先住民の混血娘をめぐる牧場主の息子たちの確執と愛憎を描く、製作デヴィッド・O・セルズニック、監督キング・ヴィダー、主演ジェニファー・ジョーンズ、ジョゼフ・コットン、グレゴリー・ペック、リリアン・ギッシュ、ハーバート・マーシャル、ウォルター・ヒューストン、ライオネル・バリモア、チャールズ・ビックフォード他共演の西部劇。 |
・西部劇
・ジェニファー・ジョーンズ / Jennifer Jones / Pinterest
・グレゴリー・ペック / Gregory Peck / Pinterest
・オーソン・ウェルズ / Orson Welles / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:キング・ヴィダー
製作:デヴィッド・O・セルズニック
原作:ニーヴン・ブッシュ”Duel in the Sun”
脚本
デヴィッド・O・セルズニック
オリヴァー・H・P・ギャレット
ベン・ヘクト
撮影
リー・ガームス
レイ・レナハン
ハロルド・ロッソン
編集
ハル・C・カーン
チャールズ・L・フリーマン
ウィリアム・H・ジーグラー
ジョン・D・フォーレ
音楽:ディミトリ・ティオムキン
出演
パール・シャベース:ジェニファー・ジョーンズ
ジェシー・マキャンレス:ジョゼフ・コットン
ルートン”ルート”マキャンレス:グレゴリー・ペック
ローラ・マキャンレス:リリアン・ギッシュ
スコット・シャベース:ハーバート・マーシャル
ジュバル・クラビー:ウォルター・ヒューストン
”セネター”ジャクソン・マキャンレス:ライオネル・バリモア
サム・ピアース:チャールズ・ビックフォード
シャベース夫人を誘う男:シドニー・ブラックマー
レム・スムート:ハリー・ケリー
ハーディー保安官:チャールズ・ディングル
ヴァシュタイ:バタフライ・マックイーン
ラングフォード:オットー・クルーガー
ヘレン・ラングフォード:ジョーン・テッツェル
シャベース夫人:ティリー・ロッシュ
ナレーター:オーソン・ウェルズ
アメリカ 映画
配給 Selznick International Pictures
1946年製作 145分
公開
北米:1946年12月31日
日本:1951年9月18日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $20,408,160
■ アカデミー賞 ■
第19回アカデミー賞
・ノミネート
主演女優賞(ジェニファー・ジョーンズ)
助演女優賞(リリアン・ギッシュ)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
テキサス。
辺境の風化した山に、コマンチが”女の頭”と呼ぶ岩がある。
その場で息絶えた恋人たちの伝説が語り継がれ、人々は”パール・シャベース”を思い出す。
国境に近いこの地に、パールは無法者に会うために来たのだが消息を絶った。
言い伝えでは、パールが姿を消した険しい岩山には、一輪の花が咲いたということだった。
野に咲く花のように地から芽を出したパールも花を咲かせ、そして散っていった・・・。
__________
白人と先住民との混血であるパール・シャベース(ジェニファー・ジョーンズ)は、奔放で快活、そして美貌を兼ね備た娘だった。
パールの父スコット(ハーバート・マーシャル)は、酒場で踊る先住民の妻(ティリー・ロッシュ)のことを侮辱され、彼女が男(シドニー・ブラックマー)と共に部屋に向かったために後を追う。
母と男の姿を目撃したパールは、スコットから家に帰るようにと言われる。
スコットが母と男の元に向かう姿を見つめるパールは、父が二人を射殺したために叫び声をあげる。
裁判にかけられたスコットは、自分は絞首刑に値すると言って罪を認める。
悲しむパールにスコットは、かつて愛し合っていたが金持ちと結婚した、はとこのローラ・マキャンレス(リリアン・ギッシュ)の元に向かい世話になるようにと伝えて、別れを告げる。
