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フェイク Donnie Brasco (1997)

1988年に発表された、実際に潜入捜査を担当したジョセフ・D・ピストーネの自伝”Donnie Brasco: My Undercover Life in the Mafia”を基に製作された作品。
組織犯罪捜査の標的となったマフィアとFBIの潜入捜査官の友情と苦悩を描く、製作バリー・レヴィンソン、監督マイク・ニューウェル、主演アル・パチーノジョニー・デップマイケル・マドセンブルーノ・カービーアン・ヘッシュ他共演の実録犯罪ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

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スタッフ キャスト ■
監督:マイク・ニューウェル

製作
マーク・ジョンソン

バリー・レヴィンソン
ルイス・ディジャイモ
ゲイル・マトルー
製作総指揮
パトリック・マコーミック
アラン・グリーンスパン
原作
Donnie Brasco: My Undercover Life in the Mafia
ジョセフ・D・ピストーネ

リチャード・ウッドリー
脚本:ポール・アタナシオ

撮影:ピーター・ソーヴァ
編集:ジョン・グレゴリー
音楽:パトリック・ドイル

出演
ベンジャミン“レフティ”ルッジェーロアル・パチーノ

ジョー・ピストーネ/ドニー・ブラスコジョニー・デップ
ドミニク“ソニー・ブラック”ナポリターノマイケル・マドセン
ニコラス”ニッキー”サントラブルーノ・カービー
マギー・ピストーネ:アン・ヘッシュ
ポーリー・セルザーニ:ジェームズ・ルッソ
ティム・カーリー:ジェリコ・イヴァネク
ディーン・ブランドフォード:ジェリー・ベッカー
アルフォンゼ“ソニー・レッド”インデリカートロバート・ミアノ
アンソニー“ブルーノ”インデリカートブライアン・タランティーナ
リチャード”リッチー”ガッツォ:ロッコ・シスト
バーガー医師:ザック・グルニエ
FBI技術者:ティム・ブレイク・ネルソン
FBI技術者:ポール・ジアマッティ
トラフィカンテ:ヴァル・エイヴリー

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ

1997年製作 126分
公開
北米:1997年2月28日
日本:1997年11月15日
製作費 $35,000,000
北米興行収入 $41,909,760
世界 $124,909,760


アカデミー賞 ■
第70回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1978年11月、ニューヨークブルックリン
ギャングのベンジャミン“レフティ”ルッジェーロアル・パチーノ)は、仲間のドミニク“ソニー・ブラック”ナポリターノマイケル・マドセン)とニコラス”ニッキー”サントラブルーノ・カービー)、ポーリー・セルザーニ(ジェームズ・ルッソ)らと共にダイナーで話していた。

カウンターにいた宝石鑑定士だというドニー・ブラスコジョニー・デップ)に目をつけたレフティは、ブツの処理を頼めるかを考える。

ドニーに声をかけたレフティは、ダイヤの指輪を見せてさばいてほしいと頼むが、偽物だと言われて相手にされない。

気分を害したレフティは、ドニーを連れて指輪を渡した男の元に向う。

指輪が本物だと言い張る男を脅したドニーは、彼の”ポルシェ”を奪いレフティと共にその場を去る。

ドニーが気に入ったレフティだったが、一応、彼の車のカーステレオに盗聴器が仕掛けられていないかを調べる。
...全てを見る(結末あり)

実は、”ドニー・ブラスコ”を名乗り潜入捜査を行っていたFBI捜査官のジョー・ピストーネは、レフティに接触して組織に入ったことを報告する。

ドニーの縄張りのボスに会い、信用できるかを確かめたレフティは、組織の仕来りを教えて、仲間のソニー・ブラックらを紹介する。

マフィアの患部アルフォンゼ“ソニー・レッド”インデリカートロバート・ミアノ)が息子のアンソニー“ブルーノ”ブライアン・タランティーナ)と現れ、ドニーが何者なのかをレフティに聞き、集金を遅らせないようにと伝える。

その後、大ボスが現れ、その姿をレフティドニーは見守る。

自分の行動を監視する同僚のティム・カーリー(ジェリコ・イヴァネク)に会ったジョードニー)は、相手が餌に食いついたことを伝える。

クリスマスにレフティの家を訪ねたドニーは、挨拶だけして帰ろうとするものの食事に誘われる。

ヤク中の息子のことなどで愚痴をこぼすレフティに、ブルーノ”の態度などが気に入らなかったことを伝えたドニーは、自分の片腕としてあの場で顔を通したので、もう誰も手出しをしないとレフティに言われる。

