かつてスターだった落ちぶれたカントリー・シンガーがある女性記者との出会いで人生を見つめ直す姿を描く、製作、監督、脚本スコット・クーパー、主演ジェフ・ブリッジス、マギー・ジレンホール、ロバート・デュヴァル、コリン・ファレル他共演のヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:スコット・クーパー
製作総指揮
ジェフ・ブリッジス
マイケル・A・シンプソン
エリック・ブレナー
レスリー・ベルツバーグ
製作
スコット・クーパー
ロバート・デュヴァル
ロブ・カーライナー
ジュディ・カイロ
T・ボーン・バーネット
原作:トーマス・コッブ
脚本:スコット・クーパー
撮影:バリー・マーコウィッツ
編集:ジョン・アクセルラッド
音楽
T・ボーン・バーネット
スティーヴン・ブルトン
ライアン・ビンガム:主題歌”The Weary Kind”
出演
オーティス“バッド”ブレイク:ジェフ・ブリッジス
ジーン・クラドック:マギー・ジレンホール
ウェイン・クラマー:ロバート・デュヴァル
トミー・スウィート:コリン・ファレル
ジャック・グリーン:ポール・ハーマン
ビル・ウィルソン:トム・バウアー
ウェスリー・バーンズ:リック・ダイアル
ラルフィー:ライル・アダムソン
バディ・クラドック:ジャック・ネイション
ベア:J・マイケル・オリヴァ
トニー:ライアン・ビンガム
アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
2009年製作 111分
公開
北米:2009年12月16日
日本:2010年6月12日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $39,462,440
世界 $47,405,570
■ アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ジェフ・ブリッジス)
主題歌賞 ”The Weary Kind”
・ノミネート
助演女優賞(マギー・ジレンホール)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
コロラド州、プエブロ。
伝説のカントリー・ミュージック・シンガーのオーティス“バッド”ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は、57歳になった今では孤独な巡業生活を送っていた。
アルコール依存症のブレイクは、酒が手放せない自堕落な自分に哀れさを感じながら、その日のステージに向かう。
ボウリング場のステージで、バックバンドのトニー(ライアン・ビンガム)と共に歌い始めたブレイクは、かつての彼の栄光を知る客の前で、酔いながら何とかそれをこなす。
ニュー・メキシコ州、サンタフェ。 早速、ジーンの取材を受けたブレイクだったが、4度の結婚や弟子でスターのトミー・スウィート(コリン・ファレル)の話しを嫌い、ステージが控えているということで、早々にそれを打ち切る。 その夜のステージを終え、ブレイクは再びジーンの取材を受けて話は弾み、彼女も結婚に失敗して、バディ(ジャック・ネイション)という息子がいることなどを知る。 翌日、ブレイクは、マネージャーのジャック・グリーン(ポール・ハーマン)からの、トミーの前座の仕事の依頼に、プライドを捨てて、それを受けることにする。 その日の夜もブレイクはジーンを誘い、二人は愛し合い、翌朝、彼はフェニックスに向かう。 リハーサルを終え、トミーと会ったブレイクは、彼から曲を作ることを依頼されるが気乗りしなかった。 ブレイクは本番で、大観衆の前でトミーとのデュエットもこなし、無事にステージを終えてサンタフェに向かう。 その途中、居眠り運転をしたブレイクは、車を横転させてしまい病院に運ばれる。 足の骨折は完治しても、体の状態が悪いことを医師に指摘されたブレイクは、禁酒禁煙をするよう言われる。 迎えに来たジーンの家に、滞在することになったブレイクは、手持ち無沙汰から曲を作る気になる。 ジーンは離婚した痛手から、ブレイクが再び旅立つことを考え、悲しみに堪えられず涙する。 ブレイクは、そんなジーンを優しく抱き寄せ愛を確かめ合い、その後、満ち足りた日々を過ごす。 そんな時ブレイクは、4歳の時から会っていない28歳になる息子がいることをジーンに話す。 その後、トミーの依頼で作曲の契約が入ったブレイクは、数ヶ月の予定でヒューストンの自宅に向かう。 