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バーニング・オーシャン Deepwater Horizon (2016)

2010年に起きた”メキシコ湾原油流出事故”での石油掘削施設”ディープウォーター・ホライゾン”の爆発火災事故を描く、監督ピーター・バーグ、製作、主演マーク・ウォールバーグカート・ラッセルジョン・マルコヴィッチジーナ・ロドリゲスディラン・オブライエンケイト・ハドソン他共演のディザスター・ムービー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ピーター・バーグ
製作
ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ
マーク・ヴァーラディアン
マーク・ウォールバーグ
スティーヴン・レヴィンソン
デヴィッド・ウォマーク
製作総指揮
ジェフ・スコール
ジョナサン・キング
原作
”Deepwater Horizon’s Final Hours”
デヴィッド・バーストウ
デヴィッド・ローデ
ステファニー・ソウル
原案:マシュー・サンド
脚本
マシュー・マイケル・カーナハン
マシュー・サンド
撮影:エンリケ・シャディアック
編集
コルビー・パーカーJr.
ゲイブリエル・フレミング
音楽:スティーヴ・ジャブロンスキー

出演
マイク・ウィリアムズ:マーク・ウォールバーグ
ジミー・ハレル:カート・ラッセル
ドナルド・ヴィドリン:ジョン・マルコヴィッチ
アンドレア・フレイタス:ジーナ・ロドリゲス
ケイレブ・ハロウェイ:ディラン・オブライエン
フェリシア・ウィリアムズ:ケイト・ハドソン
ロバート・カルーザ:ブラッド・リーランド
ジェイソン・アンダーソン:イーサン・サプリー
ホテルでマイクに言い寄る作業員の父親:トレイス・アドキンス
スキップ:ピーター・バーグ

アメリカ 映画
配給 サミット・エンターテインメント
2016年製作 107分
公開
北米:2016年9月30日
日本:2017年4月21日
製作費 $110,000,000
北米興行収入 $61,433,530
世界 $121,790,370


アカデミー賞
第89回アカデミー賞

・ノミネート
音響編集・視覚効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2010年4月20日、メキシコ湾沖。
海洋掘削企業”トランスオーシャン”が管理する”BP”の石油掘削施設/リグ”ディープウォーター・ホライゾン”で、安全チェックが行われる。

ルイジアナ州。
3週間の任務でディープウォーター・ホライゾンに向かうトランスオーシャンの電気技師マイク・ウィリアムズ(マーク・ウォールバーグ)は、妻のフェリシア(ケイト・ハドソン)と共に目覚める。

リグのオペレーターであるアンドレア・フレイタス(ジーナ・ロドリゲス)は、車が故障して動かないために、恋人のバイクで出かける。
...全てを見る(結末あり)

フェリシアと愛し合ったことを10歳の娘シドニーに冷やかされたマイクは、恐竜が石油になるという彼女の作文を読んで聞かされ、恐竜の化石がお土産でほしいと言われる。

フェリシアと共にフーション港からブリストウ・ヘリポートに向かったマイクは、彼女と別れる。

トランスオーシャンの掘削施設主任ジミー・ハレル(カート・ラッセル)、アンドレア、マイクは、リグに向かう手続きを済ませる。

BP”のシムズらがいることを気にしながら、ヘリコプターで飛び立ったジミーらは、途中、鳥が衝突する事故があるものの、南東沖66キロ地点のディープウォーター・ホライゾン(作業員126人)に到着する。

交代するスキップ(ピーター・バーグ)にセメント・テストのことを訊いたジミーは、BPの責任者ドナルド・ヴィドリン(ジョン・マルコヴィッチ)と話すようにと言われる。

ジミーらは、BPがテスト担当会社を追い払い、セメント・テストを行っていないことを知る。

付近に停泊している泥水処理船”バンクストン”が気になったジミーは、その件をアンドレアに確認させる。

バンクストンの船長に連絡したアンドレアは、ヴィドリンとロバート・カルーザ(ブラッド・リーランド)の指示で、掘削泥水を積載してこの場を離れると言われる。

それを知らされたジミーは、セメント・テストが行われたことをマイクに確認させる。

ドリル・チームのケイレブ・ハロウェイ(ディラン・オブライエン)と話したマイクは、テストは行われていないだろうと言われる。

ドリル監視室のジェイソン・アンダーソン(イーサン・サプリー)にもテストのことを訊いたマイクは、BPは金のことしか考えていないだろうと言われ、ジミーにテストは行われていないと伝える。

