1970年12月21日にホワイトハウスの大統領執務室で行われた、リチャード・ニクソン大統領とエルヴィス・プレスリーの会談までの経緯を描く、製作、脚本ケイリー・エルウィス、主演マイケル・シャノン、ケヴィン・スペーシー、アレックス・ペティファー、コリン・ハンクス、エヴァン・ピーターズ他共演、監督リザ・ジョンソンによるコメディ・ドラマ。 |
・ケヴィン・スペイシー / Kevin Spacey / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:リザ・ジョンソン
製作
ホリー・ウィースマ
カシアン・エルウィス
ケイリー・エルウィス
脚本
ジョーイ・セイガル
ハナラ・セーガル
ケイリー・エルウィス
撮影:テリー・ステーシー
編集
マイケル・テイラー
サビーネ・ホフマン
音楽:エドワード・シェアマー
出演
エルヴィス・プレスリー:マイケル・シャノン
リチャード・ニクソン大統領:ケヴィン・スペーシー
ジェリー・シリング:アレックス・ペティファー
エジル・クローグ:コリン・ハンクス
ドワイト・チェイピン:エヴァン・ピーターズ
ハリー・ロビンス・ハルデマン大統領首席補佐官:テイト・ドノヴァン
ドワイト・チェイピンの秘書:ハナラ・セーガル
ソニー・ウェスト:ジョニー・ノックスヴィル
ジョン・フィンレイター:トレーシー・レッツ
メアリー・アン・パターソン:アーナ・オライリー
ダイアン:ディラン・ペン
シャーロット:スカイ・フェレイラ
アメリカ 映画
配給
Amazon Studios
Bleecker Street
2016年製作 86分
公開
北米:2016年4月22日
日本:未公開
製作費 $4,000,000
北米興行収入 $1,055,290
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1970年12月。
エルヴィス・プレスリーは、国への奉仕を思い立つ。
1971年2月16日。
リチャード・ニクソン大統領は、執務室での全てのミーティングと電話の録音を開始する。
その間に起きたことの記録はない。
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1970年12月21日、大統領執務室。
リチャード・ニクソン大統領(ケヴィン・スペーシー)は、内務担当官のエジル・クローグ(コリン・ハンクス)と次席補佐官のドワイト・チェイピン(エヴァン・ピーターズ)とで、その日の打ち合わせをする。
昼休みの終わりにエルヴィス・プレスリーと面会するとチェイピンから言われたニクソンは、誰の発案だと二人に訊く。 36時間前、テネシー州、メンフィス、”グレイスランド”。 午前4時2分。 エルヴィスが45口径の拳銃などを所持していたことに気づいた係員は、警備室に電話をする。 午前2時半(太平洋時間)、ハリウッド。 銃の所持で拘留されたとエルヴィスから言われたジェリーは、空港まで迎えに来るように言われて、仕方なくそれに従うことを伝える。 この状況を脱する方法をエルヴィスに訊かれたジェリーは、警備員の子供との写真撮影に応ずるようにと指示する。 午前6時半、ロサンゼルス国際空港。 ワシントンD.C.で、ある考えを実行すようとするエルヴィスは、ジェリーをそれに誘い、連邦捜査官の”バッジ”が欲しいことを伝える。 仕事をキャンセルしたジェリーは、ワシントンD.C.のホテル・ワシントンの最上階フロアを借り切る。 午後4時、ロサンゼルス国際空港。 機内でエルヴィスは、大統領に渡す手紙の校正をジェリーに頼む。 戦争や犯罪、暴動など全てが悪い方に向かう国の状況を案ずるエルヴィスは、自分のような国の象徴が、手を貸すのは当然だろうとジェリーに語る。 午前7時半 特別に頼めないかと伝えたエルヴィスが、揉め事が起越しそうだったために、ジェリーは車を降りる。 そこに現れた警備の上司から、手紙は預るが大統領に渡る保証はないと言われたエルヴィスは、自分は捜査官の”バロウズ”だと伝える。 警備員から最善を尽くすと言われたエルヴィスは、満足してその場を去る。 手紙は秘書官に渡り騒ぎになり、それをチェイピンが受け取る。 午前8時。 ホテル・ワシントン。 