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デス・レース Death Race (2008)

イブ・メルキオールの短編”The Racer”を基に、デヴィッド・キャラダインシルヴェスター・スタローンが出演して1975年に公開された「デス・レース2000年」のリメイク。
刑務所で行われる”デス・レース”に挑む男達の戦いを描く、製作、監督、脚本ポール・W・S・アンダーソン、主演ジェイソン・ステイサムジョアン・アレンイアン・マクシェーンナタリー・マルティネスタイリース・ギブソンジェイソン・クラークデヴィッド・キャラダイン他共演のハード・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:ポール・W・S・アンダーソン

製作
ポール・W・S・アンダーソン
ポーラ・ワグナー
ジェレミー・ボルト
製作総指揮
ロジャー・コーマン
デニス・E・ジョーンズ
ドン・グレンジャー
ライアン・カヴァノー
原作:イブ・メルキオール”The Racer”
原案:ポール・W・S・アンダーソン
原作:”デス・レース2000年”(オリジナル脚本)
ロバート・ソム
チャールズ・グリフィス
脚本:ポール・W・S・アンダーソン
撮影:スコット・キーヴァン
編集:ニーヴン・ハウィー
音楽:ポール・ハスリンジャー

出演
ジェンセン・エイムズ:ジェイソン・ステイサム
クレア・ヘネシー:ジョアン・アレン
コーチ:イアン・マクシェーン
エリザベス・ケース:ナタリー・マルティネス
ジョセフ・メイソン/マシンガン・ジョー:タイリース・ギブソン
ウーリック:ジェイソン・クラーク
パチェンコ:マックス・ライアン
ガナー:ジェイコブ・バルガス
リスト:フレデリック・コーラー
ヘクター・グリム:ロバート・ラサード
14K:ロビン・ショウ
トラヴィス・コルト:ジャスティン・メイダー
スージー・エイムズ:ジャナヤ・スティーヴィンス
ナイルズ・ヨーク/フランケンシュタイン:デヴィッド・キャラダイン

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2008年製作 110分
公開
北米:2008年8月22日
日本:2008年11月29日
製作費 $45,000,000
北米興行収入 $36,316,000
世界 $75,677,500


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
2012年、アメリカ経済は崩壊し失業率は過去最高を記録した。

多発する犯罪により、刑務所の収容能力は限界に達した。

そのため、民間企業が営利目的で全ての刑務所を運営した。

ターミナル島刑務所は、ケージ・ファイトをネット中継して人気を呼び、新たな”グラディエーター”達のコロッセオとなった。

しかし、古代ローマ同様、視聴者は飽きてしまい、究極の戦い”デス・レース”が誕生した。

最強のレーサー、フランケンシュタイン/ナイルズ・ヨーク(デヴィッド・キャラダイン)はジョセフ・メイソン/マシンガン・ジョー(タイリース・ギブソン)に追われ、ナビゲーターのケース(ナタリー・マルティネス)に妨害装置を使うよう指示する。
...全てを見る(結末あり)

