チャールズ・ブロンソンのヒット作「狼よさらば」(1974)の続編で”デス・ウィッシュ”シリーズ第2作。 ニューヨークで襲われた家族の復讐を果たした主人公がロサンゼルスに移り娘の命を奪った者達に再び制裁を加える姿を描く、監督、編集マイケル・ウィナー、主演チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、ヴィンセント・ガーディニア、アンソニー・フランシオサ、ローレンス・フィッシュバーン他共演の復讐劇。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・ウィナー
製作総指揮
ハル・ランダーズ
ボビー・ロバーツ
製作
メナハム・ゴーラン
ヨーラン・グローバス
原案:ブライアン・ガーフィールド
脚本:デイヴィッド・エンゲルバック
撮影
トーマス・デル・ルース
リチャード・H・クライン
編集
ジュリアン・セミラン
マイケル・ウィナー
音楽:ジミー・ペイジ
出演
ポール・カージー:チャールズ・ブロンソン
ジェリ・ニコルズ:ジル・アイアランド
フランク・オチョア刑事:ヴィンセント・ガーディニア
ハーマン・ボールドウィン:アンソニー・フランシオサ
ニューヨーク検事:J・D・キャノン
キャロル・カージー:ロビン・シャーウッド
エリオット・キャス:マイケル・プリンス
マンキウィッツ警部補:ベン・フランク
ストンパー:ケヴィン・メイジャー・ハワード
カッター:ローレンス・フィッシュバーン
チャールズ・ウィルソン/ニルヴァナ:トーマス・F・ダフィー
ドナルド・キー:チャールズ・サイファーズ
アメリカ 映画
配給
Filmways Pictures(北米)
コロンビア・ピクチャーズ(世界)
1982年製作 88分
公開
北米:1982年2月20日
日本:1982年3月20日
製作費 $2,000,000
北米興行収入 $16,100,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ロサンゼルス。
ニューヨークからこの地に住居を移した建築家ポール・カージー(チャールズ・ブロンソン)は、恋人でテレビ・リポーターのジェリ・ニコルズ(ジル・アイアランド)と共に、施設にいた娘キャロル(ロビン・シャーウッド)を迎えに行く。
事件でショックを受けたキャロルは、改善がみられるために家に戻り、カージーと暮らすことになる。
ジェリとキャロルを伴い街に向かったカージーは、不良グループのストンパー(ケヴィン・メイジャー・ハワード)やカッター(ローレンス・フィッシュバーン)ら5人に襲われ財布を奪われてしまう。
二人の元に戻ったカージーは、何があったのかを心配するジェリに気遣われる。 その頃、財布の身分証でカージーの住所を知ったストンパーラーは、家に押し入りメイドをレイプする。 帰宅したカージーは、ストンパーらに殴られて気を失い、通報しようとしたメイドも殺され、キャロルは連れ去られてしまう。 カージーの家を訪れたジェリは、彼が襲われメイドが殺されたことを知る。 その後キャロルは強姦され、5人から逃れようとして窓から飛び降りて死亡する。 駆けつけたマンキウィッツ警部補(ベン・フランク)に、犯人の特徴や人相などを詳しく伝えないカージーはキャロルの死を知らされる。 キャロルの葬儀を済ませ、再び起きた悲劇に心を痛めるカージーは、暫く山に篭り心の整理をして街に戻る。 警察への協力を拒むカージーは、安宿の部屋を借り、夜は犯罪都市ロサンゼルスの街を回り犯人らを捜す。 ある夜、ストンパーを見つけたカージーは、廃墟となったモーテルで、ドラッグの取引をする彼を追い詰める。 カージーは、怯えるストンパーを容赦なく射殺してその場を去る。 数日後カージーは、女性をレイプしようとしていた犯人の一人を見つけて殺害する。 無事だった女性と恋人は、命の恩人であるカージーの人相を、マンキウィッツ警部補に話そうとしない。 マンキウィッツから報告を受けた本部長のハーマン・ボールドウィン(アンソニー・フランシオサ)は、警察に代わる抹殺者の出現で街の混乱を心配する。 ニューヨーク。 カージーが捕まれば、前回の事件を担当した自分達の責任を問われると判断した検事は、ロサンゼルス市警よりも先に彼を逮捕するようオチョアに命ずる。 オチョアを歓迎して協力を約束されたマンキウィッツは、彼が何かを隠していると考える。 ジェリに会ったオチョアは、カージーが4年前に9人殺していることを伝え、それを信じようとしない彼女に探りを入れる。 カージーを尋ねたジェリは、オチョアから聞いた話をして、彼はそれを認めながら、愛は変わらないことを伝える。 二人が会っていることを確認したオチョアは、カージーに自分が見張っていると思わせ彼の夜の行動を探る。 カージーの行動を追ったオチョアは、カッターら三人を見つけた彼を尾行する。 