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モホークの太鼓 Drums Along the Mohawk (1939)

1936年に発表された、ウォルター・D・エドモンズ小説”Drums Along the Mohawk”を基に製作された作品。
アメリカ独立戦争に巻き込まれながら逞しく生きる開拓民を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督ジョン・フォード、主演クローデット・コルベールヘンリー・フォンダエドナ・メイ・オリバージョン・キャラダインワード・ボンド他共演の歴史ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・フォード

製作総指揮:ダリル・F・ザナック
原作:ウォルター・D・エドモンズDrums Along the Mohawk
脚本
ソニア・レヴィン

ラマー・トロッティ
撮影
バート・グレノン

レイ・レナハン
編集:ロバート・L・シンプソン
音楽:アルフレッド・ニューマン

出演
マグダラナ”ラナ”ボースト・マーティン:クローデット・コルベール

ギルバート”ギル”マーティン:ヘンリー・フォンダ
マクレナー夫人:エドナ・メイ・オリバー
コールド・ウェル:ジョン・キャラダイン
アダム・ハートマン:ワード・ボンド
ニコラス・ハーキマー将軍:ロジャー・イムホフ
ローゼングランツ:アーサー・シールズ
ブルーバック:チーフ・ジョン・ビッグツリー
ジョー・ボレオ:フランシス・フォード
ウィーバー夫人:ジェシー・ラルフ
ジョン・ウィーバー:ロバート・ローリー
デモス夫人:ケイ・リネカー
ピートリー医師:ラッセル・シンプソン
エイモス・ハートマン:ジャック・ペニック
宿屋の主人:スペンサー・チャーターズ
開拓者の女性:メエ・マーシュ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX

1939年製作 103分
公開
北米:1939年11月3日
日本:1949年9月20日
製作費 $2,000,000


アカデミー賞 ■
第12回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優(エドナ・メイ・オリバー
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1776年、ニューヨークオールバニ、ボースト邸。
農夫のギルバート”ギル”マーティン(ヘンリー・フォンダ)と富豪令嬢のマグダラナ”ラナ”ボースト(クローデット・コルベール)は結婚する。

二人は幌馬車に荷物を積み、モホーク渓谷にあるギルの農場に向かう。

キングス街道の宿屋に泊まった二人は、主人(スペンサー・チャーターズ)に歓迎される。

その場にいた眼帯をしたイギリス人コールド・ウェル(ジョン・キャラダイン)から党派を聞かれたギルは、”愛国派”だと答える。

王党派”(トーリー党)はいないはずだと言われたコールドウェルは、先住民がイギリス軍と手を組むらしいと伝えてその場を去る。

ギルは、先住民や王党派のことを聞いたラナが不安を抱くことを気にする。

自分が愛するようにギルが愛してくれるかが心配なだけだとラナは答えて安心させる。
...全てを見る(結末あり)

翌日、出発したギルとラナは、嵐に遭いながらディアフィールドの家に到着する。

暖炉に火を点けたギルは馬を繫ぎに行くが、ラナの前に先住民のブルーバック(チーフ・ジョン・ビッグツリー)が現れる。

驚いたラナは叫び声をあげるが、ギルは友人であるブルーバックに気づく。

ギルは、取り乱すラナの頬を叩いて落ち着かせ、ブルーバックは簡単な会話を交わしてその場を去る。

こんな場所に連れてこられたと言って、ラナはギルを非難して泣き止まない。

ここで暮らすしかないと言うギルは、愛していることなどをラナに伝えて納得させる。

戻って来たブルーバックは、良い妻だが叩いて躾れば更に良くなると言ってギルに棒を渡す。

それがブルーバックの友情と歓迎を示す方法だと知るギルは、笑顔を見せる。

その後、ラナはギルと共に農作業などに精を出し、二人は希望に満ち溢れた日々を送る。

最も近い開拓地ジャーマン・フラッツの砦に向かったギルとラナは、ニコラス・ハーキマー将軍(ロジャー・イムホフ)やウィーバー夫人(ジェシー・ラルフ)、その息子ジョン(ロバート・ローリー)、ピートリー医師(ラッセル・シンプソン)らに歓迎される。

