2000年に発表された、ケイト・スネルの著書”Diana: Her Last Love”を基に製作された作品。 元イギリス皇太子妃ダイアナの最後の恋を描く、監督オリヴァー・ヒルシュビーゲル、主演ナオミ・ワッツ、ナヴィーン・アンドリュース他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
製作
ロバート・バーンスタイン
ダグラス・レイ
製作総指揮
ティム・ハスラム
マーク・ウーリー
原作:ケイト・スネル”Diana: Her Last Love”
脚本:スティーヴン・ジェフリーズ
撮影:ライナー・クラウスマン
編集:ハンス・フンク
音楽
キーファス・シアンシア
デヴィッド・ホームズ
出演
ダイアナ(プリンセス・オブ・ウェールズ):ナオミ・ワッツ
ハスナット・カーン:ナヴィーン・アンドリュース
ポール・バレル:ダグラス・ホッジ
ウーナ・トッフォロ:ジェラルディン・ジェームズ
パトリック・ジェフソン:チャールズ・エドワーズ
ドディ・アルファイド:キャス・アンヴァー
ソニア:ジュリエット・スティーヴンソン
クリスチャン・バーナード:マイケル・バーン
サムンダー:アート・マリック
コリン:ジョナサン・ケリガン
ナイード・カーン:ウーシャ・カーン
ウィリアム王子:ローレンス・ベルチャー
ヘンリー王子:ハリー・ホランド
イギリス/フランス/スウェーデン/ベルギー 映画
配給 Entertainment One
2000年製作 113分
公開
イギリス:2013年9月20日
北米:2013年11月1日
日本:2013年10月18日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $335,360
世界 $21,766,270
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1997年8月31日、パリ。
ホテル”リッツ”の前では多くのパパラッチが集まり、元イギリス皇太子妃ダイアナ(ナオミ・ワッツ)を待ち構えていた。
化粧室の洗面台に携帯電話を置いたダイアナは、ドディ・アルファイド(キャス・アンヴァー)のアパートに向かうために部屋を出る。
午前0時16分。
一旦立ち止まったダイアナは、そのままエレベーターに乗る。
2年前。
チャールズ皇太子と別居して3年が経とうとしていたダイアナは、心身ともに疲れ果てていた。
積極的に様々な活動を続けていたダイアナだったが、王子達には5週間に1度しか会えない辛い日々を送っていた。 そんな時ダイアナは、鍼灸師である友人のウーナ・トッフォロ(ジェラルディン・ジェームズ)の夫が緊急手術をしたと聞き病院に駆けつける。 パキスタン人の心臓外科医ハスナット・カーン(ナヴィーン・アンドリュース)と言葉を交わしたダイアナはは、彼に魅力を感じる。 再び病院に向かったダイアナは、エレベーターのハスナットに気づきそれに乗る。 慈善活動に興味を示すダイアナは、ハスナットからいつか病院を案内すると言われて電話番号を聞かれる。 その後ダイアナは、執事のポール・バレル(ダグラス・ホッジ)に頼み医学書”グレイの解剖学”を購入してきてもらい、予習をしてハスナットの元に向い病院内を案内してもらう。 病院関係者や患者達はダイアナの訪問に驚き、二人は注目される。 ハスナットの狭い仮眠室などを見せられたダイアナは、彼を”ケンジントン宮殿”に招待する。 友人ソニア(ジュリエット・スティーヴンソン)に料理を習おうとしたダイアナは、ハスナットの魅力についてを聞かれ、自分の身分を意識しない自然さだと答える。 ハスナットを宮殿に招いたダイアナは、会話と食事を楽しみ、テレビでサッカー観戦をして二人は心触れ合い再会を約束する。 数日後、ハスナットに会うため病院に向かったダイアナは、彼が忙しかったために帰ろうとする。 出口でパパラッチに写真を撮られたダイアナは不快感を示し、車に乗り帰ろうとする。 そこに現れたハスナットは、共に行動すると騒がれるため、集中力を必要とする仕事の妨げになることをダイアナに伝える。 ハスナットの気持ちを察したダイアナは、変装して彼とデートをすることを考える。 ダイアナは、誰にも知られないままハスナットとのデートを楽しむ。 1995年11月20日。 