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ダーティ・メリー クレイジー・ラリー Dirty Mary, Crazy Larry (1974)

レース資金欲しさに15万ドルを強奪したレーサーが相棒のメカニックと行きずりの女を連れて警察の追跡をかわしながらの逃走劇を描く、主演ピーター・フォンダスーザン・ジョージヴィク・モローロディ・マクドウォール他共演の犯罪アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ハフ
製作:ノーマン・T・ハーマン
原作:リチャード・アネーキス”The Chase”
脚本
リー・チャップマン
アントニオ・サンティーン
撮影:マイク・D・マーガリーズ

編集:クリストファー・ホームズ
音楽:ジミー・ハスケル

出演
ピーター・フォンダ:ラリー・レイザー
スーザン・ジョージ:メリー・クームス
アダム・ロアーク:ディーク・ソマーズ
ヴィク・モロー:エヴェレット・フランクリン
ロディ・マクドウォール:ジョージ・スタントン
ケネス・トビー:カール・ドナヒュー
ユージン・ダニエルズ:ハンクス
リン・ボーデン:イヴリン・スタントン

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1974年製作 92分
公開
北米:1974年5月17日
日本:1974年10月
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $28,401,740


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
NASCARレース出場を夢見るラリー・レイザー(ピーター・フォンダ)は、相棒のディーク・ソマーズ(アダム・ロアーク)と共謀して強盗を企てる。

町のスーパーの支配人ジョージ・スタントン(ロディ・マクドウォール)宅に押し入ったディークは、スタントンの妻イヴリン(リン・ボーデン)を脅し、夫に電話をかけさせる。

スタントンのオフィスに向かったラリーは、現金を渡そうとしないスタントンに対し自宅の妻子を傷つけると脅し、金庫から15万ドルを奪い取ることに成功する。

駐車場に向かったラリーは、昨夜の女メリー・クームス(スーザン・ジョージ)にからまれ、仕方なく彼女を連れて逃走し、スタントンの家でディークを拾う。

スタントンは、妻子に手出しされるのを恐れて警察に通報出来ないでいたが、自宅に電話して、既に犯人が逃走したことを知り警察に通報する。
...全てを見る(結末あり)

即座に捜査線が張られ、白人2人とブロンド女性を乗せた青いシボレーが指名手配されるが、ラリー達はその無線を傍受していた。

通報を受けた保安官エヴェレット・フランクリン(ヴィク・モロー)は、わざと封鎖を解き、ラリーらを誘き出す作戦に出て彼らを発見する。

傲慢で型破りなフランクリンは、自分の管轄で勝手な真似をするラリーらの逮捕に異常な執念を燃やし、直ちにパトカー6台とヘリコプターを急行させる。

その頃、ラリーとメリーが車内でいざこざを起こし、ハンドルを取られた彼は誤って車を壊してしまう。

大喧嘩になったラリーとメリーだったが、車を修理するにはメリーの手助けも必要で、ここは、協力して車を直し、先を急ぐことになる。

その後、ラリーはドラッグストアーでメリーを厄介払いしようとするが、地図を奪われてしまい仕方なく彼女を連れ戻す。

1台のパトカーが、シボレーを見つけて追跡するが、ラリーに振り切られてしまう。

無謀なフランクリンに、怒りを露にする本部長のカール・ドナヒュー(ケネス・トビー)だったが、フランクリンは彼の命令に従おうとはしない。

ラリー達は、フリーマーケット会場で”ダッジ・チャージャー”(1969年型)に乗り換える。

そこにパトカーが現れ、ラリーらは見つかってしまい、その場から逃走する。

その後もパトカーを難なく振り切るラリーに対抗し、警察もチューンナップした改造パトカーを出動させる。

無線傍受をフランクリンに見抜かれたラリーは、自分の腕をアマチュア呼ばわりされて憤慨するが、自分達が捕まったという無線連絡を、メリーに流させて警察をまく。

給油して逃走しようとしたラリー達だったが、パトカーに見つかり、逮捕が偽情報だったことがバレてしまう。

追跡してきたパトカーを川に転落させ、クルミ林に逃げ込んだラリー達は余裕を見せる。

ラリーから連絡を受けたフランクリンは、ヘリで上空を偵察して、改造パトカーも林に到着する。

トラックと衝突したラリーは、車を林に入れディークが車を修理する。

メリーに冷たく当たるラリーに対し、ディークは彼女を気遣い優しく接する。

そして修理を終えたチャージャーは、改造パトカーに見つかり追われるものの、パトカーは車と衝突して走行不能になる。

チャージャーを見つけたフランクリンは、パイロットになんとしても車を止めるよう命令して接近するが、燃料が切れてしまい、ヘリは着陸するしかなかった。

フランクリンは、パトカーが林を包囲しているよう無線で偽情報を流し、ラリーら撹乱させる。

踊らされていたことに気づいたディークだったが、ラリーはスピードを緩めず車を飛ばす。

逃げ切れたと喜ぶ3人だったが、その時、突然踏み切りに貨物列車が現れ、衝突したチャージャーは大破してしまう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
NASCARレース出場を夢見ていたラリー・レイザーは、相棒のディークと共に、その資金のために強盗を企てる。
スーパーの支配人スタントン宅に押し入り、ディークは彼の妻を人質にし、ラリーが15万ドルを奪い取ることに成功する。
その後、ラリーは、一夜を共にしたメリーに絡まれ、仕方なく彼女を連れて、ディークを拾い逃走を始める。
警察は直ちに動き出すが、ラリーは無線を傍受し、その動きを知る。
通報を受けた保安官フランクリンは、ラリーらを誘き出して彼らを発見する。
そしてフランクリンは、ラリーらの逮捕に異常なまでに執念を燃やし、パトカー数台とヘリコプターまで出動させて、追跡を始めるのだが・・・。
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リチャード・アネーキスの小説”The Chase”を基に製作された作品。

あまりにも短絡的な犯行の理由と行動、長い人生の先までを考えず突き進む、当時の若者の生き様を、なかなかよく捉えた作品で、呆気ないほど突然に訪れる結末も衝撃的だ。

200万ドルで製作された作品だが、北米だけで約2800万ドルを稼ぎだした。

レーサーとしてのプライドだけで、先を見て生きることに興味を示さない、無気力な若者の典型のようなピーター・フォンダ、能天気な気まぐれ娘のスーザン・ジョージ、最初は堅物に見えるが、終盤で人情味を見せるメカニックのアダム・ロアークの、三者三様の人物像もうまく描かれている。

さらに、ダイナマイト級の捜査魂を見せるヴィク・モローのキャラクターが、ドラマにアクセントを加えている。

その彼と対立する警察本部長役のケネス・トビーも味のある演技を見せ、かつての名子役ロディ・マクドウォールも、主人公達に襲われる、スーパーの支配人役で登場する。

本作は私が中学生の時に見た作品で、子供心に非常に印象に残り、その後、活躍もしなかったマージョリー・マッコイの唄う主題歌”Time (Is Such A Funny Thing)”が気に入り、シングル・レコードまで買ったことを懐かしく思い出す。


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