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カバーガール Cover Girl (1944)

ファッション誌のカバーガールとして脚光を浴びたがナイトクラブのコーラス・ガールの恋を描く、監督チャールズ・ヴィダー、主演リタ・ヘイワースジーン・ケリーフィル・シルヴァース他共演によるミュージカル仕立てのラブ・ロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ミュージカル)

ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・ヴィダー

製作:アーサー・シュワルツ
原案:アーウィン・ゲルシー
脚本
ヴァージニア・ヴァン・アップ

マリオン・パーソネット
ポール・ガンジェリン
撮影
ルドルフ・マテ

アレン・M・デーヴィ
編集:ヴィオラ・ローレンス
美術・装置
ライオネル・バンクス

キャリー・オデル
フェイ・バブコック
音楽
モリス・ストロフ

カーメン・ドラゴン
作詞:アイラ・ガーシュウィン
作曲:ジェローム・カーン

出演
ラスティ・パーカー/マリベル・ヒックス:リタ・ヘイワース

ダニー・マグワイアー:ジーン・ケリー
ジーニアス:フィル・シルヴァース
ジョン・クデール:オットー・クルーガー
ノエル・ウィートン:リー・ボウマン
コーネリア”ストーンウォール”ジャクソン:イヴ・アーデン
モーリン:レスリー・ブルックス
ジョン・クデール(青年期):ジェス・バーカー
ジョー:エドワード・ブロフィー
コーラス・ガール:シェリー・ウィンタース

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1944年製作 107分
公開
北米:1944年3月30日
日本:1977年10月


アカデミー賞 ■
第17回アカデミー賞

・受賞
音楽賞(ミュージカル)
・ノミネート
撮影・美術・録音・歌曲賞”Long Ago and Far Away”


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨークブルックリン
ナイトクラブのコーラス・ガール、ラスティ・パーカー(リタ・ヘイワース)は、舞台を仕切る恋人のダニー・マグワイア(ジーン・ケリー)から厳しい指導を受ける。

そんなラスティは、同僚のモーリン(レスリー・ブルックス)から、雑誌”ヴァニティ”のカバーガール応募の話を聞き、早速、審査会場に向かう。

会場で先に呼ばれたモーリンは、審査担当コーネリア・ジャクソン(イヴ・アーデン)に、まずまずの評価を受けたため、ラスティが採用されないように”助言”して彼女を審査に向かわせる。

ラスティは、モーリンに言われた通り、おどけた雰囲気で審査を受けるが、見事に不採用になってしまう。

雑誌発行人のジョン・クデール(オットー・クルーガー)は、注目されたモーリンを確かめにナイトクラブに向かう。

その夜、店に現れたラスティは、ダニーに成功への近道を歩みたくなったことを告げるのだが、地道な努力が大切だとダニーに言われて励まされる。
...全てを見る(結末あり)

ショーが始り、客席のクデールは、陽気なボードヴィリアン、ジーニアス(フィル・シルヴァース)のステージに登場した、赤毛のラスティが一目で気に入ってしまう。

クデールは、ラスティに瓜二つの歌姫マリベル・ヒックス(リタ・ヘイワース)に心奪われた40年前のことを思い起こす。
__________

クデール(ジェス・バーカー)は、ステージが終わったばかりの、婚約者のいるマリベルを強引に誘い、母親の元に連れて行く。
__________

ラスティ、ダニー、ジーニアスは舞台が終わり、アパートに帰宅するが、ラスティにクデールから呼び出しの電報が届いていた。

ラスティはそれに期待をかけるが、3人が離れ離れになることを心配したジーニアスが、その電報を破ってしまう。

ダニーが、大人である彼女の意見を尊重しようとしたため、ジーニアスが破いた電報を拾いにいこうとするが、既にラスティがそれを拾っていた。

翌日、ラスティと面会したクデールは、彼女がマリベルの孫だということを知る。

クデールは、早速ラスティをカバーガールとして採用し、彼女が”ヴァニティ”の表紙を飾る。

それを見たモーリンは嫌味を言い、ジーニアスはそれがダニーにばれないよう気を使う。

しかし、それがダニーに知られてしまい、彼はショックを受けるが、ラスティは、ダンサーとしての今の生活を選ぶことをダニーに告げる。

その直後、ラスティはマスコミで話題の的となり、ダニーの店に彼女を見ようと客が殺到する。

クデールは、ブロードウェイのプロデューサーであるノエル・ホイートン(リー・ボウマン)とコーネリアを伴い、ダニーの店に向かう。

ホイートンは、ラスティの、ダンサーとしての才能も高く評価し、彼女を自分の劇場に引き抜こうとする。

ラスティが、遠くの存在になりかけていることが辛いダニーだったが、ラスティは優しく彼に寄りそう。

ダニーの店は、ラスティ効果で取材攻勢となり、ホイートンから花束の山が届く。

しかし、ホイートンの思惑は外れ、ラスティの心を動かせないでいた。

そこでクデールは、”ヴァニティ”創刊50周年パーティーにラスティを呼ぶことを考え、彼女もそれが断れなくなってしまう。

ラスティを迎えに来るよう言われたダニーは、クデールの屋敷に向かうが、彼女が、ホイートンと行動していることを知らされる。

ホイートンは、ラスティを自分の劇場に連れて行く考えで、クデールはダニーに、彼女には優雅な暮らしをさせるべきだと説得する。

そして、クデールはダニーに、かつて自分がラスティの祖母を愛していたことを語り始める。
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クデールは、マリベルを母親に紹介するが、彼女は一目で、マリベルが上流階級には相応しくないと判断してしまう。

