DOI/現FBI長官ジョン・エドガー・フーヴァーから”社会の敵ナンバーワン”(Public EnemyNo.1)に指名された悪名高き強盗殺人犯のジョン・デリンジャーの波乱の生涯を描く、監督、脚本ジョン・ミリアス、主演ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、ハリー・ディーン・スタントン、リチャード・ドレイファス、クロリス・リーチマン共演の犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョン・ミリアス
製作:バズ・フェイトシャンズ
脚本:ジョン・ミリアス
撮影:ジュールス・ブレンナー
編集:フレッド・R・フェイツハンズJr.
音楽:バリー・デ・ヴォーゾン
出演
ジョン・デリンジャー:ウォーレン・オーツ
メルヴィン・パーヴィス:ベン・ジョンソン
ビリー・フレシェット:ミシェル・フィリップス
ホーマー・ヴァン・メーター:ハリー・ディーン・スタントン
ハリー・ピアポント:ジェフリー・ルイス
“ベビー・フェイス”ネルソン:リチャード・ドレイファス
プリティ・ボーイ・フロイド:スティーヴ・カナリー
アンナ・セイジ:クロリス・リーチマン
チャールズ・マクレー:ジョン・P・ライアン
サミュエル・カウリー:ロイ・ジェンソン
ビッグ・ジム・ウォラード:リード・モーガン
リード・ヤングブラッド:フランク・マクレー
エディ・マティン:ジョン・マルティーノ
アメリカ 映画
配給 アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1973年製作 107分
公開
北米:1973年7月20日
日本:1974年10月12日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1933年、インディアナ州、大恐慌の時代。
強盗犯ジョン・デリンジャー(ウォーレン・オーツ)とその一味は、”預金を全部下ろしたい”と言って銀行を襲い現金を奪い逃走する。
司法省のBOI/現FBI(捜査局)の中西部支局長メルヴィン・パーヴィス(ベン・ジョンソン)は、デリンジャー、ホーマー・ヴァン・メーター(ハリー・ディーン・スタントン)、ハリー・ピアポント(ジェフリー・ルイス)、チャールズ・マクレー(ジョン・P・ライアン)、エディ・マティン(ジョン・マルティーノ)ら一味を捕らえようと、捜査官サミュエル・カウリー(ロイ・ジェンソン)に意欲を見せる。
ある日、デリンジャーは、酒場にいた先住民との混血娘ビリー・フレシェット(ミシェル・フィリップス)と出会い、彼女を強引に連れ帰り仲間に引き入れる。
パーヴィスは、多数の犯罪者を追っていたため、管轄外でもあるのデリンジャーに手を出せないでいた。 インディアナ州、イースト・シカゴ。 初めて殺人を犯したデリンジャーは逃走を続け、途中、死亡したマクレーを埋葬する。 その間、パーヴィスは、マシンガン・ケリーなど大物の犯罪者を次々と挙げていく。 アリゾナ州、ツーソン。 ウォラードは、難なくデリンジャーを逮捕し、世間の話題になる。 インディアナ州、クラウンポイント、レイク郡地方刑務所。 1934年3月3日。 そしてデリンジャーは、包囲されながらも悠然と車で脱獄し、なんと途中で銀行を襲い、運転手、そして所長にまで分け前を渡し逃走する。 ビリーの元に戻ったデリンジャーは、パーヴィスに連絡し挑発するが、彼は動ずることはなかった。 ウィスコンシン州、マニトウィッシュ・ウォーターズ。 デリンジャーは仲間との再会を喜ぶが、生意気な口をきくネルソンを叩きのめす。 6月22日。 ある日、パーヴィスはシカゴのレストランで、ビリーと堂々と食事をするデリンジャーに気づくが、婚約者と一緒だったために、彼にメッセージを渡しただけで見逃す。 アイオワ州。 ついにチャンスが訪れたパーヴィスは、地元警察の支援を断り、”リトル・ボヘミア”を包囲して夜明けと共に攻撃を始める。 銃撃戦の末、デリンジャーらは逃亡するが、足に傷を負ったビリーはパーヴィスに逮捕連行される。 ピアポントは射殺され、ヴァン・メーターはネルソンに置き去りにされてしまう。 その後、ネルソンは射殺され、デリンジャーは貨物列車で、ヴァン・メーターは大学生の車を奪い、フロイドは民家に逃げ込む。 ヴァン・メーターは大学生に裏切られ、田舎町の住民達に囲まれ射殺されてしまう。 民家で食事を与えられたフロイドは、パーヴィスに包囲され、野原で一斉射撃を受け死亡する。 その後、ただ一人逃げ延びたデリンジャーは、シカゴに潜伏していた。 しかし、顔馴染みの売春宿の経営者アンナ・セイジ(クロリス・リーチマン)が、摘発での故郷ルーマニアへの強制送還を恐れ、パーヴィスにデリンジャーの情報を流す。 1934年7月22日。 人込みでも目立つよう、アンナに赤いドレスを着るように指示したパーヴィスは、劇場から出てきた彼女の傍らにいる男デリンジャーに声をかける。
