両親を亡くし心に傷を負いながら犯罪に巻き込まれる女性の苦悩を描く、監督アンドレ・ド・トス、主演マール・オベロン、フランチョット・トーン、トーマス・ミッチェル、フェイ・ベインター他共演のフィルム・ノワール。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドレ・ド・トス
製作:ベネディクト・E・ボジャース
原作
”Dark Waters”
フランク・コックレル
マリアン・コックレル
脚本
マリアン・コックレル
ジョーン・ハリソン
アーサー・T・ホーマン
撮影
ジョン・J・メスコール
アーチー・スタウト
編集:ジェームズ・スミス
音楽:ミクロス・ローザ
出演
レスリー・カルヴィン:マール・オベロン
ジョージ・グローヴァー医師:フランチョット・トーン
シドニー:トーマス・ミッチェル
エミリー・ラモント:フェイ・ベインター
クリーブ:エリシャ・クックJr.
ノーバート・ラモント:ジョン・クォーレン
ピアソン・ジャクソン:レックス・イングラム
フロレラ:ニーナ・メイ・マッキニー
ブードロー夫人:オデット・マーティル
ブードロー:ユージン・ボーデン
医師:アラン・ネイピア
オフィス管理人:リー・ウィッパー(クレジットなし)
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1944年製作 90分
公開
北米:1944年11月21日
日本:未公開
製作費 $800,000
■ ストーリー ■
ドイツ軍の潜水艦に沈められた船の生存者レスリー・カルヴィン(マール・オベロン)は、ニューオーリンズに到着する。
レスリーの父親で石油業者のフィリップとその妻は、沈没により死亡したが、レスリーは救出されたのだった。
ショックを受けたレスリーは、医師(アラン・ネイピア)に、ニューヨークに住む、会ったことがない伯父ノーバート・ラモントがいることを伝える。
しばらくしてルイジアナのベルヴィルから手紙が届き、それが、その場に移り住んだノーバートの妻である伯母のエミリーからだと知ったレスリーは、一緒に暮らしたいという内容だったために喜ぶ。
回復して旅立ったレスリーはベルヴィルに到着するが、エミリーとノーバートが迎えに来ていなかったために戸惑う。
駅で待つレスリーは暑さで気を失ってしまい、ジョージ・グローヴァー医師(フランチョット・トーン)が駆け付けて診察し、彼女を診療所に連れて行く。
レスリーは、両親を亡くしたことによる孤独で怖くなり、会ったこともない伯父夫婦のことを考えると不安だったとジョージに話す。
親切なジョージは、レスリーを車でラモント家の農園に連れて行く。
屋敷で暮らすシドニー(トーマス・ミッチェル)に迎えられたジョージは、エミリーの姪レスリーを彼に紹介する。
レスリーは、電報を送ったことや、伯母夫婦が迎えに来なかったことなどを気にしながら、初めて会うエミリー(フェイ・ベインター)に歓迎され、ジョージを紹介する。
電報を受け取っていなかったエミリーは、夫のノーバート(ジョン・クォーレン)をレスリーとジョージに紹介する。
電話があることに気づいたレスリーは、ラモント家の番号が電話帳に記載されていなかったことや、それを手紙に書いていなかったことなどを不思議に思いながら、用事があるために戻るジョージに感謝して別れる。
ジョージは、仕事に戻ったノーバートとは話しができなかったため、シドニーに、大変な目に遭ったレスリーが、精神的に不安定なことを伝えて、その場を去るのだが・・・。
■ 解説 評価 感想 ■
サタデー・イブニング・ポストに連載された、フランク・コックレルとマリアン・コックレルによる”Dark Waters”を基に製作された作品。
ハンガリー出身のアンドレ・ド・トスが監督し、主演はマール・オベロン、フランチョット・トーン、トーマス・ミッチェル、フェイ・ベインターなどが共演した作品。
両親を亡くし心に傷を負いながら犯罪に巻き込まれる女性の苦悩を描くフィルム・ノワール。
心に傷を負った主人公の精神状態を繊細に描き、神秘的で陰鬱な雰囲気漂う映像と、出演者の見事な演技により重厚なドラマに仕上がっている。
ミクロス・ローザのドラマチックな音楽も印象に残る。
主演のマール・オベロンは、両親を亡くし精神的に不安定な状況で犯罪に巻き込まれる女性を好演している。
主人公と愛し合うようになり救おうとする医師フランチョット・トーン、金銭目的で主人公らを利用しようとするトーマス・ミッチェル、彼に加担する、主人公の伯母を装うフェイ・ベインター、その夫ジョン・クォーレン、同じく仲間のエリシャ・クックJr.、主人公に危険を知らせる農園の使用人レックス・イングラム、屋敷の使用人ニーナ・メイ・マッキニー、農園の隣人夫婦オデット・マーティルとユージン・ボーデン、冒頭で主人公を診る医師のアラン・ネイピア、オフィスの管理人リー・ウィッパーなどが共演している。