ブロードウェイ・ミュージカルや映画音楽など数々の名曲を残したアメリカの作詞・作曲家コール・ポーターと妻リンダの夫婦愛を描く、製作、監督アーウィン・ウィンクラー、主演ケヴィン・クライン、アシュレイ・ジャッド、ジョナサン・プライス、ケヴィン・マクキッド他共演によるラブ・ストーリーを中心にしたヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アーウィン・ウィンクラー
製作総指揮
サイモン・チャニング=ウィリアムズ
ゲイル・イーガン
製作
ロブ・コーワン
チャールズ・ウィンクラー
アーウィン・ウィンクラー
脚本:ジェイ・コックス
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
編集:ジュリー・モンロー
音楽:コール・ポーター
出演
ケヴィン・クライン:コール・ポーター
アシュレイ・ジャッド:リンダ・ポーター
ジョナサン・プライス:ゲイブ
ケヴィン・マクキッド:ボビー・リード
キース・アレン:アーヴィング・バーリン
ケヴィン・マクナリー:ジェラルド・マーフィ
サンドラ・ネルソン:サラ・マーフィ
ジェームズ・ウィルビー:エドワード・トーマス
アラン・コーデュナー:モンティ・ウーリー
ピーター・ポリカーポー:ルイス・B・メイヤー
キャロライン・オコナー:エセル・マーマン
ジョン・バロウマン:ジャック
アメリカ/イギリス 映画
配給 MGM
2004年製作 125分
公開
北米:2004年7月2日
イギリス:2004年10月1日
日本:2004年12月11日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $13,337,300
世界 $18,611,950
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1964年、ニューヨーク。
作詞・作曲家コール・ポーター(ケヴィン・クライン)は、偉大なる彼の人生を閉じようとしている。
そこにゲイブ(ジョナサン・プライス)という男性が現れ、ポーターの人生を、彼と共に振り返ろうとする。
__________
1918年、パリ。
ポーターはあるパーティーでジェラルド・マーフィ(ケヴィン・マクナリー)、サラ(サンドラ・ネルソン)夫妻から、リンダ・リー(アシュレイ・ジャッド)を紹介される。
2人の交際は始まり、同性愛者だったポーターは、それをリンダに告白するが、その才能と人間性に惹かれていた彼女は全く動じることなかった。
そして2人は、ホテル・リッツで結婚式を挙げ、ベニスに新居を構えて、幸せな生活を始める。 やがて、ポーターの男性との浮気は始まるが、リンダとの愛は変わらなかった。 アメリカの人気作曲家アーヴィング・バーリン(キース・アレン)を呼び寄せたリンダは、ポーターの曲を彼に聴かせる。 その結果ポーターは、バーリンの口添えでアメリカに渡り、ブロードウェイのミュージカルのための曲を作ることになる。 1928年。 しかし、ポーターは舞台俳優ジャック(ジョン・バロウマン)との密会などを繰り返し、リンダとの約束を破るようになる。 1934年。 そんな時、精神的に不安定になってきたリンダは流産してしまい、それを機に、ポーターは彼女への愛を深めるようになり、ハリウッド行きを決意する。 MGMのルイス・B・メイヤー(ピーター・ポリカーポー)に、本当のラブ・ソングを書くよう命ぜられたポーターは、不本意ながら作曲を続ける。 そんなポーターは再び男性に走り、彼の遊びに手を貸していたボビー・リード(ケヴィン・マクキッド)が、ポーターの弱みを握りリンダを強請る。 それを承知の、あまりにも短絡的なポーターに、リンダは愛想を尽かしてパリに戻ってしまう。 リンダとの別居生活が続いたポーターは、ある日、落馬の事故で両足の自由を失ってしまう。 ポーターの元に戻ったリンダは、マサチューセッツに移り住み彼を献身的に介護する。 1946年。 1948年。 そして、1954年5月、リンダは帰らぬ人となる。 やがて、右足の切断手術を受けたポーターは、自ら孤独な生活を選ぶ。
...全てを見る(結末あり)
ミュージカル”パリ”は大成功し、ポーターは長い低迷期を脱して人気作曲家となる。
エセル・マーマン(キャロライン・オコナー)の”エニシング・ゴーズ”、翌年の”ジュビリー”の”ビギン・ザ・ビギン”も大ヒットする。
イェール大学の同期生で、親友モンティ・ウーリー(アラン・コーデュナー)も出演した、ケーリー・グラントがポーターを演じた映画”Night and Day”も製作されるが、その頃リンダが、不治の病だということが分かる。
ポーターが、リンダのために書いた”So In Love”などが挿入された舞台、”キス・ミー・ケイト”は大成功となる。
*(簡略ストー リー)
1918年、パリ。
作詞・作曲家コール・ポーターは、あるパーティーで年上の女性リンダ・リーを紹介される。
2人の交際は始まり、ポーターは自分が同性愛者だとリンダに告白する。
しかし、ポーターの才能と人間性に惹かれていたリンダは、それを気にせずに2人は結婚式を挙げる。
その後2人は、ベニスに新居を構え、幸せな生活を始める。
リンダは、アメリカの人気作曲家アーヴィング・バーリンを呼び寄せ、ポーターの曲を認めさせる。
そしてポーターは、バーリンの助力でアメリカに渡り、ブロードウェイ・ミュージカル”パリ”をヒットさせ、人気作曲家の仲間入りをするのだが・・・。
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原題は、1936年に初演されたミュージカル、”Red, Hot and lue”の挿入歌”It’s De-Lovely”から引用している。
「ロッキー」(1976)シリーズなどの製作者として知られるアーウィン・ウィンクラー自らメガホンを取った作品で、同性愛者だった主人公コール・ポーターの人物像と、またそれを受け入れながら彼を愛し続けた妻リンダとの愛の姿を、赤裸々に描いている。
数々の名曲、ミュージカル、または映画のワンシーンや実在の登場人物など、ファンにはたまらない場面が多々あり、やり過ぎかとも思えるが、登場上人物が突然、歌い踊りだす、ミュージカル・タッチの場面も挿入されているところなども興味深い。
70歳過ぎの老人として登場する主演のケヴィン・クラインは、そのメイクで彼とは見間違える程で、奔放な主人公を全編通して熱演し、渾身の演技を見せてくれる。
社交界の花形であり、パートナーの操縦もうまく、また当時としては異例とも言える進歩的な考えの持ち主リンダ・リーを、アシュレイ・ジャッドも好演している。
主人公の死に付き添うジョナサン・プライス、TVドラマ「ROME/ローマ」で主役を演じたタフガイのケヴィン・マクキッドも、主人公を強請る強かな男性役で登場する。
また、ナタリー・コール、エルヴィス・コステロ、シェリル・クロウなど、大物ミュージシャンのパフォーマンスも堪能できる。