アントン・チェーホフの戯曲”かもめ”から発想を得た湖畔の家に集う家族と知人の関係を描く、監督、脚本、出演クリスチャン・カマルゴ、出演ケイティ・ホームズ、ウィリアム・ハート、アリソン・ジャネイ、ジャン・レノ、ベン・ウィショー他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ウィリアム・ハート / William Hurt / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:クリスチャン・カマルゴ
製作
ジュリエット・ライランス
バーバラ・ローマー
脚本:クリスチャン・カマルゴ
撮影:スティーヴ・コーセンス
編集
ロン・デューリン
サラ・フラック
音楽:クレア・ヴァン・カンペン
出演
アレックス:ケイティ・ホームズ
ハーブ:ウィリアム・ハート
エリザベス:アリソン・ジャネイ
メアリー:チェリー・ジョーンズ
ビッグ・ジム:ラッセル・ミーンズ
ヨハン:ミカエル・ニクヴィスト
ルイ:ジャン・レノ
エヴァ:ジュリエット・ライランス
スティーヴン:マーク・ライランス
エリック:ベン・ウィショー
ピーター:クリスチャン・カマルゴ
アメリカ 映画
配給 IFC Films
2013年製作 91分
公開
北米:2014年9月26日
日本:未公開
北米興行収入 $13,240
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1984年5月、戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)の週末。
女優のエリザベス(アリソン・ジャネイ)は、恋人のピーター(クリスチャン・カマルゴ)と共に電車で故郷のニューイングランドに向かう。
主演の舞台が中止になり、出演映画にも起用されなくなったエリザベスと語り合う気のないピーターは、彼女の故郷の話しにはうんざりしていた。
駅で下車したエリザベスとピーターは、迎えに来たヨハン(ミカエル・ニクヴィスト)の車で実家に向かう。
エリザベスの息子エリック(ベン・ウィショー)は、自分にとっての”女神/ミューズ”であるエヴァ(ジュリエット・ライランス)と、皆に披露するショーの準備をしていた。
病気の兄ハーブ(ウィリアム・ハート)の世話をするヨハンと妻メアリー(チェリー・ジョーンズ)に歓迎されたエリザベスとピーターは、家に入ろうとする。 エリザベスを驚かせようとしたハーブは、入り口の横に隠れていたのだが、ヨハンがドアを勢いよく開けたために、鼻を打ってしまう。 そこに現れた主治医のルイ(ジャン・レノ)がドアを開けたため、再び鼻を打ったハーブは鼻血が出てしまう。 娘のアレックス(ケイティ・ホームズ)と夫のスティーヴン(マーク・ライランス)にも声をかけたエリザベスは、ピーターを紹介する。 エリザベスは、スティーヴンが湖一帯の野鳥保護活動をしていることをピーターに伝える。 ハーブはルイに治療してもらい、その後、家族達は食卓に着く。 ピーターから仕事の内容を訊かれたスティーヴンは、野鳥の監視員であることなどを話す。 エリックは、使用人のビッグ・ジム(ラッセル・ミーンズ)から、母エリザベスが来ていると言われる。 食卓に現れたエリックはエリザベスに挨拶して、ハーブと共に奥の部屋で舞台の準備をする。 メアリーのネグリジェで食卓に現れたエヴァは恥をかいてしまい、慌ててエリックの元に向かう。 エリックとエヴァは、ハーブと共に森の中の舞台に向かう。 家族達を前にしてショーは始り、エヴァの独演を見守っていたエリックは、突然、取り乱してスクリーンを破り姿を消してしまう。 翌日、エリザベスらは、湖畔で退屈な時間を過ごしていた。 巣を見に行く時間になったスティーヴンは、アレックスがいないために一人で出かけようとする。 ヨハンと共に猟をするつもりのエリックが銃を持って現れたため、スティーヴンは、銃を撃つのは禁止だと伝える。 エヴァに意味不明な話しをしたエリックは、その場を去る。 