その頃、海底では、亀裂の入ったセメントから気泡が漏れていた。

フェリシアとチャットで話して作業着に着替えたマイクは、同僚から恐竜の歯の化石をもらい喜ぶ。

マイクを連れてヴィドリンとカルーザに会ったジミーは、セメント・テストの件を話し、安全が確認できなければ採油はできないと伝える。

セメント・テストは行えなくても負圧テストをする必要があると言うジミーは、考えを変えようとしない。

部屋に現れたヴィドリンと話したマイクは、巨大企業の運営などを語る彼の意見を聞くが、希望的観測で物事を進めると事故が起きる場合があると伝える。

その後、負圧テストが行われ、杭井のセメント強度の確認が始まる。

テストの結果が良くないことが気になるジミーだったが、ヴィドリンから、掘削パイプから泥水が噴出していないと言われる。

ヴィドリンが、抑圧パイプで負圧テストをして問題なければ作業を行うつもりであるため、仕方なく納得したジミーはマイクと共にその場を去る。

シムズから、食堂で”問題”が発生したと言われてその場に向かったジミーは、7年連続でBP安全賞を受賞した責任者として表彰される。

ヴィドリンに問題を指摘するジェイソンだったが、抑圧テストで圧力はゼロだったためにそれをジミーに伝え、泥水除去の許可を得て作業を始めさせる。

掘削泥水は汲み上げられ、バンクストンへの積載も始まる。

30分後に作業に戻ろうとしたジミーは部屋で休み、マイクはフェリシアとチャットで話す。

計器の圧力が異常に上がったためジェイソンは除去を中止し、作業員以外を退出させる。

ヴィドリンとカルーザはそれに従い、彼らが部屋から出たところで、泥水漏れに気づいたケイレブが、ジェイソンにそれを伝える。

泥水が噴出してケイレブらが吹き飛ばされたため、ジェイソンが逆流防止装置を作動させて噴出は止まる。

泥水室のガス警報に気づいたアンドレアは、それを連絡しようとするものの、混乱する現場は作業中だった。

再び大規模な噴出が始まり、ジェイソンはケイレブらを避難させる。

事故に気づいたバンクストンの船員は、多数の鳥が飛び込んできたためにリグと連絡を取る。

ドリル監視室も被害に遭い、いたるところで犠牲者が出る。

フェリシアと話していたマイクと、シャワー中のジミーも異常に気づく。

ガス警報の警告灯を見て驚くアンドレアは、杭井から噴出していることに気づき救援を要請する。

ガスに引火して大爆発が起き、マイクやジミーは吹き飛ばされ、事故を監視するしかないバンクストンも救助を求める。

ニューオーリンズ
事故の報告を受けた沿岸警備隊は現場であるディープウォーター・ホライゾンの位置を確認し、周辺の船舶に連絡して救助に向かわせ、上空の航空機の数も調べる。

