1815年に発表された、ジェーン・オースティンの同名小説の映画化。 恋のキューピット役を楽しむ女性が隣人男性の導きで自分を見つめ直す姿を描く、主演グウィネス・パルトロー、トニ・コレット、ジェレミー・ノーサム、アラン・カミング、ユアン・マクレガー共演、監督ダグラス・マクグラスによるロマンチック・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダグラス・マクグラス
製作総指揮
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
ドナ・ジグリオッティ
製作
スティーヴン・ハフト
パトリック・カサヴェッティ
原作:ジェーン・オースティン
脚本:ダグラス・マクグラス
撮影:イアン・ウィルソン
衣装デザイン:ルース・マイヤーズ
編集:レスリー・ウォーカー
音楽:レイチェル・ポートマン
出演
エマ・ウッドハウス:グウィネス・パルトロー
ハリエット・スミス:トニ・コレット
ジョージ・ナイトリー:ジェレミー・ノーサム
エルトン:アラン・カミング
ウェストン夫人:グレタ・スカッキ
フランク・チャーチル:ユアン・マクレガー
ジェーン・フェアファックス:ポリー・ウォーカー
エルトン夫人:ジュリエット・スティーヴンソン
ウェストン:ジェームズ・コスモ
ベイツ夫人:ソフィー・トンプソン
ロバート・マーティン:エドワード・ウッドオール
ウッドハウス:デニス・ホウソーン
イギリス/アメリカ 映画
配給 ミラマックス
1996年製作 121分
公開
イギリス:1996年9月13日
北米:1996年8月2日
日本:1997年4月19日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $22,201,880
世界 $37,801,880
■ アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞
・受賞
作曲賞(ミュージカル・コメディ)
・ノミネート
衣装デザイン賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
19世紀初頭、ロンドン、ハイベリー。
良家の子女エマ・ウッドハウス(グウィネス・パルトロー)は、良縁による幸せな結婚が、何よりも大切なことだと信じる快活な女性だった。
エマは、自分が結婚を勧めたウェストン(ジェームズ・コスモ)の結婚式を終え、満足気な表情を浮かべる。
屋敷に戻ったエマは、父親(デニス・ホウソーン)や隣人のジョージ・ナイトリー(ジェレミー・ノーサム)に、今日の結婚の自分の功績を自慢する。
さらにエマは、式を執り行ったエルトン代理牧師(アラン・カミング)が結婚を望んでいると決め付け、自分の助けが必要だと言い張る。
その後、屋敷でパーティーを開いたエマは、エルトンを友人のハリエット・スミス(トニ・コレット)に紹介する。 ハリエットがナイトリーの小作人で、彼の友人のロバート・マーティン(エドワード・ウッドオール)に惹かれていることを知ったエマだったが、 自信満々でハリエットとエルトンを結び付けようとする。 次第にその気になるハリエットだったが、マーティンから手紙で求婚されたことをエマに告げる。 しかし、エマは巧みな話術でハリエットにマーティンの申し入れを断らせ、更に追い討ちをかけるように、エルトンが彼女に好意を寄せていることを告げる。 ハリエットが、マーティンの申し入れを断ったことを知ったナイトリーは、エマが二人の良縁に横槍を入れたことに気づく。 ナイトリーは、ハリエットがエルトンに相応しくないことをエマに伝えるが、彼女は意地を張って聞く耳を持たない。 その後エマは、エルトンがハリエットを求めていると彼女に告げてしまう。 そして、ベイツ夫人(ソフィー・トンプソン)宅での、病人看護の慈善活動に出かけたエマとハリエットは、エルトンと出くわす。 エマは、エルトンとハリエットを二人きりにするが、その日の進展はなかった。 そんな時、ウェストン家のクリスマス・パーテイーの帰りの馬車で、エマは、なんとエルトンから愛を告げられてしまう。 ハリエットは、エマの友達に過ぎないと言うエルトンは、彼女に求愛する。 とんでもない展開になってしまったエマは戸惑い、エルトンの言葉を跳ね除けてしまい、彼は気分を害してしまう。 後日、ウェストン夫人(グレタ・スカッキ)に相談に行ったエマは、ナイトリーの忠告も聞かず、 ハリエットにマーティンの求愛も断らせてしまう。 更にエマは、エルトンに愛を打ち明けられ困惑する自分の気持ちを夫人に伝える。 エマは二度と縁結びなどしないことを誓い、ウェストン夫人は、ハリエットには真実を話すべきだと助言する。 正直に全てを話したエマを許したハリエットだったが、エルトンを諦めきれずにいた。 その後、エルトンが婚約したことを、ナイトリーから聞いたエマは、それをハリエットには伝えず、彼女がマーティンと再会したことを聞き、彼も忘れさせようとする。 