1960年に発表された、イギリスの作家アラン・シリトーの小説”The General”の映画化。 共に芸術を愛する世界的な音楽家と敵国司令官が戦時下で互いのプライドをぶつけ合いながら友情が生まれる・・・。 監督は社会派のラルフ・ネルソン、主演チャールトン・ヘストン、マクシミリアン・シェル、レスリー・ニールセン他共演による第二次大戦を舞台にした異色の戦争映画。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ラルフ・ネルソン
製作:リチャード・バーグ
原作:アラン・シリトー”The General”
脚本
ジェームズ・リー
ジョエル・オリアンスキー
撮影:ラッセル・メティ
編集:ハワード・G・エプスタイン
音楽:ブロニスラウ・ケイパー
出演
チャールトン・ヘストン:ライオネル・エヴァンス
マクシミリアン・シェル:シラー将軍
キャスリン・ヘイズ:アナベラ・ライス
レスリー・ニールセン:ヴィクター・ライス
アントン・ディフリング:アーント大佐
リンデン・チャイルズ:ロング中尉
ピーター・マスターソン:キャロウェイ軍曹
カート・ローウェンス:クリンガーマン大尉
ネヴァ・パターソン:ドロシー
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1968年製作 107分
公開
北米:1968年3月13日
日本:1968年1月
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1944年12月、第二次大戦末期のベルギー。
世界的なアメリカ人指揮者ライオネル・エヴァンス(チャールトン・ヘストン)は、オーケストラを引き連れて戦火の地を慰問していた。
ある日、演奏中にドイツ軍の攻撃が始まり、エヴァンスと楽団はバスに乗り退避する。
アメリカ兵に扮したドイツ兵に誘導された一行のバスは、途中、攻撃に遭い団員は捕虜として連行される。
古城の機甲師団本部に到着した団員は、非情なアーント大佐(アントン・ディフリング)から銃殺命令を受けるのだが、エヴァンスは非戦闘員への愚劣な行為に抵抗する。
それを見ていた師団司令官シラー将軍(マクシミリアン・シェル)は、著名な指揮者エヴァンスに気づき、彼を呼び寄せる。 シラーはエヴァンスに対し無礼を謝罪し、団員の解放を訴える彼に、燃料不足で攻勢に出られない兵士の気を紛らすためにコンサート開催を依頼する。 しかしエヴァンスは、自分の才能の安売りと敵軍のための演奏を断り、地下室に団員と共に監禁されてしまう。 アーントは、シラーがコンサートを催そうとしていることに反発し、ベルリンに報告を入れる。 主席奏者のヴィクター・ライス(レスリー・ニールセン)は、バスの下に、アメリカ兵ロング中尉(リンデン・チャイルズ)とキャロウェイ軍曹(ピーター・マスターソン)が潜んでいたことをエヴァンスに知らせる。 エヴァンスは、団員が危険にさらされることを恐れ、彼らを音楽協会から派遣された交代員だということにする。 シラーは、団員達にコンサートを開くことを要請るが、エヴァンスは断固それに反対する。 しかし、演奏で暖かい食事を得られるという団員の気持ちも察し、彼らの演奏は許可するが、エヴァンスは自分だけはそれを拒否する。 その頃、シラーはアーントの密告を知り、地下室で練習を始めた団員の演奏を聴き、コンサート開催を急がせる。 それと同時にシラーは、指揮者がエヴァンスでなければ、全員が無用になることを彼に伝える。 エヴァンスと、かつて恋仲だったヴィクターの妻アナヴェラ(キャスリン・ヘイズ)の説得も聞き入れられず、我慢の限界を感じた団員の一人が、強引にシラーに会おうとして射殺されてしまう。 やがて、エヴァンスは演奏の練習をしていると見せかけて、兵士を脱走させることを考える。 