ドニーへの信頼を語るレフティは、彼の身を引き受けたと言って誓いのグラスを交わす。

娘達にプレゼントを買って自宅に戻ったジョードニー)は、仕事の内容も知らせず子供と話もしない、夫としての役割を果たさないことで妻マギー(アン・ヘッシュ)に非難される。

口論となった二人だったが、マギーは子供達がいないのは二人きりになりたかったからだとジョーに伝える。

二人は激しく愛し合い、水泳部に入っている娘の競技会があることを知ったジョーは、行けたら見に行くと言って、信頼しているから家を任せているとマギー伝える。

翌朝、三人の娘に食事を作ったジョーだったが、彼女らは口を利いてくれなかった。

大ボスが殺害されたことで組織の混乱が考えられ、呼び出されたレフティは、ドニーと共にソニー・ブラックの元に向かう。

仲間でも警戒が必要だと言うレフティは、何かあったら後を任せるとドニー伝えてバーに向かう。

レフティドニーは、ソニー・ブラックニッキー、ポーリーらと空港に向かう。

ドニーは車で待つよう言われ、倉庫に連れて行かれたレフティは、ソニー・ブラックブルックリンを仕切るボスに指名されたことを知らされる。

消される覚悟をしていたレフティは、呼び出された理由を知りソニー・ブラックを抱きしめる。

行き場のなくなったライオンを受け取ったレフティは、30年もこの世界にいてソニー・ブラックの下につかなければならないことを嘆き、ドニーに不満を伝える。

その後もドニーは、組織犯罪の解明のための情報をティムを通して本部に渡す。

あるクラブで、”リトル・イタリー”を仕切るソニー・レッドに声をかけられたソニー・ブラックらは見下される。

ワシントンD.C.から来たディーン・ブランドフォード(ジェリー・ベッカー)をティムから紹介されたドニーは、順調に進んでいる捜査に彼が補佐役で加わることを知らされる。

マイアミの捜査が行き詰っているために、ブルックリンのギャングを誘い出したいと言うディーンは、現地の捜査官リチャード”リッチー”ガッツォ(ロッコ・シスト)に、仲間の誰かを紹介するようドニーに指示する。

危険が伴うと考えるドニーは、連絡するとだけ言ってその場を去る。

ソニー・ブラックレフティらと日本料理店に行ったドニーは、靴を脱ぐよう言われたのでそれを拒否する。

戦争で父親を日本兵に殺されたため孤児になったと言うドニーが、あくまで靴を脱ぐことを拒否するので、ソニー・ブラックは、靴を履いたまま席を用意するよう店員に指示する。

それを拒否されたため憤慨したソニー・ブラックは、店員をトイレに連れて行き仲間達と叩きのめし、ドニーもそれに加わる。

アパートに戻ったドニーは、ブーツに隠していたテープレコーダーの音声を確認する。

ソニー・レッドが勢力を拡大しているためソニー・ブラックは焦り、ドニーフロリダにいい話があると伝える。

月5万ドルの上納金を払わなければならないソニー・ブラックは、まともな仕事ができない手下に苛立つ。

ドニーソニー・ブラックに歩み寄ろうとしていることを気にしたレフティは、信用し過ぎるのは危険だと助言する。

マイアミでクラブを経営する仲間が、パートナーを探していることをドニーレフティに話す。

ドニーは仲間達を引き連れてマイアミに向い、レフティにリッチーを紹介する。

レフティはリッチーを役立たずだと判断するが、地元のギャングに締め上げられて閉鎖した店を立て直せば、ブルックリンに送金できると言うドニーの意見を聞き入れ、それを自分が仕切ろうと考える。