全てが使えないことを知ったフランケンシュタインは、”墓石”(防御鉄板)を外して後方のジョーのマシンに衝突させる。

ゴールまであとわずか、ジョーが攻撃を仕掛けてくるため、フランケンシュタインはケースを脱出させる。

攻撃を受けたフランケンシュタインのマシンは、大破してしまう。

製鉄所で働くジェンセン・エイムズ(ジェイソン・ステイサム)は、工場が閉鎖に伴い解雇される。

手数料を引かれたわずかな給料を受け取ったジェンセンは、暴動を防ぐために現れたSWATに痛めつけられる。

帰宅したジェンセンは妻スージー(ジャナヤ・スティーヴィンス)に迎えられ、少ない給料を申し訳なさそうに渡すものの、彼女に励まされる。

愛を確かめ合う二人だったが、生まれたばかりの娘パイパーの泣き声に邪魔され、ジェンセンは二階に向かう。

夕食の支度をしていたスージーは、侵入したマスクの男に襲われる。

スージーが倒れていることに気づいたジェンセンだったが、男にスプレーを吹き付けられて意識を失う。

目覚めたジェンセンは、血まみれのナイフを持っていたために、駆けつけた警官にスージー殺しの疑いで逮捕されてしまう。

半年後、ターミナル島刑務所。
服役するジェンセンは、看守長のウーリック(ジェイソン・クラーク)に迎えられて痛めつけられる。

刑務所長クレア・ヘネシー(ジョアン・アレン)は、ジェンセンが監房に入れられる姿を確認する。

ヘネシーは刑務所を支配し、狂暴な囚人達も彼女には逆らわなかった。

食堂にいたフランケンシュタインのピット・クルーで囚人のコーチ(イアン・マクシェーン)は、ガナー(ジェイコブ・バルガス)とリスト(フレデリック・コーラー)から、新入りのジェンセンがレーサーだったことを知らされる。

ロシア人のパチェンコ(マックス・ライアン)に挑発れたジェンセンは、相手を叩きのめすものの看守に制止される。

ヘネシーに呼ばれたジェンセンは、レーサーの腕を買われて、事故により治療中に死んだフランケンシュタインに成り代わり、レースに出場することを要請する。

視聴者がフランケンシュタインの登場を望んでいると話すヘネシーは、レースに5回勝てば釈放するのがルールだと伝える。

フランケンシュタインは4回勝っているため、あと1勝で釈放されると言うヘネシーは、挑戦することをジェンセンに勧める。

ヘネシーからジェンセンを紹介されたコーチは、ガナーとリストと共にレースの準備を始める。

メカニックということにして迎えられたジェンセンは、フランケンシュタインになることは自分達とヘネシーか知らないとコーチに言われる。

フランケンシュタインが出場しなくなってからは視聴者が半減したため、その復活がどうしても必要だった。

隔離された場所でヘネシーが何かを作らせていることを知らされたジェンセンは、コーチらから、武器や防御装置が装備された”マスタング”を改造したモンスター・マシンを見せられる。

弾薬はレースの直前に渡され、陸につながる狭い橋しかないため、脱出は不可能だった。

レースは、1日1ステージで3日間行われ、ナビゲーターのケースと共にそれに挑むことになったジェンセンは、彼女が女子刑務所から来るため、事前には会えないと言われる。

中国系アメリカ人のエリートではあるが殺人犯の14K(ロビン・ショウ)、終身刑三回の大量殺人犯ヘクター・グリム(ロバート・ラサード)、パチェンコ、元NASCARレーサーのトラヴィス・コルト(ジャスティン・メイダー)らの話を聞いたジェンセンは、ジョーに牽制されるものの相手にしない。