パラダイス・フラッツ。 ジェシーを相手にせず話も聞かないパールは、彼を追い払う。 知人の弁護士レム・スムート(ハリー・ケリー)と話すジェシーは、迎えに来た少女のことが気になる。 到着したら少女を送り届けると言うスムートに後を任せたジェシーは、その場を去ろうとする。 スムートが”ローラによろしく”とジェシーに伝えたため、その場にいたパールは驚く。 ジェシーに駆け寄ったパールは、ローラのとを訊く。 今度はジェシーがパールを相手にせずにからかうものの、彼女がパールだと気づき、母の代理で迎えに来たことを伝える。 ローラの息子だと言って自己紹介したジェシーは、パールを馬車に乗せて牧場に向かう。 ようやく広大な牧場の境界線に着いたパールは、ジェシーから烙印を見せられ、彼の父が所有物すべてにそれをつけていることを知る。 屋敷の入り口に着いたパールは、その大きさに驚く。 ローラに歓迎されたパールは、ジェシーが優しくしてくれたことを彼女に伝える。 車いすに乗る主人の”セネター”ジャクソン・マキャンレス(ライオネル・バリモア)も現れ、不躾で横柄な彼は、先住民の血を引くパールに嫌味を言う。 ジャクソンを怖がるパールに、夫に悪気はないと伝えたローラは、ある事故以来、彼は人が変わってしまったと伝える。 戻ってきた次男のルートン”ルート”(グレゴリー・ペック)は、ローラからパールを紹介され、美しい彼女が気に入る。 新生活に胸膨らませるパールに、ローラは、風変わりなメイドのヴァシュタイ(バタフライ・マックイーン)の扱いに困っていることを話す。 行儀作法を教えようとするローラは、間違いが起きる可能性を考えながら、ルートは魅力的だということをパールに確認する。 ジェシーの方がいいと言うパールに、ローラは、ルートはジャクソンに似て荒っぽいことが魅力だと伝える。 パールがジェシーに好かれたいことを知ったローラは、法律学校を出た彼はいずれ家を出て行くと伝える。 礼儀作法を身につけることを約束したパールは、優しいローラを慕う。 ルートがお気に入りだったジャクソンは、彼の起こす問題を大目に見ていた。 ジャクソンに先住民の血を引くことで侮辱されたパールは、ジェシーに話しかけられる。 父が自分のような親切な人であってほしかったと言うパールに、気にしなくていいと伝えたジェシーは、多くを学びたいと考える彼女が、自分に好意を持っていることに気づく。 ジェシーから、今度ゆっくり話そうと言われたパールは、ルートを気にしながら部屋に戻る。 部屋に入ってきたルートに強引にキスされたパールは、それを拒み彼を追いだす。 翌日、パールの気を惹こうとするルートは、ジェシーから、彼女には構うなと忠告される。 それを気にしないルートはパールをからかい、彼女を馬に乗せようとする。 それを拒んだパールだったが、乗れないと言われたために苛立つ。 馬に乗せたパールが囲いを破って暴走し始めたために、ルートは彼女を追う。 落馬したパールの無事を確認し、彼女が馬に乗れなかったことを知ったルートは、これからは馬車にしておくようにと伝える。 ルートからその馬を譲られたパールは、サンプ泉での水浴に誘われる。 以前から鉄道開発に反対するジャクソンだったが、ジェシーは協力すべきだという意見だった。 納得しないジャクソンは、いずれ牧場を譲り、兄弟のためを思っているとジェシーに伝えるものの、自分たちを甘やかし過ぎたので、ルートはあんな人間になってしまったと言われる。 反論しようとするジャクソンに、自分はついて行けないと伝えたジェシーは、何を考えているのかと訊かれる。 州に貢献したいだけだと言うジェシーはその場を去り、苛立つジャクソンは、すべてお前のせいだとローラに八つ当たりする。 パールと話したジェシーは、ルートから馬をもらったことなどを知り、彼女と散歩をする。 翌日、パールがサンプ泉に向かったことを知ったルートは、その場で水浴している彼女をからかう。 全裸であるために上がれないパールは、夜まで水の中で過ごし、憤慨しながら屋敷に戻る。 心配していたローラにルートとは一緒ではなかったと伝えたパールは、サンプ泉に行ったことを伝える。 ルートとは行っていないとローラに伝えたパールだったが、そこに現れたルートは、サンプ泉に行ったことを話してしまう。 ショックを受けたローラはその場を去り、苛立つパールは、ジェシーの顔にジャムを塗ったパンを押し付けて部屋を出る。 