1967年の”デトロイト暴動”で起きた”アルジェ・モーテル事件”を描く、製作、監督キャスリン・ビグロー、主演ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、アルジー・スミス、ジョン・クラシンスキー、アンソニー・マッキー他共演の実録ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:キャスリン・ビグロー
製作
キャスリン・ビグロー
マーク・ボール
ミーガン・エリソン
マシュー・バドマン
コリン・ウィルソン
製作総指揮
グレッグ・シャピロ
ヒューゴ・リンドグレン
脚本:マーク・ボール
撮影:バリー・アクロイド
編集:ウィリアム・ゴールデンバーグ
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
メルヴィン・ディスミュークス:ジョン・ボイエガ
フィリップ・クラウス:ウィル・ポールター
ラリー・クリーブランド・リード:アルジー・スミス
フレッド・テンプル:ジェイコブ・ラティモア
カール・クーパー:ジェイソン・ミッチェル
ジュリー・アン・ハイセル:ハンナ・マリー
カレン・マロイ:ケイトリン・ディーヴァー
デメンズ:ジャック・レイナー
フリン:ベン・オトゥール
アウアーバッハ弁護士:ジョン・クラシンスキー
カール・グリーン:アンソニー・マッキー
モリス:ジョセフ・デヴィッド=ジョーンズ
ジミー:イフラム・サイクス
ダリル:レオン・トーマス3世
オーブリー・ポラード:ネイサン・デイヴィスJr.
リー・フォーサイス:ペイトン・アレックス・スミス
マイケル・クラーク:マルコム・デヴィッド・ケリー
オーブリー・ポラードSr.:ベンガ・アキナベ
フランク:クリス・チョーク
ラング:ジェレミー・ストロング
ジョン・コニャーズ:ラズ・アロンソ
ジャック・ロバーツ准尉:オースティン・エベール
マルコム:ミゲル・ピメンテル
酒場のパトロン:クリストファー・デイヴィス
ヴァネッサ:サミラ・ワイリー
レオン:タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ
トーマス刑事:クリス・コイ
アンダーソン刑事:グレン・フィッツジェラルド
デマシオ判事:フランク・ウッド
アメリカ 映画
配給
Annapurna Pictures
MGM
Entertainment One
2017年製作 143分
公開
北米:2017年7月28日
日本:2018年1月26日
製作費 $34,000,000
北米興行収入 $16,790,140
世界 $24,116,320
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
暴動1日目
1967年7月23日、日曜日、デトロイト。
市警の刑事フランク(クリス・チョーク)らは、ベトナム戦争の退役軍人帰還を祝うパーティーが行われている”ブラインドピッグ”(無許可の酒場)を摘発する。
その場にいた潜入捜査官を別室に連れて行き情報を入手したフランクは、彼を痛めつけたように見せかける。
裏口が開かないために客達を通りに出したフランクは、彼らを護送車に乗せる。
それを見た住人が騒ぎ始めて、警官に迫り抗議する。
フランクらが引き揚げた後も住人らの騒ぎは収まらず、商店が壊されて略奪や放火などが始まる。
下院議員のジョン・コニャーズ(ラズ・アロンソ)は、黒人に対する不法逮捕を訴える市民に対し、警官に問題があることを認めるものの、一夜で物事は解決しないと言って、冷静になるようにと人々に伝える。
しかし、住民の怒りは収まらず、消火活動を続ける消防士にも襲い掛かる。
暴動2日目
州知事ジョージ・W・ロムニーは、市長の要請により州警察と州兵が出動し暴動鎮圧の措置をとるという声明を出し、緊急事態宣言を発動して市内は厳戒態勢となる。
