アンソニー・ギルバートの原作を基にした、1945年公開の”My Name Is Julia Ross”のリメイク。 ある陰謀に巻き込まれた女優の恐怖体験を描くアーサー・ペン演出のサスペンス。 主演メアリー・スティーンバージェン、ロディ・マクドウォール、ヤン・ルーベス他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アーサー・ペン
製作
ジョン・ブルームガーデン
マーク・シュミューガー
原作:アンソニー・ギルバート
脚本
マーク・シュミューガー
マーク・マローン
撮影:ジャン・ウェインク
編集:リック・シェイン
音楽:リチャード・アインホーン
出演
ジュリー・ローズ/ケイティ・マクガヴァン/イヴリン:メアリー・スティーンバージェン
マーレー:ロディ・マクドウォール
ジョセフ・ルイス:ヤン・ルーベス
ロブ・スウィーニー:ウィリアム・ラス
ローランド・マクガヴァン:マーク・マローン
マラヴィー:ケン・ポーグ
ハントリー:ウェイン・ロブソン
アメリカ 映画
配給 MGM
1987年製作 100分
公開
北米:1987年2月6日
日本:1987年10月31日
北米興行収入 $2,413,430
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューイヤーズ・イヴ、ニューヨーク郊外。
ある駅のコインロッカーから、鞄を取り出した女性(メアリー・スティーンバージェン)は車で走り去る。
待ち合わせ場所で、鞄を渡す相手に連絡を入れた女性は車に戻るが、後部席に忍び込んでいた男に絞殺され、左手の指を切断される。
ニューヨーク。
売れない女優ケイティ・マクガヴァン(メアリー・スティーンバージェン)は、夫ロブ・スウィーニー(ウィリアム・ラス)と彼女の弟のローランド(マーク・マローン)と暮らしていた。
女優募集広告を見たケイティはオーディションに向かい、彼女を一目で気に入ったマーレー(ロディ・マクドウォール)は、主演が降りたための代役であることなどを説明して契約する。 その後ケイティは、今回の仕事に反対する、足を骨折しているロブを残し、撮影のため、迎えに来たマーレーと共に、製作者で、引退した医師ジョセフ・ルイス(ヤン・ルーベス)の屋敷に向かう。 車いす生活のルイスに歓迎されたケイティは、ロブに電話をしようとするが、悪天候のために不通だった。 ケイティは、役を降りた女優ジュリー・ローズ(メアリー・スティーンバージェン)の写真を見せられ、自分と姉妹のように似ていることを知る。 翌日、吹雪のために外出できず、精神科医ルイスの患者だったというマーレーと共に、ケイティは役作りの準備を始める。 カメラ・テストを兼ねたビデオ撮りを済ませたケイティは、ルイスとマーレーにOKを出されて満足する。 マーレーは、ケイティのビデオをある屋敷の戸口に届け、それを見た女主人は、これが、彼女が生きている証拠だというルイスのメッセージも確認する。 翌日、ジュリーの亡くなった写真を見つけたケイティは、そのことでルイスを問い詰める。 ルイスは、初めての大役の重責で、精神に異常をきたしたジュリーが自殺したことをケイティに伝える。 一方、ケイティから連絡もないロブは、知らされた電話番号が存在しないことを知る。 悪天候とは言え、ケイティは、一向に撮影を始める気配のないルイスとマーレーに不審感を抱く。 ケイティは、電話線を切られ免許証やIDも紛失していることに気づき、屋敷から脱出することを考える。 吹雪の中、何んとか外に出たケイティだったが、マーレーに見つかり屋敷に連れ戻される。 電話線と免許証のことなどを、ルイスに追求するケイティだったが、彼は白を切る。 ルイスは、ケイティが役に適さないと判断し、翌日、彼女を家に送ることを伝える。 睡眠薬を飲まされたケイティは、部屋に戻り眠ってしまい、その後、マーレーが部屋に侵入する。 翌朝、目覚めたケイティは、左手の薬指が切断されていることに気づき、取り乱してしまう。 ケイティは、鏡の裏に出入り口があることを知り、屋根裏部屋にあった電話でロブに連絡して助けを求める。 