不審な動きを察したアーントは、団員の中のトロンボーン奏者(ロング中尉)を疑い、演奏するよう命ずる。 エヴァンスの機転で団員が騒ぎだすが、アーントは銃で威嚇し、ロングにトロンボーンを吹かせる。 ロングは、咄嗟に”アメリカ国家”を演奏して難を逃れる。 アーントはコンサート開催を断固反対するが、シラーに、その後の団員の処分を任されて納得する。 救援物資でロープを作り、いよいよロングとキャロウェイが脱走する日がやってくる。 アナヴェラがシラーの気をそらし、エヴァンスの力強い指揮で団員が演奏を続ける中、二人の兵士は、予定通り脱出しようとしていたが、シラーはそれを見抜いていた。 ロングはアーントに射殺され、キャロウェイはトラックの下にもぐりこみ脱出するものの、仲間の中に密告者がいたことが分かる。 やがて燃料が到着し、シラーは機甲師団の出撃準備を始め、出発後の捕虜の処分はアーントに任せる。 キャロウェイが、地雷を踏んで死亡したことがわかるが、パルチザンの総攻撃があることを知ったエヴァンスは、シラーに、コンサート開催の交換条件に団員の解放を求める。 シラーはそれを承諾し、その日の出撃前にコンサートが開かれることになる。 シラーと副官クリンガーマン大尉(カート・ローウェンス)のみに聴かせるコンサートは、エヴァンス指揮の演奏で始まり、師団本部外部ではパルチザンの破壊活動が開始される。 シラーは演奏終了前に席を立ち、後をアーントに任せて本部を立ち去る。 アーントは、中庭に掘られた墓穴の前に、演奏を終えた団員を並ばせ、銃殺隊に銃を構えさせる。 しかし、そこにパルチザンの部隊が現れ、ドイツ軍と銃撃戦が始まる。 団員を、バスで脱出させようとしたエヴァンスは独り残り、アーントが彼を追い詰める。 その後、パルチザンの攻撃を知ったシラーは本部に戻り、エヴァンスに銃口を向けていたアーントを射殺し、さらに銃声を響かせる。 シラーは、エヴァンスを射殺したことを副官クリンガーマンに伝える。 そして、シラーはエヴァンスを解放して、前線へと向かう。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
1944年12月。
第二次大戦末期のベルギー、オーケストラを率いて慰問演奏を続ける、世界的な指揮者ライオネル・エヴァンスらは、ドイツ軍に、捕虜として捕らえられてしまう。
団員の銃殺命令に対し、エヴァンスは非戦闘員への愚劣な行為に抵抗する。
師団司令官シラー将軍は、著名な指揮者であるエヴァンスに気づき、彼に無礼を謝罪する。
シラーは、団員の解放を求めるエヴァンスに、兵士の気を紛らすためにコンサート開催を依頼する。
しかし、エヴァンスはそれを断ったた、地下室に団員と共に監禁されてしまう。
移動用のバスに、2人のアメリカ兵が潜んでいたことを知ったエヴァンスは、彼らを団員に見せかけて、脱走させようとするのだが・・・。
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悲惨な戦争の空虚さなどより、邦題の通り”誇り高き”男達の、武器を使わない激しい激突が見所の作品。
やや指揮者という役柄が似合わない感じもするチャールトン・ヘストンだが、その指導力と勇気ある行動は、彼の個性を十分に生かしている。
世界的な指揮者役のヘストンだが、手にした機関銃の方が似合ってしまうところなどが、いかにも彼らしい。
ヘストンを上回る迫力と威厳を見せる敵軍司令官マクシミリアン・シェルも、30代後半とは思えない重厚な演技を見せてくれる。
芸術を愛する2人が見せる、ラストの友情と美談は、痛快ささえ感じる。
団員で主人公の元恋人キャスリン・ヘイズ、その夫レスリー・ニールセン、この頃の戦争映画で、ドイツ兵として欠かせない存在であアントン・ディフリング、団員に紛れ込む兵士リンデン・チャイルズとピーター・マスターソン、シラー(M・シェル)の副官カート・ローウェンスなどが共演している。