その後、眠っていたパールはヴァシュタイに起こされ、ジュバル・クラビー(ウォルター・ヒューストン)が来たことを知らされる。 ローラが呼んだ説教師のクラビーは、誘惑に勝つにはひたすら祈るしかないと言って、祈りを捧げて彼女に神聖なメダルを渡す。 鉄道が牧場の境界に達することを知ったジャクソンは、ルートがエルパソに行っていたために、ジェシーと対処しようとして牧童を集める。 鉄道会社の重役ラングフォード(オットー・クルーガー)と共に、汽車でジャクソンの牧場の境界に向かうスムートは、軍に協力を要請してトラブルに備えていた。 馬に乗ったジャクソンは、ジェシーと武装した牧童らを引き連れて出発する。 現場に到着したジャクソンは、鉄道会社の弁護士であるために無視できない立場のスムートと話し、ラングフォードを紹介される。 作業をやめるようにと警告したジャクソンは、法に従う気はないことをスムートとラングフォードに伝えて、牧童に銃を構えさせる。 スムートが読む令状の内容を無視するジャクソンだったが、意見するジェシーから間違っていると言われる。 柵を越えたジェシーは、殺人者になりたくないと言って、カッターで有刺鉄線を切ろうとする。 切ったら労働者を撃つと言うジャクソンだったが、そこに軍隊が現れる。 国のために戦うことはできるが、逆らえないと言うジャクソンは、仕方なき引き返そうとする。 自分が生きている間は牧場に近づくなとジェシーに伝えたジャクソンは、その場を去ろうとする。 暴れた馬から落ち、脚が固定されていたために引きずられたジャクソンは苦しむ。 ジェシーはジャクソンに駆け寄るが、裏切り者だ言う父に追い払われる。 軍隊は撤退し柵は撤去され、鉄道工事は再開する。 牧場に戻ったルートは誰もいないことに気づき、ヴァシュタイから、ジャクソンが牧童を引き連れて出かけたことを知らされる。 部屋に現れたルートに迫られたパールは、それを受け入れてしまう。 ジャクソンは牧場に戻り、家を出ることをジェシーから知らされたローラは悲しみ、オースティンに向かう彼に別れを告げる。 パールの部屋に向かったジェシーは、その場にルートがいたために何があったのかを悟り、誤解しないでほしいと言う彼女に旅立つことを伝える。 ジェシーを引き留めるパールは、抵抗したことを伝えるものの、ルートの魅力には逆らえないと言われる。 パールに好意を伝えたジェシーは、成長するのを待っていたと言って、いつか迎えに来る伝えたかったと話す。 今夜のことは簡単には忘れられないと言うジェシーは、これで終わりだと言って立ち去り、パールは自分のしたことを後悔する。 裏切り者が正体を現したと言うルートを殴ったジェシーは、遅すぎたと伝えてその場を去る。 苦しむパールは、ジェシーが許してくれないのならルートの女になろうと考える。 ルートとサンプ泉に向かったパールは、バーベキュー・パーティーの際に婚約を発表することを約束させる。 パールのメダルに気づいたルートはクラビーから受け取ったことを知り、それを池に捨ててしまう。 屋敷で盛大なバーベキュー・パーティーが開かれ、着飾ったパールは、気分が悪そうなローラのことを気遣う。 ジャクソンからパールとの関係を訊かれたルートは、遊びであり、本気ではないことを伝える。 オースティンから戻ったクラビーが、ジェシーのことをローラに話す会話を聞いていたパールは、彼が州知事になるらしいということを知る。 ラングフォードと親しくなったジェシーが、彼の娘と付き合っていることなども話すクラビーの話がパールは気になる。 ルートにダンスを教えてもらったパールは、彼が結婚する気がないことを知り、ショックを受けて木陰に向かい泣き崩れる。 隣人の牧場主サム・ピアース(チャールズ・ビックフォード)に話しかけられたパールは、自分を気遣ってくれる彼からダンスが苦手だと言われ、彼を誘って屋敷に戻る。 その後、ピアースと親交を深めたパールは、親子ほど年の離れた彼から求婚される。 ルートの件を思い出したパールはその気になれないものの、誠実なピアースを傷つけてしまったことを気にして、結婚してもいいと伝える。 スタンフォードと娘のヘレン(ジョーン・テッツェル)と共に汽車に乗るジェシーは、停車した場所で父の牛に気づく。 