泥沼化するベトナム戦争、ドラッグ、人種差別などのアメリカの抱える問題を自由を求める若者の視点から捉えたアメリカン・ニュー・シネマの代表作。 監督、脚本、出演デニス・ホッパー、製作、脚本、主演ピーター・フォンダ、ジャック・ニコルソン、カレン・ブラック共演。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:デニス・ホッパー
製作:ピーター・フォンダ
脚本
デニス・ホッパー
ピーター・フォンダ
テリー・サザーン
撮影:ラズロ・コヴァックス
編集:ドン・キャンバーン
音楽:ザ・バーズ
出演
ピーター・フォンダ:ワイアット
デニス・ホッパー:ビリー
ジャック・ニコルソン:ジョージ・ハンセン
ルーク・アスキュー:ヒッチハイカー
フィル・スペクター:密売人
ロバート・ウォーカーJr.:ジャック
カレン・ブラック:カレン
トニー・バシル:メアリー
ウォーレン・フィナーティ:農夫
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1969年製作 94分
公開
北米:1969年7月14日
日本:1970年1月31日
製作費 $340,000
北米 $41,728,600
世界 $60,000,000
■ アカデミー賞 ■
第42回アカデミー賞
・ノミネート
助演男優(ジャック・ニコルソン)
脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
自由に生きるヒッピーの”キャプテン・アメリカ”ことワイアット(ピーター・フォンダ)とビリー(デニス・ホッパー)は、コカインを手に入れる。
二人は、それを密売人(フィル・スペクター)に売りさばき、大金を手に入れる。
その後、ワイアットとビリーは、現金をチューブに入れて、チョッパー・スタイルの改造バイクの燃料タンクに隠す。
そして二人は、自由なアメリカを再発見するため、腕時計を捨てて旅立つ。
二人は、ロサンゼルスから、マルディグラ(謝肉祭)の行われるニューオリンズに向かう。
モーテルで宿泊を拒否された二人は、仕方なくその夜は野営をする。 翌日、パンクを直すために、ある農場に立ち寄った二人は、修理を終えて、農夫(ウォーレン・フィナーティ)に食事に招かれる。 歓迎された二人は、農夫と軽い会話を交わした後、目的地を目指す。 その途中、二人は、ヒッチハイカー(ルーク・アスキュー)を乗せる。 街道沿いのガソリンスタンドに寄った二人だったが、ビリーが、ガソリン代を払い給油するヒッチハイカーを警戒する。 ワイアットはそれを気にぜに、三人はその場を離れて東に向かう。 その夜、三人は、マリファナを吸いながら、他愛もない話をして過ごす。 翌日、ワイアットとビリーは、ヒッチハイカーと共に、彼の向かおうとしていたコミューンに立ち寄る。 その場の者達は自給自足生活を続け、作物の種を蒔き、それが実るように、若者ジャック(ロバート・ウォーカーJr.)が祈りを捧げる。 二人は、暫くの間、気ままに過ごすが、ビリーはコミューンの人々に馴染めず、彼らはその場を去る。 その後、小さな町のパレードに紛れ込んだ二人は、警官に逮捕されて拘留されてしまう。 その場でワイアットとビリーは、アルコール依存症の弁護士ジョージ・ハンセン(ジャック・ニコルソン)に出会う。 二人はジョージのお陰で釈放されて、意気投合した三人は、ニューオリンズに向かうことになる。 その夜は野営をすることになり、ジョージは、ワイアットにマリファナを勧められて、それを始めて体験する。 その後ジョージは、地球には無数の宇宙人がいて、人類に影響を与え、それを政府も知っているという話を真面目にする。 ワイアットは聞き流すものの、ビリーにはハンセンの話している内容が理解できない。 翌日、ルイジアナに着いた三人は、あるカフェで、地元の人々から白い目で見られる。 三人は、少女達には興味を持たれるが、客達に嫌味を言われたため店を出る。 店の前で少女達に話かけられた三人だったが、客達の目を気にしてその場を去る。 その日も野営をした三人は、ジョージが、アメリカ人は自由のためならば人を殺すという話などをビリーにする。 三人は夜中に何者かに襲われ、ワイアットとビリーは助かるものの、ジョージは撲殺されてしまう。 ワイアットとビリーは、ジョージの遺品を調べて、彼を寝袋に入れてその場を去る。 ニューオリンズ。 娼婦のカレン(カレン・ブラック)とメアリー(トニー・バシル)を連れ出した二人は、マルディグラ(謝肉祭)を見物して夜を過ごし、翌朝、墓地に向う。 4人はLSDを試して幻覚症状となり、自由などない保守的なアメリカの現実に幻滅する。 翌日、街道を走る二人は、ピックアップ・トラックに乗った地元民に発砲され、ビーリーが撃たれて転倒する。 ビリーの様子を見て、その車を追ったワイアットも撃たれ、彼はバイクごと吹き飛ばされる。
...全てを見る(結末あり)
ショックを受けたワイアットとビリーは、ジョージが持っていた名刺を頼りに娼館に向かう。
その後、フロリダに行き引退することを考えるビリーだったが、ワイアットは、それでは納得できないと言うだけだった。
*(簡略ストー リー)
コカインを密輸し、それを売りさばいたヒッピーのワイアットとビリーは、自由を求めた旅に出る。
マルディグラ(謝肉祭)の行われる、目的地であるニューオリンズに向かう二人は、様々な人々に出会う。
二人は、自分達を受け入れる者と、拒絶する社会に直面しながら旅を続けるのだが・・・。
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製作、脚本を兼ねる主演のピーター・フォンダが企画し、親友のデニス・ホッパーに話を持ちかけ、彼が監督し脚本を担当した低予算作品。
(製作費$340,000)
その内容は若者の心を捉え、北米で約4200万ドル、全世界では約6000万ドルのヒットとなった。
1998年アメリカ議会図書館が国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。
第42回アカデミー賞では、助演男優(ジャック・ニコルソン)と脚本賞にノミネートされた。
「理由なき反抗」(1955)、「ジャイアンツ」(1956)など、若くして活躍していたデニス・ホッパーだが、低迷期に入り、ドラッグや暴力でトラブル続きだった頃に作製したというところが興味深い。
主演の二人は、その時代の象徴であるヒッピーそのものを、淡々と演じているだけで、演技の良し悪しではなく、当時の世情を捉えた着眼点の確かさは、アカデミー賞にノミネートされた、二人の脚本の素晴しさに表れている。
既に映画初出演から10年以上のキャリアがあったジャック・ニコルソンは、本作で一躍脚光を浴びアカデミー助演賞候補となり、以後の彼の活躍を決定づけた、記念すべき作品となった。
ステッペンウルフの主題曲”Born to Be Wild” を始めとした、随所に挿入されるロックやバラードも効果的に使われている。
翌年「ファイブ・イージー・ピーセス」(1970)でもジャック・ニコルソンと共演するカレン・ブラックも、短い出演だが、本作がブロードウェイから映画界に転身するきっかけになった。
音楽プロデューサーであるフィル・スペクターがコカインの密売人で、また、コミューンの子供達の中には、ピーター・フォンダの娘で、当時4歳のブリジット・フォンダも出演している。
コミューンの住人ルーク・アスキュー、ロバート・ウォーカーJr.、売春婦トニー・バシル、主人公達を受け入れる農夫ウォーレン・フィナーティなどが共演している。