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デタッチメント Detachment (2011)

荒れた高校に赴任した臨時教師の目を通しアメリカ教育現場の問題を鋭く描く、製作総指揮、主演エイドリアン・ブロディマーシャ・ゲイ・ハーデンブライアン・クランストン他共演、監督、撮影トニー・ケイによるドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:トニー・ケイ

製作
オースティン・スターク

ビンゴ・ガベルマン他
製作総指揮
エイドリアン・ブロディ

アンドレ・ラポート
脚本:カール・ランド
撮影:トニー・ケイ
編集
バリー・アレクサンダー・ブラウン

ジェフリー・リッチマン
音楽:ザ・ニュートンブラザース

出演
ヘンリー・バース:エイドリアン・ブロディ

キャロル・ダーデン:マーシャ・ゲイ・ハーデン
エリカ:サミ・ゲイル
サラ・マディソン:クリスティーナ・ヘンドリックス
ワイアット:ティム・ブレイク・ネルソン
サージ・ケプラー:ウィリアム・ピーターセン
ダーデン:ブライアン・クランストン
ドリス・パーカー:ルーシー・リュー
パーキンス:ブライス・ダナー
チャールズ・シーボルト:ジェームズ・カーン
メレディス:ベティ・ケイ
マシアス:イザイア・ウィットロックJr.
祖父:ルイス・ゾーリック

アメリカ 映画
配給 Tribeca Film
2011年製作 97分
公開
北米:2012年3月16日
日本:未公開
北米興行収入 $72,690
世界 $1,481,650


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
高校の校長キャロル・ダーデン(マーシャ・ゲイ・ハーデン)は、生徒の質の悪さを教育委員会に指摘され、自身の辞任を含めた改革を求められる。

不良の集まる高校から赴任した代理教師ヘンリー・バース(エイドリアン・ブロディ)はダーデンに呼ばれて、1か月間、様子を見ることを伝えられる。

荒れ果てた環境を整えるのが目的と聞いていたバースは、早速、担当の英語のクラスに向かう。

バースは、自分を教師と考えない生徒にも冷静に対応して弱みを見せず、全員の文章力をチェックしようとする。

その後バースは、声をかけてきた生徒メレディス(ベティ・ケイ)に親しみを覚える。

同僚教師サラ・マディソン(クリスティーナ・ヘンドリックス)が、生徒に侮辱される姿を見たバースは、それを気にすることもない彼女と話をする。
...全てを見る(結末あり)

夜中に介護施設に呼び出されたバースは、祖父(ルイス・ゾーリック)の面倒をまともに見ようとしない介護士を罵る。

帰りのバスで、過去を思い出していたバースは涙する。

バースは、その場にいた体を売る少女エリカ(サミ・ゲイル)に付きまとわれるが、彼女を追い払う。

翌日、授業を終えて祖父の様子を見に行き、帰宅した後で外出したバースは、再びエリカに出くわす。

バースは、何か食べたいというエリカを仕方なくアパートに連れて行く。

エリカの傷が気になったバースは、レイプされたかを問い、傷口を消毒してあげる。

ベッドをエリカに与えたバースは、翌朝、彼女を寝かせたまま学校に向かう。

その日も構内で起きるトラブルを処理したバースは帰宅し、エリカが客を取っていたために男を追い出す。

エリカは二度としないと言って謝り、バースは、やりたいことをするのは自由だが、ここではするなと言い聞かせる。

翌日バースは、意識を高めるための手段として、本を読み創造力を高めることが重要だと授業で生徒に語る。

ベテラン教師チャールズ・シーボルト(ジェームズ・カーン)やパーキンス(ブライス・ダナー)、ワイアット(ティム・ブレイク・ネルソン)、サージ・ケプラー(ウィリアム・ピーターセン)、スクールカウンセラーのドリス・パーカー(ルーシー・リュー)らを集め会合を開いたダーデン校長は、一斉学力テストに関して、マシアス(イザイア・ウィットロックJr.)から説明を受ける。

