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エデンの東 East of Eden (1955)

1952年に発表された、ジョン・スタインベックの小説”エデンの東“の映画化。
旧約聖書のカインとアベルを現代に置き換えて描く、製作、監督エリア・カザンジュリー・ハリスジェームズ・ディーンレイモンド・マッセイジョー・ヴァン・フリートバール・アイヴス共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(家族愛)


スタッフ キャスト ■
監督:エリア・カザン

製作:エリア・カザン
原作:ジョン・スタインベックエデンの東
脚本:ポール・オスボーン
撮影:テッド・D・マッコード
編集:オーウェン・マークス
音楽:レナード・ローゼンマン

出演
ジュリー・ハリス:アブラ
ジェームズ・ディーン:ケイレブ”キャル”トラスク
レイモンド・マッセイ:アダム・トラスク
ジョー・ヴァン・フリート:ケイト
バール・アイヴス:保安官サム
リチャード・ダヴァロス:アロン・トラスク
アルバート・デッカー:ウィル・ハミルトン
ハロルド・ゴードン:グスタフ・オルブレヒト

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1955年製作 115分
公開
北米:1955年3月9日
日本:1955年10月4日


アカデミー賞 ■
第28回アカデミー賞

・受賞
助演女優賞(ジョー・ヴァン・フリート
・ノミネート
監督
主演男優(ジェームズ・ディーン
脚本賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1917年、カリフォルニア州、モントレー
サリナスから来た青年ケイレブ”キャル”トラスク(ジェームズ・ディーン)は、酒場を経営する中年女性ケイト(ジョー・ヴァン・フリート)の後を追う。

キャルに気づいたケイトは警戒するが、彼はそのまま立ち去り、列車の貨物車に乗りサリナスに帰る。

その後キャルは、双子の兄アロン(リチャード・ダヴァロス)と彼の恋人アブラ(ジュリー・ハリス)と共に、冷凍事業を計画する父アダム(レイモンド・マッセイ)の元に向かう。

素直なアロンとは違い、どこか心を閉ざしているようなところがあるキャルは、アダムに好かれていなかった。
...全てを見る(結末あり)

