大都会ニューヨークに滞在することになったオーストラリアの奥地に住む伝説のクロコダイル・ハンターが巻き起こす騒動とロマンスを描く、脚本、主演ポール・ホーガン、リンダ・コズラウスキー、ジョン・メイロン他共演、監督ピーター・フェイマンによる大ヒット作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・フェイマン
製作:ジョン・コーネル
脚本
ポール・ホーガン
ケン・シャディー
ジョン・コーネル
撮影:ラッセル・ボイド
編集:デビッド・スティーブン
音楽:ピーター・ベスト
出演
ポール・ホーガン:マイケル・J・“クロコダイル”ダンディー
リンダ・コズラウスキー:スー・チャールトン
ジョン・メイロン:ウォルター・ライリー
マーク・ブラム:リチャード・メイスン
マイケル・ロンバード:サム・チャールトン
レジナルド・ベルジョンソン:ガス(運転手)
オーストラリア 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1986年製作 97分
公開
オーストラリア:1986年4月26日
北米:1986年9月26日
日本:1987年2月21日
制作費 AUD 8,800,000
北米興行収入 $174,803,510
世界 $328,203,510
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・ノミネート
脚本賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨークの大手新聞社社主令嬢で、海外取材記者も勤めるスー・チャールトン(リンダ・コズラウスキー)は、オーストラリア出張中、遥か奥地でワニ退治をする、伝説の男に会うため現地に飛ぶ。
スーは、噂のワニ男マイケル(ミック)・J“クロコダイル”ダンディー(ポール・ホーガン)の相棒、現地で”ネバネバ探検社”を仕切る、ウォルター・ライリー(ジョン・メイロン)の出迎えを受ける。
町の酒場に向かったスーは、早速ウォルターからミックの大げさな武勇伝を聞かされる。
そこに、ワニの剥製と格闘しながら突然ミックが姿を現す。
ミックは一目でスーが気に入りダンスに誘い、破天荒な暴れ者だが、女に優しくユーモアもある彼を、スーも気になる存在となる。 翌日、ミックとウォルターを伴い、奥地のワニ狩りツアーに出発したスーは、途中からミックと二人で行動すると聞かされて戸惑う。 そして、ミックとスーは、ウォルターを残して、偽りの大冒険ツアーを始める。 実は、ミックにとっては大した冒険でもなかったのだが、都会人を驚かせ喜ばせようと工夫を凝らすのだった。 その夜、カンガルーの密漁をする町の男達を懲らしめたミックは、翌日、この地では、女性が一人では行動できないと、スーをからかってしまう。 気分を害したスーは単独行動を始めてしまうが、ワニに襲われそうになり、危うくミックに助けられる。 スーは、タフなニューヨーカーだと思っていた自分が、大自然の中では無力だと実感する。 アボリジニ達に溶け込む、荒っぽいが人間味があり、都会人にはないミックの魅力に、スーは徐々に惹かれていく。 やがてスーは、ミックをニューヨークに連れて行くことを思いつき、彼にそれを承諾させる。 二人を迎えに来たウォルターは、スーと関係を持てたのかとミックを冷やかす。 ウォルターは、社の費用でミックをニューヨークに連れて行くというスーの考えに合意する。 そして、ミックは、生まれて初めて飛行機に乗り、オーストラリアを離れることになる。 ニューヨーク。 空港に迎えに来た、スーの恋人リチャード・メイスン(マーク・ブラム)は、ミックの行動を見て嘲り笑う。 リムジンの運転手ガス(レジナルド・ベルジョンソン)は、助手席に座り、街の人々に気軽に声をかけるミックに驚くが、彼に親しみも感じる。 ホテルに着いたミックは、またもや驚きの連続で、夕食の約束をしたスーは、ミックを残し新聞社に向かう。 街に出たミックは、ターザンのごとく信号の支柱に登り人集りを眺め、会う人々に、気軽にオーストラリア訛りで声をかける気さくさは相変わらずだった。 その夜の夕食で、リチャードの無礼に憤慨したミックは、彼を殴りスーの機嫌を損ねてしまい、一人夜の街に繰り出す。 そして、気取らない素朴なミックは、行く先々で人気者になる。 