FBIの拠点にしていたモーテルに向かったドニーは、レフティが地元のボスを接待するための船を用意することを渋るディーンらの態度に苛立つ。

その場の別の部屋でコカインの取引をしていたニッキーは、ドニーと顔を合わせてしまい、お互いに焦る。

精神的に限界を感じるドニーは、マギーに電話をして娘達の声を聞こうとするが、まともな話もできない。

ソニー・ブラックにクラブの話をしていないことをドニーに確認したレフティは、船の手配を急がせる。

FBI技術担当者の二人(ティム・ブレイク・ネルソン/ポール・ジアマッティ)に励まされたドニーは、ある作戦用の船が使えると言われる。

船は用意され、地元の大ボス、トラフィカンテ(ヴァル・エイヴリー)を迎えたレフティは、ソニー・ブラックがいないのかと聞かれる。

全てを知っていたソニー・ブラックニッキーとポーリーらを引き連れて現れたため、完全に恥をかかされたレフティは落胆する。

気分を害するレフティに追い払われたドニーは、マイアミが気に入ったソニー・ブラックから、この地で一旗揚げると言われる。

クラブを任せるとソニー・ブラックから言われたドニーは、今後はレフティではなく自分の下につくよう命ぜられ、トラフィカンテを紹介される。

娘の聖体拝領式にも行けなかったジョーは、家に電話をするものの番号が変更されていた。

空港でソニー・ブラックを見送ったドニーは、保険局の知人に声をかけられたため、正体がバレるのを恐れ彼を殴り倒す。

ソニー・ブラックからクラブの件を任されたドニーだったが、リッチーにはニューヨークに戻ることを伝える。

自宅に戻ったジョーは、子供達の様子を見て寝室に向い、ベッドに横たわるマギーから離婚すると言われる。

バーガー医師(ザック・グルニエ)のカウンセリングを受けたジョーとマギーだったが、解決策は見つからない。

そんな時ドニーは、レフティの息子がドラッグで意識を失ったことを知り病院に向い、レフティからの話を聞く。

何か力になりたいと言うドニーを、レフティフロリダに追い返そうとする。

帰ろうとしないドニーに、レフティは世話ばかりかけるものの、息子であることに変わりはないと語る。

心配してくれるドニーに、レフティは感謝する。

その後、ニューヨークのボスの資金援助を得たマイアミのクラブは、改装されてオープンし大盛況となる。

ところが、警察の手入れが入り、ソニー・ブラックらは逮捕されて店は破壊され、現金は没収される。

いつもは鈍い警察が今回は妙に行動が早かったことで、レフティは内部の裏切りを指摘する。

実は今回の件は、トラフィカンテに手を回していたソニー・レッドソニー・ブラックを潰すために仕掛けていたことで、彼らの皆殺しを計画していた。

ニューヨークに戻ったソニー・ブラックは、ソニー・レッドとの話し合いのため、仲間達と共に”リトル・イタリー”に向かう。

現場に着いたドニーは、車で待つようにと言われて待機する。

ソニー・レッドを待ち構えていたソニー・ブラックらは、彼らを抹殺する。

ソニー・ブラックに呼ばれたドニーは、ソニー・レッドらの死体の解体を手伝わされる。

レフティは裏切り者のニッキーを射殺するが、ドニーはそれが思い違いだと指摘する。

マイアミコカインの取引をしただけでニッキーを疑ったことに意見するドニーは、ソニー・ブラックがそう決めつけたとレフティから言われる。

ソニー・ブラックに逆らえるはずもないレフティは、単なる駒に過ぎない自分達の存在を嘆き、ドニーは言葉を返せない。

勢力を広げたソニー・ブラックは、仲間達に祝福される。

ドニーからの連絡が途絶えたたため、ティムとディーンはマギーを訪ねて、危険な状況に置かれている彼を救うための協力を求める。

ソニー・レッドの息子ブルーノが姿を消し、自分達を狙っているとドニーに知らせたレフティは、彼を殺して手柄を立てる考えを伝える。

昔持っていた船を手に入れるには、30万ドルが必要だとレフティから聞いたドニーは自宅に向う。

フロリダの上納金を保管してあったドニーは、それを隠したマギーから、話し方がギャングのようだと言われたため、彼女を殴ってしまう。

バックを取り出し、いつも未亡人になることを考えているとドニーに伝えたマギーは、彼を追い出そうとする。

愛があるはずなのに、なぜ憎むのかとドニーはマギーに言われる。

憎んでなどいないと答えるドニーは、仕事に殺されそうで息もできない状況から抜け出すことができないと伝える。

世話になる者が殺されるのを阻止しなけらばならないと言うドニーは、見捨てることはできないと苦しい胸の内を語り、マギーにキスしてその場を去る。

