英米のスパイとして知り合った男女が巨大組織の罠にはまってしまう・・・。 監督、脚本トニー・ギルロイ、主演クライヴ・オーウェン、ジュリア・ロバーツ、トム・ウィルキンソン、ポール・ジアマッティ他共演のサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ギルロイ
製作
ローラ・ビックフォード
ジェニファー・フォックス
ケリー・オレント
脚本:トニー・ギルロイ
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:ジョン・ギルロイ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
レイ・コヴァル:クライヴ・オーウェン
クレア・ステインウィック:ジュリア・ロバーツ
ハワード・タリー:トム・ウィルキンソン
ディック・ガーシック:ポール・ジアマッティ
デューク・モナハン:デニス・オヘア
ジェフ・バウアー:トム・マッカーシー
パム・フレイルス:キャスリーン・チャルファント
ネッド・ガストン:ウェイン・ドュヴァル
バーバラ・バフォード:キャリー・プレストン
ロニー・パーティズ:クリストファー・デナム
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2009年製作 125分
公開
北米:2009年3月20日
日本:2009年5月1日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $40,559,900
世界 $78,146,650
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2003年7月4日、ドバイ。
アメリカ領事館主催の独立記念日パーティーで、MI6の諜報員レイ・コヴァル(クライヴ・オーウェン)は、CIAの情報員クレア・ステインウィック(ジュリア・ロバーツ)を口説きベッドインする。
5年後、ニューヨーク。
トイレタリー・メーカーの老舗B&R(バーケット&ランドル)社と新興企業エクイクロムは、業界の熾烈なトップを争いを続けていた。
MI6を辞め、B&Rの情報調査チームに参加していたレイは、街で偶然クレアを見かけ後を追う。
クレアに話しかけたレイだったが、彼女は5年前のことを知らぬ不利をして、レイを追い払おうとする。 しかし、B&Rに14ヶ月も潜伏していたエクイクロムのスパイクレアの連絡員がレイだとわかり、彼女は仕方なく情報を手渡す。 情報を持ち帰ったレイは、それを、リーダーのデューク・モナハン(デニス・オヘア)に渡す。 それがB&RのCEOハワード・タリー(トム・ウィルキンソン)の書いた物だと確認したデュークは、エクイクロムCEOディック・ガーシック(ポール・ジアマッティ)を呼び寄せる。 ガーシックは、タリーが、自分を叩き潰すために新製品を発表することを知り、デュークらは、それを探る徹底調査を始めようとする。 B&R傘下の旅行社に目をつけたデュークは、レイをそこの社員バーバラ・バフォード(キャリー・プレストン)に接近させようとする。 旅行者を装ったレイは、チケットが取れないと言ってバーバラの同情を買い会社に案内させる。 6年分の旅行データを入手したデュークのチームだったが、エクイクロム側も、男を社内に入れたバーバラのことを監視カメラで確認していた。 バーバラを尋問したクレアは、彼女からレイとの体験が素晴らしかったことを聞かされる羽目になる。 B&Rのタリーが、頻繁に訪れた工場に向かったレイは、画期的なスキン・クリームを開発した、若き天才科学者のロニー・パーティズ(クリストファー・デナム)の、バハマでの豪遊を監視する。 しかし、そこに現れたクレアが、ロニーを連れ去ってしまい、その後クレアは、タリーに仕事振りを評価され、今後もさらに任務を続けるかを確認される。 エクイクロム側は、レイがクレアと親密な関係だったことを知り、デュークはそれを不審に思う。 しかし、レイはクレアが今回の件に関っているのを知らずに、チームに入ったことを強調する。 3ヶ月前。 ガーシックに接触したクレアは、レイがバーバラと寝た腹いせに、彼との共有物である逃亡用のパスポートと現金を持ち出していた。 そのことで口論になった二人だったが、クレアがガーシックに伝えた新商品が、ロニーが発明した発毛シャンプーだったことをレイは知る。 レイは、それがとてつもない大市場だということに気づく。 B&Rの同僚ネッド・ガストン(ウェイン・ドュヴァル)に呼びだされたクレアは、同じ同僚のジェフ・バウアー(トム・マッカーシー)が、新製品の資料を探っていたために、拘束されている現場に到着する。 そしてクレアは、新商品の価値を知り興奮するジェフを黙らせて、資料を持ち出しレイに連絡を入れる。 