ラナは妊娠していることを口にしてしまい、ウィーバー夫人に祝福される。

独立に向けての戦いが始まり、まだ平穏なモホークでもそれに備えるため、ハーキマー将軍はギルやアダム・ハートマン(ワード・ボンド)ら男達を集めて訓練を始める。

人々は助け合って暮らすのが習わしで、ギルの農場にも人々は集まり開拓に協力する。

そこにブルーバックが現れ、敵の先住民と白人が攻めて来ることを伝える。

ギルは残ろうとするが、ラナに説得されてその場から退避することにする。

コールドウェルに率いられた先住民は農場に侵入し、ギルの家は焼かれる。

追ってくる先住民と交戦しながらジャーマン・フラッツに着いたギルらだったが、ラナが失神してしまう。

ハーキマー将軍は男達を率いて先住民を追うが、結局は逃げられてしまい引き返す。

ラナが流産してしまったことを知ったギルはショックを受けるが、彼女に寄り添い励ます。

その後、焼かれた農場に戻ったギルは、ラナを実家に帰すべきだったと言って後悔するが、彼女はやり直せることを信じる。

未亡人のマクレナー夫人(エドナ・メイ・オリバー)が夫婦の働き手を探していることを知っていたラナは、それをギルに提案するものの、彼は使用人になることを拒む。

雪の積もる季節となっていたため、仕方なく話を聞くことにしたギルは、ラナと共にマクレナー夫人を訪ねる。

不躾で口うるさい夫人は、ギルに農作業を任せてラナには裁縫をさせようとする。

住まいを与えられて雇われることになったギルとラナは喜ぶ。

その後、子供と老人以外の男達は戦いに駆り出され、ラナも涙を堪えてギルを見送る。

砦に移り住むことを拒否したマクレナー夫人は、便りもないギルの帰りをラナと共に待ち続ける。

そして、傷ついた部隊は帰還するが、ギルの姿はなかった。

部隊に屋敷を提供したマクレナー夫人は、ハーキマー将軍が負傷して足を切断するしかないことを知り彼を励ます。

雨の中ギルを捜すラナは、倒れていた彼を見つけて家に運ぶ。

放心状態のギルは戦いの様子を語り続け、その間ラナは彼の傷の手当てをする。

翌朝、寄り添っていたラナはギルに起こされ、彼が回復していることに気づく。

子供ができたことをギルに知らせたラナは幸福を実感するが、ハーキマー将軍が亡くなったことを知らされる。

ローゼングランツ牧師(アーサー・シールズ)は祈りを捧げ、ハーキマー将軍の遺体は運び出される。

数か月が経ち、ラナの出産の日を迎えたギルは不安で落ち着かない。

やがて男の子が生れ、ギルはラナに抱かれる子供と対面する。

収穫を祝うパーティーが開かれ、ギルはその間も息子の様子を見て過ごし、ラナは幸せを実感して神に感謝する。

平穏な日々が続いていたが、マクレナー夫人が先住民に襲われ、彼女は抵抗するものの家を焼かれる。

畑にいたギルはそれに気づくが、夫人は家を離れようとしない。

ギルにコールドウェル率いる大群が来ることを知らせたアダムは、夫人を担いでその場から逃れ砦に向かう。

ローゼングランツ牧師は戦いに備えて祈りを捧げ、女や子供達も武器を手にする。

戦いは始まり、砦を落せないコールドウェルは退却命令を出す。

マクレナー夫人が敵の矢を受けてしまい、瀕死の彼女は全財産をギルとラナに託し、亡き夫の名前を呼びながらアダムの腕の中で息を引き取る。

小康状態が続き、弾薬不足などで今後の戦いも劣勢が続くことが考えられ、ジョー・ボレオ(フランシス・フォード)が援軍を呼びに行く。

しかし、捕えられたジョーは荷馬車に縛りつけられて火を放たれ、残虐なやり方に怒ったアダムは矢を受けてしまう。

ローゼングランツ牧師は、苦しませないために止むうを得ずジョーを射殺する。