映像が消えたために、フェリシアは不安になる。

無事だったマイクは、廊下に倒れていたダギーを連れて救命ボートの場所に向かう。

バンクストンからも、救助のボートがリグに向かう。

意識が戻ったジミーは、足の裏に刺さっていた破片を取り除き、靴を履き作業着を着る。

重傷のダギーを同僚に任せたマイクは、居住エリアにいるジミーを捜す。

ジミーを見つけたマイクは、目が見えないと言う彼に状況を伝え、パイプは切っていないと伝える。

切らなけらば大変なことになると言われたマイクは、ジミーを連れてブリッジに向かう。

病院の受け入れ態勢などを確認した沿岸警備隊は、ヘリを現場に向かわせる。

脚を挟まれた作業員を見つけたマイクは、メタンガスの爆発に遭いながらも彼らを助けようとする。

停電になり危険を感じたアンドレアは、杭井を塞ぐためにパイプを切ろうとするが、操縦担当のクチタから、権限がないので何もするなと言われる。

同僚を助けたマイクは、ジミーと共にブリッジに向かう。

沿岸警備隊に電話をしたフェリシアは、ディープウォーター・ホライゾンで火災事故が発生したことを知り動揺する。

無事だったヴィドリンはブリッジにたどり着き、アンドレアに何があったのかを尋ねる。

倒れそうになったクレーンを何とか固定したデイルは、衝撃を受けて落下し死亡する。

マイクと共にブリッジに着いたジミーは、その場にヴィドリンがいることを知り、救命ボートに乗るようにと言って追い払う。

アンドレアとクチタと話し、パイプのことを確認したジミーは、切断していないことを知らされる。

緊急停止装置を作動させてパイプを切り、杭井を塞ぎ消火することを考えるジミーは、アンドレアとクチタにスイッチの場所まで案内させる。

装置を作動させるもののパイプを切断することはできず、火災はさらに激しくなり、逃げるべきだとマイクはジミーに伝える。

ヴィドリンは、順番を無視して救命ボートに乗ろうとする。

補助電源を入れてリグの位置を保ち、パイプが折れるのを防ぐと言うジミーから電源の復旧を任されたマイクは、その場にいたケイレブと共にやぐらの反対側の制御室に向かう。

テレビのニュースを確認したフェリシアは、マイクの同僚の妻に電話をして情報を得ようとするが、何も分からなかった。

フェリシアは、心配して起きて来たシドニーと話す気になれない。

マイクとケイレブが電源を復旧し、アンドレアから定位置を少しずれていると言われたジミーは、リグを制御しようとするものの、再び停電してしまう。

電源は復旧するものの激しい爆発が起き、ジミーらはその場から避難する。

満員の救命ボートはリグから離れ、それを知ったジミーらはゴムボートを使おうとする。

その場に戻ったマイクはボートをセットするが、ジミーとケイレブが乗れただけで、アンドレアと共に取り残される。

海面は火の海で飛び込むことができず、マイクとアンドレアは階段を上る。

ゴムボートに乗っていたジミーとケイレブは救助され、マイクとアンドレアはヘリポートに上がる。

救命胴衣を着たマイクは、動揺するアンドレアを落ち着かせて、この高さから海に飛び込めば炎を避けられると伝える。

残ると言うアンドレアを強引に突き落としたマイクは、クレーンが倒れて来たために海に飛び込む。

落下物を避けながらアンドレアを捜したマイクは、彼女を見つけてボートに救助される。

バンクストンに乗り込んだジミーは、作業員の点呼を始める。

ジェイソンらがいないことを確認したジミーは、救助されたヴィドリンを見つめる。

マイクと共にバンクストンに乗船したアンドレアは、命を救ってくれた彼に感謝する。

沿岸警備隊のヘリが到着し、重傷を負った者が搬送される。

生存者が祈りを捧げる中、リグのやぐらは崩れ落ちる。

その後、待機場所のホテルに着いたマイクは、作業員の父親(トレイス・アドキンス)に言い寄られ、息子の居場所を訊かれるものの、何も答えることができない。

事故のショックにより何も考えられないマイクは、部屋の中で倒れてしまう。

駆け付けたフェリシアの前で泣き崩れるマイクは、シドニーを抱き寄せて冷静になり、彼女に恐竜の歯を渡す。

落ち着いたマイクは、治療を受けたジミーと抱き合い、フェリシアとシドニーと共にホテルを去る。
__________

マイク・ウィリアムズは海に戻ることはなく、現在は家族と共にテキサスで暮らしている。

アンドレア・フレイタスは退職して、現在はカリフォルニアに住んでいる。

ジミー・ハレルは、現在もトランスオーシャンに在籍している。

BPのロバート・カルーザとドナルド・ヴィドリンは故殺罪で起訴されるが、2015年に起訴は取り下げられた。

2010年4月20日の夜に11人が死亡した。

原油の噴出は87日間続き、2億1000万ガロンが流出した。

この火災事故は、アメリカ史上最悪の石油災害となった。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
2010年4月20日、メキシコ湾沖。
海洋掘削企業”トランスオーシャン”の電気技師マイク・ウィリアムズは、掘削施設主任ジミーやオペレーターのアンドレアと共に”BP”の石油掘削施設”ディープウォーター・ホライゾン”に向かう。
BPのヴィドリンとカルーザの指示で、セメント・テストを行っていないことを知ったジミーは、それに抗議するものの受け入れられなかった。
その後、泥水処理が始まり作業は順調に進むが、ドリルから泥水が噴出し、天然ガスに引火して大爆発が起きる。
吹き飛ばされたものの無事だったマイクはジミーを捜し、傷ついた彼と共にブリッジに向かうのだが・・・。
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2010年に実際に起きた”メキシコ湾原油流出事故”での、”BP”が運営し”トランスオーシャン”が管理する石油掘削施設”ディープウォーター・ホライゾン”の爆破火災事故を描くディザスター・ムービー。

ピーター・バーグの演出、製作を兼ねるマーク・ウォールバーグ、実力派スター、カート・ラッセルジョン・マルコヴィッチ他、豪華競演も話題になった超大作。
ピーター・バーグは、ディープウォーター・ホライゾンに到着した主人公らと交代する作業員(スキップ)として出演もしている。

製作費に1億1000万ドルをかけた作品であり、最大の見せ場は、ディープウォーター・ホライゾンが大爆発を起こし炎上する様子を映し出す迫力映像だ。

それが評価され、第89回アカデミー賞では、音響編集、視覚効果賞にノミネートされた。

しかし、結局は当事者の手で火災を鎮火できるはずもなく、手は尽くすものの退避するしかない状況で現場の話が終わってしまう展開は今一、物足りない。
事実がそのようだったので仕方ないが・・・。

批評家、一般の評価は高かったものの、北米興行収入は予想をはるかに下回る約61000万ドル、全世界ではようやく製作費を回収できる約1億2200万ドルという成績で終わってしまった。

主演のマーク・ウォールバーグは、スーパーマン的な活躍をする訳ではないが、大爆発による火災を何とか食い止めようとする、”トランスオーシャン”の電気技師を熱演している。

重傷を負いながら、主人公と共に事態に対処して最善を尽くす掘削施設主任カート・ラッセル、事故発生後は沈黙してしまい影が薄いのが残念な、”BP”の責任者ジョン・マルコヴィッチ、主人公に救われるリグのオペレーター、ジーナ・ロドリゲス、ドリル担当作業員のディラン・オブライエン、主人公の妻ケイト・ハドソン、泥水処理を強引に行うBPの社員ブラッド・リーランド、ドリル監視室の責任者イーサン・サプリー、ホテルでマイクに言い寄る作業員の父親トレイス・アドキンスなどが共演している。


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