アメリカが参戦(第一次大戦)すれば、大豆などが値上がりするのは確実で、儲けには冷凍技術など必要ないと言ってキャルはアダムに意見する。

儲けを第一に考えていないアダムは、キャルの意見を聞こうともしなかった。

アロンはアブラとの婚約を考えていたが、それを知ったキャルは、父に自分の意見も受け入れられず倉庫から氷を落としてしまう。

父アダムのお気に入りのアロンに比べ、キャルの行動は周囲からは変った青年にしか見えなかった。

キャルは、アダムの気を引こうとするが空回りしてばかりで、自分の意見や行いを、信心深い人格者の父に理解してもらうことがなかなか出来なった。

その夜、アダムに説教されたキャルだったが、反省する態度を見せず、生きているはずの母親のことを父に尋ねる。

母親は東部に行ったまま、今は何も便りがないというアダムの言葉を聞いて、キャルは家を飛び出し、再びモントレーに向かう。

キャルは、ケイトの酒場に向かい、母親と思われる彼女の部屋に忍び込み声をかけるが、追い出されてしまう。

保安官事務所に連れて行かれたキャルは、ケイトが母親だと酒場にいた男から言われたことを、保安官のサム(バール・アイヴス)に話す。

キャルは、サムに両親の写真を見せられ、ケイトが母親だという真実を知る。

家までサムに送られたキャルは、どうして父アダムのような人物とケイトが結婚したかということや、彼女が父を銃撃したことを疑問に思い質問する。

アダムが、正しい考えを持つ善人だとサム言われたキャルは、父に好かれようと、その後、レタスを冷蔵保存して列車で輸送する事業の手伝いに励む。

レタスの積込み作業で、キャルは、アイデアをアダムから褒められて気をよくし、昼休みに、アブラと初めてじっくり話す機会を持つ。

アブラは、自分と父の関係などを話し、同じようなことで悩むキャルは心が和む。

そこにアロンが現れ、キャルが出したアイデアが盗んできた石炭落としだと父アダムに知らせる。

アダムはキャルを叱るが、その作業性は認め、アロンに同じものを木で作らせようとする。

レタスは、氷の詰まった貨物車に積み終わり出発するが、途中、雪崩のため列車が立ち往生し、氷が溶けて全て腐ってしまう。

その現場を見たアダムは、自分の思い上がりを悔いるだけで、この挑戦が無駄ではないことを確信するものの、彼はその事業に全財産をつぎ込んでいた。

やがて、第一次大戦への国内の参戦ムードが高まり、キャルは父の損害をとり戻そうとする。

大豆の需要が高まり、その値上がりに目をつけたキャルは、アダムの友人であるウィル・ハミルトン(アルバート・デッカー)に相談する。

農家の大豆を買い占めるために、キャルはケイトから5000ドルを借りることを考える。

その後も、めげずに訪ねて来る自分に似ているキャルを、ケイトは息子として扱ってくれるようになる。

キャルは、父アダムの損失を取り戻すための計画をケイトに正直に話し、5000ドルを借りようとする。

そして、キャルは家族のことも話し、なぜアダムを銃撃したのかもケイトに尋ねる。

ケイトは、自分を農場の生活に縛りつけようとしたことで恨みを持ち、アダムを撃ったことをキャルに伝える。

聖人ぶるアダムが許せなかったケイトだが、その彼を助けることになる5000ドルをキャルに貸すことを決め、ハミルトンに渡すための小切手を切る。

1917年4月6日。
ついに、アメリカはドイツに宣戦布告して参戦し、キャルとハミルトンの思惑通り大豆の値は上がる。

気をよくしたキャルは参戦を喜ぶが、アロンは人道に反する行為だといって戦争を批判する。

キャルは、契約した農場に種を蒔き、父の喜ぶ顔を想像しながら毎日を過ごす。

ある夜、キャルはカーニバルでアブラと出くわし、彼女との一時を楽しむ。

アブラも、アロンとは違う、奔放で逞しいキャルに心惹かれてしまう。

その直後、アダムの友人の靴屋で、ドイツ系移民グスタフ・オルブレヒト(ハロルド・ゴードン)が、会場で人々の批判を浴びてしまう。

醜い争いとなった騒ぎを、現れた保安官のサムが鎮めるが、それに加わったキャルが、アブラと過ごしていたことを知りアランが嫉妬する。

アロンを助けただけだったキャルは、罵倒されたために彼を殴り倒してしまう。

アブラは、酒場に行ったキャルの元に向かってしまい、彼は、真の息子がどちらか、父アダムに分かるはずだと言ってハミルトンの元に向かう。

翌日、銀行で現金を下ろすことになったキャルは、アブラの家に行き、彼女に大豆で儲けた金を、父アダムの誕生日にプレゼントすることを伝える。

アブラに、誕生パーティーの手伝いをしてもらったキャルは、父を驚かせるために部屋を飾り彼を待つ。

そして、帰宅したアダムは、いつになくキャルの歓迎を喜びプレゼントを受け取る。
アロンは、アブラとの婚約を父にプレゼントし、彼はそれを何よりの祝いだと言って祝福する。

