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ペテン師とサギ師 Dirty Rotten Scoundrels (1988)

デヴィッド・ニーヴン主演の「寝室ものがたり」(1964)のリメイク。
コート・ダジュールで繰り広げられるペテン師とサギ師の騙し合いを描く、監督フランク・オズ、主演スティーヴ・マーティンマイケル・ケイングレン・ヘドリー共演の爆笑コメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ

スティーヴ・マーティン / Steve Martin / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:フランク・オズ
製作:バーナード・ウィリアムズ
脚本
デイル・ローナー
スタンリー・シャピロ
ポール・ヘニング
撮影:ミヒャエル・バルハウス

編集
スティーブン・A・ロッター

ウィリアム・スチャーフ
音楽:マイルズ・グッドマン

出演
スティーヴ・マーティン:フレディ・ベンソン
マイケル・ケイン:ローレンス・ジェイミソン
グレン・ヘドリー:ジャネット・コルゲート/ジャッカル
アントン・ロジャース:アンドレ警部
バーバラ・ハリス:ファニー・ユーバンクス
イアン・マクダーミッド:アーサー
ダナ・アイヴィ:リード 夫人
フランセス・コンロイ:パーム・ビーチの富豪夫人
ミーガン・フェイ:オクラホマの富豪夫人

アメリカ 映画
配給 オライオン・ピク チャーズ
1988年製作 110分
公開
北米:1988年12月14日
日本:1989年3月
北米興行収入 $42,039,090


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
フランス
コート・ダジュールボーリュー=シュル=メール
地元警察のアンドレ警部(アントン・ロジャース)と組んで、富豪の女性相手に詐欺行為を重ねる紳士ローレンス・ジェイミソン(マイケル・ケイン)は、その夜も、カジノで、アメリカ人の富豪女性ファニー・ユーバンクス(バーバラ・ハリス)を騙して宝石を手に入れる。

ローレンスは、稼いだ金をアンドレと分配し、残りの現金を預けるために、チューリッヒの銀行向かう。

銀行に現金を預けたローレンスは、帰りの電車の中で、”病気の祖母”の作り話で同情を買い、小銭を騙し取っている、ケチなペテン師フレディ・ベンソン(スティーヴ・マーティン)に気づく。

自分の町を荒らされのを嫌ったローレンスは、フレディを追い払うことに成功する。
...全てを見る(結末あり)

町に戻ったローレンスは、アメリカ人詐欺師”ジャッカル”が、ヨーロッパを荒らしまわっていることをアンドレに知らされる。

ローレンスが、次なるターゲットについてアンドレと計画を練っていると、そこに、その標的である富豪夫人と共に、フレディがフェラーリに乗って現れる。

それに気づいたローレンスは、ペテン師であるフレディの正体を、夫人に知らせようとする。

アンドレにフレディのペテンの現場を見せられた夫人は、フレディを告発して彼は逮捕される。

窮地に陥ったフレディは、一応、知人ということで、その町に住むローレンスに助けを求め、国外退去を条件に釈放される。

ローレンスの、計算ずくの企みにはまったフレディだったが、飛行機の機内で、ローレンスにカモにされた女性ファニーに出会う。

そして、”詐欺師”ローレンスの正体を知ったフレディは、弱味を握り彼の元に舞い戻る。

意外に強かなフレディに脅されたローレンスは、仕方なく彼を弟子にして、共に稼ぐことに決めて、”教育”を始める。

紳士役のローレンスと異常な弟役のフレディのコンビは、オクラホマの富豪夫人(ミーガン・フェイ)やパームビーチの富豪夫人(フランセス・コンロイ)らを、次々と騙して荒稼ぎしていく。

