ダイアナ・ロスとザ・シュープリームスをモデルに、1981年に上演されたブロードウェイ・ミュージカル”ドリームガールズ”の映画化。 スターへの道の挫折と栄光を描く、監督ビル・コンドン、主演ジェイミー・フォックス、ビヨンセ・ノウルズ、エディ・マーフィ、ダニー・グローヴァー、ジェニファー・ハドソン他共演のミュージカル・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督 ビル・コンドン
製作総指揮 パトリシア・ウィッシャー
製作
ローレンス・マーク
デヴィッド・ゲフィン
原案:トム・イーエン”ドリームガールズ”(ミュージカル)
脚本:ビル・コンドン
撮影:トビアス・スクリスラー
編集 ヴァージニア・カッツ
美術・装置
ジョン・マイアー
ナンシー・ヘイ
音楽 ヘンリー・クリーガー
出演
ジェイミー・フォックス:カーティス・テイラーJr.
ビヨンセ・ノウルズ:ディーナ・ジョーンズ
エディ・マーフィ:ジェームス“サンダー”アーリー
ダニー・グローヴァー:マーティー・マディソン
ジェニファー・ハドソン: エフィ・ホワイト
アニカ・ノニ・ローズ:ローレル・ロビンソン
キース・ロビンソン:C.C.ホワイト
シャロン・リール: ミシェル・モリス
ヒントン・バトル:ウェイン
ジョン・リスゴー:ジェリー・ハリス
ジョン・クラシンスキー:サム・ウォルシュ
アメリカ 映画
配給 ドリームワークス/パラマウント・ピクチャーズ
2006年製作 130分
公開
北米:2006年12月15日
日本:2007年12月17日
製作費 $70,000,000
北米興行収入 $103,063,210
世界 $154,852,980
■ アカデミー賞 ■
第79回アカデミー賞
・受賞
助演女優(ジェニファー・ハドソン)
音響編集賞
・ノミネート
助演男優(エディ・マーフィ)
美術・衣装デザイン・歌曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1962年デトロイト。
あるライブハウスのオーディション会場で”ドリームメッツ”の3人、ディーナ・ジョーンズ(ビヨンセ・ノウルズ)、エフィ・ホワイト(ジェニファー・ハドソン)、ローレル・ロビンソン(アニカ・ノニ・ローズ)は、誰もが認めるパフォーマンスを披露するものの優勝は逃してしまう。
大スター、ジミー“サンダー”アーリー(エディ・マーフィ)は、女癖の悪さで失った、バックコーラスを探していた。
彼の音楽プロデューサー兼”キャデラック”のディーラー、カーティス・テイラーJr.(ジェイミー・フォックス)は、ドリームメッツの3人に目をつけ、ジミーのバックコーラスとして雇うことにする。 ドリームメッツの3人は、ジミーのバックコーラスとして巡業に旅立つが、彼はたちまち3人に色目を使い始める。 カーティスは、エフィの兄で作曲家のC.C.(キース・ロビンソン)をジミーに紹介する。 しかし、マネージャーのマーティー・マディソン(ダニー・グローヴァー)は、C.C.が一流のジミーにそぐわないと見て彼を敬遠する。 そんなジミーはC.C.の曲が気に入り、その後カーティスは、レインボー・レコードを設立して曲を売り出す。 曲は限定局のR&B部門で大ヒットするものの、その曲をメジャーにしようとする者達に奪われてしまう。 カーティスは、国中の有力なD.J.に曲を売り込まないとヒットしないことを悟り、車を売り払い賄賂の資金をかき集める。 成功の為なら誇りまで捨て、手段を選ばないカーティスは、ついに全米ナンバーワンヒット曲を引っさげ、ニューヨークのアポロ・シアターに乗り込む。 カーティスのレインボー・レコードは軌道に乗り、やがて、彼とエフィは愛し合うようになる。 マディソンはカーティスと対立し、ジミーも新境地を開こうとする考えがあることを知り、彼は、二人の元から去っていく。 そしてついに、3人は”ドリームズ”としてカーティスに売り出されることになるが、リード・シンガーがディーナに決まり、不満を抱くエフィを周囲が説得する。 その後、ドリームズは次々とヒットを飛ばし、大スターの道を歩み始める。 しかし、リードもカーティスもディーナに取られたエフィの不満は爆発し、彼女はステージを降りてしまう。 リハーサルに出ずに遅刻したエフィは、代役をあてられて癇癪を起こし、仲間や兄C.C.にも見捨てられてしまう。 数年後。 その頃ジミーは、自分のフィーリングとカーティスの感性が微妙に噛み合わなくなったことで悩み始め、ドラッグと酒に溺れていく。 エフィは、歌への思い入れが断ち切れず、マディソンの元を訪れ、辛い生活を歌にぶつけ、ナイトクラブで歌手として再出発する。 ジミーはステージで羽目をはずし過ぎ、ついにカーティスに手を切られてしまい、絶望して自ら命を絶つ。 