悪や権力と癒着するマンハッタンの対岸の警官の町”コップランド”を舞台に、心に傷を持つ保安官が不正と立ち向かう姿を描く、監督、脚本ジェームズ・マンゴールド、主演シルヴェスター・スタローン、ハーヴェイ・カイテル、レイ・リオッタ、ロバート・デ・ニーロ、ロバート・パトリック、アナベラ・シオラ共演のドラマ。 |
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・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・マンゴールド
製作総指揮
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
メリル・ポスター
製作
ケアリー・ウッズ
キャシー・コンラッド
エズラ・スワードロウ
脚本:ジェームズ・マンゴールド
撮影:エリック・アラン・エドワーズ
編集:クレイグ・マッケイ
音楽:ハワード・ショア
出演
フレディ・ヘフリン保安官:シルヴェスター・スタローン
レイ・ドンラン警部補:ハーヴェイ・カイテル
ゲリー・フィッグス刑事:レイ・リオッタ
モー・ティルデン警部補:ロバート・デ・ニーロ
ジャック・ラッカー刑事:ロバート・パトリック
リズ・ランドーン:アナベラ・シオラ
シンディ・ベッツ保安官補:ジャニー・ギャロファロー
レオ・クラスキー:ジョン・スペンサー
マレー・バビッチ巡査:マイケル・ラパポート
ジョーイ・ランドーン巡査:ピーター・バーグ
ローズ・ドンラン:キャッシー・モリアティー
ビル・ゲイスラー保安官補:ノア・エメリッヒ
カーソン刑事:マーク・ヨバ
ヴィンセント・ラサーロ:フランク・ヴィンセント
アメリカ 映画
配給 ミラマックス
1997年製作 104分
公開
北米:1997年8月15日
日本:1998年2月28日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $44,886,090
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨークのマンハッタンを対岸に臨む町ギャリソンは、”コップランド”と呼ばれる、住民のほとんどがニューヨーク市警(NYPD)関連の人々の住む町だった。
保安官フレディ・ヘフリン(シルヴェスター・スタローン)は、憧れのNYPDに入れず、片耳が聞こえない、どこか暗い影を持つ男だった。
ある夜、NYPDのマレー・バビッチ(マイケル・ラパポート)が、マンハッタンから帰宅途中、強引に車をぶつけられて、相手を事故死させてしまう事件が起きる。
バビッチの伯父である、この町を築いた男レイ・ドンラン(ハーヴェイ・カイテル)は、同僚のレオ・クラスキー(ジョン・スペンサー)やジャック・ラッカー(ロバート・パトリック)らと、この事件を揉み消そうとする。
それに気づいた他の警官と揉めている隙に、バビッチは、事故現場のジョージ・ワシントン橋から身投げしてしまう。
しかし、実は身を隠していたバビッチを、レイがギャリソンに連れ帰る。
かねてから、ギャリソンの警官とマフィアのつながりに目をつけていた、内務調査局のモー・ティルデン(ロバート・デ・ニーロ)は、現地入りしてフレディに名刺を渡す。 フレディは、かつて、川に車ごと転落したリズ・ランドーン(アナベラ・シオラ)を救出した際、片耳を負傷してしまったのだ。 リズは警官のジョーイ(ピーター・バーグ)と結婚したのだが、彼は、レイの妻ローズ(キャッシー・モリアティー)と関係していた。 フレディの唯一人の友で、囮捜査官ゲリー・フィッグス(レイ・リオッタ)は、押収していた麻薬をくすねていたのだが、ティルデンが現れたことで、警戒するようレイから忠告される。 そのことで、フィッグスはジャックと揉め事を起こし、自分にだけ釘を刺そうとするレイにも憤慨する。 その日の深夜、フィッグスの家から出火し、恋人が焼死してしまい、彼はそれをレイの仕業だと思いこむ。 翌日、バビッチの葬儀が行われ、その後、保安官事務所にティルデンとカーソン刑事(マーク・ヨバ)が現れ、レイが麻薬取引に関与している証拠写真などを見せられる。 レイとは、警察学校の同期だったというティルデンは、バビッチの棺おけには、制服しか入っていなかったとを知っていたため、その件を調査することをフレディに伝える。 その夜、ジョーイの浮気で争いが絶えないリズが、フレディの家に現れる。 フレディは、自分のリズに対する思いを彼女に伝えるが、二人はそれ以上の関係になることを避ける。 