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我輩はカモである Duck Soup (1933)

国家に援助を続ける富豪夫人の推薦で就任した首相が巻き起こす騒動を描く、監督レオ・マッケリー、主演グルーチョ・マルクスハーポ・マルクスチコ・マルクスゼッポ・マルクスマーガレット・デュモントルイス・カルハーンラクウェル・トーレス他共演によるコメディの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:レオ・マッケリー

製作:ハーマン・J・マンキーウィッツ
脚本
バート・カルマー
ハリー・ルビー
アーサー・シークマン
ナット・ペリン
撮影:ヘンリー・シャープ
編集:リロイ・ストーン
音楽
バート・カルマー
ハリー・ルビー

出演
ルーファス・T・ファイアフライ:グルーチョ・マルクス
ピンキー:ハーポ・マルクス
チコリーニ:チコ・マルクス
ボブ・ローランド:ゼッポ・マルクス
グロリア・ティーズデイル:マーガレット・デュモント
トレンティーノ:ルイス・カルハーン
ヴェラ・マーカル:ラクウェル・トーレス
レモネード売り:エドガー・ケネディ
ザンダー:エドモンド・ブリーズ
前陸軍長官:エドウィン・マクスウェル
初代財務長官:ウィリアム・ウォーシントン
検察官:チャールズ・ミドルトン
シルヴェニアの扇動家:レオニード・キンスキー
トレンティーノの秘書:ヴァーナ・ヒリー
第一判事:ジョージ・マッカリー
第二判事:フレッド・サリヴァン
第三判事:エリック・マイン
戦闘司令部将校:ウェイド・ボトラー
レセプションのゲスト:キャリー・ダウメリー

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1933年製作 68分
公開
北米:1933年11月17日
日本:1934年1月27日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
フリードニア。
国家に夫の遺産の半分以上を貸している大富豪のグロリア・ティーズデイル(マーガレット・デュモント)は、さらなる融資を求めらる。

首相ザンダー(エドモンド・ブリーズ)の失政を批判するティーズデイル夫人は、新たな政権の樹立を希望し、ルーファス・T・ファイアフライ(グルーチョ・マルクス)を推薦して、首相にすることを融資の条件にする。

首相となったファイアフライは、就任式典で国民の前に登場することになる。

会場に到着した財務大臣(ウィリアム・ウォーシントン)夫妻に続き、シルヴェニア大使トレンティーノ(ルイス・カルハーン)がティーズデイル夫人に歓迎される。

ティーズデイル夫人は、有名なダンサーのヴェラ・マーカル(ラクウェル・トーレス)をトレンティーノに紹介する。

実はスパイだったヴェラと話したトレンティーノは、ティーズデイル夫人と結婚してこの国を乗っ取る計画だった。

ティーズデイル夫人がファイアフライと関係していることを知ったトレンティーノは、ヴェラを彼の元に送り込むことを考える。

そこに首相秘書のボブ・ローランド中尉(ゼッポ・マルクス)が現れ、ティーズデイル夫人は、トレンティーノとヴェラに彼を紹介する。
...全てを見る(結末あり)

午後10時となり、眠っていたファイアフライは会場に向かい、式典の責任者ティーズデイル夫人に迎られ、紹介されたトレンティーノから2000万ドルを借りようとする。

無礼なファイアフライの態度に気分を害したトレンティーノはその場を離れる。

ティーズデイル夫人は、ファイアフライにヴェラを紹介する。

思い通りにことが運ばないトレンティーノは、ファイアフライを陥れる計画に失敗した扇動家(レオニード・キンスキー)を非難する。

スパイとして送り込んであるピンキー(ハーポ・マルクス)とチコリーニ(チコ・マルクス)も情報収集ができないために頭を抱えたトレンティーノは、彼らを再びファイアフライの元に向かわせる。