恋人のシャーロット(スカイ・フェレイラ)に電話をしたジェリーは、エルヴィスと一緒だと伝えて、両親に会う約束だったことを知らされる。 それを忘れていたジェリーは、必ず戻ることをシャーロットに伝えて電話を切る。 その間にエルヴィスが姿を消してしまい、焦ったジェリーは運転手に電話をする。 エルヴィスが空腹だと言うのでドーナツ店に来ていると運転手から言われたジェリーは、ソニーと共に迎えに行く。 午前8時20分、ホワイトハウス。 クローグに手紙を読ませたハルデマンは、国を救うためにどのようなこともするというエルヴィスが、”無任所連邦捜査官”に任命してほしいという内容を知りまともとは思えない。 名誉バッジの授与だけでもするべきだとクローグに言われたハルデマンは、麻薬撲滅運動が広がり若者票が集まる可能性を指摘されるが、冗談だとしか考えない。 しかし、エルヴィスがあらゆる年齢層に愛されているとクローグから言われたハルデマンは、仕方なくそれを許可する。 午前8時25分、ホテル・ワシントン。 ”麻薬危険物取締局” その場に現れ、FBIのフーバー長官に会いたいとメアリー・アンに伝えたエルヴィスは、場所が違うと言われ、この場の責任者への面会を求める。 メアリー・アンは、副長官のジョン・フィンレイター(トレーシー・レッツ)にエルヴィスを紹介する。 大統領に会う前に責任者と話したかったと言うエルヴィスは、麻薬に蝕まれている国家を救うため、麻薬取締局の連邦捜査官として潜入捜査をしたいことを伝える。 映画出演の経験から扮装は得意で、空手も有段者であることを伝えたエルヴィスだったが、自分には任命する権限がないとフィンレイターに言われる。 土産物店でバッジを手に入れることを提案されたエルヴィスは、気分を害してその場を去る。 その頃、クローグから電話を受けたジェリーは、面会はほぼ決定で、最後に大統領の許可を受けるために待機していてもらいたいと言われる。 クローグとチェイピンからエルヴィスの手紙を見せられ、招待することを提案されたニクソンは、彼と会った場合の効果などを知らされる。 無任所連邦捜査官のバッジも与えて欲しいと言われたニクソンは、面会を許可せず、クローグはジェリーにその件を連絡する。 面会を断られたことをエルヴィスに伝えたジェリーは、クローグとチェイピンをある場所に呼び出す。 午前10時15分。 娘ジュリーからの電話を受けたニクソンは、エルヴィスのサインを貰ってほしいと言われる。 クローグとチェイピンを呼んだニクソンは、仕方なくエルヴィスと面会する許可を出す。 それを知らされたジェリーはソニーと共に喜び、諦めてメンフィスに帰ろうとしていたエルヴィスに大統領に会えることを伝える。 午前11時30分、ホワイトハウス西棟。 クローグとチェイピンのIDも確認した係官は、武器を所持していることを認めた三人に、それを全て出すよう指示する。 大統領へのプレゼントもチェックされ、それがケースに入った拳銃と実弾だったために、クローグが呼ばれる。 エルヴィスに挨拶したクローグは、特別な計らいをするよう係官に指示し、拳銃は預かるが問題なければ大統領に渡すとエルヴィスは言われる。 エルヴィスらはクローグのオフィスに案内され、チェイピンを紹介される。 大統領に会うための儀礼をクローグから説明されたエルヴィスは、大統領用の”Drペッパー”、ナッツや”M&M’s”に手を出さないようにと言われる。 チェイピンは、仕草によるエルヴィスの指示などをジェリーとソニーから教えられる。 大統領執務室の入り口に案内されたエルヴィスは、流石に緊張する。 クローグからエルヴィスを通すと言われたニクソンは、5分しか会わないと伝え、時間になったら入ってくるようにと命ずる。 エルヴィスを招き入れるよう指示したニクソンは、クローグから本人を紹介される。 ぎこちない雰囲気で話し始めたエルヴィスは、いきなり”M&M’s”に手を出してしまい、”Drペッパー”も飲もうとする。 栓抜きともう一本を持って来るようニクソンに指示されたクローグは、エルヴィスが約束を無視したために苛立つ。 娘のリサ・マリーとプリシラの写真を見せたエルヴィスは、自分達が”メンフィス・マフィア”と言われていることに対しての不満などを訴え、国の将来を心配していることをニクソンに伝える。 