荷車に乗り子供達に押してもらいながら現れたハーブは、そのまま勢いをつけて湖に落ちてしまい、エリザベスが彼を助ける。 ピーターと話していたエヴァは、水から上がり岩にいたエリザベスに監視されていると言われ、彼女が怖いと伝えて家に戻る。 鷲の巣に向かったスティーヴンは、卵があることを確認して手入れをする。 エリックは、銃のスコープでスティーヴンやエリザベスを観察する。 エヴァに気があるようなピーターをからかったエリザベスは、それを制止する彼を殴ってしまう。 ピーターはその場を去り、その様子をルイが見つめる。 テラスに出たルイは、その場にいたエヴァから、この地を去るためエリックに渡してほしいと言われてメモを預かる。 釣りをしているピーターに話しかけたエリザベスは、今日、帰ると言っても返事をしない彼に怒鳴り声をあげる。 ピーターに釣りを教えるようにとエヴァに指示したエリザベスは、ルイから火遊びは危険だと言われるが、心配無用だと答える。 ハーブの病状をルイに尋ねたエリザベスは、深刻な状態だと言われ、週末が終わるまで秘密にする約束だったことを知る。 余命1年か数か月、あるいは1カ月かも知れないと言われたエリザベスは悲しみ、動揺してその場を去る。 そんな二人の深刻な話も知らずに、ハーブは、音楽をかけて陽気に踊る。 ピーターと森を歩くエヴァは、自分の望みを訊かれ、ここを出ることだが、資金や病気の伯母がいるために無理だと答える。 自分自身を理解できていると言うピーターにキスされたエヴァは、ここを去る時に連れて行ってほしいと伝える。 了解したと言うピーターは、約束するとエヴァに伝えてその場を去る。 巣にいたエリックは、戻って来た鷲に威嚇されて地面に落下してしまう。 驚いたエリックは、襲い掛かって来た鷲を撃ってしまう。 それに気づいたヨハンが駆けつけるが、事故だと言って動揺するエリックは鷲を持ち去る。 銃声を聴いたスティーヴンは、猟は禁止されているため警察に通報しようとする。 どうでもいいことだと言うアレックスは、スティーヴンの鷲を撃ち殺したことを、エリックがルイやエリザベスに話している会話を聴いてしまう。 それを知ったスティーヴンが森に向かったため、アレックスは、子供をメアリーに預けて彼を追う。 巣を確かめたスティーヴンはショックを受け、声をかけるアレックスに何も答えない。 森の中でエヴァに出くわしたエリックは、彼女の足元に鷲を置いて立ち去る。 食事の時間になり、酔ったエリックは席に座った皆に、事故だったと伝える。 公平な裁きを受ける権利があると言うエリックは、ハーブを裁判長に、ヨハンを弁護人にして裁判を始める。 エリザベスにバカげていると言われながらも、ハーブは喜んでその役を引き受ける。 エリザベスとルイに制止されたハーブは、突然うずくまって倒れてしまい発作を起こす。 落ち着いたハーブに寄り添うエリザベスは、病気のことについて話し、”愛している、傍にいる”と言うように指示される。 それに従ったエリザベスに、それだけで満足だとハーブは伝える。 エリックの台本を見ていたピーターは、泳ぎに行くつもりのエリザベスから、明日帰ると言われる。 湖に入ったエリザベスは、夜空の星を見つめる。 鷲の卵が孵化しそうなことに気づいたアレックスは、閉じ篭っていたスティーヴンにそれを知らせる。 アレックスと卵を見守っていたスティーヴンは、再びエリックが銃を手にしたために、彼に襲いかかって殴り倒す。 ヨハンが鎮静薬弾を撃ちスティーヴンに命中させて、彼は家に運ばれる。 エリックを立たせて支えるエリザベスは家に向い、近づいて来たルイにスティーヴンを診るよう指示する。 スティーヴンをソファーに寝かせたヨハンは、彼の顔を平手打ちして目覚めさせようとする。 牛の鎮静剤を使ったとヨハンから言われたルイは、傷口を消毒しようとする。 卵が孵化したことに気づいたメアリーは、それをアレックスに知らせてビデオカメラで撮影する。 雛に水をやろうとしたメアリーは、意識が戻ったスティーヴンからダメだと言われ、アレックスが、与えるものは冷蔵庫の中にあると伝える。 