内気で不器用な少女が自分らしさを見つけるために悪戦苦闘する姿を描く、監督、脚本ボー・バーナム、主演エルシー・フィッシャー、ジョシュ・ハミルトン、エミリー・ロビンソン他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ボー・バーナム
製作
イーライ・ブッシュ
スコット・ルーディン
クリストファー・ストーラー
リラ・ヤコブ
製作総指揮:ジャミン・オブライエン
脚本:ボー・バーナム
撮影:アンドリュー・ウィード
編集:ジェニファー・リリー
音楽:アナ・メレディス
出演
ケイラ・デイ:エルシー・フィッシャー
マーク・デイ:ジョシュ・ハミルトン
オリヴィア:エミリー・ロビンソン
ケネディ・グレイヴス:キャサリン・オリヴィエ
ゲイブ:ジェイク・ライアン
エイデン・ウィルソン:ルーク・プラエル
ライリー:ダニエル・ゾルガードリ
トレヴァー:フレッド・ヘシンガー
アナイヤ:イマニ・ルイス
アメリカ 映画
配給
A24(北米)
Sony Pictures Releasing(世界)
Stage 6 Films(世界)
2018年製作 94分
公開
北米:2018年7月13日
日本:2018年9月20日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $13,539,710
世界 $14,347,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク州。
”マイルズ・グローヴ・ミドル・スクール”の8年生ケイラ・デイ(エルシー・フィッシャー)は、内気で不器用だったために友達もできなかった。
ケイラは、”YouTube”で自己イメージなどを発信する活動を始める。
学校一の人気者になったり、イケメンのボーイフレンドができても、自分らしくないと意味がないし、他人のことを気にするべきでもないと語るケイラは、その日の動画をUPする。
母親が家を出たため、ケイラは父マーク(ジョシュ・ハミルトン)と2人で暮らしていた。
秋からハイスクールに進むケイラは、8年生、最後の1週間を楽しめるか不安だった。
学年集会が開かれ、各最優秀生徒が発表され、ケイラは”無口賞”に選ばれてしまう。
タイムカプセルの中から取り出された、6年生の時に作った靴箱が配られ、賞をもらった生徒は集まる。
クラスメートのケネディグレイヴス(キャサリン・オリヴィエ)や、憧れのエイデン・ウィルソン(ルーク・プラエル)のことを気にするケイラは、靴箱の中身を確認する。 ケイラは、”スポンジ・ボブ”のUSBメモリを手にして見つめる。 下校時にケネディの母親から声をかけられたケイラは、プール開きを兼ねたケネディの誕生パーティーに招待される。 その夜、夕食時に”iPhone”をいじり続けるケイラは、マークから最後の1週間のことなどを訊かれ、ケネディのパーティーの件などを話題にされても話をする気になれなかった。 一つだけ話をしたいと言うマークは、ケイラが自分を表現する動画を作っていることなどを褒めながら、もう少し社交的になるようにと助言する。 それ以上、話を聞きたくないケイラは、耐えられなくなる。 部屋に戻っても”SNS”をやり続けていたケイラは、”母親に言われたので明日のパーティーに誘う”という、ケネディからのメールを受信する。 エイデンのSNSを見ながら彼とキスすることを想像していたケイラは、マークがドアを開けたために、iPhoneを投げてしまう。 おやすみと声をかけたマークは、ケイラが怒っていないか確かめる。 iPhoneの表面にヒビが入っていまい、ケイラはショックを受ける。 翌日ケイラは、”一歩踏み出す”ことをテーマにして動画をアップする。 マークにケネディの家に送ってもらったケイラは、グレイヴス夫人に歓迎される。 水着に着替えるケイラはバスルームに案内され、パニック発作を起こしてしまう。 落ち着いたケイラは、皆が楽しんでいるプールに入り、エイデンを見つめる。 ケイラは、ゴーグルをしたケネディのいとこで、風変わりなゲイブ(ジェイク・ライアン)と話をする。 写真撮影に加わったケイラは、ケネディにプレゼントを渡し、それを開けても嬉しそうな顔をしない彼女に、カードゲームだと言って説明する。 