第二次大戦下、ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害を逃れて”ビャウォヴィエジャの森”にパルチザンとして潜伏し多くの同胞を助けたと言われる”ビエルスキ・パルチザン”の戦い描く、監督エドワード・ズウィック、ダニエル・クレイグ、リーヴ・シュレイバー、ジェイミー・ベル、ミア・ワシコウスカ共演のドラマ。 |
・ミア・ワシコウスカ / Mia Wasikowska / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:エドワード・ズウィック
製作
エドワード・ズウィック
ピーター・ジャン・ブルージ
製作総指揮:マーシャル・ハースコヴィッツ
原作:ネハマ・テック
脚本
クレイトン・フローマン
エドワード・ズウィック
撮影:エドゥアルド・セラ
編集:スティーヴン・ローゼンブラム
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演
トゥヴィア・ビエルスキ:ダニエル・クレイグ
ズシュ・ビエルスキ:リーヴ・シュレイバー
アザエル・ビエルスキ:ジェイミー・ベル
カイア・デジンシルスキ:ミア・ワシコウスカ
リルカ・ティックティン:アレクサ・ダヴァロス
シモン・ハレッツ:アラン・コーデュナー
イザック・マルビン:マーク・フォイアスタイン
ベン・ジオン:トーマス・アラナ
タマラ・スキデルスキ:ジョディ・メイ
リヴァ・リーチ:ケイト・フェイ
イザック・シュルマン:イド・ゴールドバーグ
ベラ:イーベン・ヤイレ
タマラ・スキデルスキ:ジョディ・メイ
ペレツ・ショーシャティ:マーティン・ハンコック
ヴィクトル・パンチェンコ:ラヴィル・イシアノフ
コンスタンティ”コスチュク”コズロスキ:ジャセック・コーマン
アーロン・ビエルスキ:ジョージ・マッケイ
アルカディ・ロブチャンスキ:サム・スプルエル
アメリカ 映画
配給 Paramount Vantage
2008年製作 137分
公開
北米:2008年12月31日
日本:2009年2月14日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $28,622,870
世界 $51,074,700
■ アカデミー賞 ■
第81回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1941年8月、第二次大戦下。
ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害は広まり、ベラルーシの小さな町ノバルグルドクにまで迫る。
両親を殺されたズシュ・ビエルスキ(リーヴ・シュレイバー)とアザエル(ジェイミー・ベル)兄弟は、ビャウォヴィエジャの森に避難していて無事だった。
家に戻り、床下に潜む末の弟アーロン(ジョージ・マッケイ)を救い出したズシュらは森に戻り、長男トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)に合流する。
町の協力者である、コンスタンティ”コスチュク”コズロスキ(ジャセック・コーマン)の元に向かったトゥヴィアは、報酬目当ての警官が両親を殺したのを知り、潜んでいたユダヤ人を森に連れていく。
トゥヴィアは再び町に戻り、警官とその息子達を射殺し両親の仇を討つ。 1941年10月、ペレラズの森。 ズシュは仲間に入ったペレツ・ショーシャティ(マーティン・ハンコック)から恋人と子供を殺されたことを知らされる。 復讐に燃えるズシュを制止しようとするトゥヴィアだったが、彼らは武装して、自分達を裏切った者やドイツ兵を襲い始める。 しかし、アザエルははぐれてしまい、食料も手に入らないまま、トゥヴィア達はキャンプに戻る。 恐怖と飢えでいがみ合う同胞達をまとめ上げ、トゥヴィアは生きることこそが復讐だと言って食料の確保を始める。 協力者コスチュクは殺されるものの、彼の家にアザエルが匿われていたことが分かり、彼と一緒にいたベラ(イーベン・ヤイレ)とカイア・デジンシルスキ(ミア・ワシコウスカ)を同行させる。 アザエルはカイアと親しくなるが、アルカディ・ロブチャンスキ(サム・スプルエル)が彼女に近づくことを気にする。 ノバルグルドクから戻ったベン・ジオン(トーマス・アラナ)は、トゥヴィアの妻が殺されたことを彼に伝える。 そんな中、ズシュとベラも惹かれ合うようになる。 ある日、牛乳を奪ったことで配達人がトゥヴィアらを密告して警官隊と森に現れる。 それをトゥヴィアらは追い払うが、牛乳屋を殺さなかったのが間違いだと、ズシュは兄の指揮官としての甘さをを非難する。 トゥヴィアらはキャンプを捨て森をさ迷い、偵察に出た彼とズシュは、ソ連の赤軍パルチザンのリーダー、ヴィクトル・パンチェンコ(ラヴィル・イシアノフ)に出会う。 ゲットーが解体される情報が入り、逃げ出す居住者を養おうとするトゥヴィアと、それに反発するズシュは口論となり殴り合いになる。 