天才ドラマーとして大学のマーチングバンド入った学生の挫折と成長を描く、監督チャールズ・ストーン三世、主演ニック・キャノン、オーランド・ジョーンズ、ゾーイ・サルダナ、レナード・ロバーツ他共演の青春ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・ストーン三世
製作総指揮:ダラス・オースティン
脚本
ティナ・ゴードン・チズム
ショーン・シェップス
撮影:シェーン・ハールバット
編集
パトリシア・バウアーズ
ビル・パンコウ
音楽:ジョン・パウエル
出演
デヴォン・マイルズ:ニック・キャノン
ジェームズ・リー:オーランド・ジョーンズ
レイラ:ゾーイ・サルダナ
ショーン・テイラー:レナード・ロバーツ
ジェイソン・フローア:GQ
アーネスト:ジェイソン・ウィーヴァー
チャールズ:アール・C・ポアチエ
ワグナー学長:アフェモ・オミラミ
ウェイド:J・アンソニー・ブラウン
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
2002年製作 118分
公開
北米:2002年12月13日
日本:2004年4月10日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $56,398,160
世界 $57,588,490
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
高校のマーチング・バンドでドラムを担当し、天才的な才能を持つデヴォン・マイルズ(ニック・キャノン)は、卒業式を終えて母に感謝する。
母と別れた父の元に向かったデヴォンは、高校を卒業し奨学金を得てA&T大学に入り、マーチング・バンドのドラマーになることを伝える。
アトランタ。
大学に向かうバスの中で、チューバのチャールズ(アール・C・ポアチエ)、ベース・ドラムのジェイソン・フローア(GQ)、アーネスト(ジェイソン・ウィーヴァー)に自己紹介したデヴォンは、モーリス・ブラウン大学のバンドには誰も勝てないとドライバーに言われる。
キャンパスに着いたデヴォンは、上級生のレイラ(ゾーイ・サルダナ)に惹かれて声をかける。 その後、バンド入部希望者は集められ、リーダーのショーン・テイラー(レナード・ロバーツ)から、厳しい規則などを知らされる。 それを無視したデヴォンらはクラブに向い、翌早朝からバンド練習が始まる。 監督のジェームズ・リー(オーランド・ジョーンズ)は、一体として行動するバンドのルールを徹底する。 リーにスカウトされて入学したデヴォンは、自分が特別な存在だと考え、リーダーのショーンの指示に従おうとしない。 デヴォンの無礼な態度を戒めるショーンは、逆らおうとする彼の意見を聞き入れない。 容赦なく鍛えられるデヴォンら新入生は、厳しいトレーニングに耐える。 援助を確保するため好成績を上げるよう、ワグナー学長(アフェモ・オミラミ)は、リーにプレッシャーをかける。 第一段階は終了し、P1(レギュラー)のドラマーが選ばれることになる。 デヴォンは、バンドの最後の規則を言えなかったため、スキンヘッドにされそうになる。 それを拒むデヴォンは、ショーンから審査にでられないと言われるが、それを無視して部屋に戻る。 仕方なくスキンヘッドになったデヴォンは、皆と共に審査を受ける。 アドリブまで追加したデヴォンが、チームワークを乱すことを心配したショーンだったが、リーは彼の才能を買い、唯一人P1に選抜する。 ダンサーのレイラは、デヴォンがドラムラインになれたことを知る。 フットボールの試合での最初の演奏を前に、ショーンに口答えしたデヴォンは、ソロをやるよう指示される。 フィールドに登場したバンドは、見事なドラムラインを披露し、ショーンと競り合うデヴォンは、得意になり勝手な演奏をしてしまう。 観客やワグナー学長は素晴らしい演奏に声援を送るが、練習と違ったことで納得がいかないリーは、ショーンとデヴォンを非難する。 ワグナーが満足していることを知ったたリーだったが、リーダーのショーンに責任を取らせてドラム磨きをさせる。 ハンバーガーショップでレイラに声をかけたデヴォンは、パーティーに連れて行ってほしいと言われる。 デヴォンとレイラはパーティーを楽しみ、二人は惹かれ合うようになる。 その後、デヴォンが楽譜が読めないことが分かり、最低条件だった願書に嘘を書いたことが発覚したため、リーが彼を責める。 講義を受けるよう指示されたデヴォンはP4に降格され、楽譜が読めるまでドラムラインには戻さないとリーに言われる。 才能だけで入学し、勉強する気はないと答えるデヴォンだったが、嘘をついたから入学できたのであって、技術を習得するための学業を拒むなら、この場にいる資格はないとも言われる。 レイラに相談したデヴォンは、音楽を愛するなら講義を受けるのが当然の行為だと言われ、仕方なくそれに従う。 モーリス・ブラウン大学との対戦の日、ハーフタイムで、独創的で完璧な演奏をする同校のバンドに比べ、平凡な母校の演奏に不満なワグナー学長は、なぜデヴォンを使わないのかをリーに問う。 明確な答えを返さないリーに、ワグナーは、このままでは来年はないと言って警告する。 なぜ相手校に対抗しないのか疑問に思うデヴォンは、モーリス・ブラウンの監督ウェイド(J・アンソニー・ブラウン)に声をかけられる。 そこに現れたリーは、かつての上司であるウェイドの言葉を無視してその場を去る。 大学の同窓会が開かれ、リーは、ショーンと共にデヴォンをソロにすることを伝える。 本意ではなかったが、リーは、資金援助のためにOBを満足させる。 