ギルが援軍を呼びに行くしかなくなり、それをラナに伝えた彼は砦から出て川に向かう。

様子を窺っていたコールドウェルは、爆薬を使い攻撃を開始する。

追っ手から逃れながら、ギルはひたすらの山を走り”デイトン砦”に向かう。

激しい戦いが始まり、ラナらも勇敢に戦うものの敵に攻め込まれる。

そこに援軍が現れて砦は死守され、ギルはラナと息子の元に戻る。

コールドウェルの行方は不明だったが、ブルーバックが彼から奪った眼帯をして見せる。

その後、砦は修復され、到着した軍隊は終戦を伝える。

新しい国旗である、13の入植地と州を現す横じまと星でデザインされた”ベッツィー・ロス・フラッグ”が掲げられる。

そして、ギルとラナは、忙しくなると言って仕事を始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1776年。
富豪令嬢マグダラナ”ラナ”ボーストと結婚した農夫ギルバート”ギル”マーティンは、モホーク渓谷にある農場に向かう。
無事に目的地に着いたギルだったが、辺境の地に来たラナは動揺し不安を隠せない。
ギルに励まされたラナは、その後、農作業などに精を出すが、”王党派”のイギリス人コールドウェルに率いられた先住民に家を焼かれてしまう。
未亡人マクレナー夫人の屋敷で住み込みで働くようになったギルとラナは、労働に喜びを感じながら平穏な日々を過ごし、やがて二人には息子が生まれる。
しかし、マクレナー夫人の屋敷はコールドウェルと先住民に襲撃される。
砦に避難したギルら開拓民は、大群を率いて攻撃を仕掛けてくるコールドウェルと先住民を迎え撃つのだが・・・。
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同年(1939年)は「駅馬車」、「若き日のリンカン」という歴史に残る名作を世に出していたジョン・フォードの、初のカラー作品ということで注目したい作品。

当時の技術からすると驚くべき美しさの総天然色カラー作品であり、第12回アカデミー賞では、エドナ・メイ・オリバーの助演女優と共に撮影賞(カラー)にノミネートされた。

日本公開は北米の10年後の1949年なのだが、その際は白黒映画として公開された。

ジョン・フォード作品としてはやや単調で一般の評価も低かった作品ではあるが、か弱き女性や開拓者を逞しく映し出す工夫が感じられるショットや構図など印象深いシーンが随所で見られる。

また、ヘンリー・フォンダジョン・キャラダインワード・ボンドをはじめ、脇役に至るまでをフォード作品の常連で占める、フォード一家総出演のキャストはファンには涙ものだ。

都会育ちの富豪令嬢でありながら、逞しく生きる女性へと成長していく、大女優としての貫禄も感じられるクローデット・コルベール、その夫で、純粋に幸せを求める姿が実に爽やかな開拓民を熱演するヘンリー・フォンダ、当時の名脇役であり、不躾だが人情味もある、オスカー候補にもなり出色の名演を見せる未亡人役のエドナ・メイ・オリバー、先住民を率いて開拓者を襲撃する”王党派”(トーリー党)のイギリスジョン・キャラダイン、主人公と共に戦う逞しい開拓者ワード・ボンド、司令官ニコラス・ハーキマー将軍のロジャー・イムホフ、牧師アーサー・シールズ、主人公の友人である先住民チーフ・ジョン・ビッグツリー、開拓者フランシス・フォードジェシー・ラルフ、その息子ロバート・ローリーケイ・リネカー、医師ラッセル・シンプソン、開拓者ジャック・ペニックメエ・マーシュ、宿屋の主人スペンサー・チャーターズなどが共演している。


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