大量の車両が行き交うニューヨークの海底トンネル”ホランド・トンネル”で起きる大惨事を描く、監督ロブ・コーエン、主演シルヴェスター・スタローン、エイミー・ブレネマン、ヴィゴ・モーテンセン他共演のパニック・アクション。 |
・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロブ・コーエン
製作総指揮:ラファエラ・デ・ラウレンティス
製作
ジョン・デイビス
ジョゼフ・M・シンガー
デビッド・T ・フレンドリー
脚本:レスリー・ボーエン
撮影:デビッド・エグビー
編集:ピーター・アマンドソン
音楽:ランディ・エデルマン
主題歌:ドナ・サマー&ブルース・ロバーツ
”Whenever There Is Love”
出演
キット・ラトゥーラ:シルヴェスター・スタローン
マデリーン・トンプソン:エイミー・ブレネマン
ロイ・ノード:ヴィゴ・モーテンセン
ジョージ・タィレル:スタン・ショー
ノーマン・バセット:バリー・ニューマン
フランク・クラフト:ダン・ヘダヤ
グレース・キャロウェイ:ヴアネッサ・ベル・キャロウェイ
エレノア・トリリング:クレア・ブルーム
ロジャー・トリリング:コリン・フォックス
スティーヴン・クライトン:ジェイ・O・サンダース
サラ・クライトン:カレン・ヤング
アシュリー・クライトン:ダニエル・アンドレア・ハリス
ビンセント:セイジ・スタローン
ラトーニャ:トリナ・マクギー=デイヴィス
マイキー:レノリー・サンチャゴ
カディーム:マルセロ・セドフォード
ブーム:ジョー・アンダーソン
デニス・ウィルソン:マーク・ロルストン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1996年製作 114分
公開
北米:1996年12月6日
日本:1996年12月21日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $32,885,570
世界 $159,212,470
■ アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞
・ノミネート
音響編集賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
マンハッタンとニュージャージーを結ぶ、”ホランド・トンネル”の夕方のラッシュ時、強盗の運転する車が暴走する。
車が危険物を運んでいたトラックに衝突した結果、大爆発が起き、トンネル入口と出口が塞がれてしまい、多数の人々が閉じ込められてしまう。
ハドソン川の下を通るトンネルは崩落の危機にさらされ、煙と炎は、人々の命を容赦なく奪っていく。
元EMS(緊急医療班)のチーフで、現在はタクシー運転手のキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)は、トンネル入り口に偶然に居合わる。
交通局司令センターに向かったキットだったが、懲戒解雇になっていた彼は、局長ノーマン・バセット(バリー・ニューマン)に煙たがられる。
EMSのチーフ、デニス・ウィルソン(マーク・ロルストン)は、崩落で死亡し、その代わりを務めるフランク・ クラフト(ダン・ヘダヤ)もセンターに現れる。 トンネルを熟知していることを説明したキットは、バセットを説得し、70年前に建造された、トンネルの構造などを確認する。 トンネル内の酸素残量が3時間と分かり、キットはクラフトに決断を迫る。 そして、クラフトとバセットを説得したキットは、生存者の元に向かうことになる。 その頃、交通局員のジョージ・タィレル(スタン・ショー)は、トンネル内の生存者十数人を集め冷静に対処していた。 キットは、巨大なファンのある通風口を通り抜け、トンネルの内部にたどり着く。 生存者は、売れない戯曲家のマデリーン・トンプソン(エイミー・ブレネマン)、息子が亡くなり、愛犬だけが慰めのロジャー・トリリング(コリン・フォックス)と妻エレノア(クレア・ブルーム)、スティーヴン・クライトンジェイ・O・サンダース)と妻のサラ(カレン・ヤング)、娘アシュリー(ダニエル・アンドレア・ハリス)、刑務所に護送途中だった4人の囚人、ヴィンセント(セイジ・スタローン)、ラトーニャ(トリナ・マクギー=デイヴィス)、マイキー(レノリー・サンチャゴ)、カディーム(マルセロ・セドフォード)だけだった。 キットは、反対方向車線側のトンネル通路に向かうが、既に通路に向かっていたCMタレントのロイ・ノード(ヴィゴ・モーテンセン)が瓦礫の下敷きになり、爆破が起きてカディームも命を落とす。 センターのバセットも横断通路の崩壊を確認するが、浸水も始まってしまう。 クライトンと妻サラは、キットのスキャンダルを思い出し、その場を指揮しようとする彼に疑いを抱く。 しかし、キットは現状を説明して、マデリーンの協力で爆薬を仕掛け、トンネルの天井を崩落させて水を堰き止める。 土木局の権限で始まった掘削作業により、トンネル内と外気の圧力バランスが崩れ始め、トンネル崩落の危機が迫る。 