市警のフィリップ・クラウス(ウィル・ポールター)、フリン(ベン・オトゥール)、デメンズ(ジャック・レイナー)は、街をパトロールする。 暴動3日目 食料品店の品物を奪った男は、クラウスらに見つかりその場から逃げる。 男を銃撃したクラウスは、フェンスを乗り越えた彼を追うが、フリンに制止される。 車の下に隠れた男は老婦人に声をかけられ、近所に住んでいると言って、妻を呼んでほしいと伝える。 署に戻ったクラウスは殺人課のタンチャック刑事に呼ばれ、黒人を撃ったことを追及され、それを認める。 帰宅した工員のメルヴィン・ディスミュークス(ジョン・ボイエガ)は電話を受ける。 警備会社でも働くメルヴィンは、上司からの指示で商店の警備のために出かける。 ソール・ミュージック・グループ”ザ・ドラマティックス”の出演する劇場に向かったフレッド・テンプル(ジェイコブ・ラティモア)は、メンバーである友人のラリー・クリーブランド・リード(アルジー・スミス)に、必ず成功すると伝える。 メンバーのモリス(ジョセフ・デヴィッド=ジョーンズ)、ジミー(イフラム・サイクス)、ダリル(レオン・トーマス3世)と共にステージの脇で準備をしたラリーは、興奮しながら出番を待つ。 しかし、外で暴動が起きていることが伝えられ劇場は閉鎖されることになり、客達は避難する。 諦めきれないラリーは、無人の客席を前に一人で歌う。 避難してバスに乗ったラリーらは、暴動に巻き込まれてしまう。 タンチャックから撃った男は死んだと言われたクラウスは、背後から撃ったことなどを確認した彼から、殺人だと報告すると言われる。 検事からの連絡を待つようにと指示されたクラウスは、無茶はするなと言われてその場を去り、フリンとデメンズに心配ないと伝える。 仲間達とバスを降りたラリーとフレッドは、騒ぎの中で皆と逸れてしまい、アルジェ・モーテルに向かい部屋をとる。 食料品店を警備していたメルヴィンは、通りで警官に尋問される若者に気づき、いとこだと言って解放してもらう。 州兵が配備されたことに気づいたメルヴィンは、撃たれないようにするため、コーヒーを差し入れして兵士と話をする。 仲間達が見つからないラリーは、歌えなかったことを悔やむが、フレッドに励まされてプールサイドに向かう。 オハイオから来たジュリー・アン・ハイセル(ハンナ・マリー)とカレン・マロイ(ケイトリン・ディーヴァー)は、ラリーから声をかけられて話をする。 美容師だと言うジュリーに”ザ・ドラマティックス”のメンバーだと伝えたラリーは、フレッドに促されて歌い、それを聴いたカレンは彼の美声に驚く。 友人の部屋に誘われたラリーとフレッドは、ジュリーとカレンと共に別館に向かう。 部屋にいたカール・クーパー(ジェイソン・ミッチェル)、リー・フォーサイス(ペイトン・アレックス・スミス)、オーブリー・ポラード(ネイサン・デイヴィスJr.)、マイケル・クラーク(マルコム・デヴィッド・ケリー)に声をかけたジュリーは、ラリーに誘われていい雰囲気になる。 ラジオを止めたラリーは、40歳で亡くなったばかりの”コルトレーン”のレコードをかける。 暴動のニュースを見たカールは、白人のジュリーとカレンを前にして意見し始め、ピストルを手にして話をする。 白人警官の真似をしたカールはリーを射殺してしまい、ジュリーとカレンは驚く。 無事だったリーは起き上がり、スターター・ピストルだったと話すカールは、弾は出ないことを皆に知らせる。 気分を害したジュリーとカレンは、ラリーとフレッドと共にその場を去る。 ジュリーから謝罪されたラリーは、彼女らを部屋に誘うものの、友人に会うと言われたために二人と別れる。 外の様子を見たカールは、白人を脅してやると言いながら、スターター・ピストルを州兵に向けて発砲する。 ジャック・ロバーツ准尉(オースティン・エベール)は、アルジェ・モーテル付近から狙撃されていることを警察に伝える。 それを知ったクラウスらは現場に急行し、騒ぎに気づいたメルヴィンもモーテルに向かう。 カールらはモーテルが包囲されたために焦り、銃撃が始まりラリーらも驚く。 恐ろしくなったカールは逃げようとするが、クラウスに撃たれてしまう。 倒れている瀕死のカールを確認したクラウスは、正当防衛を装うためにナイフを床に置く。 押し入ったフリンらは、ラリーとフレッドを捕らえる。 ベトナム帰還兵のカール・グリーン(アンソニー・マッキー)の部屋にいたジュリーとカレンも、現れたフリンに銃で脅される。 フリンに銃で殴られたグリーンは連れて行かれ、ジュリーとカレンは、デメンズから何をしていたのか訊かれる。 捕らえられた者達は廊下の壁に向かい並ばされ、抵抗したジュリーは銃で殴られる。 