...全てを見る(結末あり)
ファースト・ナショナル銀行を襲った一味は、警備員や警察と銃撃戦になり、エディが死亡しマクレーが銃弾を受ける。
ダンス会場で、金遣いの荒い派手な男女に目をつけた地元警察のジム・ウォラード(リード・モーガン)は、それがデリンジャー一味だと気づく。
収監されたデリンジャーは、一躍時の人となり、パーヴィスは子供までもが、彼をヒーローとして見ていることを知り驚いてしまう。
デリンジャーは模造銃で看守を脅して、殺人犯のリード・ヤングブラッド(フランク・マクレー)と共に、所長を人質に取る。
隠れ家の”リトル・ボヘミア・ロッジ”に着いたデリンジャーとビリーは、仲間に加わっていた“ベビー・フェイス”ネルソン(リチャード・ドレイファス)とプリティ・ボーイ・フロイド(スティーヴ・カナリー)を紹介される。
その後、各地で犯行を重ねるデリンジャーは、7州で指名手配になり、DOI(捜査部:現FBI)長官エドガー・フーバーは、彼を”社会の敵ナンバーワン”に指名する。
銀行を襲った一味は、包囲された警官らと激しい銃撃戦となり、リードは射殺され負傷者も出す。
”バイオグラフ劇場”にデリンジャーがいることを突き止めたパーヴィスは、その場で決着をつけることを部下達に伝える。
*(簡略ストー リー)
大胆な手法で銀行強盗などを繰り返すジョン・デリンジャー一味だったが、司法省・BOI/現FBI(捜査局)の凄腕捜査官のメルヴィン・パーヴィスが、一味を捕らえる方法を考える。
デリンジャーは、連邦犯罪人ではなく管轄外ではあったが、必ずや倒すと自信を見せるパーヴィスだったが、一味の犯行はその後も続く。
そんなデリンジャーは、ついに殺人も犯してしまい、その後、逮捕されるのの難なく脱獄する。
大恐慌で疲弊しきった人々は、社会悪である彼をヒーローのように称える。
しかし、ついに自分が手を下せる立場になったパーヴィスは、容赦なく一味に襲い掛かる・・・。
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その後、脚本家、プロデューサーとしても活躍する、まだ20代のジョン・ミアスの初監督作品で、それほど凝ってはいないが、戦場のような街頭での銃撃戦など、凄まじい迫力で描く、見応えある作品に仕上がっている。
ドラマでは、メルヴィン・パーヴィスをFBI捜査官と明示しているが、デリンジャーが暴れていたのはBOIからDOIと名称が変わったころの時代で、FBIへと改名されるのは、デリンジャーが射殺された1年後の1935年7月1日である。
ウォーレン・オーツは、実際のデリンジャーに風貌も似ているのに注目だ。
彼は、人生を逞しく生きる人間味溢れる主人公を熱演しているが、犯罪者さながらの豪腕捜査官パーヴィス演ずるベン・ジョンソンの貫禄と凄みの方が印象に残る。
実際の2人は同じ年で、デリンジャーが殺されるのは31歳だった。
渋さも増すベテランのベン・ジョンソンは当時50代半ばなので、さすがのウォーレン・オーツも圧倒されている感じだ。
デリンジャーの愛人ビリー・フレシェットは、”ママス&パパス”のメンバーとしても有名なミシェル・フィリップス、一味のホーマー・ヴァン・メーターのハリー・ディーン・スタントン、ハリー・ピアポント役のジェフリー・ルイス、“ベビー・フェイス”ネルソン役のリチャード・ドレイファス、プリティ・ボーイ・フロイド役のスティーヴ・カナリー、チャールズ・マクレー役のジョン・P・ライアン、フランク・マクレー、ジョン・マルティーノ、デリンジャーを裏切る”赤いドレスの女”アンナ・セイジのクロリス・リーチマン、捜査官サミュエル・カウリーのロイ・ジェンソン、デリンジャーを逮捕する警部リード・モーガンなどが共演している。