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遠い太鼓 Distant Drums (1951)

第2次セミノール戦争”における、アメリカ海軍兵士と先住民セミノールとの壮絶な戦いを描く、監督ラオール・ウォルシュ、主演ゲイリー・クーパーマリ・アルドンリチャード・ウェッブアーサー・ハニカット他共演のアクション・アドベンチャー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ラオール・ウォルシュ

製作:ミルトン・スパーリング
原作:ニーヴン・ブッシュ
脚本
ニーヴン・ブッシュ
マーティン・ラッキン
撮影:シドニー・ヒコックス
編集:フォーマー・ブラングステッド
音楽:マックス・スタイナー

出演
クィンシー・ワイアット大尉:ゲイリー・クーパー
ジュディ・ベケット:マリ・アルドン
リチャード・タフツ中尉:リチャード・ウェッブ
モンク:アーサー・ハニカット
デュプレス:カール・ハーバー
モヘア二等兵:レイ・ティール
ザカリー・テイラー提督:ロバート・バラット
シェーン軍曹:クランシー・クーパー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1951年製作 101分
公開
北米:1951年12月29日
日本:1953年1月10日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1840年、フロリダ準州
アメリカ海軍中尉リチャード・タフツ(リチャード・ウェッブ)は、先住民”セミノール”との戦いが続く地に赴任する。

ザカリー・テイラー提督(ロバート・バラット)の命令を受けて海路現地に着いたタフツは、スカウトのモンク(アーサー・ハニカット)と共にクィンシー・ワイアット大尉(ゲイリー・クーパー)の元に向かう。

西に数時間進んだ場所で、先住民に出くわしたタフツは警戒するが、モンクから、敵ではないクリーク族だと言われる。

カヌーに乗り川を下ったタフツは、先住民を甘くみないほうがいいと言うモンクからワイアットの話を聞き、少し風変わりな人物であることを知らされる。

やがて美しいジャングルのある島にあるワイアットの家に着いたタフツは、自分のサーベルに興味を持つ少年がワイアットの息子であることを知る。

母親は酋長の娘だったが死んだことをモンクから知らされたタフツは、茂みから現れたワイアットの姿を確認する。

ワイアットに挨拶したタフツは、砦の奪還について話し、兵力不足でも楽観的に考える彼と共に、本部に向かうことになる。

息子がサーベルを気に入っていると言われたタフツは、自分にも同じ年頃の息子がいるが、斧に目をつけるだろうとワイアットに伝える。
...全てを見る(結末あり)

タフツの妻が健在だと知ったワイアットは、幸運な息子だと伝えて出発する。

本部に到着したワイアットはテイラー提督に迎えられ、砦を奪い、この地に平和をもたらすようにと言われる。

隊員を整列させたワイアットは彼らに声をかけ、頼りない舞台だと思うタフツは、自分に懸賞金がかけられていることをモンクから知らされて驚く。

部隊と共に出発したワイアットは、オキーチョビー湖に到着したところで、100キロ先に敵がいることをタフツに伝える。

小船に乗り帆を張って出発した部隊は、夜通し進み海岸に到着する。

奥地に向かい、セミノールの集団を確認して身を潜めたワイアットは、それが通り過ぎる様子を見守る。

前進したワイアットらは砦に到着し、日が暮れるのを待つ。

数人連れて砦に向かったワイアットは、ロープで壁をよじ登り、見張りを倒して隊員たちを呼び寄せる。

砦に侵入して攻撃したワイアットらは、その場を制圧する。

爆薬を仕掛けた後に出発すると部下に指示したワイアットは、内部を調べる。

武器庫を確認したワイアットは、大量の爆薬と銃を確認し、捕らえられていたジュディ・ベケット(マリ・アルドン)や召使のアメリア他、農園主デュプレス(カール・ハーバー)らを解放する。