その場に現れたメルヴィンは、カールの死体を確認する。 メルヴィンに気づいたクラウスは状況を訊かれ、ナイフで襲ってきたために射殺したと答える。 カールが殺されたことを知ったオーブリーは動揺する。 銃は見つからず、カールが死んだことを怯える者達に知らせたクラウスは、警官の銃を奪おうとして撃たれたと伝える。 全員が狙撃の容疑者だと言うクラウスは、撃ったのはカールか皆に問う。 銃の場所と誰が撃ったかを訊かれ、ラリーは知らないと答えるが、リーがクラウスに反論する。 撃ったのは警官で銃はないと言うリーは、クラウスに痛めつけられ、ナイフを見せるフリンに挑発される。 クラウスとフリンの行動を見ていられないデメンズは、外に出る。 リーは再び殴られ、そこにロバーツら州兵も現れる。 捕らえた若者達を脅すクラウスを制止したメルヴィンは、話を聞くと言ってリーを二階に連れて行く。 残った者達が何も話そうとしないために、クラウスは祈ることを彼らに強要する。 部屋を調べたメルヴィンは銃を捜し、警官の銃を奪おうとしたカールは撃たれても仕方ないとリーに伝えるものの、そんなことをする者はいないと言われる。 リーの気持ちを理解するメルヴィンは、警官を落ち着かせる方法を考える。 人権を無視したクラウスらのやり方を疑問に思う州警察は、トラブルを避けるために撤収する。 拳銃は見つからないことをクラウスに伝えたメルヴィンは、二階にあった盗品を見せる。 デメンズを呼んで見張らせたクラウスは、リーを部屋に連れて行き、フリンとメルヴィンの前で彼を脅し、銃のことは知らないと言われたために発砲する。 威嚇発砲しただけのクラウスは、黙っていろとリーに伝える。 リーを殺したように見せかけたクラウスは、ロバーツに指示してマイケルを部屋に連れて行かせる。 発砲したロバーツは、静かにしているようにとマイケルに伝える。 二人が殺されたと思う若者達は怯え、クラウスは、撃った者をジュリーに吐かせようとして、それをフリンに任せる。 部屋に連れて行かれたジュリーは、フリンから売春婦かと訊かれ、オハイオから遊びに来ただけで父は判事だと伝える。 卑怯者だと言われて侮辱されたフリンはジュリーを殴り、部屋を出て売春婦だとクラウスに伝える。 グリーンをジュリーの元に連れて行ったクラウスは、売春婦である彼女のヒモだと決めつけるが、帰還兵だと言われる。 それを信じようとしないクラウスは、グリーンを罵倒して痛めつける。 その時、外で銃声が聴こえて狙撃騒ぎになり、デメンズが様子を見に行ったために、ラリーはフレッドと共に逃げようとする。 地下室に向かうものの逃げられないと判断したラリーとフレッドは、元の場所に戻る。 空挺部隊に所属して二度出征したと言うグリーンは、仕事を探すためにデトロイトに来たことをクラウスに話す。 怯えるリーの様子を見に行ったロバーツは、彼を裏口から逃がす。 リーが銃の在りかを知ると考えたクラウスは、彼が逃げたことに気づき、フレッドから発言したいと言われる。 この場には警官を狙撃した者はいないと言うフレッドに、間違いかもしれないが確認が必要だと伝えたクラウスは、カレンを脅す。 叫び声をあげるカレンとジュリーを二階に連れて行ったフリンは、抵抗するジュリーの服を破る。 その場にグリーンを連れて行ったクラウスは、ジュリーから、狙撃した者がいれば話すし、売春婦だというのも誤解だと言われる。 ジュリーとカレンを連れ出したロバーツは、メルヴィンと共に、彼女らの部屋に二人を連れて行く。 自分達は、銃の在りかを知るために撃ったフリをして脅しただけで、誰も殺していないと話すロバーツは、ジュリーから、銃があると誰が言ったのかと訊かれる。 知らないと言われたジュリーは、あったとしてもおもちゃの銃だとロバーツに伝えて、この場が安全かを彼に確認する。 警官は来ないかとロバーツに尋ねたジュリーは、来ないと言われる。 デメンズにオーブリーを尋問させようとしたクラウスは、殺すよう指示する。 銃声がした後に出てきたデメンズに、これでオーブリーが話すと伝えたクラウスは部屋に入る。 デメンズがオーブリーを射殺したことを知ったクラウスは驚き、芝居をするはずだったことを伝える。 それを知ったロバーツは、警察の責任だとフリンに伝えて、部下と共に撤収する。 