牧童のシドに話しかけたジェシーは、パールがピアースと結婚することを知り、ルートが許さないだろうと言われる。 その話を聞いていたヘレンは、ジェシーに好きな女性がいたことを知るが、彼女のために何かをしてあげたいと言われ、愛していたことを確認する。 過去のことだとヘレンに伝えたジェシーは、彼女との愛を確かめながら、ルートのことが気になる。 結婚式を控えるピアースは、酒場でバーテンダーに銃を預け、指輪を見せて、その場にいた男たちに酒をおごる。 そこに現れたルートは、他人の女を横取りするのは牛泥棒と同じと言ってピアースを挑発する。 丸腰だったピアースは、バーテンダーから銃を渡されるものの、ルートに射殺される。 お尋ね者となったルートには、2000ドルの懸賞金がかけられる。 クラビーによりピアースの葬儀が行われ、ローラは、悲しむパールを気遣う。 ルートを甘やかして育てたことを後悔するローラだったが、ジャクソンは、パールのせいでこんなことになったと考える。 自分を責めるローラに腹を立てたジャクソンは、パールを追い出せと言って声を荒げる。 怒鳴らないでほしいと意見したローラは、パールはどこにもやらないとジャクソンに伝える。 逃亡中のルートに会ったジャクソンは金を渡し、ほとぼりが冷めるまで身を隠しているようにと言って息子の身を案ずる。 その後、爆発物を積んだ列車が通過することを知ったルートは、ジャクソンに恩返ししようとして破壊工作を実行する。 線路が断線していることに気づいた機関士だったが、急ブレーキも間に合わずに列車は脱線し、貨物車量は爆発する。 屋敷に戻ったルートはパールの部屋に忍び込み、それに気づいた彼女に銃を向けられる。 ルートを撃つことができないパールは、再び彼を受け入れてしまう。 現れたハーディー保安官(チャールズ・ディングル)からルートのことを訊かれたジャクソンは、何も知らないと答える。 目撃者がいると言われたジャクソンは、屋敷内を調べることを許可する。 病気が悪化してベッドで寝ていたローラは、ハーディーから、ルートを見かけた者がいると言われるものの、何も知らない伝える。 ジェシーとルートの子供時代の写真を見ながら、ローラは心を痛める。 パールの部屋を調べたハーディーは、誰もいないことを確認してその場を去る。 潜んでいたルートは、メキシコに行くことをパールに伝える。 一緒に行くと言うパールに、束縛されたくないと伝えたルートは、すがる彼女を押しのけてその場を去る。 重体のローラのベッドに向かったジャクソンは、自分から逃げてスコットの元に行こうとした際に争いになり、脚がこうなったことを話す。 スコットの元に行ったのではないと言うローラは、ジャクソンが自分を愛していたことと、嫉妬の末の行動を悔やんでいることを知る。 何とかベットから起き上がったローラは、自分を追い落馬してこんな脚になったと言って嘆くジャクソンに寄り添い、許してほしいと伝えて息を引き取る。 牧場に戻ったジェシーは、ジャクソンに嫌味を言われるものの、母が重体だと知り帰ったことを伝える。 母が亡くなったことを知ったジェシーは、ショックを受ける。 落ち着いたジェシーは、母によくしてくれたヴァシュタイに感謝する。 母が亡くなった後で、慕っていたパールは様子がおかしくなったことをヴァシュタイから知らされたジェシーは、彼女が何も食べずに眠りもせず、納屋に閉じこもっていると言われる。 納屋に向かいパールと話したジェシーは、ルートが迎えに来るのを待っていると言う彼女に、一緒に暮らすことを提案する。 ヘレンにも話してあると言うジェシーは、同じように貴婦人になれるので、過去は忘れるようにと伝える。 無理だと言うパールに、かつて協力することを約束したので、学校に通い勉強すればいいと伝えたジェシーは、それに興味を持つ彼女に、母の写真が入ったペンダントを渡す。 パールを連れて町のホテルに戻ったジェシーは、現れたシドに気づく。 シドは、パールを渡すようにというルートからの伝言をジェシーに伝える。 渡さないなら取り戻しに来ると言われたジェシーは、ここで待つとシドに伝える。 翌朝、通りに現れたルートの元に向かったジェシーは、銃を渡す彼から、杭まで戻ったら撃つと言われる。 その通りにジェシーを容赦なく銃撃したルートは、その場を去る。 