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クレイジー・ハート Crazy Heart (2009)

かつてスターだった落ちぶれたカントリー・シンガーがある女性記者との出会いで人生を見つめ直す姿を描く、製作、監督、脚本スコット・クーパー、主演ジェフ・ブリッジスマギー・ジレンホールロバート・デュヴァルコリン・ファレル他共演のヒューマン・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■
監督:スコット・クーパー

製作総指揮
ジェフ・ブリッジス

マイケル・A・シンプソン
エリック・ブレナー
レスリー・ベルツバーグ

製作
スコット・クーパー

ロバート・デュヴァル
ロブ・カーライナー
ジュディ・カイロ
T・ボーン・バーネット

原作:トーマス・コッブ
脚本:スコット・クーパー
撮影:バリー・マーコウィッツ
編集:ジョン・アクセルラッド
音楽
T・ボーン・バーネット

スティーヴン・ブルトン
ライアン・ビンガム:主題歌”The Weary Kind

出演
オーティス“バッド”ブレイク:ジェフ・ブリッジス
ジーン・クラドック:マギー・ジレンホール
ウェイン・クラマー:ロバート・デュヴァル
トミー・スウィート:コリン・ファレル
ジャック・グリーン:ポール・ハーマン
ビル・ウィルソン:トム・バウアー
ウェスリー・バーンズ:リック・ダイアル
ラルフィー:ライル・アダムソン
バディ・クラドック:ジャック・ネイション
ベア:J・マイケル・オリヴァ
トニー:ライアン・ビンガム

アメリカ 映画
配給 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ

2009年製作 111分
公開
北米:2009年12月16日
日本:2010年6月12日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $39,462,440
世界 $47,405,570


アカデミー賞 ■
第82回アカデミー賞

・受賞
主演男優(ジェフ・ブリッジス
主題歌賞 ”The Weary Kind
・ノミネート
助演女優賞(マギー・ジレンホール


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
コロラド州、プエブロ
伝説のカントリー・ミュージック・シンガーのオーティス“バッド”ブレイク(ジェフ・ブリッジス)は、57歳になった今では孤独な巡業生活を送っていた。

アルコール依存症のブレイクは、酒が手放せない自堕落な自分に哀れさを感じながら、その日のステージに向かう。

ボウリング場のステージで、バックバンドのトニー(ライアン・ビンガム)と共に歌い始めたブレイクは、かつての彼の栄光を知る客の前で、酔いながら何とかそれをこなす。

ニュー・メキシコ州、サンタフェ
あるバーで、ピアニストのウェスリー・バーンズ(リック・ダイアル)に会ったブレイクは、彼から、姪である地元紙の記者ジーン・クラドック(マギー・ジレンホール)の取材を受けるようにと頼まれる。

...全てを見る(結末あり)

早速、ジーンの取材を受けたブレイクだったが、4度の結婚や弟子でスターのトミー・スウィート(コリン・ファレル)の話しを嫌い、ステージが控えているということで、早々にそれを打ち切る。