銃をつかまれたので仕方なく撃ったことにすると言って、動揺するデメンズを落ち着かせたクラウスは、オーブリーを殺してしまったことをフリンに知らせる。 フリンにここを出ると伝えたクラウスは、今回の件を誰にも話すなとグリーンに伝え、それに従うことを確認して彼を解放する。 ラリーも解放したクラウスは、指示に従うことを拒んだフレッドを銃撃し、フリンが止めを刺す。 モーテルから遠ざかるラリーは、警官に保護される。 翌日、仕事中のポラード(ベンガ・アキナベ)は、妻からの電話を受けて、息子のオーブリーが、アルジェ・モーテルで死体で発見されたことを知らされる。 帰宅したポラードは、確認のために母親と共に警察に向かう。 工場で仕事をしていたメルヴィンは、現れた警官に連行される。 トーマス(クリス・コイ)とジョーンズ両刑事に尋問されたメルヴィンはモーテルの件を話し、銃を所持していたことなどを訊かれ、容疑者扱いされる。 自分ではなく警官が撃ったと話すメルヴィンは、黒人が殺された後にモーテルに着いたと言っていたために、なぜそれが分かるのかと問われる。 よく考えるようにと言われたメルヴィンは、その後、容疑者の面通しを受け、ジュリーがその場にいたと証言したために留置場に入れられる。 病院に向かったモリスらは、治療を受けたラリーと話す。 その場にいたフレッドの兄エディから、何があったのか訊かれたラリーは、警官が殺したと答える。 母と共に遺体安置所に向かったポラードは、看護師と子供のことなどについて話す。 クラウスら三人は、順番に殺人課のアンダーソン刑事(グレン・フィッツジェラルド)に呼ばれる。 先に呼ばれたデメンズとフリンがすべてを話したことを知ったクラウスは焦り、署から逃げようとするものの、追ってきたアンダーソンに脅されて呼び戻される。 アンダーソンとトーマスに尋問されたクラウスは、黒人を撃ったことを否定する。 そこに押し入ってきた弁護士のアウアーバッハ(ジョン・クラシンスキー)は、強制された自白は法廷が認めないと言ってクラウスを連れ去る。 その後、レコード会社から話があったことを仲間から知らされたラリーは、気が進まないものの、仕方なくスタジオに向かう。 しかし、途中で歌うのをやめたラリーは、フレッドが死んだ今、白人を喜ばせるような曲は歌いたくないとモリスに伝えるものの、納得してもらえなかった。 ”アルジェ・モーテル事件”は大きな問題となり、デメンズとフリンは逮捕され、ラリーは法廷への召喚状を受け取る。 裁判は始まり、検事のラング(ジェレミー・ストロング)は、証言するラリーに、警官と州兵以外に銃を持った者がいたかを尋ねる。 おもちゃの銃を撃った者は見たと言うラリーは、被告の弁護人アウアーバッハから、顔を壁に向けていたことを確認される。 両手を壁につけていたと言うラリーだったが、アウアーバッハは、左右は見えても真後ろは無理だったことを確認する。 クラウスら被告人が黒人達を脅す様子を見たか、証人のロバーツに確認したアウアーバッハは、グリーンとジュリーにも質問する。 フリンとクラウスを指差し殴られたと証言したジュリーは、面通しではメルヴィンだと言ったのは、緊張して見分けられなかったからだとアウアーバッハに伝える。 威嚇発砲されて脅されたことを確認するアウアーバッハから、逮捕歴を訊かれたリーは、動揺しながらそれを認める。 ラングから、被告席の三人が暴力を振るったか訊かれたマイケルは、それを認めて、その後に部屋に入れられて死んだことにされたと話す。 オーブリーの叫び声と共に銃声が聞こえたとアウアーバッハに話したマイケルは、逮捕歴を訊かれたため、自分の裁判ではない、ここに正義はないと言って興奮し、退廷させられる。 被告達が耐え難い状況にいたと主張するアウアーバッハに対し、ラングは、自白を証拠と認めるべきだという考えを述べる。 人権を無視した強要による自白は証拠にできないと言うアウアーバッハの意見を聞いたデマシオ判事(フランク・ウッド)は、被告人は黙秘権と弁護士を呼ぶ権利を与えられ発言は証拠となると判断し、自白を証拠として認めない。 納得いかないメルヴィンは法廷の外で、三人は殺される必要はなかったとクラウスに伝える。 法に従って銃を渡せば死なずに済んだと言うクラウスは、お前は立派だとメルヴィンに伝える。 裁判所の外に出たメルヴィンは嘔吐してしまう。 