アイルランド人の革命家と手を組んだ無法者がメキシコの革命派の戦いに巻き込まれる姿を描く、原案、監督、脚本セルジオ・レオーネ、主演ロッド・スタイガー、ジェームズ・コバーン、マリア・モンティ他共演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:セルジオ・レオーネ
製作:フルビオ・モルセッラ
原案
セルジオ・レオーネ
セルジオ・ドナティ
脚本
ルチアノ・ヴィンセンツォーニ
セルジオ・レオーネ
セルジオ・ドナティ
撮影:ジュゼッペ・ルゾリーニ
編集:ニーノ・バラグリ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演
フアン・ミランダ:ロッド・スタイガー
ジョン・マロリー:ジェームズ・コバーン
アデリータ:マリア・モンティ
ヴィエガ医師:ロモロ・ヴァッリ
ガンター・ルイズ大佐:アントワーヌ・セント=ジョン
ドン・ハイメ:フランコ・グラツィオーシ
ショーン・ノーラン:デヴィッド・ウォーベック
イタリア 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1971年製作 157分
公開
イタリア:1971年10月20日
北米:1972年6月30日
日本:1972年4月22日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1913年、メキシコ。
無法者フアン・ミランダ(ロッド・スタイガー)は、街道を行く金持ちの乗客を乗せた駅馬車に乗り込む。
やがて、待ち伏せしていたフアンの家族が駅馬車を襲い、乗客の金品を奪う。
そこに、ダイナマイトを使うアイルランド人のジョン・マロリー(ジェームズ・コバーン)がオートバイに乗って現れる。
フアンが、ジョンのバイクの後輪を撃ち抜いたため、彼は駅馬車の屋根を爆破して立ち去ろうとする。
ジョンを撃ち殺そうとしたフアンだったが、彼がダイナマイトとニトログリセリンを所持していることを知る。
そしてフアンは、二人が同じ名前だと言って興奮し、計画していたメサ・ベルデ国立銀行襲撃にジョンを加担させようとする。 しかし、ジョンは、アイルランドで革命を引き起こそうとした罪でイギリス政府から追われている身であり、それを断り立ち去る。 フアンが、直したバイクのタイヤを再び撃ったため、ジョンは駅馬車を爆破して目的地に向かう。 その後もしつこくジョンを追ったフアンは、何とか彼を仲間に引き入れ、メサ・ベルデに向かうことになる。 列車に乗り込んだフアンらは、謎の人物ヴィエガ医師(ロモロ・ヴァッリ)の助けによって警官から逃れ、メサ・ベルデに到着する。 そこが、軍に支配されている町だと知ったフアンは当てが外れ落胆するが、銀行を見て気を取り戻す。 フアンはジョンと合流し、革命家パンチョ・ビリャやエミリアーノ・サパタと手を組み、銀行を襲おうとする列車で会ったヴィエガの指揮の下で行動することになる。 そして、ジョンが銀行の入り口を爆破し、フアンが建物内に侵入、地下の部屋を次々と開けていくが、中には捕らえられていた革命派の人々がいるだけで、現金はなかった。 しかし、150人もの愛国者を救い出したフアンは、革命の英雄となり人々に称えられる。 その結果、政府軍のガンター・ルイズ大佐(アントワーヌ・セント=ジョン)に追われる身となったフアンは、仲間達を後方に向かわせ軍隊を迎え撃つというジョンと共にその場に残る。 ジョンが、実はアメリカに向かい荒稼ぎすると思い込んでいたフアンだったが、彼は革命家として使命を果たそうとする。 それを知り、意地を張ったフアンも戦う覚悟を決め、ルイズの軍隊が橋に差し掛かったところで攻撃を始め、ジョンが橋を爆破する。 ルイズは、その報復として革命派の人々を虐殺し、洞窟に隠れていたフアンの家族もその犠牲になる。 怒りに燃えたフアンは、独りで軍隊に立ち向かうために姿を消し、同じ頃、捕らえられたヴィエガは同志を売り処刑を逃れる。 それを見ていたジョンはその後、捕らえられて、処刑されようとしていたフアンを救い出す。 列車に忍び込み、アメリカに向かおうとしていたフアンとジョンは、乗り合わせていた、革命派から逃れようとしていた指導者ドン・ハイメ(フランコ・グラツィオーシ)と出くわす。 ジョンは、フアンに家族の復讐をさせるために拳銃を渡し、彼はドン・ハイメを殺す。 列車は革命派が占拠し、ヴィエガがそこに戻りフアンとジョンに再会する。 軍用列車を襲うことになった一行は、それにルイズも乗っていることを知り、ジョンはヴィエガに手を下させようとする。 ヴィエガは、裏切りに気づいていたジョンに、拷問を受けたための行為だったことを話すが、理解は得られない。 ダイナマイトを仕掛けた機関車両ごと、軍用列車に突っ込む準備をしたジョンは車両から飛び降りるが、ヴィエガはそのまま爆死する。 軍用列車は大破し、フアンらの革命軍の総攻撃が始まるが、ジョンがルイズに銃撃されてしまう。 フアンがルイズを射殺してジョンを介抱するが、彼はフアンが助けを呼びに行っている間に、アイルランドのことを想い起しながら、自らの手で爆死する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
メキシコの無法者フアン・ミランダは、ダイナマイトを使うアイルランド人の革命家ジョン・マロリーと出会う。
ジョンを銀行強盗に加担させようと、目的の町に向かったフアンだったが、逆に、革命派の戦いに巻き込まれてしまう。
金を奪うはずだった銀行には、捕らえられていた革命派の人々しかいなかったのだが、フアンはそれを助けたため一躍英雄となり称えられる。
しかし、その報復として、政府軍の大佐ルイズは人々を虐殺し、フアンの家族も犠牲になる。
そして、復讐に燃えたフアンは、革命家としての使命を果たそうとするジョンと共に、政府軍に対し攻撃を仕掛ける・・・。
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当然ながら、本作は西部劇でもスパゲティ・ウエスタンでもなく、派手なアクションとして革命の戦いを、そして男の友情を描いた、セルジオ・レオーネらしい作品。
本作を監督する気のなかったレオーネが、主演のロッド・スタイガーとジェームズ・コバーンに懇願されたためにメガホン取ったという経緯があり、仕方なくした仕事でもなかろうが、いまいち演出に切れがないところが残念だ。
レオーネ作品には欠かせない、エンニオ・モリコーネの雰囲気のある音楽やダイナマイトなどを使ったスケールの大きいアクションシーンは楽しめる。
そのレオーネに惚れ込んで出演しただけあり、主演のロッド・スタイガーとジェームズ・コバーンの熱演も注目。
「夜の大捜査線」(1957)でアカデミー主演賞を受賞して間もないロッド・スタイガーの、人間味溢れるユーモラスな無法者、革命家として信念を持つニヒルなジェームズ・コバーン、両者共に個性を活かした演技で作品を盛り上げる。
同志を裏切る革命家のロモロ・ヴァッリ、冷酷な政府軍の大佐アントワーヌ・セント=ジョン、革命派に追われる指導者役のフランコ・グラツィオーシ、駅馬車の乗客で主人公と愛し合ってしまうマリア・モンティなどが共演している。