エリックの傷の手当てをするエリザベスは、エヴァの両親から電話があり、彼女が帰って来ないと言われたことを伝える。 ピーターは明日、自分が連れて帰るので、エヴァは戻ってくるとエリックに伝えたエリザベスは、謝罪するはずだと言って息子を慰める。 エリックは、エヴァのメモをコップの水の中に入れる。 ヨハンからトラックを借りたピーターは、事故を起こしてしまう。 3年後。 思い詰めるピーターは席を外し、エリザベスは、エイブと一緒に暮らすつもりのかをスティーヴンに尋ねる。 スティーヴンは、保護区の訓練センターでエイブを飼育し、暫く様子を見て放すと答える。 エヴァが現れたことに気づいたエリックは席を立ち、彼女を家に入れて二人で話す。 別れを言おうとした日に皆が集まり、突然、姿を消したピーターまでいるために動揺するエヴァは、自分の家族も引っ越したことをエリックに話す。 付近一帯を誰かが購入しようと考えていることを話したエヴァは、有名になったエリックにその気分を訊く。 この場から逃げる計画が失敗だったことを伝えたエヴァは、自分は大丈夫だが恋しいとエリックに伝えて立ち去る。 エヴァを追ったエリックは、彼女を見つけることができなかった。 ハーブを都会に連れて行くことを皆に話すエリザベスは、新しい家のオーナーもよい人のようで、開発ブームであることも希望が持てると伝える。 その時、銃声が聴こえ、猟師だと言うヨハンは追い払うとする。 ルイも付いて行き、ハーブと二人になったエリザベスは、何か気に障ることを言ったかを考える。 愛しているとハーブに言われたエリザベスは、自分のセリフだと伝えて、外の様子を見に行く。 エリックが自殺したことを知ったヨハンとルイはショックを受け、その場に現れ、それを察したエリザベスは取り乱し、メアリーが彼女に駆け寄る。 食卓でたたずむハーブは、鷲の生態を語りながら、窓を開けて風を入れるようにとビッグ・ジムに指示する。 エイブに語りかけたビッグ・ジムは入り口を開けて、車いすを押しハーブを奥の部屋に連れて行く。
...全てを見る(結末あり)
車椅子生活のハーブを囲む家族達は食卓に着き、ピーターに声をかけるスティーヴンは、成長した鷲エイブを見せる。
*(簡略ストー リー)
1984年5月、戦没将兵追悼記念日(メモリアルデー)の週末。
女優のエリザベスは、恋人のピーターと共に故郷のニューイングランドに向かう。
病気療養中の兄ハーブらに迎えられたエリザベスとピーターは、家族や知人と共に食卓を囲む。
その後、森の中の舞台で、エリザベスの息子エリックが演出したショーが始まる。
ところが、エヴァの演ずるショーが思い通りに進行できないエリックは取り乱し、それは中止になる。
難解な内容は理解去れず、苦悩するエリックは、やがて奇行に走ってしまう・・・。
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アントン・チェーホフの戯曲”かもめ”をモチーフにした群像劇タッチのドラマで、俳優として活躍するクリスチャン・カマルゴが、演出と脚本、そして出演を兼ねた意欲作。
クリスチャン・カマルゴの妻ジュリエット・ライランスが、彼に裏切られてしまう女性役で、彼女の義父マーク・ライランスがケイティ・ホームズの夫である野鳥の監視員役で共演している。
嫉妬や憎悪、期待や裏切り、そして絶望など、様々な思いが織り成す、湖畔の家に集う人々の考えが交錯する心理的愛憎劇。
主演が誰とは特定できない作品で、実績的に言えば重病の家長を演ずるウィリアム・ハートなのだが、彼は脇で共演者を見守る役に徹している。
嫉妬深い女優のアリソン・ジャネイ、その恋人であるクリスチャン・カマルゴ、エリザベス(アリソン・ジャネイ)の娘ケイティ・ホームズ、その夫で野鳥監視員のマーク・ライランス、重病の家長ウィリアム・ハートの世話をする夫婦ミカエル・ニクヴィストとチェリー・ジョーンズ、家族の主治医ジャン・レノ、エリザベスの息子ベン・ウィショー、彼の”女神/ミューズ”ジュリエット・ライランス、使用人ラッセル・ミーンズなどが共演している。