爆破準備が整い、隊員らをその場から避難させたワイアットは、合図をして導火線に点火させる。

砦は爆破され、ワイアットらは森の中に逃げ込み船の元に向かうものの、それがセミノールに知られてしまう。

報告を受けたオカラ酋長は、戦士たちを率いて部隊を追跡する。

湖に着いたワイアットは、農園主の妻が病気のため長くはもたないことをタフツから知らされ、向かってくる船を待つ。

様子がおかしいことに気づいたワイアットは、セミノールの大軍が迫っていることを知る。

銃撃戦になったワイアットは船を沖に戻し、湿地帯に逃げ込むしかなくなる。

農園主の妻は亡くなり移動したワイアットは、藪を抜けたところでその場に火を放ち、セミノールの追撃をかわす。

仕方なく撤退したオカラ酋長は、太鼓で他の部族と交信する。

休息したワイアットは、船には戻れないために、240キロの湿地帯”エバーグレーズ”を抜けるしか方法がないことを皆に伝える。

それに反対するタフツは、船が自分たちを捜しているはずなので、引き返して待機するべきだと意見する。

タフツに向かって発砲したワイアットは、彼の背後に迫ったヘビを撃ち殺す。

その後ワイアットらは危険な沼地を進み、ワニに襲われて命を落とす者もいた。

水夫長や先住民からの情報を得たテイラー提督は、ワイアットらが助かる見込みはなく、神に祈るしかないと考える。

奥地に向かうワイアットは、前進することが難しいと判断し、二手に別れることにして、軍曹たちを先に先住民の墓に向かわせる。

気取っているジュディがが育ちがよくないことを見抜いていたワイアットは、向かおうとしているサバンナで、彼女が辛い目に遭った話を聞く。

木を切り倒してカヌーを作ったワイアットらは、セミノールの襲撃を逃れる。

沼地を進むワイアットとジュディは、互いが気になる。

その後、野営をしたワイアットは、話しかけてきたジュディに、この地の生活が気に入っていることを伝える。

惹かれ合う二人だったが、ジュディは皆の元に戻り眠る。

翌日、愚痴をこぼし始めた隊員に、先行部隊が墓場で待っていることを話し、そこからは自分の島が近くなので、伝令を送ることができると話し皆に希望を与える。

その夜、ジュディにキスしたワイアットは、それを拒む彼女が嫌な経験したことを悟る。

ある男に騙されたと言うジュディは、その男を憎み復讐の機会を待っていることをワイアットに伝える。

ワイアットは、自分をサバンナに連れて行き、協力させたいとジュディが考えていることを知る。

数日後、墓場に着いたワイアットらは誰もいないことを確認して、その場で待機する。

暫くして、隊員が待つのは無駄だと考えていることを知ったワイアットは、待つことを伝える。

ジュディに意見されたワイアットは、誰かが来たことに気づき、森から現れた傷ついたモンクを介抱する。

セミノールに追われて襲われたことを話すモンクは、生存者は確認できなかったことをワイアットに伝える。

敵が来たためにその場から逃れたワイアットらは、カヌーを捨てて沼を徒歩で進む。

暫くしてセミノールの戦士を捕らえたワイアットは、軍曹の軍服を着ていることに気づき、ヘビを使って脅し情報を聞き出す。

近くに村があり、生存者もいて、敵は100人いるが出払っていることを知ったワイアットは、ジュディらと隊員二人を残してその場に向かう。

村に着き、残っていた数人のセミノールを殺したワイアットらは、捕らえられた隊員がワニの餌になったことを知る。

戻ったセミノールと銃撃戦になったワイアットは、ジュディらを連れて先に行くよう、半数の隊員に指示する。

森に逃げたワイアットは、自分の島に向かうことうを隊員に指示する。

一人の兵士がおとりになっている間に、ワイアットらはその場から逃げる。

ワイアットらを見つけることができないテイラー提督は、諦めて捜索を終了するが、ワイアットの息子だけは救い出そうとする。

島に戻るものの、焼き討ちされていることを知ったワイアットは、息子のおもちゃと首飾りを見つける。

隊員は前進しようとするが、それを制止したワイアットは、この場で敵を迎え撃つ考えを伝える。

現れたセミノールと銃撃戦になるが日が暮れるため、ワイアットらは夜明けを待つことになる。

オカラ酋長は、二人を敵陣に向かわせる。

タフツと話したジュディは、ワイアットには、クリーク族の酋長の娘との間に生まれた息子がいることを知る。

息子は逃げたので助かるとワイアットに伝えたジュディだったが、母親が殺された時もそう思ったと言われる。

それがセミノールと戦う理由かと訊かれたワイアットは、妻を殺したのは味方の兵士だとジュディに話す。

兵士を殺すことはできるが、恨みを抱えて生きていくことはできない、むなしい人生に終わると、ワイアットはジュディに伝える。

敵に気づいたワイアットは二人を殺し、一気に攻めてくるのを阻止するために、オカラ酋長と対決しようとする。

夜明けと共に対岸のオカラ酋長を挑発したワイアットは、一対一で戦おうとする。

水中で一騎打ちとなったワイアットは、オカラ酋長を倒し斧を奪う。

セミノールは撤退し、その後、救援部隊が現れる。

無事だった息子を抱きしめたワイアットは、救出してくれたテイラー提督に感謝する。

ワイアットの息子にサーベルを渡したタフツは、お返しだと言うワイアットから斧を受け取る。

ジュディに別れを告げようとしたワイアットは、もうサバンナにはいかないと言う彼女と愛を確かめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1840年、”第2次セミノール戦争”下、フロリダ準州
アメリカ海軍クィンシー・ワイアット大尉は、司令官テイラー提督の命令で赴任したタフツ大尉を迎える。
砦の奪還のために、ワイアットはスカウトのモンクと部隊を率いて現地に向かう。
先住民セミノールを警戒しながら砦を制圧したワイアットらは、捕らえられていたジュディらを解放してその場を爆破する。
セミノールの追跡と交戦で苦戦するワイアットは、湿地帯”エバーグレーズ”を抜けるしか逃げる方法がなくなってしまう・・・。
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第2次セミノール戦争”下でのアメリカ海軍兵士と先住民セミノールとの壮絶な戦いを描く、ラオール・ウォルシュゲイリー・クーパーが組んだアクション・アドベンチャー。

セミノール他、先住民の容姿などに戦士としての威厳などが感じられないのが気になるが、フロリダ現地のロケによる、美しい自然や過酷な環境下で繰り広げられる攻防は見応えある。

ラオール・ウォルシュの演出はやや散漫に思えるが、ユーモアをまじえたメリハリある展開や、辛い過去がある男女の淡いロマンスなど、アクションと共に見所が多い作品でもある。

本作は、その後、映画製作には欠かせない音響素材である”ウィルヘルムの叫び”が最初に使用された作品としても知られている。

主演のゲイリー・クーパーは、野生児が大人になったような雰囲気がある、勇気ある行動で任務を果たす主人公を熱演している。

主人公に解放され心を寄せるようになる女性を魅力的に演ずるマリ・アルドン、主人公の補佐として任務に加わる海軍中尉のリチャード・ウェッブ、主人公に協力するスカウトのアーサー・ハニカット、作戦司令官のザカリー・テイラー提督のロバート・バラット、農園主のカール・ハーバー、二等兵のレイ・ティール、軍曹のクランシー・クーパーなどが共演している。


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