模範囚が付けていた腕のGPSを気にしたジェンセンは、スージーを殺した男がそれをしていたことを思い出す。

デス・レース、ステージ1.
フランケンシュタインが付けていた指輪をヘネシーから渡されたジェンセンは、マスクを被りスタート地点に向いマシンに乗る。

女刑務所から囚人が到着し、ケースはジェンセンのマシンに乗り込む。

マシンには外からは見えない窓が取り付けられ、ジェンセンはマスクを外す。

ヘネシーは中継を始める指示を出し、番組はレーサー達を紹介する。

1200万人の視聴者を確認したヘネシーは、レースが始まれば4500万人が注目すると考える。

レースはスタートし、トップを走るジェンセンにヘネシーは満足する。

その後、ジェンセンは、ジョーと競り合うことを避けるようにとコーチに言われ、ヘネシーが、武器と防御装置の使用許可を出したため激しい戦いが始まる。

14Kの攻撃を受けたグリムのマシンは横転し、ジョーは、その場を離れたグリムに車体をぶつけて殺す。

視聴者は4600万人となり、ヘネシーは笑みを漏らす。

ナパームやオイル攻撃装置が作動しないことをケースから知らされたジェンセンは、激しく銃撃してくるコルトのマシンをナパームで撃破する。

並走するパチェンコの仕草が、スージーを殺した男と同じだったため、彼が犯人だと確信したジェンセンは油断してしまう。

ジョーに衝突されたジェンセンは、ステージ1を終える。

マシンの整備を始めたコーチは、オイルは問題なかったとガナーに言われる。

ヘネシーに呼ばれたジェンセンは翌日の出走を拒むが、里子に出される娘パイパーの写真を見せられる。

レースを続けることを強要されたジェンセンは、妻を殺した男が所内にいると言って、問い詰めれば問題になるとヘネシーに伝える。

しかし、パイパーのことを考えたジェンセンは、写真を手にしてその場を去る。

写真を見つめるジェンセンは、目がそっくりだとコーチに言われ、母親似だと伝える。

囚人番号がないコーチにその理由を尋ねたジェンセンは、囚人ではないからだと答える彼から、シャバに出るのが怖いと言われる。

妻を殺したと言うジェンセンに、そんな男でないことは分かると伝えたコーチは、娘を見る目で判断できると語る。

ヘネシーが妻を殺し、自分をフランケンシュタインにするために仕組んだと伝えたジェンセンは、それも嘘だと思うかとコーチに問う。

ジェンセンは、悪だった自分を変えてくれた妻をヘネシーが殺したと話す。

その夜、見かけたパチェンコを追ったジェンセンンは、仲間達に襲われて捕えられる。

パチェンコに殴られ殺されそうになったジェンセンだったが、リストが加勢する。

反撃したジェンセンはパチェンコを叩きのめし、命乞いする彼に、ヘネシーとウーリックの命令で妻を殺したことを白状させる。

パチェンコを殺そうとしたジェンセンだったが、ウーリックに制止される。

ステージ2。
視聴者が5000万人を突破したレースはスタートし、最後尾のジェンセンはスピードを上げない。

フランケンシュタインを勝たせないようにしたとケースに認めさせたジェンセンは、釈放を条件に、武器を使えないようにしたことを聞き出す。

レースを続けさせるためのヘネシーの考えだと、ジェンセンはケースから知らされる。

スピードを上げたジェンセンは、パチェンコのマシンを横転させて、次はヘネシーだと言って彼を殺す。

ヘネシーは、密かに製造した巨大マシンを出走させ、攻撃を始めて14Kら3台は大破する。

ジョーに協力を求めたジェンセンは、巨大マシンを破壊してステージ2は終わる。

その後、マシンを整備していたジェンセンは、自分がフランケンシュタインであることをジョーに疑われる。

今後の展開をウーリックに尋ねられたヘネシーは、ジェンセンは殺すが、フランケンシュタインは生き続けると答える。

ステージ3。
ヘネシーの指示を受けたウーリックは、プラスチック爆弾”C4”をジェンセンのマシンに仕掛ける。

ガナーとリストに予備の燃料を積載させたジェンセンは、ジョーのピットに向かい、フランケンシュタインが話たがっていることを伝える。

視聴者は7000万人を突破し、フランケンシュタインとジョーの一騎打ちを待つ。

ジェンセンに釈放許可証を渡したヘネシーは、あとは生きて帰ってくるようにと伝える。

勝ってもフランケンシュタインとして残ってもらいたいと伝えたヘネシーは、釈放されて娘と暮らし、いい父親になる資格があるかをジェンセンに問う。