やがて、C.C.も思い通りのサウンドを作らせようとしないカーティスの元を去り、エフィのために曲を贈る。 しかし、エフィの”ワン・ナイト・オンリー”はカーティスに奪われ、彼はそれをディーナに歌わせる。 ディーナは、自分を操り人形のように扱うカーティスに嫌気が差し、エフィに連絡を取り彼女と再会する。 マディソンとC.C.は、カーティスの長年の不正を暴き、書面にしてそれを彼に突き付ける。 彼らはエフィのレコーディングも承知させて、ディーナもカーティスの元を去っていく。 その後、ドリームズの解散コンサートがデトロイトで開催され、エフィもステージに招かれて熱唱する。 そしてカーティスは、エフィの子供が自分の娘だということを知る。
...全てを見る(結末あり)
カーティスとディーナは結婚して音楽界を制覇し、一方、エフィは、C.C.からの援助も断り、相変わらず片意地を張り、娘と貧しい生活を送っていた。
*(簡略ストー リー)
1962年デトロイト。
ライブハウスのオーディションなどを受けていた”ドリームメッツ”の3人ディーナ、エフィ、ローレルは、音楽プロデューサー兼”キャデラック”のディーラー、カーティス・テイラーJr.の目に留まり、大スターのジミー“サンダー”アーリーのバックコーラスとして雇われる。
カーティスは、作曲家のエフィの兄C.C.もジミーに紹介するが、マネージャーのマディソンは、彼に関心を示さない。
ジミーはC.C.の曲が気に入り、その後カーティスは、レインボー・レコードを設立して曲を売り出す。
しかし、その曲はメジャーにしようとする者達に奪われてしまう。
カーティスは、有力D.J.に曲を売り込むために、賄賂にする資金をかき集める。
その後、全米ナンバーワン・ヒット曲を出し、軌道に乗ったカーティスは、エフィと愛し合うようになる。
しかし、マディソンはカーティスと対立してジミーの元から去っていく。
そしてついに、3人は”ドリームズ”としてカーティスに売り出されることになる。
しかし、リード・シンガーがディーナに決まり、エフィは不満を抱気ながらステージに立ち、ドリームズは次々とヒットを飛ばし、大スターの道を歩み始める。
そんな時、リードもカーティスもディーナに取られた、エフィの不満は限界に達しステージを降りてしまう。
エフィの身勝手な行動は周囲に非難され、彼女は仲間や兄C.C.にも見捨てられてしまう・・・。
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スターへの道の挫折と栄光、恋愛と失恋、私生児の出産・・・。
いばらの道を歩んだエフィへの共感、そしてあくまでも美しいディーナ、その二人の嫌味のない友情と、時代を生きる二人のパワーに感動させられる。
画面に広がる音楽と、見栄えのする出演者達の圧倒的迫力を味わうなら、映画館で観ないとその価値はない作品。
劇場で観て本当に良かったと思える作品であり、テレビ画面では魅力が半減することを実感する。
意外にも、アメリカ以外ではあまり受けなかった作品で、国外では北米興行収入の約半分に終わった。
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北米興行収入 $103,063,210
世界 $154,852,980
「シカゴ」(2002)でアカデミー脚色賞にノミネートされた、監督ビル・コンドンの演出に応えた出演者の熱演と熱唱は見ものだ。
第79回アカデミー賞では、助演女優(ジェニファー・ハドソン)、音響編集賞を受賞した。
・ノミネート
助演男優(エディ・マーフィ)
美術・衣装デザイン・歌曲賞
ビジネスにのめり込み過ぎて、結局は家族や周囲から見放される非情な男を演じたジェイミー・フォックスが、ラストで娘の存在を知り、驚きと喜びの表情で、彼の心が救われるシーンは印象深く、ややぎこちないが歌うシーンも披露してくれる。
ヒロイン、ビヨンセは美しさと歌唱力以上に、演技力でも評価できる。
シリアスな演技に徹し、悲しい結末を迎えるエディ・マーフィは、素晴らしい歌声も披露し、芸達者振りを見せてくれる。
当初は嫌味なマネージャーに見えるが、ダニー・グローヴァーは、実は洞察力と人情味のある人物に描かれる、終盤の展開もなかなかいい。
なんと言っても、アカデミー賞を受賞したジェニファー・ハドソンの、体中のエネルギーをパワフルな歌声にする歌唱力は圧巻で、自尊心の高い勝気な女性を見事に演じている。
”ドリームズ”メンバーでジミー(E・マーフィ)の愛人役のアニカ・ノニ・ローズ、エフィ(J・ハドソン)の兄で作曲家キース・ロビンソン、映画プロデューサー役の二人ジョン・リスゴーとジョン・クラシンスキーがカメオ出演で登場する。