憤慨したマリベルは、そんな仕打ちを受けた自分を、舞台で皮肉を込めて演じてしまう。

それに対しクデールは、財力でマリベルの愛を手に入れようとする。
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クデールはダニーに昔話を語たり、40年前の思い出に浸っていることを理解してもらおうとする。

ダニーの店とは比較にならない大きさの、ホイートンの劇場に案内されたラスティは、自分が主役を演じていることを思い描きながら、ステージで踊り始める。

ラスティを失いたくない自分と、彼女を自由にして、成功を掴ませるべきだという自分が、ダニーの心の中で葛藤を始める。

翌日ダニーは、遅刻してリハーサルに現れたラスティを突き放し、彼女はホイートンの元に向かってしまう。

そしてラスティは、ホイートン劇場の巨大なステージで華麗に舞い、舞台は大成功する。

ラスティはホイートンに求婚されるが、ダニーに未練のある彼女は即答を避ける。

ダニーの店に向かったラスティは、彼が店を閉めてしまい、ジーニアスと軍の慰問をしていることを知る。

クデールとホイートンは、馴染みのジョー(エドワード・ブロフィー)の店で酔、い愚痴をこぼすラスティを見つける。

ホイートンと結婚すると言い出すラスティを見て、クデールは、明らかに彼女が自分を見失っていることを見抜く。

軍の慰問から戻ったダニーとジーニアスは、ジョーの店でラスティが結婚することを聞く。

かつて3人は、生がきから幸運の真珠が出るのを祈りつつジョーの店に通ったのだが、ダニーがついにその真珠を手に入れる。

ジーニアスは、それを持ってクデールの屋敷に向かい、ラスティが待ち望んでいた真珠をクデールに見せる。

クデールは、ラスティが、このままでは幸せがつかめないと言う、コーネリアに後押しされて心を決める。

ラスティとホイートンの結婚式で、彼女の付添い人を任されたクデールは、ラスティに真珠を渡し、ダニーがそれを見つけたことを告げる。

クデールはラスティの祖母マリベルが、自分との結婚を決めたにも拘らず、元婚約者のピアニストのことが忘れられずに、式を逃げ出したことを告げる。

それを知ったラスティは、祖母と同じ道を選び、愛するダニーの元に向かう。

そして、ラスティはジョーの店で自分を思うダニーを見つけて固く抱き合い、ジーニアスと共に3人で喜びを分かち合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ナイトクラブのコーラス・ガール、ラスティ・パーカーは、ファッション誌”ヴァニティ”のカバーガールに応募する。
ラスティを一目見て気に入った雑誌発行人のクデールは、かつての思い出が甦る。
クデールは、ラスティに瓜二つの歌姫マリベルに、心奪われた40年前の時ことを思い起こしたのだった。
そんなクデールは、ラスティがマリベルの孫だということを知る。
クデールは、早速ラスティをカバーガールとして採用し、彼女は”ヴァニティ”の表紙を飾る。
ラスティは、一躍、世間の注目を浴びるようになり、自分の成功を祈るものの、別れを躊躇する恋人ダニーの気持ちを察し・・・。
__________

2年後「ギルダ」(1946)でもリタ・ヘイワースとコンビを組むチャールズ・ヴィダーが、総天然色カラーの映像を生かし、女性の外見的な美しさを極限まで表現した、ハイセンスな作品ではあるが、結局はスターの道を捨てて物欲でなく地道に生きる恋人を選ぶという、人間味や人情も描いている。

第17回アカデミー賞では、音楽賞(ミュージカル)を受賞した。
・ノミネート
撮影・美術・録音
歌曲賞
”Long Ago and Far Away”

作詞アイラ・ガーシュウィンと作曲ジェローム・カーンの、ミュージカル・ナンバーの数々は素晴らしい。

1944年、第二次大戦下の北米公開を考えると日本では公開されるはずもなく、1977年10月に日本公開された。

オープニングでは、それほど目立たないリタ・ヘイワースが、”カバーガール”に選ばれようとするあたりから、突然、オーラを感じさせる雰囲気を漂わせるような演出は見事で、美女が勢揃いする作品の中で、完璧さを超越した、彼女の際立つ美しさはたを圧倒し、全盛期の魅力を堪能できる貴重な作品でもある。

デビューしたばかりの、注目のジーン・ケリーは、初々しくもダンサーとしての貫禄は十分で、華麗なステップを見せてくれる。
本作はコロンビア・ピクチャーズの作品だが、彼はこの後、MGMを支える大スターに成長していく。

ドラマチックでもあるラブ・ロマンスに、アクセントを与えるコメディアン、陽気なボードヴィリアンフィル・シルヴァース、かつての思い出に浸る雑誌社社主オットー・クルーガー、口うるさいその補佐ながら、クライマックスで爽やかな人情味を見せるイヴ・アーデンブロードウェイのプロデューサーのリー・ボウマン、主人公の同僚レスリー・ブルックス、雑誌社社主の青年期を演ずるジェス・バーカー、主人公らの馴染みの酒場主人エドワード・ブロフィー、そして、若き日のシェリー・ウィンタース(23歳)が、コーラス・ガールのメンバーとして端役出演している。


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