その放送は反響を呼び、秘書のパトリック・ジェフソン(チャールズ・エドワーズ)は、収録録画を弁護士に見せてバッキンガム宮殿の了解も得た上で行動するようにという連絡を受けたことをダイアナに伝える。 混乱が起きたことでダイアナを批判するパトリックは辞表を出すことを伝え、彼女はそれを認める。 ソニアら友人達からも好意的に見られなかったことでショックを受けるダイアナは、ハスナットの元に向かう。 ハスナットはダイアナの車の後部座席に隠れて宮殿に向かうが、警備員はそれに気づき相手が例の外科医だと考える。 1年後、アンゴラ、ウアンボ州。 単なる病院慰問としか報道されないことに苛立つダイアナは、ハスナットに助言されて地雷除去作業の現場に向い現状を訴える。 帰国したダイアナはハスナットの元に向い愛し合い、助言に感謝する。 ハスナットの手術の様子を現場で見ることを許可されたダイアナは、その後も彼と過ごす時間で心の安らぎを得る。 執事の車でハスナットとドライブしたダイアナは、心臓研究所の資金集めのためにオーストラリアに向かうことを伝える。 シドニー。 ハスナットは病院内の視線を気にし、ダイアナは彼を守るために関係を否定する。 ダイアナはハスナットのアパートに向い、いずれにしても立場がない彼は、自分が否定された気分だと言ってダイアナのとった行動を批判する。 生きる世界が違う自分達に将来はないとハスナットに言われたダイアナはその場を去り、表で待ち構えるパパラッチを避けて歩いて宮殿に戻ろうとする。 電話でソニアを呼び出したダイアナは、自分には幸せは来ないと言って人生を諦めようとする。 全てを無駄にするのかとダイアナに語り掛けるソニアは、彼女を励ます。 翌日、ダイアナはハスナットに電話をするものの、仕事中の彼はそれにでようとしない。 その夜、ハスナットのアパートに向かったダイアナは返事がないため、翌朝、部屋に向い彼が留守だと気づく。 ダイアナは部屋の掃除と片づけを始め、戻ったハスナットと話し合い和解し、彼の家族に会うために一人でパキスタンに向かうことを伝える。 パキスタン、ラホール。 帰国してハスナットの元に戻ったダイアナは、無理を承知で彼と共に外国で暮らすことを考える。 イタリア、リミニ。 ニューヨーク。 帰国したダイアナは、話し合いもせず勝手にボストンの勤務先まで決めたことで、ハスナットに痛烈に批判される。 その場を去ったダイアナは、宮殿に現れたハスナットから、必要な相手ではあるが、自分の力では障害を排除できないと言われる。 ハスナットは、就職の件でも自分を思う気持ちは理解するとダイアナに伝えて謝罪し、二人は愛を確かめ合う。 ダイアナと一夜を共にしたハスナットは、歩いて警備員の監視する門を出る。 一族の代表として現れたサムンダー(アート・マリック)は、結論としてダイアナが相応しくない相手だということをハスナットに伝えて、選択を本人に任せる。 二人の王子と休暇を過ごしたダイアナはハスナットに会い、結婚を成立させることは不可能だと彼に言われる。 別れるとは言えないハスナットの苦しい胸の内を理解しながらも、それを受け入れられないダイアナは自ら身を引く。 その後、ディスコや買い物をで気を紛らすダイアナだったが、パパラッチに追われる日々に限界も感じる。 そんな時ダイアナは、何度も誘われていたドディ・アルファイドの招待を受け入れる。 イタリア、サルデーニャ島。 ダイアナが写真を撮られるのを承知していることをパパラッチ側は疑問に思うが、それはタブロイド紙の一面を飾る。 ハスナットはその紙面を確認する。 ボスニア・ヘルツェゴビナ、サラエボ近郊。 紛争で息子を亡くした母親に声をかけたダイアナの写真が紙面に掲載され、それが彼女の真の姿だという記事を見ながらハスナットは思いを巡らせる。 ダイアナからの電話にも出ることができず、ハスナットは苦しむ。 イタリア、ポルトフィーノ。 1997年8月30日、パリ。 ドディのアパートに向かうことになっていたダイアナは、執事のポールに電話をして、ハスナットからの連絡があったかを尋ねる。 何もないことを確認したダイアナは、化粧室の洗面台に携帯電話を置いて部屋を出る。 0時16分。 呼び出された携帯電話のダイアナのメッセージが流れる。 その後、目覚めたハスナットは、電話の呼び出し音と共に周囲の民家の窓の電気が一斉に点いたことに気づく。 電話に出たハスナットは、ダイアナが事故に遭ったことを知らされる。 ダイアナの死は報道され、翌日ハスナットは、人々はと共にケンジントン宮殿に向い花を手向ける。 ”善悪を超えた世界には庭園がある、そこで会おう”というルーミーの詩を添えて・・・。 ダイアナのアンゴラの訪問で、地雷による被害は60%以上減少した。 ダイアナの死から3か月後、対人地雷の禁止条例が成立し、現在までに161か国が調印した。 ハスナット・カーン医師は、現在も外科医を続けている。