カッターらに気づかれ銃撃戦となったカージーだったが、加勢したオチョアが撃たれてしまう。 カージーはカッターらを殺すが、チャールズ・ウィルソン/ニルヴァナ(トーマス・F・ダフィー)に逃げられ、オチョアに気づく。 瀕死のオチョアは、自分の仇を討つようカージーに伝えて息を引き取る。 翌日、新社屋建設の仕事で報道局にいたカージーは、銃撃戦で逃げたウィルソンを、警察が逮捕しようとしていることを知る。 カージーは、警察無線を傍受できるモニターをその場で借りて現場に向かう。 待機している警察より先に、ウィルソンの部屋に向かったカージーは、彼に傷つけられ逃げられてしまう。 ウィルソンは警官に取り押さえられ、カージーはそれを確認し傷の手当てをして帰宅する。 起訴されたウィルソンは、コカイン使用のため州立病院に送られ、回復後に社会復帰することが決まる。 カージーは、ウィルソンを取材するジェリと共に病院に向かい、医師のIDを奪い偽造してチャンスを窺う。 ジェリに求婚したカージーは、アカプルコで結婚式を挙げることを彼女に約束する。 病院に向かい、医師に扮したカージーは、対応したドナルド・キー(チャールズ・サイファーズ)に案内されてウィルソンに会う。 傷を負いながらウィルソンを殺したカージーは、その場に現れたキーに、娘を強姦され殺されたことを伝える。 カージーの気持ちを理解するキーは、3分後に警報を鳴らすことを彼に伝える。 その場を離れたカージーの姿が見えなくなったことを確認したキーは、警報を鳴らす。 旅立つ支度をして、カージーの家に向かったジェリは、彼が偽造したIDのコピーを見つけ、報道されているウィルソンを殺害したことに気づく。 指輪を外したジェリはその場を去り、直後にカージーが現れる。 その後マンキウィッツは、一連の事件が、自警による殺人だったことを否定する。 カージーは、ジェリは去ったものの、報道局の新社屋のパーティーに社長エリオット・キャス(マイケル・プリンス)から誘われる。 そしてカージーは、その後も夜の街を警戒し続ける。
...全てを見る(結末あり)
今回の事件がカージーの仕業とだと確信するフランク・オチョア刑事(ヴィンセント・ガーディニア)は、それを地方検事(J・D・キャノン)に伝える。
参考:
・「狼よさらば」(1974)
・「ロサンゼルス」(1982)
・「スーパー・マグナム」(1985)
・「バトルガンM‐16」(1987)
・「狼よさらば 地獄のリベンジャー」(1994)
*(簡略ストー リー)
ロサンゼルス。
ニューヨークで強盗に妻を殺され娘をレイプされた建築家ポール・カージーは、この地で平穏な暮らしをしていた。
テレビ・リポーターの恋人ジェリと共に、回復の兆しも見える娘キャロルを施設から退院させたカージーは、街の不良グループに財布を奪われてしまう。
その後、カージーの家はグループに襲われ、メイドがレイプ殺害されて、戻ったカージーも殴られキャロルは連れ去られる。
キャロルは逃げようとして窓から飛び降りて死亡し、失意のカージーは、警察に犯人の情報は伝えず再び自分の力だけで復讐しようとする。
夜の街に出たカージーは、犯人を捜して殺害し始めるが、ニューヨークの事件を担当したオチョアが、彼の犯行と確信して現地に向かう・・・。
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思わぬスマッシュ・ヒットとなりシリーズ化された第二弾として、前作の事件を継承して始まる出だしから実に興味深い。
冒頭、主人公達の平穏な暮らしぶりが描写されるものの、一瞬にして悲惨な状況下に置かれる極端な展開に驚く。
マイケル・ウィナーは、容赦なく市民を痛めつける悪党の行動を強烈に印象付けて、犯罪社会アメリカの汚点を真正面から描いている。
市民を守るはずの警察が、情報を得られずに機能せず、それに輪をかけ、市民は制裁を加える主人公を支持するという、野放しの無法者に立ち向かおうとする伝統的な展開は、まるで西部劇のようでもあり痛快だ。
ロックバンド”レッド・ツェッペリン”の、ジミー・ペイジが担当する音楽も注目。
強さを誇る抹殺者でない、傷つきながらも自分の考えを貫き通す主人公を熱演するチャールズ・ブロンソン、女として、そして立場上、主人公の行動を支持できない恋人、C・ブロンソン夫人のジル・アイアランド、前作に続き、主人公を追う刑事のヴィンセント・ガーディニア、ロサンゼルス市警警察本部長役のアンソニー・フランシオサ、ニューヨーク地方検事のJ・D・キャノン、報道局社長マイケル・プリンス、事件を追う警部補ベン・フランク、犯人のケヴィン・メイジャー・ハワード、若き日のローレンス・フィッシュバーン、トーマス・F・ダフィー、病院で主人公の行動に理解を示すチャールズ・サイファーズなどが共演している。