閣議を開いたファイアフライは、まともな話し合いができず、憤慨した陸軍長官(エドウィン・マクスウェル)は辞任してしまう。

首相官邸の前でピーナッツを売っていたチコリーニは、ピンキーが何も答えようとしないために憤慨し、2人は争いになる。

レモネード売り(エドガー・ケネディ)が間に入るものの、2人にからかわれただけだった。

通りでピーナッツを売るチコリーニに気づいたファイアフライは、彼を執務室に呼び、商売をやめて政府内で働くことを勧める。

チコリーニを陸軍長官に任命したファイアフライは、そこに現れたピンキーも気に入る。

秘書のボブはトレンティーノが何かを企んでいると考え、それをファイアフライに伝える。

ボブからトレンティーノを排除するべきだと言われたファイアフライは、彼を刺激して様子を探ろうとする。

お茶会でティーズデイル夫人を口説こうとするトレンティーノだったが、そこに現れたファイアフライは彼を侮辱する。

憤慨したトレンティーノは、宣戦布告するとまで言って怒りをぶつけるが、ファイアフライに追い払われる。

その後、チコリーニに店番を頼まれたピンキーは、再びレモネード売りをからかったために、屋台を壊されてしまう。

仕返しをしたピンキーは、レモネードのタンクに脚を入れてしまい、それを見た客はその場を去る。

トレンティーノの怒りも理解できるティーズデイル夫人は、戦争を回避するためにファイアフライを説得しようとする。

ファイアフライを呼び出したティーズデイル夫人は、トレンティーノとヴェラを外で待たせる。

ティーズデイル夫人を訪ねたファイアフライは彼女に求婚し、現れたトレンティーノと和解しかけるものの、再び言い争いになり、戦争は避けられない状況になる。

その後トレンティーノは、フリードニアの作戦計画書をティーズデイル夫人から奪うことを考える。

ティーズデイル夫人の家に残っているヴェラに電話をしたトレンティーノは、計画書を奪いチコリーニらに協力するよう指示するが、ファイアフライが滞在していることを知る。

チコリーニとピンキーを家に招き入れたヴェラは、計画書を探そうとする。

ティーズデイル夫人に呼ばれたヴェラは、チコリーニとピンキーに音を立てないようにと伝えて部屋を出る。

時計を鳴らし様々な音を立てるピンキーに、それをやめさせたチコリーニは計画書を探す。

ティーズデイル夫人とファイアフライの電話の会話を聴いたチコリーニとピンキーは、彼女が計画書を持っていることを知る。

ファイアフライを部屋に閉じ込めたチコリーニは、彼に扮してティーズデイル夫人の部屋に向かう。

ティーズデイル夫人は、いつもと話し方が違うファイアフライのことをきにしつつ、計画書のことを訊かれる。

普段と違うことは適当に言い訳をしたチコリーニは、計画書が下の金庫にあることを知り、夫人から開け方を教えてもらえることになる。

ピンキーもファイアフライに扮してティーズデイル夫人の部屋に向かい、チコリーニがベッドの下に潜っている間に、彼女から金庫の開け方のメモを受け取る。

ピンキーが部屋を出たのと同時にチコリーニが立ち上がり、ファイアフライが去ったと思ったティーズデイル夫人は驚いてしまう。

ドアをこじ開けたファイアフライは、何も知らないまま夫人の部屋に向かう。

金庫を開けようとしたチコリーニは、間違えてラジオのダイヤルを操作してしまい、大音量の音楽が流れる。

ラジオを壊しても音楽が止まらないため、チコリーニは窓から投げ捨てる。

ティーズデイル邸を警備させたファイアフライは、一階の様子を見に行く。

鏡を壊してしまったチコリーニは、鏡があると思っているファイアフライの動きに合わせて体を動かす。

そこにピンキーが現れたためにウソがバレてしまったチコリーニは、逮捕される。

ファイアフライも出廷してチコリーニの裁判が開かれるが、シルヴェニア軍が侵攻してきたことが知らされる。

そこにティーズデイル夫人が現れ、戦争を回避しようとする彼女は、トレンティーノを連れて来たことをファイアフライに伝える。

現れたトレンティーノとの和平交渉は決裂し、ファイアフライは宣戦布告する。

激しい戦いが続き、劣勢のファイアフライは、陸軍長官のチコリーニに前線の指揮を任せる。

その後、ティーズデイル夫人に助けを求められたファイアフライは、彼女の元に向かう。

チコリーニやボブらと共に爆撃を受けたファイアフライは、ピンキーに援軍を呼びに行かせる。

ピンキーは火薬庫でタバコを吸ってしまい、それが爆発する。

敵に攻め込まれたファイアフライは、押し入ってきたトレンティーノを拘束し、果物を皆で投げつけて降伏させる。

ティーズデイル夫人は勝利を喜び国家を歌うものの、ファイアフライらに果物を投げつけられる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
フリードニア。
国家に援助を続ける大富豪ティーズデイル夫人は失政を批判し、自分が勧めるルーファス・T・ファイアフライを首相にすることを条件に支援を約束する。
ファイアフライは首相に就任するのだが、シルヴェニアの大使トレンティーノが、ティーズデイル夫人を丸め込みフリードニア乗っ取り計画を進める。
ティーズデイル夫人に近づくトレンティーノは、チコリーニとピンキーをファイアフライの元にスパイとして送り込み、情報収集をするのだが・・・。
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レオ・マッケリーが監督した内容は、ファシズムの台頭を批判し政治色が強いということで公開当時は不評で、それが原因で、”マルクス兄弟”の”パラマウント”作品としては最後の作品となった。

また、後に兄ガンモ・マルクスと共にタレント・エージェントとなるゼッポ・マルクスの引退作品でもある。

上記のように賛否両論あるが、現在では高く評価されている作品。
息つく暇のない計算しつくされた抱腹絶倒のギャグの連続、”マルクス4兄弟”の顔合わせと、充実した脇役陣の見事な演技も楽しめるコメディ映画の傑作。

1990年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

お馴染みのチコ・マルクスらの楽器パフォーマンスは登場しないが、ミュージカル・タッチで描かれているのは注目だ。

大富豪夫人に首相に推薦され、国家を滅ぼしかねない騒動を巻き起こすグルーチョ・マルクス、そのスパイとして送り込まれるハーポ・マルクスチコ・マルクス、首相秘書のゼッポ・マルクスマルクス兄弟作品には欠かせない女優であり、大富豪夫人を演ずるマーガレット・デュモント、国の乗っ取りを画策するシルヴェニアの大使ルイス・カルハーン、彼に雇われるスパイであるダンサーのラクウェル・トーレス、ピーナッツ売りのハーポ・マルクスチコ・マルクスにからかわれるレモネード売りのエドガー・ケネディ、前首相のエドモンド・ブリーズ、前陸軍長官のエドウィン・マクスウェル、初代財務長官のウィリアム・ウォーシントン、検察官のチャールズ・ミドルトン、シルヴァニアンの扇動家レオニード・キンスキー、トレンティーノ(ルイス・カルハーン)の秘書ヴァーナ・ヒリー、判事のジョージ・マッカリーフレッド・サリヴァンエリック・マイン、戦闘司令部将校のウェイド・ボトラー、レセプションのゲスト役キャリー・ダウメリーなどが共演している。


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