サイトアイコン That's Movie Talk!

潜行者 Dark Passage (1947)

妻殺しの罪で服役し脱獄した男が無実を証明しようとする姿を描く、監督デルマー・デイヴィス、主演ハンフリー・ボガートローレン・バコールアグネス・ムーアヘッドブルース・ベネット他共演のフィルム・ノワール

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ハンフリー・ボガート / Humphrey Bogart / Pinterest
ローレン・バコール / Lauren Bacall / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デルマー・デイヴィス
製作:ジェリー・ウォルド
原作:デヴィッド・グーディスDark Passage
脚本:デルマー・デイヴィス
撮影:シドニー・ヒコックス
編集:デヴィッド・ワイスバート
音楽:フランツ・ワックスマン

出演
ヴィンセント・パリー:ハンフリー・ボガート
アイリーン・ジャンセン:ローレン・バコール
マッジ・ラプフ:アグネス・ムーアヘッド
ボブ:ブルース・ベネット アイリーンの恋人
サム:トム・ダンドレア タクシー運転手
ベイカー:クリフトン・ヤング 運転手
ケネディ刑事:ダグラス・ケネディ
ジョージ・フェルシンガー:ロリー・マリンソン 友人
ウォルター・コーリー医師:ハウスリー・スティーヴンソン
メアリー:メアリー・フィールド(クレジットなし)バス停
バス停の男:ジョン・アーレッジ(クレジットなし)
ヴィンセント・パリー:フランク・ウィルコックス(クレジットなし)新聞の写真

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1947年製作 106分
公開
北米:1947年9月27日
日本:1950年10月17日
製作費 $1,600,000


ストーリー
妻殺しの罪で”サン・クエンティン刑務所”に服役していたヴィンセント・パリー(ハンフリー・ボガート)は脱獄し、通りすがりの車を止めて乗せてもらう。
運転するベイカー(クリフトン・ヤング)は、ヴィンセントの様子が気になり不審に思い、ラジオのニュースで脱獄囚と確信する。
ヴィンセントはベイカーを殴り、気を失った彼を車から引きずり降ろし服などを奪う。
そこに現われたアイリーン・ジャンセン(ローレン・バコール)は、無実だと知っているので助けるとヴィンセントに伝える。
アイリーンは、話が理解できないヴィンセントを乗せて後部座席に隠し、検問を通過する。
サンフランシスコに着いたアイリーンは、ヴィンセントをアパートに連れて行く。
アイリーンが自分を助ける理由が分からないヴィンセントは、裁判中に掲載された、彼女が投書して新聞記事を見せられ、不当な扱いをうけている人を助けたかったと言われ、一応、納得する。
ヴィンセントは、アイリーンが服などを用意するために出かけた間に、訪ねて来た彼女の友人マッジ・ラプフ(アグネス・ムーアヘッド)に帰ってもらう。
ヴィンセントはドア越しにマッジと話し、帰ろうとする彼女を窓から見て、裁判で自分に不利な証言をした証人だということを確認する。
戻ったアイリーンは、妻殺しを疑われて獄中で死んだ父の記事を見たヴィンセントに、父は冤罪で、同じことが起きると思い、新聞に投書したことを話す。
アイリーンは、マッジがヴィンセントの裁判で不利な証言をしたことなどを話し、出て行くと言う彼のために準備をする。
ヴィンセントを乗せたタクシーの運転手サム(トム・ダンドレア)は、彼が脱獄囚だと気づくが、通報しようとせず、妻との関係や事件のことを聞く。
サムは、無実だと言うヴィンセントに整形外科医を紹介して、顔を変えることを勧める。
サムから医師の住所を受け取ったヴィンセントは、友人のジョージ・フェルシンガー(ロリー・マリンソン)のアパートに向かい、手術を終えた後の1週間その場に泊めてもらおうとするのだが・・・。


解説 評価 感想
1946年に発表された、デヴィッド・グーディスの小説”Dark Passage”を基に製作された作品。

ハリウッド玉手箱」(1944)などのデルマー・デイヴィスが監督し、主演はハンフリー・ボガートローレン・バコールアグネス・ムーアヘッドブルース・ベネットなどが共演した作品。
*実生活では当時、ハンフリー・ボガートローレン・バコールは夫婦だった(共演作4本)。

妻殺しの罪で服役し脱獄した男が無実を証明しようとする姿を描くフィルム・ノワール

冒頭から、主人公のハンフリー・ボガートは顔を見せずに、彼の視点の映像で物語が進行し声だけが流れる。
整形手術をすることになるための演出であり、そしてハンフリー・ボガートは、上映から37分後、手術が終わった時点で、顔に包帯を巻いた状態でようやく画面に登場し、その包帯が取れるのは62分経過した時点で、ようやく表情が映し出される。

ストーリー自体にそれほど深味はないが、上記のような”主観カメラ”手法は興味深く、ハンフリー・ボガートの控えめな演技と共に、謎が解かれていく展開は面白い。

主演のハンフリー・ボガートは、冤罪を証明するために脱獄した男を好演し、謎めいた雰囲気で登場するローレン・バコールが、主人公に協力する女性を魅力的に演じている。

ヒロインの友人で、主人公に不利な証言をした証人で、実は犯人だったアグネス・ムーアヘッド、ヒロインの男友達ブルース・ベネット、主人公に協力して整形外科医を紹介するタクシー運転手のトム・ダンドレア、脱獄した主人公を車に乗せ、後に脅迫するクリフトン・ヤング、刑事のダグラス・ケネディ、主人公の友人であるミュージシャンのロリー・マリンソン、主人公の手術をする整形外科医ハウスリー・スティーヴンソン、バスターミナルの女性メアリー・フィールド、同じく男性のジョン・アーレッジ、主人公の新聞の写真フランク・ウィルコックスなどが共演している。


モバイルバージョンを終了