかを問う。 関屋は明確な答えを返さず、フェラーズは、天皇を無罪にするための証拠が必要だと言って退席する。 進展もなく苦悩するフェラーズは、小料理屋で日本人と揉め事をお越し、あやのことを考える。 フェラーズは、”信奉”が理解できれば、日本を理解できると言っていたあやの言葉を思い出す。 追い詰められたフェラーズは、天皇も戦争の扇動者であったという結論で報告書を提出しようと考える。 翌日、木戸が司令部を訪れたことを知らされたフェラーズは彼を迎える。 同じ頃リクターは、フェラーズが日本人女性と付き合っていたことなどから、彼が明らかに日本贔屓であるということをマッカーサーに報告する。 フェラーズは、天皇が降伏を受け入れることを伝えた御前会議の様子などを木戸から知らされる。 その証拠などは残っていないものの、木戸は、天皇が戦争を終わらせるために軍国主義者と戦った事実を伝える。 開戦が近づき、あやと別れなければならなかった時のことを考えながら、フェラーズは鹿島の家を訪ねる。 鹿島は、天皇の責任については語らなかったものの、平和に導いた事実をフェラーズに伝える。 フェラーズは、あやの遺品である自分宛の手紙を受け取り、彼女の死を受け入れる。 東京に戻ったフェラーズは、天皇の戦争責任を証拠づけることは不可能であるという報告書を、マッカーサーに提出する。 納得しないマッカーサーに対し、天皇が戦争を終結させた事実をフェラーズ語る。 マッカーサーは、天皇に会う考えがあることをフェラーズに伝え、それを設定するようフェラーズに命ずる。 関屋はそれを拒むものの、マッカーサーに迎えられた彼は二人が対面することで合意し準備が始まる。 1945年9月27日、アメリカ大使公邸。 マッカーサーは、リクターから既に知らされた情報であるが、それによりアメリカ兵が死亡した事実もないため、報告書を廃棄して、リクターを左遷したことをフェラーズに伝える。 フェラーズは昭和天皇(片岡孝太郎)を玄関で迎えて、公邸内に案内する。 マッカーサーは天皇に挨拶して、異例ともいえる握手を求めて記念撮影をする。 しかし、天皇は関屋を下がらせ、マッカーサーに対して、戦争の全責任は自分にあり国民ではないことを伝える。 マッカーサーは、今回のことは懲罰ではなく、日本の再建のため、共に何ができるかについて考え、力を貸してほしいことを天皇に伝える。 部屋を出ながらそれを聞いたフェラーズは、あやのことを考えながら、高橋と共に公邸を後にする。 東条英機は極東軍事裁判で有罪判決となり、1948年12月23日、絞首刑に処せられる。 戦犯容疑者とされた近衛文麿は1945年12月16日服毒自殺し、木戸幸一はA級戦犯として逮捕されるものの、死刑を免れて終身刑、後に仮釈放となり1977年に死去した。 関屋貞三郎は罪に問われることなく静かな余生を送った。 ボナー・フェラーズ准将は、日米親善に尽くした功績で勲二等瑞宝章を受勲、アイゼンハワー元帥により大佐に降格され、退役後、政治活動を行った。 ダグラス・マッカーサー元帥は日本の再建に向けた統治はは成し遂げるが大統領選には失敗し、1951年トルーマン大統領により解任されて引退する。 昭和天皇は神格を否定し、象徴天皇として1989年の崩御まで在位した。
...全てを見る(結末あり)
フィリピンに赴任していたフェラーズは、帰国していたあやを訪ねるものの、世の中の状況を考えると、彼女はアメリカ人と付き合う気にはなれなかった。
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あやは、周囲を気にしながらもフェラーズを受け入れ、二人は愛を確かめ合う。
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日本についての研究を続けていたフェラーズは、あやのおじである陸軍大将の鹿島(西田敏行)を紹介される。
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フェラーズは、ある女性を守るために自軍の攻撃目標を変えるよう指示した事実をマッカーサーに報告する。
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*(簡略ストー リー)
1945年8月、第二次世界大戦終結直後。
アメリカ陸軍のダグラス・マッカーサー元帥は、日本にGGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)を設置するために東京に向かう。
マッカーサーは、昭和天皇の戦争責任について調査し、10日間で結論を出すよう、部下のボナー・フェラーズ准将に命ずる。
かつて、留学生の日本女性あやと付き合っていたフェラーズは、日本人の心を知りつつ、その証拠を探そうとしてA級戦犯を逮捕する。
フェラーズは、消息不明となったあやを捜しながら調査を続け、自殺未遂を図った元首相の東条英機から、開戦の直前に首相を辞任した近衛文麿に会うよう指示される。
近衛に、欧米に侵略されたアジア諸国のために起こした戦争だったと言われたフェラーズは、天皇の責任問題のカギとなる側近、木戸幸一に会うよう言われるのだが・・・。
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日本では、大物スター、トミー・リー・ジョーンズがダグラス・マッカーサーを演ずることばかりが宣伝文句として伝わった作品ではあるが、本作は、日本や日本人女性を愛した、歴史上の重要問題の調査を命ぜられた、マッカーサーの部下ボナー・フェラーズ准将の苦悩の物語である。
とかく力み過ぎ、大袈裟な演技や表現が問題になる日本の俳優陣も無難に演技をこなし、日本を舞台にした作品としてはまずまずといったところで、皇居敷地内でのロケが初めて許可されたことも注目だ。
日本人が歴史を知らな過ぎるというか、知ろうとしないことがよく分かる作品で、一般的な知識があれば、宣伝文句のような”知られざる真実”的ではなく、脚色を交えた歴史を淡々と伝えている内容だ。
ファンであることを認めつつ観ても、トミー・リー・ジョーンズのイメージに合うとは到底思えないダグラス・マッカーサー役は今一受け入れ難い。
実際に本人も自分の役ではないとオファーを断ったらしいが・・・。
親日家として重大な調査を命ぜられるボナー・フェラーズ准将役を熱演すマシュー・フォックス、彼と愛し合う日本人女性初音映莉子、そのおじ西田敏行、その妻桃井かおり、主人公の補佐で羽田昌義、昭和天皇の片岡孝太郎、主人公の上官コリン・モイ、天皇の側近である木戸幸一の伊武雅刀、宮内次官である関屋貞三郎役の夏八木勲、元首相、近衛文麿役の中村雅俊、東条英機の火野正平などが共演している。