レイは、B&Rのコピー機が、チームのオンラインと繋がる細工をしてあることをクレアに知らせ、資料をコピーさせることに成功する。 チームのメンバーに知られぬよう、レイは新商品の化学式を手に入れていた。 ジェフは目隠しされていたため、クレアの動向を見ていなかったが、戻ったネッドに彼女が怪しいことを伝える。 チームのオフィスに戻ったクレアは、自分の招待がバレるのは時間の問題で、それが全てレイのせいだと彼を疑い、その場を立ち去る。 そしてデュークらは、レイが持ち去ろうとした化学式のコピーを見つける。 チューリッヒ、12時間後。 クレアは、化学式を、スイスのバイヤーが3500万ドルで買うことをレイに伝え、二人は互いの愛を確かめ合い、それぞれが持っていた化学式を見せ合う。 タリーが翌日、記者会見を開くとを気にしつつ、ガーシックは、株主総会で新商品の育毛剤の開発が、最終段階に入ったことを発表し、株主から喝采を受ける。 化学式の取引に向かったレイとクレアだったが、それがただのスキンクリームの式だったことを知らされショックを受ける。 10日前。 しかし、その会話自体がタリーによって盗聴されていた。 エクイクロム側のチームに、スパイとして潜入していたパム・フレイルス(キャスリーン・チャルファント)、ジェフ、そして開発者となっていたロニーを前に、タリーは偽の化学式をレイとクレアに掴ませる計画を練る。 そしてレイとクレアは、タリーからシャンペンを贈られる。 ガーシックも自分が騙されたことを知り、株主総会の舞台裏で愕然とする。
...全てを見る(結末あり)
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エクイクロムに雇われ、B&R側にスパイとして侵入していたクレアは、ローマ、ロンドン、マイアミ、クリーブランドで既にレイと親密な関係を続けていたため、自分の連絡員として、彼をチームに引き入れる。
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サンディエゴでエクイクロムの株主総会が始まろうとしていた頃、チームを騙したレイとクレアは合流する。
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レイとクレアは、再会した時に交わす、盗聴されるだろう会話の内容をチェックする。
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*(簡略ストー リー)
トイレタリー業界の老舗B&R社と、新興企業エクイクロム社は、業界の熾烈なトップを争いを続けていた。
そんな中、B&RのCEOハワード・タリーが画期的な新製品を発売しようとしていた。
B&Rに送り込まれていた、エクイクロム側のスパイで、元CIA情報員クレアが、その情報を掴む。
クレアは街で、5年前に一夜を共にした、元MI6諜報員レイに出くわす。
それについて白を切るクレアだったが、レイがエクイクロムの連絡員だと知り、彼女は情報を渡す。
エクイクロムのCEOガーシックは、手に入れた情報を基に先手を打ち、新製品を発表を企み、徹底調査を開始させるのだが・・・。
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「フィクサー」(2007)での初監督他、「ボーン・アイデンティティー」(2002)シリーズなどでも知られる、骨太な脚本で定評のあるトニー・ギルロイが、緻密な駆け引きで展開する企業戦争をテーマに、コミカルなタッチで描いた注目作。
実力派を揃えた、魅力的な出演者が話題にはなったが、6000万ドルの製作費に対し、全世界で8000万ドル弱の興行成績に終わってしまったのは寂しい。
綿密に練られた詐欺計画なのだが、プロのスパイの仕事の割には、脇が甘いところなどが気になる。
終盤の騙し合いの連続や、主人公2人の計画を、過去を振り返りながら段階を追い理解させるストーリーなどは、目が離せない展開にはなっている。
”007”のジェームズ・ボンド候補にも名前があがるクライヴ・オーウェンは、なかなかのはまり役で、逞しさや男臭さよりも、意外にも初心な面を度々見せて、人間味もあるキャラクターがいい。
スパイにしては目立ち過ぎが気になるジュリア・ロバーツなのだが、そこは華のある女優として貫禄十分な演技を見せてくれる。
小柄ながら力感溢れ、嫌味な言動も度を超している、凄まじく攻撃的な企業家を熱演するポール・ジアマッティ、同じT・ギルロイ作品の「フィクサー」(2007)で好演した物語の勝利者となるトム・ウィルキンソン、対敵監視チームのリーダー役のデニス・オヘア、同僚キャスリーン・チャルファント、対する敵側のトム・マッカーシーとウェイン・ドュヴァル、旅行社社員役のキャリー・プレストン、新製品開発者となるクリストファー・デナムなどが共演している。