その夜のステージを終え、ブレイクは再びジーンの取材を受けて話は弾み、彼女も結婚に失敗して、バディ(ジャック・ネイション)という息子がいることなどを知る。

翌日、ブレイクは、マネージャーのジャック・グリーン(ポール・ハーマン)からの、トミーの前座の仕事の依頼に、プライドを捨てて、それを受けることにする。

その日の夜もブレイクはジーンを誘い、二人は愛し合い、翌朝、彼はフェニックスに向かう。

リハーサルを終え、トミーと会ったブレイクは、彼から曲を作ることを依頼されるが気乗りしなかった。

ブレイクは本番で、大観衆の前でトミーとのデュエットもこなし、無事にステージを終えてサンタフェに向かう。

その途中、居眠り運転をしたブレイクは、車を横転させてしまい病院に運ばれる。

足の骨折は完治しても、体の状態が悪いことを医師に指摘されたブレイクは、禁酒禁煙をするよう言われる。

迎えに来たジーンの家に、滞在することになったブレイクは、手持ち無沙汰から曲を作る気になる。

ジーンは離婚した痛手から、ブレイクが再び旅立つことを考え、悲しみに堪えられず涙する。

ブレイクは、そんなジーンを優しく抱き寄せ愛を確かめ合い、その後、満ち足りた日々を過ごす。

そんな時ブレイクは、4歳の時から会っていない28歳になる息子がいることをジーンに話す。

その後、トミーの依頼で作曲の契約が入ったブレイクは、数ヶ月の予定でヒューストンの自宅に向かう。

バーのオーナーで、旧友のウェイン・クラマー(ロバート・デュヴァル)に、ブレイクは、女性と付き合っていることを伝えて、その夜、息子に連絡を入れる。

ブレイクは、元妻が死亡したことを知り、息子に会いたいと伝えるが、身勝手すぎると言われ、それを断られてしまう。

それをジーンに伝えたブレイクは、休暇の取れた彼女と息子バディがヒューストンを訪れることになり、二人を歓迎する。

しかしブレイクは、バディを連れて街に出た際、バーで酒を飲んでいる間に、バディが行方不明になってしまう。

ブレイクはバディを必死に捜すが、息子の前では酒を飲まない約束を破ったことで、現れたジーンは激怒する。

バディは無事に見つかるが、ジーンはブレイクを許すことなく、彼の元を去っていく。

禁酒を決意したブレイクは、ウェインの紹介で”アルコホーリクス・アノニマス”に参加する。

プログラムを終えたブレイクは、経験者であるウェインに出迎えられ、彼の店で歌うことになる。

その後、ブレイクはジーンを訪ねるが許しを得られず、彼は乱れていた生活を一新しようとする。

1年4ヶ月後。
ブレイクの曲はトミーにより歌われて、心に残る名曲だと言ってマネージャーのジャックは絶賛し、彼の順調な仕事振りを喜ぶ。

そのコンサート会場に取材に来ていたジーンは、ブレイクに声をかける。

ブレイクはジーンが結婚したことを知り、その場に来ているというバディに会うべきかを迷う。

ジーンとバディのお陰で、作曲が出来たと考えるブレイクは、バディが18歳になったら渡してくれと言って、新曲の契約金の小切手を渡そうとする。

ジーンはそれを断るが、ブレイクの気持ちを理解して小切手を受け取る。

そして、今では風格も備わった、ブレイクの成功を喜ぶジーンは、彼にインタビューを申し込む。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
伝説のカントリー・ミュージック・シンガー、オーティス“バッド”ブレイクは、今では酒に溺れ、各地の場末のバーを回る落ちぶれた生活を送っていた。
ある日、サンタフェの地元紙記者ジーンの取材を受けることになったブレイクは、彼女に心を寄せ愛し合うようになる。
ジーンは離婚を経験していて、4歳の息子バディと暮らしていたのだが、ブレイクが旅立ってしまうことを恐れ、深入りを避けようとする。
そんな時、ブレイクが育てたスター歌手トミーの前座を彼が務めることになる。
ブレイクは、プライドを捨ててその仕事を受けるが、事故を起こして足を骨折してしまい、ジーンの家で世話になる。
ブレイクとジーンは、愛を確かめ合い満ち足りた日々を過ごす中、彼にトミーの依頼で大きな作曲の契約が入る。
ブレイクは作曲のためにヒューストンの自宅に向かい、休暇で訪れたジーンとバディを歓迎するのだが・・・。
__________

日本では想像もつかないほど、アメリカでは文化として根付き愛され続けているカントリー・ミュージックの世界、その頂点を極めた男の落ちぶれた侘しさや、愛する者に尽くす心を教えられる作品。

俳優、脚本家としても活躍するスコット・クーパーの、しっとりとした映像表現と繊細な人間描写も見ものだ。

下手に感動を煽らない爽快な雰囲気で終わるラストも素晴らしい。

第82回アカデミー賞では、40年のキャリアを持つベテランのジェフ・ブリッジスが、5度目のノミネートでついに主演男優賞を、またT・ボーン・バーネットライアン・ビンガムが主題歌賞”The Weary Kind”を受賞した。
・ノミネート
助演女優賞(マギー・ジレンホール)

元々、演技派であるジェフ・ブリッジスが、自身の声で数々のパフォーマンスを見せてくれるのも注目で、彼の一世一代の名演は各方面で高く評価され絶賛された。

ジェフ・ブリッジスとは親子の年の差があるのだが、自堕落な彼と妙にバランスが取れているマギー・ジレンホールも、傷ついた心のままで愛に迷う女性を見事に演じている。

主人公の親友役ロバート・デュヴァル、主人公が育て、そして師匠に恩を返すトップ歌手コリン・ファレル、マネージャーのポール・ハーマン、主人公のかつての活躍を知る役のファンのトム・バウアー、ジーン(M・ジレンホール)の伯父で、ピアニスト役のリック・ダイアル、ジーンの息子ジャック・ネイション、音楽担当ライアン・ビンガムがバック・バンドのメンバーで登場する。


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