その後、ケネディらの仲間に入れないケイラは帰りたくなり、マークに電話をして迎えに来てもらおうとする。 現れたエイデンに声をかけられたケイラは緊張する。 ケネディたちがカラオケを楽しむ部屋に向かったケイラは、進んでマイクを握り歌い満足する。 帰宅後ケイラは、”どうやって自信を持つか”という動画を作りアップする。 翌日、積極的にケネディに話しかけたケイラは、パーティーのお礼の手紙を渡すものの、まともに相手にしてもらえない。 銃乱射事件対処方法講習を受けていたケイラは、エイデンを見つめる。 クラスメイトから、エイデンは、裸の写真を送らない子を捨てた最低の男だと言われたケイラは、あることを考える。 教室に戻っても訓練は続き、暗闇の中で机の下に潜るよう指示されたケイラは、エイデンの席に向かう。 ケイラは、自分の裸の画像を保存したフォルダを開けてしまったと言ってエイデンの興味を引き、ボーイフレンドだけに見せると伝える。 フェラチオができるか訊かれたケイラは、その意味が分からないまま、イエスと答えてしまう。 帰宅したケイラは、オーラルセックスのことをネットで調べ、気持ちが悪くなってしまう。 嫌いなバナナで練習しようとしたケイラは、マークが帰って来たために焦る。 バナナは嫌いだったはずだと言われたケイラは、それを食べて見せるものの、飲み込むことができない。 マークから本当に好きか訊かれたケイラは怒り出し、やっぱり嫌いだと言って、バナナを放り投げて部屋に向かう。 その夜ケイラは、おやすみを言いに来たマークに、毎日、楽しいし充実しているので、自分のことは心配しないでほしいと伝える。 ハイスクールの体験入学を明日に控え、ケイラは、いい一日になるようにと神に祈る。 翌日ケイラたちは、高校生とペアを組み、下校まで一緒に過ごすことになる。 ケイラは、ペアを組むオリヴィア(エミリー・ロビンソン)に歓迎されて感激し、楽しい時間を過ごし、互いの帯電話の番号を教え合う。 帰宅したケイラは、”大人になる”という内容で動画をアップし、緊張しながらオリヴィアに電話をしてみる。 オリヴィアにいろいろな相談に乗ってもらったケイラは話が弾み、友達とモールに行くという彼女に誘われる。 驚いたケイラはもちろん行くと答え、マークに外出のことを話して送ってもらう。 モールに着いたケイラは、フードコートにいたオリヴィアに合流して、友達のアナイヤ(イマニ・ルイス)、ライリー(ダニエル・ゾルガードリ)、トレヴァー(フレッド・ヘシンガー)を紹介される。 楽しもうとするケイラだったが、高校生の話についていけない。 トレヴァーは、ケイラが退屈しているのではないかと思い、世代の違いを感じるのだが、オリヴィアは彼女に気を遣う。 アナイヤが自分たちを見つめている男性に気づき、それがマークだと知ったケイラは焦り、席を外して父の元に向かう。 ケイラに謝罪したマークは、父親の気持ちを話し、帰るのでメールをくれと伝える。 ケイラが友達に送ってもらうつもりだと知ったマークは、お金を置いてその場を去る。 その後ケイラは、オリヴィアと共にライリーの車で送ってもらった オリヴィアを降ろした後で車を止めたライリーは、ケイラが座っている後部座席に向かい、彼女と話をする。 ライリーは、高校生になったら男の子に気をつけるようにと忠告して、言葉遊びの”Truth or dare?/真実と挑戦”を始める。 キスしたことがあるかなど訊かれたケイラは、挑戦を選んだライリーがシャツを脱ぎ、自分も脱ぐことを強要されたために戸惑う。 気分を害したライリーは、シャツを着て運転席に戻り、高校生になってバカにされないように、手を貸そうとしただけだとケイラに伝える。 ケイラは、心配してくれるのは嬉しいが、一度に色々なことが起きたので、今はしたくないと思ったと言いながら、オリヴィアには内緒にしてほしいとライリーに伝える。 車を降りたケイラは、動揺しながら帰宅し、心配していたマークを無視して部屋に向かう。 うずくまって考え込むケイラは、マークに話しかけられても何も話そうとしない。 その後ケイラは、動画配信をやめてしまう。 そんなケイラは、ケネディのパーティーで会ったゲイブとメールで話す。 ”スポンジ・ボブ”のUSBメモリに記録してあった、8年生の自分に話しかける6年生の時の映像を見たケイラは、居間にいたマークに、燃やしたいものがあると伝える。 