5分経ったので執務室に入ったクローグだったが、まだ話は終わらないとニクソンに言われる。 記念撮影の準備をするようにとニクソンから指示されたクローグだったが、エルヴィスはそれを拒む。 国の危機をニクソンに語るエルヴィスは、”ビートルズ”の悪影響も伝える。 共産主義の脅威などを話したエルヴィスとニクソンは、国の現状を変えたいことなどで意見が一致する。 潜入捜査をしたいと言うエルヴィスは、無任所連邦捜査官に任命してほしいとニクソンに伝え、連邦麻薬局のバッジがもらえれば国の無法化を阻止できると話す。 シャーロットのことを気にするジェリーは、心配してくれるクローグに、恋人の両親に会う約束があることを知らせる。 結婚の許しを請うと言うジェリーは、空港に向かうことをクローグに伝える。 要求に応えることを約束したニクソンは、娘のジュリーのためにサインしてほしいことをエルヴィスに伝えて了承してもらう。 写真撮影にも応じてほしいと言われたエルヴィスは、潜入捜査の妨げになると考えるが、公表はしないとニクソンに約束される。 友人に会ってくれれば写真を撮ると言われたニクソンは、クローグとジェリー、そしてソニーを呼び撮影を終える。 帰ることにエルヴィスが納得してくれないため、彼と共に部屋から出たジェリーは、シャーロットに結婚を申し込むことを伝える。 喜ぶエルヴィスは、馬と牧場を買ってやると伝えるが、そんなことをしてくれなくても、自分達は親友だとジェリーから言われて納得する。 空港までの所要時間をエルヴィスから訊かれたニクソンは、それを確認し、大統領専用車で7分だとチェイピンが答える。 ジェリーを送ってほしいと言うエルヴィスの要望に応えるようにと、ニクソンは規則にこだわるチェイピンに命ずる。 空港に向かうジェリーを見送ったエルヴィスは執務室に戻り、ニクソンに抱きつき感謝する。 プレゼントを用意させている間に、エルヴィスは、ニクソンの前でソニーを相手に空手の実演を始める。 ケースに入った拳銃が届き、その説明をしたエルヴィスは、ニクソンから感謝されて、ジュリーの写真とクローグにサインする。 サインを見たニクソンは満足して、ハルデマンを呼ぶようにとクローグとチェイピンに指示する。 午後4時半、ホテル・ワシントン。 ジュリーからの電話を受けたニクソンは、写真を受け取った娘が喜んでいることに満足する。 ロサンゼルス。 ジェリー・シリングは、”ザ・ビーチ・ボーイズ”や”ジェリー・リー・ルイス”のマネージャーとなり、エルヴィスが購入したロサンゼルスの家で妻シンディと共に暮らしている。 ”ウォーターゲート事件”でエジル・クローグは4年服役し、その後、政府倫理に関する講演を時々、行っている。 大陪審への偽証罪で起訴されたドワイト・チェイピンも服役し、現在はニューヨークでコンサルティング会社を経営している。 リチャード・ニクソン大統領は、1974年に辞任して1994年に死亡した。 エルヴィス・プレスリーとリチャード・ニクソンが握手する写真は、国立公文書館で最多の閲覧回数を記録している。 エルヴィス・プレスリーは1977年に死亡し、現在でも絶大な人気を誇る。 エルヴィス・プレスリーが、連邦捜査官として潜入捜査を行った記録はないが、実際はどうであったか? 玄関に置かれた小包に気づいたジェリーは、”特別補佐官”という肩書の自分の名刺を確認し、昔に戻ったと思い苦笑いをする。
...全てを見る(結末あり)
国の現状を見てあることを思い立ったエルヴィス・プレスリー(マイケル・シャノン)は、”メンフィス国際空港”に向かう。
チケットカウンターに向かったエルヴィスは、係員や周囲の視線を気にせずに搭乗券を手に入れようとする。
エルヴィスの友人である仕事仲間のジェリー・シリング(アレックス・ペティファー)は、電話を受ける。
エルヴィスを迎えに来たジェリーは、ビバリーヒルズにあるエルヴィスの別邸に向かう。
妻プリシラや父親に説明したことをジェリーから知らされたエルヴィスは、自分の物まねコンテストに参加する、本人とは気づかない二人にからかわれる。
ワシントンD.C.、ホワイトハウス北西ゲート。
警備員に大統領への手紙を渡したエルヴィスは、通りの角のポストに投稿するよう指示される。