バーのオーナーで、旧友のウェイン・クラマー(ロバート・デュヴァル)に、ブレイクは、女性と付き合っていることを伝えて、その夜、息子に連絡を入れる。 ブレイクは、元妻が死亡したことを知り、息子に会いたいと伝えるが、身勝手すぎると言われ、それを断られてしまう。 それをジーンに伝えたブレイクは、休暇の取れた彼女と息子バディがヒューストンを訪れることになり、二人を歓迎する。 しかしブレイクは、バディを連れて街に出た際、バーで酒を飲んでいる間に、バディが行方不明になってしまう。 ブレイクはバディを必死に捜すが、息子の前では酒を飲まない約束を破ったことで、現れたジーンは激怒する。 バディは無事に見つかるが、ジーンはブレイクを許すことなく、彼の元を去っていく。 禁酒を決意したブレイクは、ウェインの紹介で”アルコホーリクス・アノニマス”に参加する。 プログラムを終えたブレイクは、経験者であるウェインに出迎えられ、彼の店で歌うことになる。 その後、ブレイクはジーンを訪ねるが許しを得られず、彼は乱れていた生活を一新しようとする。 1年4ヶ月後。 そのコンサート会場に取材に来ていたジーンは、ブレイクに声をかける。 ブレイクはジーンが結婚したことを知り、その場に来ているというバディに会うべきかを迷う。 ジーンとバディのお陰で、作曲が出来たと考えるブレイクは、バディが18歳になったら渡してくれと言って、新曲の契約金の小切手を渡そうとする。 ジーンはそれを断るが、ブレイクの気持ちを理解して小切手を受け取る。 そして、今では風格も備わった、ブレイクの成功を喜ぶジーンは、彼にインタビューを申し込む。
あるバーで、ピアニストのウェスリー・バーンズ(リック・ダイアル)に会ったブレイクは、彼から、姪である地元紙の記者ジーン・クラドック(マギー・ジレンホール)の取材を受けるようにと頼まれる。
...全てを見る(結末あり)
ブレイクの曲はトミーにより歌われて、心に残る名曲だと言ってマネージャーのジャックは絶賛し、彼の順調な仕事振りを喜ぶ。
*(簡略ストー リー)
伝説のカントリー・ミュージック・シンガー、オーティス“バッド”ブレイクは、今では酒に溺れ、各地の場末のバーを回る落ちぶれた生活を送っていた。
ある日、サンタフェの地元紙記者ジーンの取材を受けることになったブレイクは、彼女に心を寄せ愛し合うようになる。
ジーンは離婚を経験していて、4歳の息子バディと暮らしていたのだが、ブレイクが旅立ってしまうことを恐れ、深入りを避けようとする。
そんな時、ブレイクが育てたスター歌手トミーの前座を彼が務めることになる。
ブレイクは、プライドを捨ててその仕事を受けるが、事故を起こして足を骨折してしまい、ジーンの家で世話になる。
ブレイクとジーンは、愛を確かめ合い満ち足りた日々を過ごす中、彼にトミーの依頼で大きな作曲の契約が入る。
ブレイクは作曲のためにヒューストンの自宅に向かい、休暇で訪れたジーンとバディを歓迎するのだが・・・。
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日本では想像もつかないほど、アメリカでは文化として根付き愛され続けているカントリー・ミュージックの世界、その頂点を極めた男の落ちぶれた侘しさや、愛する者に尽くす心を教えられる作品。
俳優、脚本家としても活躍するスコット・クーパーの、しっとりとした映像表現と繊細な人間描写も見ものだ。
下手に感動を煽らない爽快な雰囲気で終わるラストも素晴らしい。
第82回アカデミー賞では、40年のキャリアを持つベテランのジェフ・ブリッジスが、5度目のノミネートでついに主演男優賞を、またT・ボーン・バーネットとライアン・ビンガムが主題歌賞”The Weary Kind”を受賞した。
・ノミネート
助演女優賞(マギー・ジレンホール)
元々、演技派であるジェフ・ブリッジスが、自身の声で数々のパフォーマンスを見せてくれるのも注目で、彼の一世一代の名演は各方面で高く評価され絶賛された。
ジェフ・ブリッジスとは親子の年の差があるのだが、自堕落な彼と妙にバランスが取れているマギー・ジレンホールも、傷ついた心のままで愛に迷う女性を見事に演じている。
主人公の親友役ロバート・デュヴァル、主人公が育て、そして師匠に恩を返すトップ歌手コリン・ファレル、マネージャーのポール・ハーマン、主人公のかつての活躍を知る役のファンのトム・バウアー、ジーン(M・ジレンホール)の伯父で、ピアニスト役のリック・ダイアル、ジーンの息子ジャック・ネイション、音楽担当ライアン・ビンガムがバック・バンドのメンバーで登場する。