ズシュは、ジオンらを連れてパンチェンコの武装組織に合流するためキャンプを去っていく。 トゥヴィアはゲットーに侵入し、収容者を説得して脱走させて森に連れて行く。 イザック・マルビン(マーク・フォイアスタイン)は、人々に役割分担を与え、キャンプを一つの共同体にすることをトゥヴィアに提案する。 アザエルはカイアと結婚を決め、人々に祝福されながら式を挙げる。 1941年12月、ナリポッカの森。 やがてトゥヴィアは、ゲットーで助けたリルカ・ティックティン(アレクサ・ダヴァロス)に心惹かれるようになる。 パンチェンコの右腕になりつつあったズシュは、居住者にチフス患者が出たためペニシリンをもらいに来たトゥヴィアと再会する。 組織の薬は与えられないため、ズシュは町の警察の無線機を破壊するついでに、そこからペニシリンを奪うことを考える。 トゥヴィアを車に待機させて、薬を奪ったズシュは負傷しジオンは命を落とす。 体調を崩したトゥヴィアだったが、秩序を乱したアルカディを射殺し、その後リルカの看病で回復する。 1942年4月、ナリポッカの森。 トゥヴィアは激怒するが、リルカがそれをなだめ二人の愛は深まる。 ある日、ドイツ兵の伝令を捕らえ、トゥヴィアは森が包囲されることを知る。 赤軍パルチザンも撤退することになり、兄弟と同胞を見捨てることになるズシュは苦悩する。 トゥヴィアも撤退命令を出すが、キャンプが戦闘機の爆撃を受ける。 人々は森を逃れ、沼地を渡り小高い丘に到着するものの、ドイツ軍歩兵とⅢ号戦車に襲われてしまう。 壊滅寸前のトゥヴィアらは抵抗し反撃を続けるが、敵の攻撃は激しさを増す。 しかし、そこにズシュらの精鋭部隊が現れドイツ軍を全滅させる。 トゥヴィアは、新しいキャンプを作ることをズシュに伝え彼を抱きしめる。 そして、トゥヴィアらは、平穏を取り戻した森に戻る。 人々はその後2年間、森に潜み、新しいキャンプには学校や病院、そして保育所もあった。 彼らの人数は増え続け、終戦時には1200名を数えた。 アザエル・ビエルスキはソ連軍に入隊し、1945年に戦死し、カイアとの子供の顔を見ることはなかった。 ズシュ・ビエルスキはニューヨークに移住し、小さな運送会社を経営した。 トゥヴィア・ビエルスキも後にアメリカに向かい、30年もの間、弟ズシュと共に働き、彼はリルカと幸せに暮らした。 兄弟は戦争中のことを世に伝えることをしなかったが、彼らに救われた人々は数万人に達している。
...全てを見る(結末あり)
食料の心配をするズシュを尻目に、トゥヴィアは次々と同胞を森に呼び寄せキャンプを作る。
いてつく寒さの冬が訪れ、食料が底を突いたことを知ったトゥヴィアは、仕方なく愛馬を殺し飢えを凌ぐ。
逃亡中に、ドイツ兵に暴行されていたタマラ・スキデルスキ(ジョディ・メイ)が妊娠し、キャンプ内で禁じていた子供を出産してしまう。
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*(簡略ストー リー)
ナチス及びそれに加担する者達に両親を殺されたトゥヴィアとズシュ・ビエルスキ兄弟は、同胞のユダヤ人を匿ってパルチザンを結成する。
しかし、増え続ける仲間と食糧不足などの対策をめぐり、兄弟や同胞の間に亀裂が入ってしまう。
やがて、ズシュはソ連の赤軍パルチザンに参加して、トゥヴィアは、何とかキャンプの秩序を守ろうとするが、森がドイツ軍に包囲される。
そして、キャンプを捨て森から脱出する人々に対し、容赦なくドイツ軍の攻撃が始まる・・・。
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ネハマ・テックの著書”Defiance:The Bielski Partisans”(1993)を基に製作された作品。
ユダヤ人の居住区域としては、ゲットーを連想してしまうが、居住空間として困難を極める森林地帯の生活の様子などを生々しく描いた、エドワード・ズウィックの演出手腕が見所だ。
実際のロケ地はリトアニアだが、世界遺産でもある美しい”ビャウォヴィエジャの森”の雰囲気がよく出ている。
第81回アカデミー賞では、作曲賞にノミネートされた。
ビエルスキ兄弟は、”オスカー・シンドラー”と比較されるところもあるが、ポーランド(元西ベラルーシ)では、英雄か略奪者かで賛否が分かれているのが事実のようだ。
超人的な統率力とまでいかない、やや弱さを見せるところなどが、人間味あるキャラクターの主人公トゥヴィアを演ずるダニエル・クレイグ、彼と愛し合うアレクサ・ダヴァロス、最終的には兄を助ける血の気の多い次男ズシュのリーヴ・シュレイバー、その恋人となるイーベン・ヤイレ、若いがなかなか逞しい三男アザエルのジェイミー・ベル、その妻となるミア・ワシコウスカ、四男のアーロン、ジョージ・マッケイ、キャンプ内で共同体を組織するマーク・フォイアスタイン、ズシュと共に赤軍に加わるトーマス・アラナ、赤軍のリーダー、ラヴィル・イシアノフなどが共演している。