相応しいレースの世界で生きることが、娘に対しての愛につながると言うヘネシーは、よく考えるようにとジェンセンに伝えてその場を去る。

絶対に勝たせるなとヘネシーから指示されたと言うケースと共に、ジェンセンはレースに挑む。

スタート直後からヘネシーの妨害に遭うジェンセンは、ジョーから激しい攻撃を受ける。

防御鉄板”墓石”を外したジェンセンだったが、ジョーはそれを避ける。

爆破の準備をさせたヘネシーだったが、ジョーに壁を破壊させたジェンセンは、刑務所を脱出して橋に向かう。

焦るヘネシーは、中継を中止させる。

打ち合わせ通りになったジェンセンとジョーは、パトカーに追われるものの余裕を見せる。

爆弾のスイッチを入れたヘネシーだったが、それはコーチらによって外されていた。

憤慨するヘネシーはヘリコプターを手配し、補助燃料を外したジェンセンは、追跡してくるパトカーを撃破する。

最後の検問を突破したジェンセンは、マシンをケースに任せて飛び降りる。

ヘリコプターの攻撃を受けてマシンを止めたケースは、フランケンシュタインのマスクを被り車外に出る。

ジェンセンとジョーはその場から離れ、貨物列車に飛び乗った二人は、ヘネシーを殺せなかったことを悔しがる。

視聴率が最高だったことをウーリックから知らされたヘネシーは、贈り物を受け取る。

それを開けたヘネシーは爆弾だと気づき、コーチがスイッチを入れて爆破する。

半年後、メキシコサンタロサリア
真面目に働こうとしていたジェンセンとジョーは、暴走車で現れたケースを迎える。

ジェンセンは、釈放に手間取ったと言うケースにパイパーを紹介する。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
2012年。
アメリカ経済は崩壊して失業率は最高となり、犯罪が多発し刑務所の収容能力は限界に達し、民間企業が営利目的で運営していた。
ターミナル島刑務所の所長ヘネシーは、最強のレーサー、フランケンシュタインの人気を利用して”デス・レース”を開催し、莫大な利益を得ていた。
しかし、フランケンシュタインが事故死してしまったため、ヘネシーは、元レーサーの労働者ジェンセン・エイムズの妻を殺し、彼を逮捕して刑務所に入れる。
ヘネシーに呼ばれたジェンセンは、フランケンシュタインに成り代わりレースに出場し、勝利すれば釈放されると言われる。
仕方なくそれを承知したジェンセンは、コーチらピット・クルーと共にレースに挑み、レライバルのマシンガン・ジョーらと戦うことになるのだが・・・。
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オリジナルの「デス・レース2000年」同様ロジャー・コーマンが製作を担当し、33年振りのリメイク作品として注目され、ビデオ映画として続編が2作製作された。

製作、脚本を兼ねたポール・W・S・アンダーソンの、スタイリッシュでシャープな演出も光る快作に仕上がっている。

リメイクということにはなっているが、登場人物の名前が同じ以外は、全く違う作品と言っていい内容で、旧作を意識する必要はない。

どちらかと言えば「マッドマックス」(1979)と「ワイルド・スピード」(2001)をミックスさせたような雰囲気の作品で、残虐極まりない激しいレースの映像は凄まじい迫力だ。

妻を殺された主人公の復讐劇と仲間達やライバルとの友情なども描く、どこか古風な単純明快な内容もいい。

見事な肉体も披露する主演のジェイソン・ステイサムは、独得の雰囲気で男臭い主人公を魅力的に演じている。

主人公を利用する、独裁者的な刑務所長を演ずるジョアン・アレン、主人公をサポートするピット・クルーを味のある演技で演ずるイアン・マクシェーン、主人公のマシンに同乗するナビゲーターのナタリー・マルティネス、主人公のライバルではあったが、協力して脱獄し友情が芽生えるタイリース・ギブソン、看守長のジェイソン・クラーク、主人公の妻を殺したライバル、マックス・ライアン、主人公のピット・クルー、ジェイコブ・バルガスフレデリック・コーラー、レースに参加する囚人ロバート・ラサードロビン・ショウ、ジャスティン・メイダー、主人公の妻ジャナヤ・スティーヴィンス、そして、オリジナル作品でも主演したデヴィッド・キャラダインが声のみで出演している。


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