...全てを見る(結末あり)
”BBC”のテレビ番組”パノラマ”でインタビューを受けたダイアナは、別居が皇太子とカミラ夫人との関係が原因で”この結婚は二人ではなく三人だった・・・”などと語り、王妃になる件では”人々の心の王妃、この国の王妃ではない”と答える。
皇太子と離婚したダイアナは、イギリス・赤十字社副会長として地雷除去キャンペーンの協力で活動を続ける。
離婚後も人気の衰えないダイアナは人々に歓迎されるが、その頃、本国では彼女の恋人がパキスタン人医師のハスナットであることがタブロイド紙などで報じられる。
ダイアナはハスナットの家族に会い、実権を握る母親ナイード(ウーシャ・カーン)にも一応、歓迎される。
高名な心臓外科医クリスチャン・バーナード教授(マイケル・バーン)の慈善パーティーに出席したダイアナは、ハスナットとの結婚を考えていることを伝え、彼の就職先を探していることを伝える。
ダイアナは、AIDS患者を支援するパーティーで演説をする。
ドディとの交際が始まり、アルファイド家所有のクルーザーで二人だけの時を過ごしたダイアナは、パパラッチに電話をかけて居場所のヒントを与える。
移動中、墓地に佇む女性を見かけたダイアナは、車を降りて彼女に近づく。
停泊するアルファイド家のクルーザーを狙いパパラッチが大挙して現れ、ドディと公然と交際するダイアナは真実の愛と出会えたのかと報道される。
パパラッチに囲まれ、車内で身動きがとれないダイアナだったが、車を降りてホテル”リッツ”の部屋に向かう。
置いてきた携帯電話のことを気にしたダイアナは立ち止まり振り向くが、そのままエレベーターに乗る。
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*(簡略ストー リー)
チャールズ皇太子と別居して3年、皇太子妃ダイアナは、積極的に様々な活動を行うものの、王子達に頻繁に会うこともできず辛い日々を送っていた。
そんなダイアナは、パキスタン人の心臓外科医ハスナット・カーンに出会い惹かれてしまう。
優秀な医師であるハスナットは、世界一有名な女性との交際で仕事に集中できないことを気にしながらも、彼女との親交を深めるのだが・・・。
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人気スターのナオミ・ワッツが、世界中で愛された元イギリス皇太子妃ダイアナを演ずるということで大いに話題になった作品。
この物語の全てが真実を伝えているかは定かでないため、個人的な意見として前置きするが。
世界で苦しむ人々のために活動を続け大きな影響を与えた人物として本作の主人公は、一般人からすると単なるわがままな女性にしか感じられず、オリヴァー・ヒルシュビーゲルの演出の意図もよく理解できない。
皇太子妃の重責、別居、その苦しい胸の内は分かるが、人間は皆、異なる苦難を克服しながら生きているのであって、主人公に同情する気になどなれない。
将来の王妃になる女性としてそれなりの覚悟を決めてイギリス皇太子妃になった人物にしては、その責任感のなさに愕然としてしまうほどだ。
誰もが知るダイアナ妃の恋を描く、それを演ずる実力派女優ナオミ・ワッツの主演にも拘らず、作品は各方面で酷評され、興行収入も特に北米では最悪に近い結果になった。
主演のナオミ・ワッツの演技も今一で、本人と見間違うほど似せる必要もないが、ダイアナ妃の雰囲気が感じられない、彼女にしては平凡な作品であり、彼女はラジー賞にノミネートされてしまった。
ダイアナ妃と愛し合うパキスタン人の心臓外科医ハスナット・カーンのナヴィーン・アンドリュース、主人公の執事ポール・バレルのダグラス・ホッジ、主人公の友人で鍼灸師のジェラルディン・ジェームズ、主人公の秘書チャールズ・エドワーズ、ドディ・アルファイドのキャス・アンヴァー、主人公の友人ジュリエット・スティーヴンソン、世界的な心臓外科医マイケル・バーン、ハスナット・カーンの親族アート・マリックなどが共演している。