レフティに電話をしたドニーは、ブルーノの居場所が分かったと言われる。

待ち合わせた二人は待機し、ブルーノが酔い潰れるのを待つ。

ブルーノが船にいると聞いたドニーは、それを手に入れたいと言うレフティに、宝石で儲けた金があると伝える。

それを渡すことを伝えたドニーは、この世界から足を洗うことをレフティに提案する。

フロリダで使った船がFBIの囮船であるという雑誌の記事を見せたレフティは、銃を手にしながら、あの時の船とは違うと言うドニーの言葉を否定する。

ドニーが裏切り者だとしたら、自分がマフィア史上に残る間抜けな男になると言うレフティは、蟀谷に銃を当てながら潔白だと語るドニーの話を信じる。

ブルーノの船に向かった二人だったが、ドニーの電話を盗聴していたティムが手配したFBIが現れる。

ドニーは連行され、彼の任務は終了する。

ティムとディーンはソニー・ブラックと仲間達の元に向い、”ドニー・ブラスコ”がFBI捜査官であったことを伝える。

レフティソニー・ブラックそしてポーリーは、ドニーを裏切り者に仕立て上げるFBIの企みだと考える。

ドニーを知れば分かると言って、レフティらは彼を信じる。

数日後、呼び出されたレフティは、”お前だから許せる”というドニーへの伝言を妻に残し、所持品を全て置いて家を出る。

功績を称えられたジョーは、マギーと子供達の前でメダルと500ドルの小切手を受け取る。
____________

ドニー・ブラスコ”が集めた証拠により、起訴が200件、有罪は100件となり、彼は秘密の場所に偽名で暮らしている。

マフィアは、”ドニー・ブラスコ”の首に50万ドルの賞金を懸けている。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1978年11月、ニューヨークブルックリン
ギャングのベンジャミン“レフティ”ルッジェーロは、宝石鑑定士だというドニー・ブラスコに目をつけて組織に入れる。
実はFBIの潜入捜査官だった”ドニー・ブラスコ”ことジョー・ピストーネは、それを本部に報告して捜査を続ける。
数十年も組織に尽くしたレフティだったが、年下のソニー・ブラックが縄張りを任されたため、自分が単なる駒に過ぎないことを嘆く。
組織内部の勢力争いが激しくなる中、レフティとの親交を深めながら捜査を続けて成果を上げるドニーだったが、その間、家族との生活を犠牲にしてきた彼は、それを妻マギーに非難されて苦悩する・・・。
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実在のマフィアとFBI捜査官を描く実録ドラマは、リアリズムを追及するマイク・ニューウェルの骨太の演出、アル・パチーノをはじめとした、実力派スターによる熱演で見応えある作品に仕上がっている。

組織犯罪壊滅のための捜査が主なるテーマなのだが、数十年も裏社会に生きながらもうだつの上がらないギャングと、過酷な潜入捜査で限界に達していく捜査官の苦悩を重点に描いているところがポイントだ。

北米興行収入は約4200万ドルに終わるが、全世界では約1億2500万ドルのヒットとなった。

第70回アカデミー賞では、脚色賞にノミネートされた。

主人公のベンジャミン“レフティ”ルッジェーロを演ずるアル・パチーノが、組織のために長年尽くすものの、単なる駒としか扱われないことを嘆く、哀愁漂う人間味のある主人公を好演している。

主演は実績のあるアル・パチーノに譲るものの、主人公と言っていい存在で潜入捜査官ジョー・ピストーネ/ドニー・ブラスコを演ずるジョニー・デップの熱演も光る。

マフィアそのものの雰囲気ではまり役を演ずるドミニク“ソニー・ブラック”ナポリターノマイケル・マドセン、その部下ニコラス”ニッキー”サントラブルーノ・カービー、同じくジェームズ・ルッソ、夫ジョー・ピストーネの仕事を理解し切れない妻を好演するアン・ヘッシュ、潜入捜査を補佐するFBI捜査官のジェリコ・イヴァネクジェリー・ベッカー、”リトル・イタリー”を仕切るアルフォンゼ“ソニー・レッド”インデリカートロバート・ミアノ、その息子アンソニー“ブルーノ”ブライアン・タランティーナマイアミの潜入捜査ロッコ・シスト、セラピストのザック・グルニエFBI技術者のティム・ブレイク・ネルソンポール・ジアマッティ、マイアミのボス、ヴァル・エイヴリーなどが共演している。


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