コール・ガールとも意気投合していたミックは、ポン引きに言いがかりを付けられたため、彼を殴り倒しその場から逃げ去る。 翌日、スーの”ミック・ニューヨーク旅行記”の取材が始まり、ミックは引ったくりを難なく捕らえ、ナイフで脅してきたチンピラにも怯まず撃退する。 そんなミックを見て、スーは益々、惹かれていく。 ミックは、スーの父で、新聞社社主サム・チャールトン(マイケル・ロンバード)邸でのパーティーに招待される。 席上、リチャードがスーとの婚約を発表してしまい、出席者が祝福する中、ミックとスーの心中は複雑だった。 ミックの心境を察した、彼を好いているリムジンの運転手ガスは、ミックに酒を渡しミックの心を癒す。 失意のミックは街角でガスの車を降りるが、殴ったポン引きと仲間に襲われてしまう。 ガスの車にナイフを置き忘れてしまったミックは、危ういところを、駆けつけたガスに助けられる。 翌日、ミックは帰国する前に、アメリカを見て回る旅(ウォークアバウト)に出ようとする。 ホテルでそれを知ったスーは、慌ててミックを追う。 スーは、地下鉄のホームの雑踏で、乗車を待つミックを見つける。 ホームの人ごみの中、スーは人々の協力で自分が結婚しないことを伝える。 それがなぜかと質問するミックに、スーは愛しているからと答える。 それを聞いたミックは、雑踏を押しのけ、人々の頭上を通り、祝福されながらスーの元にたどり着き、二人は固く抱き合う。
...全てを見る(結末あり)
ミックは、見るもの全てに驚きエスカレーターの乗り方すらわからない始末だった。
参考:
・「クロコダイル・ダンディー」(1986)
・「クロコダイル・ダンディー2」(1988)
・「クロコダイル・ダンディー in L.A.」(2001)
*(簡略ストー リー)
ニューヨークの大新聞社社主令嬢で記者のスーは、オーストラリアの奥地の伝説の男、ミック”クロコダイル”ダンディーの取材に現地に向かう。
スーは、粗野だが人間味があり、逞しい野生人ミックに心惹かれるようになり、彼を、大都会ニューヨークに連れて行くことを提案する。
ミックも、スーに好意を持ち始めてそれに同意して、初めて飛行機に乗りオーストラリアを離れる。
ミックは、現地ニューヨークや人々の生活に驚くのだが、彼の飾り気のない素朴な人柄は、ニューヨーカーの心を捉える。
そして、ミックとスーも一層心が通じ合うのだが、彼女がフィアンセから求婚されてしまい、ミックは身を引きニューヨークを去ろうとする。
しかし、そんなミックを諦めきれないスーは、彼の後を追う・・・。
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コメディ映画の枠を超えた、野性味や素朴さ、飾り気のないポール・ホーガンのキャラクターが見事に生かされている作品。
人々を虜にする、主人公の魅力と活躍が心和ませる、人情味溢れる感動のドラマに仕上がっている。
第59回アカデミー賞では、脚本賞にノミネートされた。
田舎者が大都会ニューヨークで活躍すると言えば、クリント・イーストウッドの「マンハッタン無宿」(1968)や、それをモデルにしたデニス・ウィーバーのテレビドラマ「警部マクロード」(1970-1977)を思い出すが、二番、三番煎じどころか、ポール・ホーガンのとてつもなく奔放、痛快なキャラクターは世界中で大いに受けた。
スー役リンダ・コズラウスキーが後にポール・ホーガン夫人になってしまうところをみると、彼は実生活でも、ドラマの中のミックと同様、魅力的な人物なのだろう。
*二人は2014年に離婚。
この後に「ダイ・ハード」シリーズ(1・2)に出演して活躍する、リムジンの運転手役レジナルド・ベルジョンソンとミックの交流、芽生える友情物語もいい。
名作「渚にて」(1959)にも出演していた、ミックの相棒でユーモア溢れるジョン・メイロン、嫌味でキザな男マーク・ブラム、スーの父で新聞社社主マイケル・ロンバードなどが共演している。
大国アメリカをも圧倒する、オーストラリアの広大さが伝わってくるロケや、国民性やスケールの大きさが窺える演出も興味深い。
ミックとスーが結ばれる、地下鉄ホームのラストシーンの盛り上りは忘れ難い。
乗車を待つ雑踏の中、長身の2人の男がミックまで口伝えにスーの気持ちを伝える。
彼女の気持ちを受け止めたミックは、野生児らしく人々の頭伝いにスーの所へたどり着く。
劇場で初めて観た際、泣かせるラストに感激したことを思い出す。