火山噴火を予知した火山学者が麓の住民を救うために町長と協力して危機に立ち向かう姿を描く、監督ロジャー・ドナルドソン、主演ピアース・ブロスナン、リンダ・ハミルトン他共演のアクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロジャー・ドナルドソン
製作総指揮:イロナ・ハーツバーグ
製作
ゲイル・アン・ハード
ジョセフ・M・シンガー
脚本:レスリー・ボーエン
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
編集
コンラッド・バフ
ティナ・ハーシュ
ハワード・E・スミス
音楽
ジェームズ・ニュートン・ハワード
ジョン・フリッゼル
出演
ハリー・ドルトン:ピアース・ブロスナン
レイチェル・ワンド:リンダ・ハミルトン
ポール・ドレイファス:チャールズ・ハラハン
ローレン・ワンド:ジャミー・レニー・スミス
グレアム・ワンド:ジェレミー・フォリー
ルース:エリザベス・ホフマン
グレッグ:グラント・ヘスロヴ
テリー・ファーロング:カーク・トルートナー
スタン:ツィ・マー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1997年製作 109分
公開
北米:1997年2月7日
日本:1997年3月8日
製作費 $116,000,000
北米興行収入 $67,155,740
世界 $178,127,800
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワシントン州。
4年前に、コロンビアの火山噴火で婚約者を火山岩の直撃で亡くした、USGS(アメリカ地質調査所)の火山学者ハリー・ドルトン(ピアース・ブロスナン)は、カスケード山脈の麓の町ダンテズ・ピークに異変があったとの連絡を受ける。
ダンテズ・ピーク。
”人口2万人以下で、最も住みやすい町”の第2位に選ばれた町民はそれを祝っていた。
現地に着いたドルトンは、町長のレイチェル・ワンド(リンダ・ハミルトン)に会い、彼女の子供達グレアム(ジェレミー・フォリー)とローレン(ジャミー・レニー・スミス)を連れ、調査のために湖に向かう。
途中、レイチェルの義母ルース(エリザベス・ホフマン)の家に立ち寄ったドルトンらは、湖の調査を終えた後に温泉に向かう。 温泉が高温なのに気づいたドルトンは、そこで若い男女の死体を見つける。 ドルトンは、子供達をルースに預けたレイチェルに議会を召集させる。 火山活動について、ドルトンの説明を受けた議員達は、警報を出すか否かの表決をしようとする。 そこに、ドルトンの上司ポール・ドレイファス博士(チャールズ・ハラハン)が現れ、現時点での警報が必要でないことを議員に伝える。 調査が目的だと言われたドルトンは、ドレイファスの意見に賛成できず、警報を出すべきだと主張するが、それを却下される。 ドルトンは町を離れようとするが、政治や経済面の配慮が必要だと言う、ドレイファスの判断に従うことになる。 翌朝、混乱させたことをレイチェルに謝罪したドルトンは、ヘリコプターによる火口の調査に向かい、異常のないことを確認する。 その夜、レイチェルの自宅に招待されたドルトンは、彼女の夫が6年前に蒸発したことを知らされ、自分も、噴火の読み間違えで婚約者を亡くしたことを伝える。 ドレイファスと共に現地入りしていた観測チームは、最新の装置を使い調査を始める。 火口を調査ロボットで調べていたドルトンだったが、その不具合を直そうとしたテリー・ファーロング(カーク・トルートナー)が、落石に遭ってしまう。 ドルトンは、ヘリコプターの救援を要請してテリーを助け、活発化する火山の動きをドレイファスに伝え、再び警報を出すべきだと主張するが受け入れられない。 チームのグレッグ(グラント・ヘスロヴ)も、噴火を予知する観測データが出ていないことをドルトンに伝える。 ドレイファスは、1週間の調査結果を分析し、観測装置を残し、本部で監視することを決定する。 ドルトンに惹かれ始めていたレイチェルは別れを惜しみ、同じ気持ちだった彼と二人の夜を過ごそうとする。 しかし、水道水の異変に気づいた二人は、その水源地に向かい、噴火前の兆候を確認する。 ドレイファスを起こして納得させたドルトンは、町民に向けた警報を発令するようレイチェルに伝える。 その後、町民集会が開かれ、ドルトンが説明を始めるが、直後に、地震と共に火山の噴火が始まる。 町民はパニックとなり、町の建物は倒壊し始め、大混乱の中、ドルトンとレイチェルは子供達の元に向かう。 