執事のアーサー(イアン・マクダーミッド)にまで渡す分け前を、自分が貰えないことに腹を立たフレディは、単独で稼ぐと言い放ち姿を消してしまう。

フレディをジャッカルだと思い込むローレンスは、無事に彼を追い払い満足する。

しかし、再び姿を現したフレディは、ある女性から目標金額を騙し取るということで、ローレンスに戦いを挑み、負けたほうが町を去ることで合意する。

そこに、アメリカの”歯磨きの女王”ジャネット・コルゲート(グレン・ヘドリー)が町に現れ、二人は彼女から5万ドルを騙し取ろうとする。

その後ローレンスは、いつもの手でカジノでジャネットに近づくが、障害を持つアメリカ海軍将校に扮したフレディが、彼女の気を引いてしまう。

フレディは、身体的な障害の他に精神を病んでいて、その治療に5万ドルかかることをジャネットに伝える。

ジャネットは、精神科医の”エミール・ショーハウゼン”に手紙を書き、彼を呼び寄せようとする。

その二人の話をアンドレが盗み聞きして、それを知ったローレンスは、たまたまホテルに滞在していたという設定で、”ショーハウゼン”に成りすましてジャネットを誘い出す。

ラウンジにいたショーハウゼン(ローレンス)に、事情を説明したジャネットは、彼に直接、治療費の5万ドルを払うということで話をつけ、フレディのいる部屋に戻る。

現れたローレンスに驚くフレディは、彼の手荒な診察に耐え、屋敷内での治療を受けることになる。

屋敷に戻ったローレンスは、ジャネットに接近して、フレディに付け入る隙を与えない。

しかしフレディは、ジャネットの同情を買う作戦に出て、彼女の気持ちを引き寄せる。

その上を行くローレンスは、フレディを刺激させるという理由で、再びジャネットの心を捉える。

しかし、ジャネットを歯磨き粉会社の社長令嬢だと思い込んでいたローレンスは、彼女がコンテストで優勝しただけだということを知ってしまう。

フレディのために、5万ドルを工面しようとするジャネットの優しい心に打たれたローレンスは、彼女を騙すのを止めようとする。

有閑マダム以外に手を出すことは、自分の主義に反すると、ローレンスはフレディに告げる。

それならばとフレディは、ジャネットと先にベットインした方を勝者にするという勝負を提案する。

その後ローレンスは、フレディに辛く当たっていた態度を水兵に恨まれ、連れ去られてしまう。

その隙にフレディはジャネットの元に向かい、彼女をものにしようとするが、寝室ではローレンスが待ち構えていた。

ローレンスはイギリス海軍の志願予備兵で、水兵から簡単に逃れていたのだった。

そしてローレンスは、ジャネットが帰国することをフレディに伝え、彼を水兵の部屋に連れて行く。

翌日、ローレンスはジャネットを空港に送るが、負けを認めようとしたフレディの元に、彼女は戻ってくる。

ジャネットはフレディに愛を告げ、そして二人は愛し合おうとする。

それがアンドレによってローレンスに知らされ、彼は負けを認める。

暫くすると、最初から歩けたフレディに、金品を奪われて騙されたと言って、ローレンスの屋敷にジャネットが姿を現す。

ローレンスは憤慨し、ジャネットがフレディのために用意したにも拘らず、彼に奪われた5万ドルを、見舞金として彼女に渡して空港へ送る。

ジャネットは、5万ドルは受け取れないとローレンスに返すが、そこに彼女に騙されたフレディが、アンドレに連れられて現れる。

そして、フレディとローレンスは、ジャネットが詐欺師のジャッカルだったことを知る。

ジャネットにしてやられたフレディとローレンスは、物思いにふけっていたが、なんとジャネットが、クルーザーで富豪達を引き連れ・二人の元に戻ってくる。

ジャネットは、1年で稼いだ300万ドルの内での”5万ドル”の思い出が忘れられないことを、フレディとローレンスに告げる。

そして、手を組んだ3人は、富豪達を騙すために、彼らを案内して屋敷に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
コート・ダジュールボーリュー=シュル=メール
警部アンドレと手を組み、富豪の女性を相手にする詐欺師のローレンス・ジェイミソンは、ペテン師フレディ・ベンソンが町を荒らすのを阻止しようとする。
しかし、ローレンスの詐欺行為を知ったフレディは、彼を逆に脅す。
二人は、先にターゲットから現金を巻き上げて、負けた方が町を去るという賭けを始める。
そして、富豪令嬢と思われるアメリカ人女性のジャネット・コルゲートに目を付けた二人は、彼女から、5万ドルを奪い取るため、互いに足の引っ張り合いを始めるのだが・・・。
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監督は、「スター・ウォーズ」(1977~)シリーズのヨーダ役で知られるフランク・オズ

洒落た演出もさることながら、コート・ダジュール(French Riviera)のロケ美しさは素晴らしい。

なんといっても、当時全盛のスティーヴ・マーティンの可笑しさは絶品で、マイケル・ケインとはタイプは違うものの、圧倒する場面も多々ある、彼の熱演は見ものだ。

マイケル・ケインに弟子入りして、”紳士”になっていくシーンは最高!!
(しかし、結局それを活かす場面はなし)

ピンク・パンサー」(2006)で、ようやく以前のようなパフォーマンスが復活した彼は、本作中で、”ローレンス・ジェイミソン”の名前を思い出す場面を、その「ピンク・パンサー」の”ハンバーガー”の発音で苦労するシーンで再現しているようにも思える。

デヴィッド・ニーヴンを意識したのか、どことなく彼を思い起こさせる雰囲気のマイケル・ケインは、各国語のなまりを自在に操り、見事な詐欺”紳士”を演じ、貫禄の演技を見せくれる。

愛嬌のあるグレン・ヘドリーは、二人の上をゆく詐欺師を好演している。

また、詐欺に加担する警部アントン・ロジャースもなかなかのはまり役だ。

スター・ウォーズ」シリーズでの、銀河帝国皇帝パルパティーン役のイアン・マクダーミッドが、ローレンスの屋敷の執事役で出演しているのも注目だ。

カモになる富豪夫人、バーバラ・ハリスダナ・アイヴィフランセス・コンロイミーガン・フェイなどが共演している。


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