マシアスは、それをまともに聞こうとしない教師達を見て、辞任も近いことをダーデンに伝える。

その後、バースはマディソンに食事に誘われ、彼女と身の上話などをするが、彼は自分の過去を語らない。

その頃、食事の支度をしてバースを待っていたエリカは、気分を害する。

帰宅したバースはお互いの立場を言い聞かせるが、エリカの気づかいに感激する。

ダーデンは夫(ブライアン・クランストン)と話す気にもなれず、ワイアットは、生徒同様、帰宅しても妻に無視される。

翌朝も、エリカはバースのために食事を作り、二人は病院に向かう。

バースは、エリカにHIV検査を受けさせて、買い物をして楽しむ。

バーデンは教育委員会からの連絡を受けて、今年度限りの任期を言い渡される。

パーカーはカウンセリング中に、無気力な生徒に対して罵り取り乱してしまい、その後、落ち込んだ彼女はシーボルトに慰められる。

帰宅途中、祖父の元に向かったバースは、電話で呼び出されて駆け付けたエリカが付き添っていたために驚く。

自分を娘(バースの母)と思い込む祖父に、恨んでいないことを母の言葉で語ったバースは、彼を安心させる。

施設を出たバースは、幼い頃、母親が薬の過剰摂取で自殺したことをエリカに話す。

詳しいことは不明だが、母親と祖父の間に何かがあったこともバースは語る。

バースは、母親が自分を守っていたように思えると付け加え、エリカは祖父のつけていた日記を読む。

写真家志望のメレディスは、学校でいつも寂しげなバースを表現した、空の教室にいる顔のない彼の写真を贈る。

バースに好意を抱き悩みを聞いてもらいたいメレディスは、動揺して彼の胸で泣き崩れる。

その場に現れたマディソンは、取り乱して出て行ったメレディスとバースの関係を疑う。

相談に乗り助けたかっただけだと反論するバースは、興奮して教室を出る。

その後、祖父は亡くなり、永遠に暮らし続けることはできないことを、身寄りのないエリカに言い聞かせたバースは、嫌がる彼女を養護施設の職員に引き渡す。

学校では保護者会が開かれるが、父兄は独りも集まらなかった。

バースは、エリカの検査結果が出たことを知らされる。

授業最終日、臨時教師として役目を果たしたことを生徒に話し別れを告げたバースは、彼らと少なからずも心が触れ合ったことを知り笑顔を見せる。

ダーデンは、教師達を前に辞任を伝えようとするが声を詰まらせる。

一人だけの写真展を開いたメレディスは、現れたバースに別れを告げ、並べてあったケーキの一つを食べる。

それに毒が入れてあったことに気づいたバースは、目の前で倒れたメレディスを助けようとするが無駄だった。

ショックを受けたバースは教室で過ごし、現れたマディソンに、自分に中身がなく、存在しないことに気づいたことを伝える。

そしてバースは、児童養護施設のエリカの元に向かい、彼女を固く抱きしめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
生徒の質の悪さが問題視される高校に赴任した臨時の英語教師ヘンリー・バースは、同じような環境を体験しているため、生徒の反発に動じることなく冷静に対処する。
高齢の祖父を施設に預け世話をするバースは、ある日、孤独な少女エリカと出会う。
付きまとうエリカを追い払ったバースだったが、再び彼女と出くわし、空腹だという彼女を仕方なくアパートに連れて行く。
レイプされたエリカに優しく接し、ベッドを与えたバースは、高校の処問題や祖父の世話、辛い過去に悩みながら、自分を頼るエリカと親交を深めるのだが・・・。
__________

あらゆる役柄をこなすエイドリアン・ブロディが製作にも加わった意欲作であり、若手や実力派スター、ベテランなど魅力的な共演者も注目の作品。

アメリカ社会の汚点とも言える教育問題を痛切に描く社会派ドラマ風ではあるが、辛い過去を抱えながら、荒れる高校での対処や身寄りのない不幸な少女との関係を深く描く骨太ドラマとして見応えがある。

自然体でリアルな演技法に定評のある主演のエイドリアン・ブロディの渾身の演技は、いつもながら観る者に訴えるものがある。

撮影当時14歳のサミ・ゲイルも不思議な魅力を感じる少女で、出演作は少ないが今後が期待できる。

荒れた高校を立て直すことができずに辞任に追い込まれる校長マーシャ・ゲイ・ハーデン、数学教師クリスティーナ・ヘンドリックス、生徒や妻にまでも無視される教師ティム・ブレイク・ネルソン、教師役のウィリアム・ピーターセン、校長の夫役ブライアン・クランストン、スクールカウンセラーのルーシー・リュー、ベテラン教師ブライス・ダナージェームズ・カーン、女子生徒役のベティ・ケイ、主人公の祖父ルイス・ゾーリック、教育委員会のイザイア・ウィットロックJr.などが共演している。


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