雨の後、増水した道で立ち往生したエマは、ウェストンの最初の結婚相手の子である、フランク・チャーチル(ユアン・マクレガー)に出会い心惹かれてしまう。 ナイトリーは、あるパーティーでそのことに気づき、翌日チャーチルが立ち去る挨拶に来た会話で、エマは彼が自分を愛していると思い込んでしまう。 エルトンの妻(ジュリエット・スティーヴンソン)が、ベイツ夫人の姪ジェーン・フェアファックス(ポリー・ウォーカー)を気に入っていることを知ったエマは、 ナイトリーが彼女に恋心を抱いているらしいということを、ウェストン夫人から聞かされる。 チャーチルが再び滞在することになり、エマは再び彼とハリエットを結び付けようとしてしまう。 ウェストンの屋敷でパーティーが開かれ、ハリエットを避けるエルトンの態度をナイトリーは気にする。 エマは、二人を結び付けようとした過ちをナイトリーに話し、彼はエルトン夫人が、あからさまにエマに敵意を見せる理由を知る。 翌日、エマとハリエットが散歩中、ジプシーに襲われそうになり、現れたチャーチルに二人は救われる。 ハリエットは、パーティーでエルトン夫妻に冷たくされたことで、エルトンへの想いを断ち切ることができたことをエマに伝える。 ピクニックの際、貧しく不幸な境遇のベイツ夫人を軽蔑したエマを、ナイトリーは厳しい口調で戒める。 エマは、慈善としてではなくベイツ夫人を訪ね和解に努め、ナイトリーもそれを理解する。 そんな時エマは、チャーチルが密かにジェーンと婚約していたということをウェストン夫人から知らされる。 ショックを受けていると思われたハリエットだったが、彼女がナイトリーに恋していると聞き、エマはショックを受ける。 エマは、自分のナイトリーへの気持ちが、尊敬から愛に変わってしまったことを、ウェストン夫人に打ち明ける。 ナイトリーが、結婚を決意してロンドンの弟の元に向かったと思い込んだエマは、彼を何とか忘れようとする。 そんな時、戻ったナイトリーと出くわしたエマは、彼が何かを伝えようとするのを遮ってしまう。 気分を害したナイトリーを追ったエマは、友として努力してきた自分の気持ちを伝える。 しかし、ナイトリーは、エマに愛を告げ結婚を申し込む。 父親を独りにしたくないエマは、それを断ろうとするが、ナイトリーは自分が一緒に住むことを約束して二人は固く抱き合う。 エマが、ナイトリーと結婚することを知ったハリエットはショックを受ける。 しかし、その後エマは、ハリエットからマーティンと婚約したことを知らされる。 ハリエットの幸せを願っていたエマは、心から彼女を祝福する。 そして、エマとナイトリーは、華やかな結婚式を挙げる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
縁結びをゲームのように楽しむ良家の子女エマ・ウッドハウスエマは、友人のハリエットと知人エルトン牧師を結び付けようとする。
両者にとって最善かを考えずに行動する人生経験不足のエマを、隣人ナイトリーは優しく、また、時に厳しい目で見守っていた。
人の幸せのために尽くそうとしていたエマは、失敗や挫折を繰り返しながら、やがて自分の人生や幸せについてを考え始める・・・。
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適齢期を迎えながら、恋も知らない美しい女性が、一番身近にいて優しく見守ってくれていた男性や、周囲の人々からの影響を受ける。
やがて、人間、そして女性として自分を見つめ直すきっかけを与えられ、成長していくという、当時の階級社会や時代の風潮、そして複雑な人間関係などを、ユーモアを交えながら描く、脚本も兼ねた、ダグラス・マクグラスの軽妙な演出は実に心地よい。
純粋なコメディではあるが、ジェーン・オースティンの作品らしい、人間性の追及をきっちりテーマにしているところなども、ファンには嬉しい仕上がりとなっている。
第69回アカデミー賞では、
作曲賞(ミュージカル・コメディ)を受賞し、衣装デザイン賞にノミネートされた。
その、華麗且つ楽しいドラマを盛り上げる、レイチェル・ポートマンの音楽は印象的だ。
注目は、本作が初主演となるグウィネス・パルトローであり、お姫様のようなキュートな魅力は、思わず、かつてのオードリー・ヘップバーンを思い起こさせてくれる。
主人公エマを優しく見守りながら方向修正し、結果的に彼女の心を射止める、思慮深い紳士ジェレミー・ノーサム、その後、実力派として活躍する、ややぽっちゃりとした主人公の友人トニ・コレット、結局は彼女と婚約する農夫エドワード・ウッドオール、主人公の標的となる代理牧師アラン・カミング、その妻で皮肉屋のジュリエット・スティーヴンソン、相談役でもあるグレタ・スカッキ、その夫ジェームズ・コスモ、主人公が一時憧れる青年ユアン・マクレガー、彼と婚約する、ドラマ「ローマ」のアティア役が印象に残るポリー・ウォーカー、彼女のおば役ソフィー・トンプソン、主人公エマの父親役デニス・ホウソーンなどが共演している。