子供達は、山を下りようとしなかった祖母ルースの家に向かってしまい、それを知ったドルトンとレイチェルも二人を追う。 ドルトンとレイチェルは、何とかルースの家にたどり着き子供達の安全を確認する。 地震と火山灰は収まるが、ドレイファスとの通信も途絶え、家には溶岩が流れ込み、ドルトンは、ボートで湖に非難することにする。 しかし、水が酸化して金属を溶かし、ボートは沈みかけてしまう。 岸まであと一歩のところで、ルースが水に入りボートを引き寄せて重傷を負う。 翌朝、レイチェルは、不仲だったルースとお互いに謝罪し合うが、彼女は静かに息を引き取る。 州兵は到着するものの、地温が上がり山の雪が溶け、土石流が発生してダムが決壊する。 町から非難しようとした観測チームだったが、ドレイファスが土石流に飲み込まれて犠牲となる。 山小屋にあった車で、脱出を試みるドルトンだったが、道を溶岩が塞いでしまう。 固まった溶岩の上を通り抜け、町にたどり着いたドルトンらは、その惨状に驚いてしまう。 ドルトンは、調査ロボットから取り外してあった、NASAが開発した低周波発信機”E.L.F.”を車に積み込む。 その時、火山で火砕流噴火が起き、噴煙が迫る中、ドルトンは、グレアムの遊び場所がある廃坑に車を突っ込む。 ”E.L.F.”を車に忘れたドルトンはそれを取りに行くが、落盤が起きて彼は孤立してしまう。 傷を負ったドルトンだったは、何とか車にたどり着き”E.L.F.”を作動させる。 本部に戻っていた観測チームのテリーが、その信号に気づき、ドルトンは無事に救出され、ドレイファスの死を知らされる。 ドルトンは、助け出されたレイチェルや子供達と、固く抱き合う。 そして、ドルトンは、レイチェルらとフロリダで釣りをすることを約束し、ヘリコプターで町を離れる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
婚約者を火山噴火で亡くした火山学者ハリー・ドルトンは、カスケード山脈の異変を知り、麓の町ダンテズ・ピークに向かう。
現地に着き、町長レイチェル・ワンドと調査を始めたドルトンは、万一のことを考え、議会を召集して警報を発する提案をする。
町の存亡に関る事態に、議員の中には、それを渋る者がいた。
そこに、ドルトンの上司ドレイファスが調査チームを引き連れて到着し、政治や経済面の配慮が必要だと言って、彼の意見を退ける。
調査を始めたチームだったが、結果に異常はなく、尚も火山の活発化を主張するドルトンの意見は通らない。
そんな時、水道水の異変から、噴火の前兆が確認され、ドレイファスもそれに納得し、レイチェルは町に警報を発令する。
そして、町民集会の最中、ついに火山噴火は始まり、人々はパニックとなり大混乱となる。
その頃、レイチェルの子供達は、山を下りようとしない祖母の元に向かい、それを知ったドルトンとレイチェルは、子供達の後を追うのだが・・・。
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「ゴールデンアイ」(1995)で”ジェームズ・ボンド”役者になったピアース・ブロスナンが、心に傷を負う火山学者を演じ、「ターミネーター」(1984)シリーズの中心人物である”サラ・コナー”役として人気が高く、同年、子供のあったジェームズ・キャメロンと結婚するリンダ・ハミルトンとの共演が話題になった作品。
火山噴火に遭い、それに立ち向かう者の勇気などを単純に描いた内容やアイデア、ロジャー・ドナルドソンの演出にもあまり斬新さは感じないが、舞台設定が、山の麓の田舎町ということもあり、どこかのどかで古風な雰囲気に、ホッとしながらも起きる大惨事のショッキングな映像は、非常にインパクトがある。
驚くのは、1億1600万ドルをかけた製作費で、火山噴火の場面などの迫力は凄まじく、また、リアルなCG映像以外にも、精巧なミニチュア・セットも多用され、その点の手抜きのなさは、玄人受けする仕上がりにもなっている。
北米興行収入は、約6700万ドルに留まるが、全世界では約1億7800万ドルのヒットとなった。
主人公の火山学者を演ずるピアース・ブロスナンは、今見ると、公開当時より、どうしても”007”というイメージで見てしまうのが難点にも思える。
町長と母親役を演ずるリンダ・ハミルトン、その子供達ジャミー・レニー・スミスとジェレミー・フォリー、義母エリザベス・ホフマン、主人公の意見を退けるが、結局は大惨事の犠牲になる上司チャールズ・ハラハン、観測チームのグラント・ヘスロヴ、カーク・トルートナー、ツィ・マーなどが共演している。