それを知らされたクローグは驚くが、大統領とエルヴィスの面会を手配しようとする。
エルヴィスと共に裏口から入り部屋に向かったジェリーは、ボディガードのソニー・ウェスト(ジョニー・ノックスヴィル)を迎える。
クローグとチェイピンからエルヴィスのことを知らされた大統領首席補佐官のハリー・ロビンス・ハルデマン(テイト・ドノヴァン)は、昼休みの最後に面会を組み込むことを提案される。
自分の用は済み、シャーロットの両親に会うことを伝えてロサンゼルスに戻ろうとしたジェリーだったが、ホワイトハウスからの電話をも少し待ってほしいとエルヴィスから言われる。
エルヴィスに名刺を渡していたメアリー・アン・パターソン(アーナ・オライリー)は、本人が現れると知り興奮する。
クローグとチェイピンに会ったジェリーとソニーは、ニクソンに娘がいることを知り、あることを考える。
興奮するチェイピンの秘書(ハナラ・セーガル)に迎えられたエルヴィスは、シークレットサービスからIDの提示を求められ、地元の特別保安官補のバッジを見せる。
宣誓したエルヴィスは、フィンレイターから無任所連邦捜査官に任命され、バッジを渡される。
両親と共に待ちくたびれていたシャーロットは、花束を持って現れたジェリーに抱きつく。
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■ 解説 評価 感想 ■
*(簡略ストー リー)
1970年12月21日、ワシントンD.C.。
国の将来を考えてあることを思い立ったエルヴィス・プレスリーは、友人である仲間のジェリー・シリングとソニー・ウェスト共にリチャード・ニクソン大統領に面会する計画を実行する。
大統領宛の手紙を渡すことに成功したエルヴィスは、無任所連邦捜査官に任命してもらうための行動を開始する。。
手紙を受け取った内務担当官のエジル・クローグと次席補佐官のドワイト・チェイピンは、驚きながらも大統領とエルヴィスの面会を成功させようとするのだが・・・。
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1970年12月21日にホワイトハウスの大統領執務室で行われた、リチャード・ニクソン大統領とエルヴィス・プレスリーの会談が実現されるまでの経緯を描くドラマで、俳優のケイリー・エルウィスが製作、脚本を担当している。
実際にどのようなことが行われたかというのは明らかになっていないのだが、エンディングでも明記されるように、エルヴィスとニクソンが大統領執務室で握手する写真は、国立公文書館で最多の閲覧回数を記録しているのは事実で、それに至るまでの様子がユーモラスに描かれた実に楽しい作品。
世界を席巻するスーパースターであっても、一般常識的に考えて、エルヴィス・プレスリーがこのような行動に出たとは考えられないが、とにかく内容は”謎”ということで、アメリカでならあり得た話かもしれない。
身長も高過ぎて本人とは全くイメージの違うマイケル・シャノンが、周囲を圧倒する雰囲気のエルヴィス・プレスリーを見事に演じている。
衣装なども忠実に再現され、エルヴィス・ファンにはたまらない内容でもある。
物まねの達人として知られるケヴィン・スペーシーのリチャード・ニクソン役も見もので、ややオーバーアクション気味ではあるが、本人の特徴を捉えて、楽しんで演じている様子が窺える。
内務担当官クローグ役のコリン・ハンクスの仕草や話し方、声などが、父トム・ハンクスにそっくりであるところなども注目!!
エルヴィスの友人である仕事仲間で、彼の行動に協力するジェリー・シリングのアレックス・ペティファー、同じくソニー・ウェストのジョニー・ノックスヴィル、大統領の側近である内務担当官のエジル・クローグのコリン・ハンクスと次席補佐官のドワイト・チェイピンのエヴァン・ピーターズ、ハリー・ロビンス・ハルデマン大統領首席補佐官のテイト・ドノヴァン、チェイピンの秘書ハナラ・セーガル、麻薬危険物取締局の副長官トレーシー・レッツ、その部下アーナ・オライリー、ホテルのルームサービス、ディラン・ペン(ショーン・ペンとロビン・ライトの娘)、ジェリー・シリングの恋人スカイ・フェレイラなどが共演している。