居場所は分からなかったが、途中、寄ったガソリンスタンドのことなどをロブに伝えたケイティは、警察に連絡するものの、その場でジュリーの死体を見つけてしまう。 そこにマーレーが現れ、その後ケイティは、ルイスに指の切断部を治療される。 ジュリーの姉は、財産目当てで結婚した夫を殺し、犯行を目撃したジュリーは姿を消した。 それが原因で精神不安定になり、患者としてルイスの元に現れたジュリーに、彼は治療法として、姉への復讐を勧めたのだった。 しかし姉は、駅のロッカーから鞄を運んだジュリーを殺害させ、その場に向かったマーレーが、死体を回収し、指が切断されていることに気づいた。 ケイティの演技で、姉はジュリーの生存を信じたはずであり、ルイスは、大金を手に入れる方法を考えていた。 鎮静剤を打たれたケイティだったが、そこに警官マラヴィー(ケン・ポーグ)とハントリー(ウェイン・ロブソン)が現れ、彼女は監禁されていることを二人に伝える。 ルイスは、ケイティが自分の患者だと言って、正気でないことを警官に伝えるが、彼女は、ジュリーの死体が屋根裏部屋にあることを知らせる。 ハントリーは、一応、それを調べることになり、マーレーに案内されて屋根裏部屋に向かうが、異常はなかった。 意識が朦朧とするケイティは、ルイスの指示で部屋に閉じ込められるのだが、ベッドにはジュリーの死体が横たわっていた。 マラヴィーとハントリーは、ケイティの叫び声を聞くが、彼女が異常者だというルイスの言葉を信じてその場を去る。 その頃、ギプスを外したロブは、ローランドと共に、見当をつけてケイティの向かった場所を探そうとする。 その後、ジュリーの姉であるイヴリン(メアリー・スティーンバージェン)が屋敷に現れ、妹の生存を確認する。 イヴリンは、ルイスに現金を要求されて、コイン・ロッカーの鍵を渡す。 意識の戻ったケイティは、窓から脱出したように見せかけて、ルイスとマーレーが外に出た隙に、その場から逃れようとする。 イヴリンに気づかれたケイティは、自分がジュリーでないことを伝えるが、ナイフで襲われる。 屋敷に戻ったルイスは、イヴリンがジュリーを捜そうとしたため、マーレーに案内させる。 イヴリンを殺し彼女に扮していたケイティは、マーレーをナイフで刺殺してルイスの元に戻る。 ルイスは、イヴリンがケイティだと気づき、暖炉の火かき棒を杖にして、二階に逃げた彼女を追う。 屋根裏部屋に向かったルイスは、隠れていたケイティに背中を刺され、熊の罠に足を挟まれて倒れ込み息絶える。 そこに、居場所を突き止めたロブが警官と共に現れ、ケイティを救い出す。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
売れない女優のケイティ・マクガヴァンは、ある映画の主演女優の代役を探すオーディションを受ける。
担当したマーレーは一目でケイティを気に入り、撮影のために、彼女を製作者である引退した精神科医ルイスの屋敷に連れて行く。
ケイティは、主演を降りた女優が自分に似ていることに驚きながら、撮影の準備を始める。
カメラ・テストを終えたケイティは、一向に撮影を始める気配のいないルイスとマーレーを不審に思い始める・・・。
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作品数は多くはないが、着実に世に送り出し続けていたアーサー・ペンの演出が注目の作品。
冒頭の殺人で、いきなり主演のメアリー・スティーンバージェンが殺されてしまうショッキングな展開が、謎を深めていきながら物語は進み、彼女が、どのようにして三役をこなすのかなどがなかなか興味深い。
その三役それぞれを、微妙に雰囲気を変えて演ずる、美貌だけでない実力派メアリー・スティーンバージェンの熱演は見ものだ。
地味な作品ではあるが、犯行の動機や陰謀の全容が解明されながら、終盤にかけての盛り上がりは見応えある。
精神科医ヤン・ルーベスと共に、主人公を罠にはめるロディ・マクドウォール、主人公の夫ウィリアム・ラス、弟マーク・マローン、警官のケン・ポーグとウェイン・ロブソンなどが共演している。