陪審員の審議は終わり、クラウスらは、暴行及び第一級殺人に対して無罪が言い渡される。 傍聴していたコニャーズは失望し、裁判所が保護する警官の犯罪を止める必要があると記者に語る。 ”FOXシアター”。 モリスに説得されたラリーだったが、歌う気になれなかった。 生活苦に耐えるラリーは教会に向かい、聖歌隊に入ろうとする。 ラリーの才能を知る聖歌隊のリーダーは、クラブが喜んで雇ってくれるはずだと伝える。 クラブには警官がいて危険だと言うラリーは、とにかく仕事が欲しいと伝えて、聖歌を歌ってみせる。 殺害予告の脅迫を受けたメルヴィン・ディスミュークスは、郊外に引っ越し警備員として働いた。 無罪となった三人の警官は復職しなかった。 その後の民事裁判で一人は敗訴し、オーブリー・ポラードの遺族に賠償金5000ドルを払った。 フレッド・テンプルの遺族はデトロイト市を提訴し、市側は和解したが、過失は認めなかった。 カール・クーパーのピストルは発見されず、ジュリー・アン・ハイセルは4児の母、そして美容師となった。 人気グループとなった”ザ・ドラマティックス”は現在も活動中で、ラリー・クリーブランド・リードはバンドに戻らなかった。 ラリーは現在でもデトロイトに住み、教会の聖歌隊で歌っている。
...全てを見る(結末あり)
ラリーが参加しないまま、”ザ・ドラマティックス”はステージ上で観客の声援に応える。
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*(簡略ストー リー)
1967年7月、デトロイト。
市警の黒人に対する不当逮捕に激怒した市民は暴動を起こし、市内は厳戒態勢となる。
アルジェ・モーテルで楽しんでいた黒人青年カールは、スターター・ピストルで州兵を威嚇したために狙撃者と間違われる。
それを知った市警の警官クラウスら三人は、モーテルに向かう。
逃げようとしたカールを射殺したクラウスは正当防衛を装い、その場にいた若者達を脅して尋問を始める。
狙撃騒ぎに気づいた警備員のメルヴィン・ディスミュークスはモーテルに向かうが、人権を無視するクラウスらの行動を見ているしかなかった・・・。
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”デトロイト暴動”で起きた”アルジェ・モーテル事件”を、製作を兼ねるキャスリン・ビグローの演出で描く実録ドラマ。
社会派として知られるキャスリン・ビグローが、真相が解明されていない”アルジェ・モーテル事件”を、当時の記者の証言などを基にして独自の解釈で映画化した作品。
大きな社会問題となった”デトロイト暴動”から50年目に公開されたことも注目で、アメリカのみならず世界で今でも起きている人権問題を鋭い視点で描く、キャスリン・ビグローらしいリアリズムを追及した演出と映像が見どころの作品。
事件の当事者であり、黒人という立場では事態に深く関与することができない警備員を演ずるジョン・ボイエガ、モーテルの若者達を脅して追い込む警察官のウィル・ポールター、事件に巻き込まれた後遺症で歌手としての人生を諦めるアルジー・スミス、その友人で犠牲者となるジェイコブ・ラティモア、遊びのつもりでスターター・ピストルを発砲し大事件となり射殺されるジェイソン・ミッチェル、恐怖の体験をする白人女性ハンナ・マリー、その友人ケイトリン・ディーヴァー、現場で黒人達を脅す警官ジャック・レイナーとベン・オトゥール、被告となった彼らを弁護する弁護士のジョン・クラシンスキー、現場に居合わせた帰還兵のアンソニー・マッキー、”ザ・ドラマティックス”のメンバー、ジョセフ・デヴィッド=ジョーンズ、イフラム・サイクス、レオン・トーマス3世、犠牲者となる青年ネイサン・デイヴィスJr.、その父親ベンガ・アキナベ、現場にいた青年ペイトン・アレックス・スミスとマルコム・デヴィッド・ケリー、冒頭で”ブラインドピッグ”(無許可の酒場)を摘発する警官クリス・チョーク、検事のジェレミー・ストロング、下院議員ジョン・コニャーズのラズ・アロンソ、現場に居合わせる州兵のオースティン・エベール、市民のミゲル・ピメンテル、モーテルの受付係サミラ・ワイリー、酒場の客タイラー・ジェームズ・ウィリアムズ、刑事のクリス・コイとグレン・フィッツジェラルド、判事のフランク・ウッドなどが共演している。