レイは、マフィアや、それに関係する警官弁護協会の圧力で、甥のバビッチを殺さねばならなくなる。 しかし、バビッチは、伯母ローズにそれを知らされて逃亡する。 その後、マフィアなどの裏工作で、内部調査が打ち切られ、フレディの協力も得られないまま、ティルデンは憤慨しながら捜査を終了する。 そんな時、レイにとって邪魔な存在となったジョーイも、彼に見捨てられて、犯人追跡中に死亡する。 行き場のなくなったバビッチは、フレディの家に現れるが、その場にいたフィッグスを見て再び逃亡する。 フィッグスから、レイの正体を知らされたフレディは、彼を内務調査局に連れて行こうとするが、相手にされない。 仕方なくフレディは、一人でティルデンの元を訪ねるが、既に捜査を終了していることを伝えられ、追い払われる。 フレディは、その場にあった、警官に関するギャリソンの不正資料の山を見て愕然とする。 資料を持ち帰り、町がマフィアに支配されていることを知ったフレディは、不正を立証しようとする。 保安官補シンディ・ベッツ(ジャニー・ギャロファロー)は、現状に嫌気が差して町を離れ、同じ保安官補のビル・ゲイスラー(ノア・エメリッヒ)も、警官全員が悪ではないと言って、フレディに協力的でない態度を取る。 リズにまで行動を責められ、レイの仲間にも脅されたフレディは、フィッグスの家の火事も、保険金目当ての自作自演だったことを知り、怒りを爆発させ、単独でバビッチを捜そうとする。 ローズの元に向かったフレディは、バビッチを守ることを約束し、給水塔に隠れていた彼を保護する。 翌日、内務調査局に向かおうとしたフレディは、ジャックらに襲われ、聞こえる耳に銃を当てられ発砲されて、バビッチも連れ去られてしまう。 フレディは、バビッチを救い出すためレイの家に向かい、応戦してきたジャックらを射殺する。 クラスキーの銃弾を受けてしまったフレディだったが、そこにフィッグスが駆けつけて援護し、レイも射殺される。 そして、フレディとフィッグスは、ティルデンの元にバビッチを連行する。 その後、フィッグスは司法取引で、レイとマフィア、そして警官弁護協会との癒着を証言する。 傷も癒え、対岸のマンハッタンを眺めるフレディの表情は、誇りを持った保安官の顔だった。
...全てを見る(結末あり)
レイがバビッチを逃がしたというティルデンに、できる限り捜査に協力しようとするフレディだったが、町を牛耳るレイに軽くあしらわれてしまう。
*(簡略ストー リー)
マフィアなどと癒着する、ニューヨーク市警の警官レイ・ドンランが築いた、”コップランド”と呼ばれる町があった。
警察官とその家族の町であるギャリソンの保安官フレディ・ヘフリンは、片耳が不自由だが、職務に忠実な男だった。
市警に入れなかったフレディは、警官達に引け目を感じながらの日々を過ごしていた。
ある日レイは、甥バビッチが犯した事故のもみ消すため、彼を自殺したように見せかける。
その事件がきっかけで、かねてから、マフィアとレイの癒着を捜査していた、内務調査局のティルデンがギャリソン入りする。
ティルデンは、フレディに協力を求めるのだが、彼は町を牛耳るレイの前に、なすすべもなかった・・・。
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悪徳警官自らが作った架空の町を舞台に、アメリカの社会問題でもある、犯罪組織や権力との癒着を鋭く描く、若きジェームズ・マンゴールド演出の問題作。
悩めるアメリカの実情が、架空とはいえ汚職警官の町の存在に、リアリティーを感じてしまうところが怖い。
50歳を過ぎたシルヴェスター・スタローンが体重を増やし、ニューヨーク市警に入りたくてもそれがかなわず、どことなく冴えない保安官役を好演している。
「ロッキー」(1976)の主人公を彷彿させるような人物像も好感が持てる。
賛否両論あるが、こういう演技ができるところが、単なるアクションスターではない彼の魅力だ。
悪徳警官を仕切る、ハーヴェイ・カイテルの貫禄、クライマックスで正義感が芽生え主人公を助ける警官で、熱演が光るレイ・リオッタ、今回はやや控えめな存在の、内務調査官役ロバート・デ・ニーロら、豪華競演も嬉しい。
主人公が思いを寄せる幸薄い女性アナベラ・シオラ、レイ(H・カイテル)の妻キャッシー・モリアティー、出番は少ないが、スタローンを見捨てる保安官補役ジャニー・ギャロファローも印象に残る。
汚職警官ロバート・パトリック、ジョン・スペンサー、マイケル・ラパポート、ピーター・バーグ、保安官補ノア・エメリッヒ、内務調査官マーク・ヨバ、警察弁護協会長フランク・ヴィンセントなどが共演している。