1999年に起きた”コロンバイン高校の銃乱射事件”を題材にした作品。 監督、脚本、編集ガス・ヴァン・サント、出演アレックス・フロスト、エリック・デューレン、ジョン・ロビンソン、イライアス・マッコネル他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ガス・ヴァン・サント
製作総指揮
ダイアン・キートン
ビル・ロビンソン
製作:ダニー・ウルフ
脚本:ガス・ヴァン・サント
撮影:ハリス・サヴィデス
編集:ガス・ヴァン・サント
出演
アレックス:アレックス・フロスト
エリック:エリック・デューレン
ジョン・マクファーランド:ジョン・ロビンソン
イーライ:イライアス・マッコネル
ジョーダン:ジョーダン・テイラー
マクファーランド:ティモシー・ボトムズ
キャリー:キャリー・フィンクリー
ネイサン:ネイサン・タイソン
アケイディア:アリシア・マイルズ
ミシェル:クリスティン・ヒックス
ブリタニー:ブリタニー・マウンテン
ニコル:ニコル・ジョージ
ベニー:ベニー・ディクソン
アメリカ 映画
配給 Fine Line Features
2003年製作 81分
公開
北米:2003年10月24日
日本:2004年3月27日
製作費 $3,000,000
北米興行収入 $1,227,000
世界 $10,020,540
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
オレゴン州、ポートランド。
高校生のジョン・マクファーランド(ジョン・ロビンソン)は、酔っている父(ティモシー・ボトムズ)に呆れながら、運転を代わり学校に向う。
写真撮影が趣味のイーライ(イライアス・マッコネル)は、公園で散歩中のカップルをカメラで撮影する。
遅刻して学校に着いたジョンは、兄に父を迎えに来させる電話を入れた後、校長に呼ばれてしまう。
ネイサン(ネイサン・タイソン)は、ブリタニー(ブリタニー・マウンテン)、ニコル(ニコル・ジョージ)、ジョーダン(ジョーダン・テイラー)らが、自分の噂話をしていることとも知らずに、ガールフレンドのキャリー(キャリー・フィンクリー)元に向う。 食堂に向ったブリタニーらだったが、ダイエットのことを気にする三人は、食べたばかりのものをトイレで吐き出してしまう。 教室に向うよう校長に言われたジョンは、事務員に車の鍵を預けるが、父のことを思うと悲しくなり、居合わせたアケイディア(アリシア・マイルズ)に慰められる。 その後アケイディアは、同姓、異性愛の会に参加する。 廊下でイーライに会い言葉を交わしたジョンは、校舎の外でアレックス(アレックス・フロスト)とエリック(エリック・デューレン)に出くわし、”中に入るな、地獄になる”と言われて不審に思う。 冴えない生徒ミシェル(クリスティン・ヒックス)は、同級生に悪口を言われ、泣きながら図書館に向かい手伝いをする。 数日前。 ネットでライフルを手に入れたアレックスとエリックは、それの試し撃ちをして他の武器も用意する。 犯行当日。 計画を確認した二人は、武装して学校に向かい、入り口で彼らと言葉を交わし、危険を感じたジョンは、生徒達に中に入るなと警告する。 図書館に向った二人は、その場にいたミシェルやイーライらを次々と射殺する。 ネイサンとキャリーは廊下で銃声を聞き、トイレにいたブリタニーらもアレックスに射殺される。 校内はパニックとなり、メンバーが殺されたアケイディアはショックを受けるが、ベニー(ベニー・ディクソン)が彼女を窓から逃がす。 車からいなくなった父を見つけたジョンは、二人で、その惨状を見守るしかなかった。 ベニーは、校長に銃を向けるエリックに襲い掛かろうとするが、気づかれて射殺される。 エリックは、校長にその場から去るように伝えるが、背後から彼を射殺する。 食堂に向ったアレックスは、現われたエリックを射殺し、冷蔵庫に隠れていたネイサンとキャリーを見つけて銃を向ける。
...全てを見る(結末あり)
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アレックスは、ランチの時間に、食堂の様子などを観察してメモする。
二人はシャワーを浴びて、死を覚悟しながらキスをする。
*(簡略ストー リー)
オレゴン州、ポートランド。
高校に遅刻したジョンは、現われたアレックスとエリックが、殺気立っていることに気づき警戒する。
その日も、写真好きのイーライ、ガールフレンドのキャリーと待ち合わせるネイサン、彼の噂をしながら、友人とダイエットの話題などで盛り上がるブリトニー、生徒達それぞれは、ごく普通に校内で過ごしていた。
その時、死を覚悟して、武装して校内に入ったアレックスとエリックは、図書館の手伝いをしていたミシェルや、その場にいたイーライらを射殺し、無差別乱射を始める。
ジョンは、危険だと言って生徒達に警告するのだが、既に校内はパニックとなり、地獄と化していた・・・。
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ガス・ヴァン・サント(監督、脚本、編集)が、2003年のカンヌ国際映画祭で史上初となるパルムドールと監督賞を受賞する快挙を成し遂げた。
犯人の生徒達の行動など、場面展開が前後する構成は、同じガス・ヴァン・サント作品「パラノイドパーク」(2008)に似ている。
”コロンバイン事件”からわずか4年、実録ではないが、衝撃の事件を題材に映像化してしまうことに、まず驚いてしまう。
さらには、本作の4年後、2007年に史上最悪の”バージニア工科大学銃乱射事件”が起きてしまうというのだから、アメリカの社会問題でもあるこの手の事件は、どこまでエスカレートしてしまうのかを考えると恐ろしい。
役者の高校生は殆どがアマチュアで、淡々とその学校生活を映し出す、ドキュメンタリー・タッチの、ストレートでクールな映像は実にリアルだ。
各人の生活や問題を、それぞれの視点で描きながら、恐るべき事件に向ってまとまりを見せる、ガス・ヴァン・サントの演出手腕が見どころだ。
銃乱射犯人アレックス・フロストとエリック・デューレン、彼らの不審な行動に気づくジョン・ロビンソン、その父親で、役柄同様、端役程度の出演が寂しいティモシー・ボトムズ、写真好きの生徒イライアス・マッコネルなどが共演している。