ところが、対抗戦の相手校に挑発されたデヴォンは勝手な演奏を始めて揉め事を起こしてしまう。 レイラはデヴォンの行為に失望してその場を去り、それをきっかけに仲間達から無視されたデヴォンは、OBのために自分を出場させたリーを非難する。 出場させたことを後悔したリーは、自分の信念を貫くことを伝えて、デヴォンを退団させる。 チャールズとジェイソンに別れを告げて寮を出たデヴォンは、ウェイドの元に向い、退団したことを伝える。 来年、バンドに空きがあるかを尋ねたデヴォンは、その可能性はあるが、もう一度よく考えてみるようにとウェイドに言われる。 レイラに声をかけられたデヴォンは、無視したことで彼女を非難し、何も話さずにその場を去る。 デヴォン抜きの編成の件をリーに話したショーンは、リーダーを任せていた理由を説明され、ドラムラインに対する愛情を忘れては指揮することはできないと言われる。 モーリス・ブラウンへの編入の件で、教育資金などうを援助することをデヴォンに伝えたウェイドは、その見返りにリーの秘策を教えるよう要求する。 リーを裏切る気のないデヴォンは、ウェイドを非難してその場を去る。 ドラマーだった父から送られて来たテープを受け取ったデヴォンは、それを聴いて演奏してみる気になる。 その場にいたショーンと言い合いになり互いにドラムを叩き始めたデヴォンは、ショーンから、最高のドラマーではあるが観客が聴くのは一体となったバンドのサウンドだと言われる。 デヴォンが叩いた音が楽譜としてプリントされ、ショーンは、その読み方を教えることをデヴォンに約束する。 二人には友情が芽生え、講義にも真剣に取り組んだデヴォンは、仲間達にも受け入れられ、レイラのことを気にする。 リーの元に向かったデヴォンとショーンは、二人で”BET・ビッグ・サザン・クラシック”のための入場曲を作ったことを伝え、それが気に入られる。 デヴォンとショーンの曲のことを団員に伝えたリーは、その練習を始める。 P2のジェイソンにドラムの叩き方を指導し、アーネストが全国名誉バンド友愛会の正会員になったことを知ったデヴォンは、仲間達と共に喜ぶ。 リーは、厳しい練習に耐えた団員を誇りに思うことを伝える。 ジェイソンはP1のドラマーに挑戦してその地位を勝ち取り、リーは、復帰は難しいことをデヴォンに伝える。 それを理解したデヴォンは、来年の出場に期待するとリーに言われる。 デヴォンはレイラに歩み寄り、やり直したいことを伝え、二人は愛を確かめる。 ”BET・ビッグ・サザン・クラシック”。 派手な演出でラッパーの”ピーティ・パブロ”が登場し、モーリス・ブラウンと共演し、スタジアムは騒然となる。 リーは、フィールドに出て楽しむよう団員達を励まし、バンドは演奏を始めて、場内は興奮は最高潮となる。 BETのアナウンサー、A・J・キャロウェイとフリーが登場し、モーリス・ブラウンとA&Tが同点だということが発表される。 史上初の同点決勝となり、リーは、デヴォンに出場するよう伝える。 二校は競い合いながら演奏を始め、厳しい戦いをA&Tが制す。 リーと団員達は喜びを分かち合い、大観衆の歓声に応える。
...全てを見る(結末あり)
チャンピオンのモーリス・ブラウン大学に挑戦し、5万ドルの賞金を手にする大学はどこになるのか、全米が注目する。
*(簡略ストー リー)
ニューヨークの高校のマーチングバンドで天才ドラマーと言われたデヴォン・マイルズはスカウトされて、アトランタのA&T大学に入学する。
名門マーチングバンドのドラムラインに選ばれるのは、自分の実力からして当然だと考えるデヴォンは、リーダーのショーンと衝突しながらもその実力を発揮する。
チームが一体となりバンドを愛することを目的とする監督のリーは、派手なパフォーマンスを好む、支援者であるOBの顔色を窺う学長からの圧力を受ける。
その後、新入生で唯一人ドラムラインに加わったデヴォンは、その才能に溺れて身勝手行動を繰り返し、仲間達やリーから批判を浴びてしまう・・・。
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アメリカの文化と言える、マーチングバンドの世界を描いた物語で、それに懸ける天才ドラマーの挫折と成長を描くドラマ。
軍隊を思わせるような厳しいトレーニングにより鍛えられる学生達の努力や、才能に溺れる主人公の苦悩を描く物語は、チームの一体感やそれに対する愛をメインテーマにした深い内容には仕上がっている。
ドラムに対する一途な思いというよりも、生まれながらの才能を、人間としての未熟さから生かしきれない主人公を描く内容なのだが、統制のとれたチームの雰囲気に馴染まない主人公の、単なる生意気な不良少年のような態度が不愉で仕方がない。
やがて心の成長により協調性も生まれるという結末も、当たり障りのない展開で、もう一捻り欲しかった気がする。
それはともかく、クライマックスの全米規模の大規模な大会で披露される、アクロバチックでエネルギッシュな派手なパフォーマンスは圧巻で、その中に混じる役者の見事な演技は素晴らしい。
2014年に続編”Drumline: A New Beat”がDVDリリースされた。
自分の才能に溺れる天才ドラマーから、挫折を経験して成長するニック・キャノン、主人公を見守るバンド監督のオーランド・ジョーンズ、主人公と惹かれ合う上級生のダンサー、ゾーイ・サルダナ、主人公と対立するものの友情が芽生えるバンド・リーダーのレナード・ロバーツ、バンド・メンバーのGQ、ジェイソン・ウィーヴァー、アール・C・ポアチエ、学長のアフェモ・オミラミ、モーリス・ブラウン大学のバンド監督J・アンソニー・ブラウンなどが共演している。