その時、ジョージが道路の陥没で車に挟まれてしまい、生存者全員で彼を助け出す。 ジョージの負傷で落ち込むキットは、ビル崩壊事故で部下を死なせた責任を、今でも心の重荷として抱えている胸の内をマデリーンに話す。 行き場のなくなった生存者だったが、キットはジョージからトンネル建設当時に残された、宿舎への入り口を聞き出し、その場所を確認する。 キットは生存者をそこに避難させようとするが、首の骨が折れて、連れて行くことが不可能なジョージを励ます。 ジョージは覚悟を決め、交通局の恋人グレース・キャロウェイ(ヴアネッサ・ベル・キャロウェイ)に、ブレスレットを渡すように伝え、キットにそれを預ける。 そしてジョージは、”闇から出て、デイライト(陽光)を目指せ”とキットを激励して彼に別れを告げる。 キットは、仕方なくジョージを置いていくが、たどり着いた宿舎にも浸水が始まる。 現れたネズミの行き場所で、出口があることを確信したキットだったが、エレノアが愛犬がいなくなったショックと体温低下で死亡する。 礼拝堂の裏側に通路を見つけた一行は、崩落と浸水が迫る通路から脱出しようとする。 そこにロジャーの愛犬が現れ、それを助けたキットとマデリーンが取り残されてしまう。 キットとマデリーンは元の場所に戻り、天井を爆破してその圧力で脱出しようとする。 一行は無事に脱出して救出されるが、ジョージが戻らないことを知ったグレースは悲しみを堪える。 キットは、トンネルの天井に爆薬を仕掛け、マデリーンを励ましながら導火線に点火する。 爆破は成功し、その圧力でキットとマデリーンはハドソン川の水面に浮き上がる。 2人は救助され、EMSのクラフトは、キットにチーフ・ジャケットを渡す。 そしてキットは、グレースにジョージのブレスレットを渡し、マデリーンと共に病院に向かう。
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*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
マンハッタンとニュージャージーを結ぶ”ホランド・トンネル”内で、暴走車による事故が発生し、爆発が起きて多くの死傷者を出す。
トンネル入り口に居合わせた元EMS(緊急医療班)のチーフであった、現在はタクシー運転の手キット・ラトゥーラは、大惨事を前に何とか手助けをしようと考える。
交通局司令センターに向かったキットは、局長のバセットと元同僚のクラフトを説得し生存者を救出するため、トンネル内に向かう。
キットは、巨大なファンのある通風口を通り抜けて現場にたどり着く。
十数人の生存者と共にキットは、崩落と浸水の始まりつつあるトンネルで行き場を失い、犠牲者を出しながらも、脱出の方法を考えるのだが・・・。
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トンネルの事故現場のセット、爆発や崩落、浸水など、迫力ある映像は十分楽しめるものの、後半からクライマックスは、主人公が生き延びること以外は、パニック映画の傑作「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)の筋立てや登場人物とだぶり、よく言えばオマージュ作品とも言える。
全世界興行収入は約1億6000万ドルに迫ったものの、北米では約3300万ドルに留まり、熱演のシルヴェスター・スタローンはラジー賞にノミネートされてしまう結果になった。
第69回アカデミー賞では、音響編集賞にノミネートされた。
エンドロールで流れるのは、ドナ・サマー&ブルース・ロバーツによるのテーマ曲”Whenever There Is Love”。
シルヴェスター・スタローンは、3年前「クリフハンガー」(1993)以外、今一パッとしない作品が続き、意気込んで出演した割には評価は低く、アクションではない翌年公開の「コップランド」(1997)の地味な保安官役の方が受け入れられるという皮肉な結果になった。
共演者の中では「ロッキー」(1976)にも出演したスタン・ショーがいい役を演じ、スタローンとの別れのシーンは涙を誘う。
売れない戯曲家で、何もかもうまくいかずに大惨事にまで巻き込まれてしまうエイミー・ブレネマン、脇役ながら目立つ役柄CMタレントのヴィゴ・モーテンセン、交通局長のバリー・ニューマン、EMSチーフのダン・ヘダヤ、恋人(S・ショー)を亡くす交通局員ヴアネッサ・ベル・キャロウェイ、愛犬が行方不明になりショックで亡くなる、懐かしい顔「ライムライト」(1952)のクレア・ブルーム、その夫コリン・フォックス、主人公と対立するが、最後には生存者を引きつれて地上に生還するジェイ・O・サンダース、その妻のカレン・ヤング、娘のダニエル・アンドレア・ハリス、スタローンの息子である囚人セイジ・スタローン、トリナ・マクギー=デイヴィス、レノリー・サンチャゴ、マルセロ・セドフォードなど、多彩な出演者が脇を固めている。
また、個性派マーク・ロルストンも崩落で亡くなるEMSのチーフ役で出演している。