タイムカプセルの靴の箱を燃やしたケイラは、マークから中身を訊かれ、希望や夢だと答える。 自分を悲しませたか訊かれたマークは、それを否定して、悩んでいる様子のケイラを気遣う。 ケイラは、母親になり、娘が自分のようだったら惨めではないかと考えてしまうとマークに話す。 それは間違っていると言うマークは、お前のような娘を持ったら最高に幸せだとケイラに伝える。 どれだけ自分を幸せにしているか言葉ではとても言えない、愛しくてたまらない娘を自慢したくなると、マークは付け加えれる。 辛くてイラついている時は自分も悲しくなるが、いつも、父親でいることがとてつもなく幸せだと、マークはケイラに伝える。 妻が家を出た時には不安だったが、元気に育ってくれたことを嬉しく思い、様々なことを教えようとしたが、自分で学んでくれたと話すマークは、教師からも素晴らしい子だと言われたことをケイラに伝える。 自分は何もせずに見ていただけで、そうしていたら怖さも消えたと言うマークは、勇気をくれたからだとケイラに伝える。 ありのままの自分を見ていればいい、何も怖くなくなると言われたケイラは、マークを見つめながら抱きつく。 驚いたマークは、ケイラを抱きしめる。 卒業式当日。 カードゲームも試してみれば楽しいのにやろうともしないと言うケイラは、気取るのはやめたら?と怒りをあらわにしてその場を去る。 その後、ゲイブの家に遊びに行ったケイラは、チキンナゲットを用意してくれた彼と楽しい時間を過ごす。 ケイラは、迎えに来てくれたマークと共に家に向かう。 帰宅したケイラは、ハイスクールを卒業する自分のために、”辛い時にも耐え抜くように、クールなあなたになるのが楽しみ”というメッセージの動画を撮る。 ケイラは、その他の8年生の思い出を入れた靴の箱のタイムカプセルを作り、マークと共に庭に埋める。
...全てを見る(結末あり)
式を待つケイラはケネディの元に向かい、パーティーのお礼の手紙に返事もせず、感じよくしているのに意地悪ばかりしていることを批判する。
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク州。
1週間後に卒業を控えた、”マイルズ・グローヴ・ミドル・スクール”の8年生ケイラ・デイは、内気で不器用だったために友達もいなかった。
母は家を出て父マークと暮らすケイラは、周囲に認められようとして”YouTube”で動画配信を始める。
何とか自分を変えようとするケイラは、クラスメイトのケネディの誕生パーティーに誘われ、思い切って参加してみるのだが・・・。
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コメディアン、ミュージシャンとしてキャリアを積んでいた撮影当時26歳のボー・バーナムが、脚本を兼ねた初監督作品。
ボー・バーナムは、本作でも主人公が利用する”YouTube”の動画配信を2006年に始めて、現在までに3億回以上視聴される”YouTuber”として活躍している。
ミドル・スクールの卒業を控えた少女が主人公の作品ではあるが、随所に性的表現が登場するため”R指定”になったことが問題になり、17歳未満は保護者同伴でなければ鑑賞できないという事態になった。
内気で社交的でないために友達もできない少女が、自分を変えようとして悪戦苦闘する姿が切実に描かれている。
自分一人でもできる、”YouTube”を使った自己イメージのアピールをする主人公の健気な姿と心の成長が、実に自然なタッチで描かれている最良のドラマとして高い評価を受けた。
主演のエルシー・フィッシャーは、内気で不器用な普通の少女を見事に演じ、監督と脚本のボー・バーナムと共に各方面で絶賛された。
むずかしい年頃の娘のことを気遣う父親ジョシュ・ハミルトン、主人公の体験入学のパートナーになるエミリー・ロビンソン、主人公を嫌う感じの悪いクラスメイトのキャサリン・オリヴィエ、そのいとこで主人公と仲良くなる少年ジェイク・ライアン、主人公が憧れる少年のルーク・プラエル、オリヴィア(エミリー・ロビンソン)の友人ダニエル・ゾルガードリ、フレッド・ヘシンガー、イマニ・ルイスなどが共演している。