その後アダムは、キャルからプレゼントされた、大豆で儲けた現金を見て困惑する。

アダムは、徴兵者選択委員の立場でもあり、戦争を利用して儲けた金を受け取ろうとはせず、キャルの行為を正しくないことだと言い放つ。

キャルはショックを受けて家を出て泣き崩れ、アブラが彼の元に向かう。

アロンもキャルの行為を非難するが、アロンを妬ましく思うキャルは、彼を母親ケイトの元に連れて行く。

母親が死んだものだと思っていたアロンは、驚きで混乱し絶望してしまう。

帰宅したキャルは、自分を嫌うのは母親に似ているからだと父アダムを非難し、アロンを母ケイトの元に連れて行ったことを知らせる。

そしてキャルは、父を許さないことと、今後、愛も必要としないことを伝える。

そこに、保安官のサムが現れ、アロンが酒に酔い暴れて駅にいることをアダムに知らせ、キャルに事情を聞く。

アロンが軍隊に志願してしまうということを聞いたキャルは、アブラとサムと共に駅に向かう。

泥酔して変わり果てたアロンを見て、アダムはの卒倒し脳卒中で半身不随になってしまう。

サムは、キャルとアロンが、聖書から名前を取ったその通りになったことを指摘して、キャルにこの土地を去るよう助言する。

アダムの様態を聞き後悔したキャルは、ベッドに横たわる父に謝罪し部屋を出る。

アブラは、キャルがどれだけ愛しているかをアダムに伝え、彼への愛を示してあげるよう懇願する。

打ちひしがれるキャルを、アブラは励まし部屋に連れ戻し彼は父に話しかける。

アダムはキャルの気持ちを理解し、意識が朦朧としながらも息子に話しかける。

初めて父アダムから親愛の情を示されたキャルは、満ち足りた表情で彼の言葉をアブラに伝える。

”誰も必要ない、お前が看病してくれればそれでいい・・・”

そして、それを知ったアブラは安堵し、父の愛を知り、心救われたキャルが、ベッドに寄り添う姿を見ながら彼女は部屋を出る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
青年ケイレブ”キャル”トラスクは、自分達の元を去った、母親だと思われる酒場の主人ケイトのことを探っていた。
キャルは、父アダムの愛に飢えているものの、その思いは空回りばかりしていた。
アダムは、素直で優秀なアロンに対し、変わった行動ばかりする、双子の弟のキャルが理解できずにいた。
そんな時アダムは、農場のレタスを列車で輸送する冷蔵事業を手がけようとしていた。
それが失敗に終わってしまたため、キャルは、第一次大戦へのアメリカ参戦を利用した大豆相場の取引で、父の損害を取り戻そうとする。
実母だと分かり、何度か通ううちに自分を受け入れてくれたケイトから、その資金を借りたキャルは、参戦で見事に大豆の儲けを手に入れる。
キャルは、アロンの恋人アブラに惹かれながら、彼女にそれを相談して、父にその儲けをプレゼントしようとするのだが・・・。
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1952年に発表された、ジョン・スタインベックの小説”エデンの東“の映画化。
旧約聖書のカインとアベルを現代に置き換えて描く、製作、監督エリア・カザンジュリー・ハリスジェームズ・ディーンレイモンド・マッセイジョー・ヴァン・フリートバール・アイヴス共演のドラマ。

父親の愛を求め苦悩する青年にジェームズ・ディーンを起用し、強烈なイメージで表現させた、エリア・カザンの繊細でもある演出が見所。

文芸大作にも拘らず思い切って採用された、シネマスコープの画面を縦横に使いこなした素晴らしい撮影は最初の成功作と言える。

親交のあったジェームズ・ディーンから推薦され音楽を担当したレナード・ローゼンマンのテーマ曲は、若くして世を去った親友への思いをイメージしたような名曲だ。
*因みに、彼の音楽には、本作とは全く違う雰囲気の曲として、テレビ・ドラマの名作「コンバット」などがある。

第28回アカデミー賞では、助演女優賞(ジョー・ヴァン・フリート)を受賞した。
・ノミネート
監督
主演男優(ジェームズ・ディーン)・脚本賞

ジェームズ・ディーンの衝撃的な初主演作として永遠に語り継がれる作品。(端役出演は何作かある)

この年の9月、三作の主演作を残して事故死することになるジェームズ・ディーンだが、2作目の「理由なき反抗」(1955)は、本作の主人公にやや似ている。
遺作となる「ジャイアンツ」(1956)は、前半はいいものの、後半の老け役は少々難ありという雰囲気であり、結局は本作が彼にとってのベストだと言える。

アカデミー助演賞を獲得したジョー・ヴァン・フリートの、凄みすら感じる母親役や、主演のジュリー・ハリスの素朴で愛情溢れる清らかな心の美しさ、厳格な父親役レイモンド・マッセイの名演も印象に残る。

思慮深い保安官バール・アイヴス、主人公の双子の兄役リチャード・ダヴァロス、主人公との大豆取引を成功させるアルバート・デッカードイツ系である町の靴屋ハロルド・ゴードンなどが共演している。


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