その件を知ったジャクソンは心を痛め、現れたスムートから、ジェシーが助かったと言われて安堵する。 ジャクソンが息子たちを愛していることは承知しているスムートは、ルートを甘やかし、すべて自分が間違っていたと言う彼に、ジェシーは必ず戻ってくると伝える。 ホテルに駆け付けたヘレンは、パールから、峠を越したジェシーが待っていることを知らされる。 パールがジェシーを好きだったことに気づいたヘレンは、父が亡くなった後で親切にしてくれたのが、彼とローラだったと言われる。 ヘレンから一緒に暮らすことを提案されたパールは、二人の婚約を心から祝福すると伝える。 現れたシドから、ルートはジェシーを再び狙うつもりだということを知らされたパールは、彼が”女の頭”に隠れているので銃声2発が合図だと言われる。 ルートからもらった馬でその場に向かったパールは、2発の銃声で合図する。 岩の上で手を振るルートを狙い撃ったパールは、反撃してきた彼の受弾を受ける。 再び銃撃したパールは這ってルートの近づき、瀕死の彼に呼ばれる。 ルートの女になろうとした時のことを思い出したパールは、もう一度抱きしめたい、愛していると言う彼の元に向かう。 ルートに近づきキスしたパールは、力尽きた彼と共に息を引き取る。
駅馬車で到着したパールは、青年ジェシー(ジョゼフ・コットン)から声をかけられる。
...全てを見る(結末あり)
次のダンスでは女性がパートナーを選ぶことになり、パールはピアースに近づき、ルートを驚かせる。
*(簡略ストー リー)
テキサス。
先住民の母と白人の父との混血娘パール・シャベースは、母と彼女を誘った男を射殺した父が死刑になったために悲しむ。
身寄りがなくなったパールは、かつて父と愛し合ったローラの世話になることになる。
迎えに来てくれたローラの息子で、優しく接してくれるジェシーに惹かれたパールは、ローラには歓迎されるものの、大牧場主である夫のジャクソンには嫌われる。
そんなパールは、父に似て粗野だが魅力的な次男ルートに迫られる。
それを受け入れてしまったパールだったが、結婚の約束をしてくれたルートに裏切られる。
傷ついたパールは、親切な隣人ピアースに求婚され、年の離れた彼との結婚を決意するのだが・・・。
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1944年に発表された、ニーヴン・ブッシュの小説”Duel in the Sun”を基に製作された作品。
製作者デヴィッド・O・セルズニックが大々的に売り出し、デビュー数年でその実力を開花させた、後に夫人となるジェニファー・ジョーンズ主演、ジョゼフ・コットン、グレゴリー・ペック他、豪華スター競演の西部劇の秀作。
「風と共に去りぬ」(1939)の西部劇版を意識して、自ら脚本に参加したデヴィッド・O・セルズニックの意欲作であり、キング・ヴィダーの繊細かつ大胆な演出が見どころの大作。
スケール感ある美しい映像、ディミトリ・ティオムキンらしいダイナミックな音楽も印象に残る。
第19回アカデミー賞では、主演女優賞(ジェニファー・ジョーンズ)、助演女優賞(リリアン・ギッシュ)にノミネートされた。
先住民との混血娘を演ずるジェニファー・ジョーンズの魅力を見事に活かした作品であり、デビュー2作目の「聖処女」(1943)でアカデミー主演賞を受賞した彼女は、本作を含めて4年連続のオスカー・ノミネートとなった。
ヒロインに惹かれる誠実な牧場主の息子ジョゼフ・コットン、その弟でヒロインを弄ぶ悪役を好演するグレゴリー・ペック、二人の母親で、ヒロインが慕う父の元恋人リリアン・ギッシュ、ヒロインの父親ハーバート・マーシャル、説教師を豪快に演ずるウォルター・ヒューストン、ヒロインを嫌う大牧場主のライオネル・バリモア、彼の友人である弁護士のハリー・ケリー、ヒロインに求婚する隣人の牧場主チャールズ・ビックフォード、ヒロインの母親(ティリー・ロッシュ)を誘う男シドニー・ブラックマー、保安官のチャールズ・ディングル、マキャンレス家のメイド、バタフライ・マックイーン、鉄道会社の重役オットー・クルーガー、その娘ジョーン・テッツェル、そしてナレーターはオーソン・ウェルズが担当している。